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期末テスト その3
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さて、本題に入ろう。本来の目的を忘れた訳では無い。彼女の中間テストをみて、中間テストを受けれなかった分の各教科の傾向と範囲を確認する計画を実行するか。
この時……この人にテストを見せてもらうことを考えた自分を後悔することとなるとは思ってもいなかった。
「まずは現代文から見せてもらってもいいかしら」
「もちろんだろ!」
意外にも丁寧にしっかりとファイリングされたテストを受け取って一瞬思考が止まった。
20点……だと!?
これはいわゆる赤点と呼ばれるものでは無いのか?
赤点って実際に存在することに驚きを隠せなくなってしまった。
さらに解答欄を見てさらに驚きを隠すことは不可能となってしまった。
例えばこの問題。
幻滅をひらがなで答えろという問題。
正解は『げんめつ』なのだが……賀川さんの回答は……
『セカイを滅ぼせ!ダークホールエンペルト』
いやいや……この人は問題を見ていないのか?
読み仮名を書けと言っているのに漢字を使ってる時点でアウトだ。
そして何よりカタカナだらけだ。
流石にこの訳の分からない回答には採点をした先生も困ったようではてなマークが赤い字で書かれていた。
この問題もそうだ。
現代文あるあるの長文を読んで回答に値する文字を当てはめる問題……なのだが。
『我が隠し続けていた封印されしき目を解放した時が来たようだな。我が封印されしき目は千里眼を持っている我が目、ダーク・レクルトモーションを使用すればこの問題など問題ではなくなるのだ』
と回答されていたが、そもそも関心の回答が書かれていない上に自分視点の回答となっている。長文読解の問題の回答ではまずありえない視点だ。
まさかこんな回答用紙だったとは……。
正直問題傾向は読めたがそれ以上に回答の方に目がいってしまい集中できるわけが無い。
きっと……現代文はたまたま苦手だったから少しでも穴を埋めようとしたのでしょう。きっとそうだ。
そう考えることにしたが正直に言うとそう自分に暗示をかけることしか今の自分には対応することが出来なかった。
とりあえず全部は目を通し、その教科の傾向は見えたので気持ちを切り替えて次の教科を見せてもらうことにしよう。
「次は数学を見せてもらえる?同じ問題を出すことはきっとないと思うけど先生の癖はやっぱり問題に現れるから」
え?98点!?
さっきの20点とは打って変わってなかなかの高得点。
壊滅的に現代文が出来なかっただけなのかと内心ほっとした。
彼女もそこそこに数学は強いらしくよく引っ掛かりがちな長文系の回答も完璧と言うほどに答えている。
むしろ残りの2点は一体どこで落としたのか気になるくらいだ。
赤チェックのついた所を見つけた時つい
「はあ?」
と声が漏れてしまった。
それもそのはず。
なぜならチェックのついた問題の答えが
6分のルート6を有理化しなさいという問題でしっかりとルート6に出したのにそれをわざわざ答えを消して、
この世にはいくつもの理論では回答できない物が存在する。よりこの問題もわざわざ答える必要があるのだろうか。
と急に哲学の問いをして間違いとなっていた。
逆にこれを出来ることが天才なのかもしれないが本音は現実を見てほしいものだ。
これを出された採点の先生が少し可哀想に思えた。
その後も英語、日本史、化学…と見ていったがまともな答えも点数もなく厨二病感が溢れていた。
しかもテストを見て判明したのが厨二病のセリフの時にそこそこに英単語を使っている割に肝心の英単語の意味を理解していないということにも気づいてしまった。
「ねぇ……一応全部のテストを見てだいたい傾向や内容は理解出来たのだけれども、この試験の時追試とか受けたりしなかったの?」
「あぁ、したさ。だが我が力を解放する時は今ではないと思い全力を出さなかったのさ」
「そしたら次のテストで点取らなかったら1年持たないと言われたぜ!」
とドヤ顔で言うものだから……。
「ドヤ顔で言うところじゃないでしょ!ついでに賀川さんの傾向も見えてしまったから……特別勉強会するわよ!」
もうここまでいったらもうどうだって良くなっていたのであろう。
自分の勉強に関しては教えるついでに試験勉強に活かせばいいと思った。
幸い賀川さんは頭はいいがついつい厨二病に変換してしまう癖があることがわかった。
覚えられないのだと思われる英単語については逆にそれを活用してやろうではないか。
まずは彼女のよく使う単語を使い例題を出してみた。
すると思った通りに彼女は正解を出していった。それと同時に単語の意味をリンクつけて頭に叩きつける作戦に出た。
次に彼女が食いつきそうなところで言うと化学であろう。
化学は正直組み合わせと効果を覚えてしまえば勝ち確だ。慣れはしないが厨二病で使われる単語を砕いてははめて変な覚え方にならないようにだけ配慮した。
そんなことをしていたら日はすっかりと落ちてしまっていたらしい。
自分達は気づけば3時間ほど店にいたということだ。
流石に居すぎたと我に返る。
「今日はこの辺りでお開きにしませんか?」
「だな!助かったぜ。さすが、我の使い魔が選んだだけあるぜ!」
長居してしまった店には少し申し訳なさが残ってしまったが少し……少しだけ高校生ぽいことが出来たことは嬉しい収穫だった。
期末テストには実技教科も入ることに気づいたのは賀川さんと別れたあとだった……。
この時……この人にテストを見せてもらうことを考えた自分を後悔することとなるとは思ってもいなかった。
「まずは現代文から見せてもらってもいいかしら」
「もちろんだろ!」
意外にも丁寧にしっかりとファイリングされたテストを受け取って一瞬思考が止まった。
20点……だと!?
これはいわゆる赤点と呼ばれるものでは無いのか?
赤点って実際に存在することに驚きを隠せなくなってしまった。
さらに解答欄を見てさらに驚きを隠すことは不可能となってしまった。
例えばこの問題。
幻滅をひらがなで答えろという問題。
正解は『げんめつ』なのだが……賀川さんの回答は……
『セカイを滅ぼせ!ダークホールエンペルト』
いやいや……この人は問題を見ていないのか?
読み仮名を書けと言っているのに漢字を使ってる時点でアウトだ。
そして何よりカタカナだらけだ。
流石にこの訳の分からない回答には採点をした先生も困ったようではてなマークが赤い字で書かれていた。
この問題もそうだ。
現代文あるあるの長文を読んで回答に値する文字を当てはめる問題……なのだが。
『我が隠し続けていた封印されしき目を解放した時が来たようだな。我が封印されしき目は千里眼を持っている我が目、ダーク・レクルトモーションを使用すればこの問題など問題ではなくなるのだ』
と回答されていたが、そもそも関心の回答が書かれていない上に自分視点の回答となっている。長文読解の問題の回答ではまずありえない視点だ。
まさかこんな回答用紙だったとは……。
正直問題傾向は読めたがそれ以上に回答の方に目がいってしまい集中できるわけが無い。
きっと……現代文はたまたま苦手だったから少しでも穴を埋めようとしたのでしょう。きっとそうだ。
そう考えることにしたが正直に言うとそう自分に暗示をかけることしか今の自分には対応することが出来なかった。
とりあえず全部は目を通し、その教科の傾向は見えたので気持ちを切り替えて次の教科を見せてもらうことにしよう。
「次は数学を見せてもらえる?同じ問題を出すことはきっとないと思うけど先生の癖はやっぱり問題に現れるから」
え?98点!?
さっきの20点とは打って変わってなかなかの高得点。
壊滅的に現代文が出来なかっただけなのかと内心ほっとした。
彼女もそこそこに数学は強いらしくよく引っ掛かりがちな長文系の回答も完璧と言うほどに答えている。
むしろ残りの2点は一体どこで落としたのか気になるくらいだ。
赤チェックのついた所を見つけた時つい
「はあ?」
と声が漏れてしまった。
それもそのはず。
なぜならチェックのついた問題の答えが
6分のルート6を有理化しなさいという問題でしっかりとルート6に出したのにそれをわざわざ答えを消して、
この世にはいくつもの理論では回答できない物が存在する。よりこの問題もわざわざ答える必要があるのだろうか。
と急に哲学の問いをして間違いとなっていた。
逆にこれを出来ることが天才なのかもしれないが本音は現実を見てほしいものだ。
これを出された採点の先生が少し可哀想に思えた。
その後も英語、日本史、化学…と見ていったがまともな答えも点数もなく厨二病感が溢れていた。
しかもテストを見て判明したのが厨二病のセリフの時にそこそこに英単語を使っている割に肝心の英単語の意味を理解していないということにも気づいてしまった。
「ねぇ……一応全部のテストを見てだいたい傾向や内容は理解出来たのだけれども、この試験の時追試とか受けたりしなかったの?」
「あぁ、したさ。だが我が力を解放する時は今ではないと思い全力を出さなかったのさ」
「そしたら次のテストで点取らなかったら1年持たないと言われたぜ!」
とドヤ顔で言うものだから……。
「ドヤ顔で言うところじゃないでしょ!ついでに賀川さんの傾向も見えてしまったから……特別勉強会するわよ!」
もうここまでいったらもうどうだって良くなっていたのであろう。
自分の勉強に関しては教えるついでに試験勉強に活かせばいいと思った。
幸い賀川さんは頭はいいがついつい厨二病に変換してしまう癖があることがわかった。
覚えられないのだと思われる英単語については逆にそれを活用してやろうではないか。
まずは彼女のよく使う単語を使い例題を出してみた。
すると思った通りに彼女は正解を出していった。それと同時に単語の意味をリンクつけて頭に叩きつける作戦に出た。
次に彼女が食いつきそうなところで言うと化学であろう。
化学は正直組み合わせと効果を覚えてしまえば勝ち確だ。慣れはしないが厨二病で使われる単語を砕いてははめて変な覚え方にならないようにだけ配慮した。
そんなことをしていたら日はすっかりと落ちてしまっていたらしい。
自分達は気づけば3時間ほど店にいたということだ。
流石に居すぎたと我に返る。
「今日はこの辺りでお開きにしませんか?」
「だな!助かったぜ。さすが、我の使い魔が選んだだけあるぜ!」
長居してしまった店には少し申し訳なさが残ってしまったが少し……少しだけ高校生ぽいことが出来たことは嬉しい収穫だった。
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