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4章 三国鼎立

手を替え品を替え死を繰り返す

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 義賢はこの時代にタイムリープして、すぐに出会い同じ時を生きた相棒とも言える馬である黝廉を亡くした事にショックを隠しきれず。責任の全ては自分にあると兄である劉玄徳に言い。処断してくれる事に期待していたが、下された処分は、軍祭酒という軍師・策謀の最高職の解雇と民への降格人事だった。義賢は、襄陽兵に脇を抱えられ、家へと帰る。その日の晩は、浴びるほどの酒を飲んだ。意識を失うほどの酒を。酒に逃げたかったのだ。
 董白「義賢、もうそれぐらいにしておきなさい」
 義賢「ウルセェ。酒だ酒を持って来い。ヒック」
 董白「もうないわよ」
 義賢「ふざけた店だ。別の店に行く。ヒック」
 董白「義賢、ここは店じゃなくて家よ。判断もついてないじゃない」
 義賢「ウルセェって言ってんだろ!酒がねぇなら別の店に行くってんだ!ヒック」
 董白が止めるのも聞かず、義賢は外へと飛び出し、襄陽の街へ向かい、酒を浴びる程飲む。謹慎処分といっても完全に幽閉されている訳でもない。監視がついてる訳でもないのだ。
 店主「お客さん、飲み過ぎですぜ」
 義賢「誰が客だ。董白、お前いつからそんな口聞くようになったんだ!とっとと酒持ってこい。ヒック」
 店主「董白様って、アンタ、まさか劉丁様なのか?これは失礼しやした。ありったけ飲んでくだせぇ」
 義賢「最初からそうしてりゃ良いんだよ。ヒック」
 店主「へい。ですがもう酒がねぇんでやす」
 義賢「そうかいそうかい。酒がねぇなら別の店に行く!ヒック」
 店主「お客さん、お代をいただきませんと」
 義賢「董白!お前は旦那から金取るってのか!ふざけんな。ヒック」
 店主「アッシは、董白様じゃねぇでやす」
 義賢「知るかよ!ヒック」
 義賢は店主を殴り飛ばし別の店へと向かう。
 店主「うぐっ。なんでアッシがこんな目に」
 義賢はその後も何軒もの店で酒が無くなるまで飲み続け、お代は払わない。だが、皆、彼が何者かは知っている。劉備の弟だと。その請求は劉備の元に行くこととなる。
 劉備「本当に丁がこのようなことを?」
 店主「そうなんでやす劉備様。たまに優しい劉備様ならお分かりいただけやすでしょう。こんなことされちゃ商売あがったりでやす。どうか、どうか処罰を」
 劉備「わかった。お前たちの言、もっともだ」
 店主「ありがとうごぜぇます」
 しかし、劉備に弟を殺すことなどできないことは、店主たちもわかっていた。だから運命だと思った。帰り道で義賢が酔い潰れて寝てるところを首を掻き切ったのだ。
 義賢「ここは、うっ」
 襄陽兵「劉丁様、大丈夫ですか?いきなり意識を消失されていたので、もうすぐ家です。気が付いて良かった。今、我々が劉備様より謹慎処分を命じられた劉丁様を家へと送り届けている最中です。わかりますか?」
 義賢「戻ったのか。でもここじゃねぇ。もっと前に戻してくれよ!」
 襄陽兵「突然、どうれたのです。劉丁様」
 義賢「ウルセェ。どけよ。この無能兵どもが!」
 襄陽兵「とても、あの優しかった劉丁様な言葉とは思えない。何故、俺たちがこんな目に」
 義賢「知るか!」
 義賢が1人で歩き出したその背後から罵倒された襄陽兵たちに背を刺される。
 義賢「うぐっ。それで良い。それで」
 襄陽兵「俺たちはなんてことを。劉備様になんと言えば、いや、逃げるしかない」
 倒れ伏した義賢。
 義賢「ハ ハ ハ。こ れ で も っ と ま え に」
 しかし、気が付いた義賢は先程自分を刺した襄陽兵に脇を抱えられ、家へと向かう道中だった。
 襄陽兵「劉丁様、大丈夫ですか?わかりますか?」
 義賢「うっここは?」
 襄陽兵「気が付かれて良かった。貴方様に何かあったら劉備様になんと言えば良いか。劉備様も辛かったでしょう。大事な弟である貴方様を民へと降格なさるなど」
 義賢「そうか(どうして、どうしてもっと前に戻れない。何故、パリピーな甘氏は出てこない)何故、何故。ここなんだ。俺はもっと前に前に戻りたいんだ」
 襄陽兵「気持ちはわかります。辛いでしょう民に降格されたのは、できることなら前に戻りたいでしょう」
 義賢「うっうぅ」
 襄陽兵「ゆっくりと身体を休めてください。まだまだ、我が軍には貴方様のお力が必要なのですから」
 家に着いた義賢は、董白の目の前で首を掻き切った。
 董白「義賢、そんな嘘でしょ。返事をして。ねぇったら」
 義賢「(死に方を変えたらもっと前に戻れるよな)」
 しかし、気が付いた義賢は、またしても襄陽兵に脇を抱えられ家へと向かう道中だった。
 襄陽兵「劉丁様、大丈夫ですか?わかりますか?」
 義賢「またここか」
 襄陽兵「良かった。気が付かれて、貴方様に何かあったら劉備様になんと言えば良いか」
 義賢「安心せよ。さぁ、お前たちも仕事であろう。こんなどうしようもない俺のことなどとっとと届けて、職務に戻るのだ」
 襄陽兵「大丈夫です。劉丁様は、まだまだ我が軍に必要な方、きっと立ち直れると信じております」
 義賢「無理だ。俺にはもう」
 襄陽兵「そんなこと」
 義賢は家に帰ると魂の抜けたように昼間はぼーっとして、夜は黝廉の墓の前で酒を飲み、墓に抱きついて眠る。そんな状態が半年続くと董白の怒りが爆発した。
 董白「義賢!アンタねぇ。黝廉がどんな想いでアンタを助けたと思ってるのよ!毎日毎日ぼーっとして何もせず。夜は墓の前で酒を飲んで眠る。そんなアンタを黝廉は助けたかったの?違うでしょ!」
 義賢「、、、、、、、、、、、」
 董白の言葉がまるで聞こえていないかのようにぼーっとしている義賢。
 董白「あっそう。好きになった相手を間違えたようね。あっ別に妻でもなんでもないし、黝廉以下の愛人よね。貴方には黝廉だけいたら良かったのよね。実家に帰らせてもらいます!」
 義賢「、、、、、、、、、、、、好きにしろ」
 董白「えぇ、好きにさせてもらいます!劉白、おじいちゃんのところに行くわよ」
 劉白「母上、でもこんな状態の父上を残していくなんて」
 董白「良いの!義賢は、私たち家族よりも黝廉が大事なのよ。私たちのことなんてどうでも良いのよ。そうよね」
 義賢「、、、、、、、、、、、、好きにしろ」
 董白「もう知らない!」
 董白は劉白を連れて、霊帝様が駆け込み寺をやっている劉宏寺へと向かった。董白たちが居なくなった後も、義賢は手を替え品を替え何度も死んだ。だが、今度戻るのは董白たちが出て行った直後であった。時間は少しづつ先へと最悪の方向へと進んでいるのだった。
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