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2章 反董卓連合
虎牢関攻防戦(転)
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虎牢関では、橋瑁が愚痴をこぼしていた。
橋瑁「どいつもこいつも袁紹、袁紹と鬱陶しい。反董卓連合の檄文を書いたのは、この私だぞ。手柄ばかり独り占めしやがって、酒でも飲まねぇとやってられねぇやい」
王匡「まぁまぁ。(こいつマジでうぜぇ~殺してぇけど今やるのはマジいよなぁ。機会窺うしかねぇか)」
劉岱「飲み過ぎですよ。橋瑁殿。(愚痴しか言わないお前のことなんか誰が敬うっていうんだよ。そもそもお前が連合の盟主だったら参加してねぇっての。袁家っていう名門だからこれだけ集まってんだよ。まぁ、酒に食い物目当ての俺はどうでもいいけどな)」
橋瑁「2人とももっと酒飲むぞ」
王匡「俺はそろそろこの辺で失礼しやすよ」
劉岱「そうでしたね。王匡殿と明日のことで話し合うんでした。失礼します」
橋瑁「おい。待てよ。この裏切り者~。ヒック。仕方ねぇ1人で飲み直しするか」
王匡と劉岱は明日のことで話し合いをするなんて真っ赤な嘘で橋瑁をどうやって排除するかを話し合っていた。
王匡「ったくマジでウゼェぜ。橋瑁の野郎」
劉岱「同感です。口を開けば連合を集めたのは俺だと喚く。そのくせ、作戦立案など何もできない無能ときた。書くだけなら誰でも書けると言いたいですな全く」
王匡「どうにかして排除できねぇかな」
劉岱「それなら、ゴニョゴニョゴニョ。なんて如何ですかな」
王匡「そりゃあいいぜ。劉岱、お主も悪よのう」
劉岱「王匡殿こそ」
2人は「ハッハッハッ」と笑う。そんな時、連合軍兵士の格好をしている兵たちの噂話が聞こえてきた。
連合軍兵士A「お前、知ってたか?」
連合軍兵士B「何をだ」
連合軍兵士A「この反董卓連合を作ったの橋瑁様らしいぜ」
連合軍兵士B「袁紹様じゃねぇのか」
連合軍兵士C「その話なら俺も知ってるぜ。名門の威光を振りかざして、橋瑁様から奪ったって話だろう」
連合軍兵士D「ちげぇよ。確か曹操様が橋瑁様を盟主にするよりも袁紹様を盟主にする方が集まるって話になったんだ」
連合軍兵士B「確かに、橋瑁様だったらここまで集まらなかったかもな」
連合軍兵士D「おぅ。だからよ。袁紹様も曹操様も裏で橋瑁様のおかげだって褒めてたんだ」
連合軍兵士B「それで、それで」
連合軍兵士D「だからよ。この反董卓連合が無事に終わったらよ。橋瑁様のことを論功行賞で表彰するって話だ」
連合軍兵士A「それって、万が一橋瑁様が暗殺されるようなことがあったとしたらどうなるんだ?」
連合軍兵士D「そりゃお前、暗殺したやつは徹底的に袁紹様と曹操様に追われるだろうなぁ」
連合軍兵士B「ヒェー、そんなことになったら逃げ切れる奴いねぇよなぁ」
連合軍兵士D「だからよ。橋瑁様の愚痴に腹立ってもよ。うんうん。頷いとくのがいいぜ」
連合軍兵士A「揉めるのとか勘弁だよなぁ」
連合軍兵士B「まぁ、虎牢関が落ちれば洛陽は目と鼻の先だしな」
連合軍兵士C「後少しなら耐えるのが良いよなぁ」
連合軍兵士D「そうそう、橋瑁様に絡んでる王匡様と劉岱様は真っ先に疑われるだろうよ」
連合軍兵士A「知らせといた方がよくねぇ」
連合軍兵士D「いやいや、愚痴に耐えられなくなって暗殺考えるほど馬鹿ではねぇだろ」
連合軍兵士B「・・・」
連合軍兵士D「おいおい、そこで黙るなよ。まさか、そんなことで殺す人なのか?」
連合軍兵士C「可能性はある気が」
連合軍兵士D「ヤベェ。見つけて知らせねぇと」
連合軍兵士ABC「待ってくれ、俺たちも一緒に探すって」
連合軍兵士たちの噂話を黙って聞いていた王匡と劉岱は、すっかり肝が冷えて縮こまっていた。どちらからともなく話を切り出す。
王匡「劉岱殿、聞いたな」
劉岱「あぁ、まさか橋瑁がそこまで評価されていたとは、王匡殿、あの話は勿論無しにしよう」
王匡「おぅ。そんなことすりゃ。俺たちの首が飛ぶからな」
劉岱「さっきの連合軍の兵士が言っていた通り、こうなりゃとっとと虎牢関を抜いて洛陽に到達して、董卓を追い詰めて反董卓連合の解散を急いでもらうために尽力するとしよう」
王匡「あぁ、そうだな。それが良さそうだな」
先ほどの連合軍の兵士がこっちに来た。
連合軍兵士D「王匡様と劉岱様、一緒にいらしたんですね。良かった。あのですね」
王匡「すまねぇ。立ち聞きしちまったんだ。その橋瑁殿のことをな」
連合軍兵士D「そうでしたか。俺もその件で知らせようと探していたんです。知ったらしたのなら良かった」
劉岱「盗み聞きしていたことを怒らぬのか?」
連合軍兵士D「そうですねぇ。誰かの悪口を言っていたわけではない世間話などで気にしませんよ。では」
こうして、王匡と劉岱は橋瑁の暗殺を諦めることにした。どうしてこうなったのか。それは少し前に戻る。
義賢『居た居た、みんなーちょっと頼みたいことがあるんだ」
義勇軍兵士『劉丁様、どうしたんです?』
義賢『連合軍の服を来て、ある場所で噂を流してもらいたいんだ』
義勇軍兵士『噂ですかい?』
義賢『うん。こういう噂を流して欲しいんだけど頼めるかい?』
義勇軍兵士『まぁ、内容は難しくありやせんね。でもどうしてこんな噂話を?』
義賢『ちょいとした策のためにね』
義勇軍兵士『そういうことでしたら、了解しやした』
義賢『ありがとう、皆』
こうして劉備軍の義勇兵は連合軍の服を着て、あそこで噂話を流したのである。噂話の内容は勿論義賢が考えた全くのデタラメだったが肝の小さい王匡と劉岱には効果があったらしく。暗殺の起こらない事により劉表軍も虎牢関へと董卓連合軍に従軍したのである。その中には黄忠の姿もあった。呂布を捕える準備は整った。
橋瑁「どいつもこいつも袁紹、袁紹と鬱陶しい。反董卓連合の檄文を書いたのは、この私だぞ。手柄ばかり独り占めしやがって、酒でも飲まねぇとやってられねぇやい」
王匡「まぁまぁ。(こいつマジでうぜぇ~殺してぇけど今やるのはマジいよなぁ。機会窺うしかねぇか)」
劉岱「飲み過ぎですよ。橋瑁殿。(愚痴しか言わないお前のことなんか誰が敬うっていうんだよ。そもそもお前が連合の盟主だったら参加してねぇっての。袁家っていう名門だからこれだけ集まってんだよ。まぁ、酒に食い物目当ての俺はどうでもいいけどな)」
橋瑁「2人とももっと酒飲むぞ」
王匡「俺はそろそろこの辺で失礼しやすよ」
劉岱「そうでしたね。王匡殿と明日のことで話し合うんでした。失礼します」
橋瑁「おい。待てよ。この裏切り者~。ヒック。仕方ねぇ1人で飲み直しするか」
王匡と劉岱は明日のことで話し合いをするなんて真っ赤な嘘で橋瑁をどうやって排除するかを話し合っていた。
王匡「ったくマジでウゼェぜ。橋瑁の野郎」
劉岱「同感です。口を開けば連合を集めたのは俺だと喚く。そのくせ、作戦立案など何もできない無能ときた。書くだけなら誰でも書けると言いたいですな全く」
王匡「どうにかして排除できねぇかな」
劉岱「それなら、ゴニョゴニョゴニョ。なんて如何ですかな」
王匡「そりゃあいいぜ。劉岱、お主も悪よのう」
劉岱「王匡殿こそ」
2人は「ハッハッハッ」と笑う。そんな時、連合軍兵士の格好をしている兵たちの噂話が聞こえてきた。
連合軍兵士A「お前、知ってたか?」
連合軍兵士B「何をだ」
連合軍兵士A「この反董卓連合を作ったの橋瑁様らしいぜ」
連合軍兵士B「袁紹様じゃねぇのか」
連合軍兵士C「その話なら俺も知ってるぜ。名門の威光を振りかざして、橋瑁様から奪ったって話だろう」
連合軍兵士D「ちげぇよ。確か曹操様が橋瑁様を盟主にするよりも袁紹様を盟主にする方が集まるって話になったんだ」
連合軍兵士B「確かに、橋瑁様だったらここまで集まらなかったかもな」
連合軍兵士D「おぅ。だからよ。袁紹様も曹操様も裏で橋瑁様のおかげだって褒めてたんだ」
連合軍兵士B「それで、それで」
連合軍兵士D「だからよ。この反董卓連合が無事に終わったらよ。橋瑁様のことを論功行賞で表彰するって話だ」
連合軍兵士A「それって、万が一橋瑁様が暗殺されるようなことがあったとしたらどうなるんだ?」
連合軍兵士D「そりゃお前、暗殺したやつは徹底的に袁紹様と曹操様に追われるだろうなぁ」
連合軍兵士B「ヒェー、そんなことになったら逃げ切れる奴いねぇよなぁ」
連合軍兵士D「だからよ。橋瑁様の愚痴に腹立ってもよ。うんうん。頷いとくのがいいぜ」
連合軍兵士A「揉めるのとか勘弁だよなぁ」
連合軍兵士B「まぁ、虎牢関が落ちれば洛陽は目と鼻の先だしな」
連合軍兵士C「後少しなら耐えるのが良いよなぁ」
連合軍兵士D「そうそう、橋瑁様に絡んでる王匡様と劉岱様は真っ先に疑われるだろうよ」
連合軍兵士A「知らせといた方がよくねぇ」
連合軍兵士D「いやいや、愚痴に耐えられなくなって暗殺考えるほど馬鹿ではねぇだろ」
連合軍兵士B「・・・」
連合軍兵士D「おいおい、そこで黙るなよ。まさか、そんなことで殺す人なのか?」
連合軍兵士C「可能性はある気が」
連合軍兵士D「ヤベェ。見つけて知らせねぇと」
連合軍兵士ABC「待ってくれ、俺たちも一緒に探すって」
連合軍兵士たちの噂話を黙って聞いていた王匡と劉岱は、すっかり肝が冷えて縮こまっていた。どちらからともなく話を切り出す。
王匡「劉岱殿、聞いたな」
劉岱「あぁ、まさか橋瑁がそこまで評価されていたとは、王匡殿、あの話は勿論無しにしよう」
王匡「おぅ。そんなことすりゃ。俺たちの首が飛ぶからな」
劉岱「さっきの連合軍の兵士が言っていた通り、こうなりゃとっとと虎牢関を抜いて洛陽に到達して、董卓を追い詰めて反董卓連合の解散を急いでもらうために尽力するとしよう」
王匡「あぁ、そうだな。それが良さそうだな」
先ほどの連合軍の兵士がこっちに来た。
連合軍兵士D「王匡様と劉岱様、一緒にいらしたんですね。良かった。あのですね」
王匡「すまねぇ。立ち聞きしちまったんだ。その橋瑁殿のことをな」
連合軍兵士D「そうでしたか。俺もその件で知らせようと探していたんです。知ったらしたのなら良かった」
劉岱「盗み聞きしていたことを怒らぬのか?」
連合軍兵士D「そうですねぇ。誰かの悪口を言っていたわけではない世間話などで気にしませんよ。では」
こうして、王匡と劉岱は橋瑁の暗殺を諦めることにした。どうしてこうなったのか。それは少し前に戻る。
義賢『居た居た、みんなーちょっと頼みたいことがあるんだ」
義勇軍兵士『劉丁様、どうしたんです?』
義賢『連合軍の服を来て、ある場所で噂を流してもらいたいんだ』
義勇軍兵士『噂ですかい?』
義賢『うん。こういう噂を流して欲しいんだけど頼めるかい?』
義勇軍兵士『まぁ、内容は難しくありやせんね。でもどうしてこんな噂話を?』
義賢『ちょいとした策のためにね』
義勇軍兵士『そういうことでしたら、了解しやした』
義賢『ありがとう、皆』
こうして劉備軍の義勇兵は連合軍の服を着て、あそこで噂話を流したのである。噂話の内容は勿論義賢が考えた全くのデタラメだったが肝の小さい王匡と劉岱には効果があったらしく。暗殺の起こらない事により劉表軍も虎牢関へと董卓連合軍に従軍したのである。その中には黄忠の姿もあった。呂布を捕える準備は整った。
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