森の魔女と彷徨う甲冑~笑って、わたしのムーン~

犬塚ハジメ

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LAST CASE リリーとムーン

また春が来る

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    3

 ハンスはもっと情報を収集すると言って店を出ていった。城が妙な動きをしたら、すぐに知らせると言い残して。
 ムーンは山猫亭の従業員用控え室を仮宿とした。引き続き食堂に集まる人々からもリリーの目撃情報を募る。
 下手に動くとかえってリリーが危険に晒されることになる。ムーンはそれを言い聞かせて城に向かおうとする己を抑えた。感情の赴くままに剣を振っていた化物ではないのだ。
 ハンスが食堂に再び現れたのはその夜。くすんだ色の木綿紙を手に持っていた。ムーンたちに見えるようにテーブルに広げる。紙一面に描かれた図と小さな文字。
「昼間言ってた石工屋に描いてもらった。増築と修繕で何度も入城してるから間違いない」
 城全体は円形状になっている。周りは堀で囲まれていて橋で繋がれた出入口は一つ。建物は外郭がいかく内郭ないかくに分かれている。内郭は領主が居住する城の中心部分。外郭は内郭を囲う下働きの作業場や馬小屋などがある場所。
「リリーがいるとしたらここ」
 ハンスが外郭の一点を指す。牢屋と書かれていた。
「今日、市場で騒ぎがあっただろ? お客さんの中でちょうどその頃に城へ走る軍馬を見たっていう人がいるんだよ」
「もしかしたら、騒ぎを起こした奴とリリーちゃんをさらった奴はグルだったのかも……」
 女将とカナリアの言葉で空気が重くなる。リリーの身を案じていた。平民が領主にいくら抗議をしようとしても門前払いだ。領主側に非があろうとも。それを知っているからこそ無力感に苛まれる。
「私が……目を離すべきじゃなかった」
 ムーンの金属板から染み出す声が全員の腹に響く。
「目には目をだ!」
 ハンスは明るく言ってからテーブルを軽く叩いた。
「明後日の早朝、領主サマが部下を引き連れて視察に出る。残るのは五十人程度。そこで平民街で騒ぎを起こす。貴族に不満を持ってる奴らは山ほどいる。ダン先生とリリーに感謝してる奴らもな。その間にムーンはリリーを取り戻せ。明日、計画は詰める。やれるか?」
 力強い眼差しを一身に受け、ムーンは頷いた。
「リリーは私が必ず取り戻す」
 温度を感じない声。しかし、揺るぎない重厚さがあった。
「よし。オレは明日中にできる限りか町の奴らに声をかけてくる」
 ハンスは城の構造図を丸め、席を立とうとした。
「ハンスちゃん、怪我は大丈夫なの?」
「ははは。傷自体は塞がったんで大丈夫っす。リリーに借りを返さなきゃいけねえから」
 心配げに見つめるカナリアを前に、後ろ頭に手を当てて不恰好に笑うハンスの姿があった。

 *****

 兵士は城の中庭を歩いていた。同僚たちが明後日の出立に向けて準備をしている。ガルネキアとの国境がきな臭いため、空気に緊張感がある。慌ただしく業者が出入りをする姿も見かける。
 彼は春の規則違反から遠征隊から外されて留守番組だ。プライドは傷つけられつつも、捕まえた魔女を自ら見張ることができることには満足している。遠征と魔女の捕獲が重なったが、年末に魔女裁判という催しで町が盛り上がると思えば痛くも痒くもない。
 彼は父親に送る反省文に「必ず家のためになる」と資金援助の依頼を添えた。「資金を無駄にしたら勘当」という念書つきで小遣いが手に入った。それで傭兵崩れのごろつきを雇い、魔女を捜索させた。
 同時に上官へは市民を押さえつける策を提案した。国への不満を逸らすには生贄いけにえが必要だ。先人の知恵というものは役に立つ。魔女を捕らえたときに薬壺も手に入ったから証拠は充分だ。遠征から帰還したら領主と話し合うという約束を取りつけられた。
 貴族は今苦しい立場にある。父親も上官もそれは同じ。いつ不満を抱いた市民たちが暴動を起こすか分からない状態だ。どちらも彼の提案に飛びついた。
 運が向いてきたと思った。処罰されたのは、成功の前の障害だったのかもしれない。彼は希望の光が見えていた。追い風を受けているような感覚すらある。
 あとは魔女のしもべの甲冑に制裁を食らわすことができれば万々歳だ――。
 彼は牢屋の前までやって来た。石床の上でみすぼらしい姿で膝を抱える少女の姿を見ると笑みが溢れた。鉄格子を力任せに蹴り上げる。少女は縮こまって震えた。彼の口元に歪な三日月型の切れ目ができる。「魔女」を痛めつけることで、この上ない優越感を得ていた。死んでしまったら元も子もないから、暴力的な衝動を抑えるのに一苦労だ。遠征隊が戻ってくるまで暇潰しには事欠かないだろうが――。

    4

 城の門番二人は大欠伸をした。昼の鐘は鳴ったばかり。ここ五十年は他国に攻め入られたことはない。国の警備といっても国内の揉め事を収めるだけだ。夕方の交代まで時間がある。
 警鐘が平民街の方向から鳴り、何人かの兵士が出ていったが、門番には関係ない。彼らはその場から動くのを許されないのだ。
「はえ?」
 門番の一人が妙な声を出した。橋の中央を時代錯誤の甲冑が歩いてくる。あまりに堂々としているから間が空いたものの、門番は剣を突きつけて「止まれ!」と威嚇する。頭のおかしい不審者はたまに現れる。門番としての仕事をするだけだ。
 甲冑は橋の真ん中まで辿り着くと、体勢を低くして足元を蹴った。それまでの緩やかな動きから疾風のような速さに門番たちは我を忘れるも、慌てて身構えた。一人は腰にぶら下げたマスケット銃を取り出す。
「バカ! 遅いッ」
 もう一人は剣を突きつけたまま甲冑に向かっていった。
 甲冑は腰から剣を抜く。競技用のような幅広の剣を軽々と片手で振り上げ、門番の胴をいだ。悲鳴もなく崩れ落ちる身体。
 もう一人の門番は日頃の訓練の成果で混乱しつつも点火薬と弾を銃に込めて順番どおりに撃鉄げきてつを起こした。時間にして三十秒かからない。彼にとっては、できすぎた記録だ。同時に相方の身体が力を失う。動揺で震える手で狙いを定める。迫る甲冑に向かって引き金を引いた。銃から煙と火が吹き、爆音と共に弾が発射された。
 マスケット銃の命中率は低い。しかし、的が大きかった。甲冑の胴体に着弾する。兵士は「やった」とその瞬間は思った。何一つミスをすることなく不審者を狙えたのだ。
 それも束の間、「ベコッ」という奇妙な音がして甲冑が目前まで迫っていた。確かに当たったはずだと彼は思った。全身鎧フルプレートが廃れた理由は火器を前にして無意味だということ。彼は知っていたから銃を取り出したのだ。次には鳩尾みぞおちに重い一撃を食らい、意識が暗転した。

 ムーンは二人の門番を倒し、抜き身の剣を持ったまま門の中に飛び込んだ。騒ぎを聞きつけた兵士が集まってくるに違いない。銃弾を受けて凹んだ胴体を気にしている余裕はなかった。事前にハンスと確認した城の構造図は頭に叩き込んである。
 ムーンの姿を見た者は最初に戸惑う。それから武器を持たない下働きは血相を変えて逃げ、兵士は遅れて武器を手にする。突然の襲撃に城内の統率は取れていなかった。平和な世が続いている証ともいえる。
 兵士たちが混乱している間に、ムーンは牢獄まで駆け抜ける。剣や腕でし、道を切り開いていく。
――あなたの優しい手は傷つけるためのものじゃない。
 リリーの言葉が何度も頭の中で繰り返されていた。
 人の悲鳴、馬のいななき、警鐘の音――。城内は雑然としていた。
 牢屋を見つけたムーンは剣で力任せに鉄格子を切りつける。リリーは床に倒れたまま微かにしか動かない。
「リリー……!」
 鉄格子の破片を蹴り飛ばしてリリーに駆け寄ると、弱々しい息があった。その場にあった麻布でリリーを包んで抱える。牢屋の間から飛び出したムーンは来た道を一目散に引き返そうとした。今度は自分一人だけではないのだ。リリーを危険に晒すわけにはいかない。
 地に倒れる兵士たちの合間を縫って出口に向かう。
 後ろから獣のような叫び声が聞こえた。兵士の一人が何事か騒ぎながらムーンを追う。手には撃鉄の上がった銃。今にも引き金を引きそうだ。
「化物がァあああ!!」
 ムーンはリリーを片手で支えながら腰ベルトに手をかける。取り出したナイフを兵士に向かって投げた。
「私は人間だ」
 空を切って真っ直ぐ飛んだナイフは銃口に刺さる。同時に兵士の指が引き金にかかっていた。マスケット銃の弱点の一つに不発と暴発がある。面倒な手順を確実に踏まなければ、その可能性は高くなる。獲物を逃がされて感情に飲み込まれた兵士の手つきは火器を扱うものではなかった。銃口に受けた衝撃から引き金にかけた指が本人の意思と関係なく動いた。
 火花と爆発音。銃内で熱が上がり、弾丸はムーンに向かうことなく、その場で弾けた。兵士の身体が後ろへ呆気なく吹き飛ぶ。爆発音を繰り返して硝煙しょうえんが兵士の上半身から上がった。

 城を出たムーンは平民街へと向かう。背後からは兵士たちの気配が迫っている。リリーをしっかりと抱えて石畳を蹴り、金属音を鳴らして駆けた。
 山猫亭へ裏口から飛び込むと、女将とカナリアが待ち構えていた。下ろし立ての布でリリーを包み、温石が入った袋を持たせる。
「水、水ッ!」
 慌ただしく二人が簡易的な介抱をする。
「リリーちゃん……。頑張ったね……」
 リリーの乾いた唇から声が漏れる。
「お、かみ、さん……」
「さあ、行きなっ」
 再びムーンはリリーを抱えて裏口から出る。

 *****

 兵士たちはムーンを追って平民街までやって来た。恐ろしく足が早い不審者を見失い、片っ端から市民を捕まえて尋ねることしかできなかった。
 そのうちに一軒の食堂にも声をかける。
「この辺で鎧の不審者を見かけなかったか?!」
 扉を開けて中に向かって問うも、鬼の形相をした二人の女店員がフライパンを持って立っていた。
「今は忙しいんだよッ! 失せなッ!!」
 兵士の兜にフライパンが思い切り振り下ろされた。

    5

 ムーンは低層街の子どもたちの案内で、住民しか把握していない入り組んだ道を走る。曲がり角に子どもが立っていて進むべき方向を示していた。その中の一人――キャップを目深に被った少年が通り過ぎるムーンの背中に向かって声をかける。
「姉ちゃんをよろしくなーっ」

 *****

 兵士たちが住人たちにいくら目撃情報を訊いても首を傾げるばかり。まるで城での騒ぎは夢だったような答えだ。聞き込みを続けていると、北側に向かうのを見たかもという者が出てきた。北には門がある。その先は北との国境でもある山岳地帯だ。さては北の国に逃げるつもりか。残存兵は進行方向を北に定めた。

 *****

 兵士の気配を振り切った後もムーンは足を止めなかった。居住地区を抜けて壁を乗り越え、森へ身を隠す。背後の町では鐘がまだ鳴っていた。
 木々の中を進み、二十分ほどがむしゃらに走ってから、ようやくムーンは速度を落とした。
「リリー……」
「……はい」
 嗄れた声でもしっかりと返事がある。リリーの顔は煤けてはいるが、焦点の合った目でムーンを見上げていた。
「待たせてすまなかった」
「信じてました」
 金属が擦れる音が歩く度に鳴る。
「君が無事でよかった――」
 カシャンカシャン――。温度のない硬質な音。リスなどの小動物たちがムーンのすぐ横を平然と通る。
「ムーンさん……?」
 リリーはエメラルドの澄んだ瞳をムーンに向ける。冷えきって上手く動かない手を兜に伸ばす。
「泣かないで」
 リリーの指先が兜に触れる。いつもと変わらない感触。それでも、リリーは兜の奥を見つめた。
「わたしは無事なの……。お願い、笑って。わたしには分かるから……ね?」
 森の中を歩く甲冑は足を止め、兜を下へ傾けた。カシャン、と硬い音だけがした。少女は安心したように微笑みを浮かべて彼の名前を呼んだ。

    6

 リリーを抱いたまま森の中を歩くムーンの足元に、白い花が頭を垂れるようにして咲いていた。
「冬にも咲くものだな。……これは、君が初めて教えてくれた毒草か?」
「そうですね。ヘレボルスです」
 黄色の柱頭に純白の花弁。愛らしい見た目で寒い中で健気に咲いているように見える。
「触れないことにしよう。昔の私は足元にも目を向けてなかった。君が教えてくれた」
 ムーンは遠くを見つめてからリリーに視線を向けた。
「実は君と接していて昔の名前を思い出したんだ。レグルス。レグルス・フェンネル」
「レグルス……フェンネル……。由緒ある薬草の名前……」
 リリーの口元に笑みが浮かんだ。
「今はただのムーンだ。君がつけてくれた」
 乾いて肌に突き刺さるような空気、多くの草花は萎れて色彩に乏しい。しかし、土の下では新たな命が芽吹くときを待っている。甲冑が灰色の景色の中を少女を抱えて歩いていた。



次回→エピローグ(終)
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