584 / 1,219
第二十六章 ミカエルの五歳の祝い
七百八十話 自称歴史の長い三家からの要求
しおりを挟む
段々と王都の五歳の祝いが近づいてきて、各地から貴族が王都にやってきました。
もちろん、問題となっている三つの貴族も王都にやってきました。
僕たちの準備も最終盤に差し掛かったのですが、やっぱりというか馬鹿な要求が三つの貴族から出されました。
「歴史ある貴族たる我が家の息子に相応しい食事を用意しろと、出迎えもそれなりの者を用意しろと言ってきた。既に相応のものを用意していると返信したぞ」
定例会議の冒頭で、陛下がニヤリとしながら話してきた。
僕だけでなく内務卿も溜息をついている辺り、三家の当主は陛下に直接言ってきたのだろう。
「はあ、僕はもう頭が痛いです。何となく、三家の当主のドヤ顔が目に浮かびます」
「私も同様でございます。私たちに言うと断られる可能性が高いと思って、陛下に直接申したのですね」
「大体そんなところだろう。余に言えばどうにでもなると思ったのだろうな」
いずれにせよ、この時点で三家に対する注意度は上げないといけなくなった。
でも、注意度を上げるだけで、対応は変わりません。
「では、陛下に碌ではない事を申し上げた不届者を、懇切丁寧に出迎えてやらんとなりませんな」
「まったくですな。我々のような小者で申し訳ないですなあ」
この話を聞いたカーセント公爵と この話を聞いたカーセント公爵とグロスター侯爵のおじいさまも、ちょっと悪い表情をしながら答えていました。
二家とも名家で副宰相なので、全く小者貴族ではありません。
歴史が長いだけの男爵家がどう反応するのか、ある意味見ものですね。
「それで、サンディとイヨにはニース侯爵が着くのか。サンディはロンカーク伯爵家の現当主だ。流石に奴らも喧嘩を売ればどうなるか分かっているだろうしな」
「息子に爵位を譲っていますが、身分は侯爵家当主と変わりありませんですからなあ」
宰相を引退したニース侯爵も、エスコート役につくことが決定しました。
元宰相に喧嘩を売ることは、流石にしないと思いたいです。
「でだ、もう一つの要求がクロスロード子爵をパーティーに呼ぶなという事だ。歴史ある貴族が参加するパーティーに相応しくないとの事だ。もちろん突っぱねたがな」
「あの……俺としても、あのキラキラな服を着て五歳の祝いに参加するのはちょっと……」
「それは、やる気満々の三人に言ってくれ。良いじゃないか、勇者様の登場って分かりやすいぞ」
思いっきりゲンナリしているジンさんが愚痴をこぼしていたけど、この前みんなで衣装合わせをした際に、ジンさんの着る服はとんでもなく派手だった。
一応王族より目立たない物に抑えたって言っているけど、ほんのちょっとだけ目立たなくしているだけな気もします。
もしジンさんが絡まれたら、製作者の王妃様、アリア様、ティナおばあさまに文句を言ってくださいと言って逃げるそうです。
因みに、閣僚はジンさんが目立ってくれる分とっても助かると言っていました。
「次年の予算も無事に決まり、本年も五歳の祝いを残すだけになった。何事も起こらない様に取り組むように」
「「「はっ」」」
こうして、定例会議は無事に終了しました。
でも、五歳の祝いが少し波乱含みになったのは気が引けるなあ。
ちょうど昼食の時間になったので、僕は王族専用の食堂に向かいます。
今日は、ミカエルとブリットも勉強のために王城に来ていました。
すると、ミカエルからこんなリクエストが。
「ねーねー、お兄ちゃん、パーティーでお兄ちゃんのプリンが食べたい!」
「プリン? プリンなら、シェフが作るよ」
「違うの! お兄ちゃんのプリンが食べたいの!」
あの、ミカエル?
流石に僕も忙しいから、参加人数分のプリンを作るのは無理だよ。
「お兄ちゃんのプリンが食べたいの!」
「食べたいの!」
あの、だから、プリンは無理……
ブリットが加わっても、無理なものは無理……
「「「食べたいの!」」」
「……はい、分かりました」
結局この場にいる子ども達に押し切られる形で、僕はプリンを作ることになりました。
あとでスラちゃんに頼んで、プリンの材料をサーゲロイド辺境伯領に行って買って貰わないと。
僕は、思わずがっくりとしちゃいました。
もちろん、問題となっている三つの貴族も王都にやってきました。
僕たちの準備も最終盤に差し掛かったのですが、やっぱりというか馬鹿な要求が三つの貴族から出されました。
「歴史ある貴族たる我が家の息子に相応しい食事を用意しろと、出迎えもそれなりの者を用意しろと言ってきた。既に相応のものを用意していると返信したぞ」
定例会議の冒頭で、陛下がニヤリとしながら話してきた。
僕だけでなく内務卿も溜息をついている辺り、三家の当主は陛下に直接言ってきたのだろう。
「はあ、僕はもう頭が痛いです。何となく、三家の当主のドヤ顔が目に浮かびます」
「私も同様でございます。私たちに言うと断られる可能性が高いと思って、陛下に直接申したのですね」
「大体そんなところだろう。余に言えばどうにでもなると思ったのだろうな」
いずれにせよ、この時点で三家に対する注意度は上げないといけなくなった。
でも、注意度を上げるだけで、対応は変わりません。
「では、陛下に碌ではない事を申し上げた不届者を、懇切丁寧に出迎えてやらんとなりませんな」
「まったくですな。我々のような小者で申し訳ないですなあ」
この話を聞いたカーセント公爵と この話を聞いたカーセント公爵とグロスター侯爵のおじいさまも、ちょっと悪い表情をしながら答えていました。
二家とも名家で副宰相なので、全く小者貴族ではありません。
歴史が長いだけの男爵家がどう反応するのか、ある意味見ものですね。
「それで、サンディとイヨにはニース侯爵が着くのか。サンディはロンカーク伯爵家の現当主だ。流石に奴らも喧嘩を売ればどうなるか分かっているだろうしな」
「息子に爵位を譲っていますが、身分は侯爵家当主と変わりありませんですからなあ」
宰相を引退したニース侯爵も、エスコート役につくことが決定しました。
元宰相に喧嘩を売ることは、流石にしないと思いたいです。
「でだ、もう一つの要求がクロスロード子爵をパーティーに呼ぶなという事だ。歴史ある貴族が参加するパーティーに相応しくないとの事だ。もちろん突っぱねたがな」
「あの……俺としても、あのキラキラな服を着て五歳の祝いに参加するのはちょっと……」
「それは、やる気満々の三人に言ってくれ。良いじゃないか、勇者様の登場って分かりやすいぞ」
思いっきりゲンナリしているジンさんが愚痴をこぼしていたけど、この前みんなで衣装合わせをした際に、ジンさんの着る服はとんでもなく派手だった。
一応王族より目立たない物に抑えたって言っているけど、ほんのちょっとだけ目立たなくしているだけな気もします。
もしジンさんが絡まれたら、製作者の王妃様、アリア様、ティナおばあさまに文句を言ってくださいと言って逃げるそうです。
因みに、閣僚はジンさんが目立ってくれる分とっても助かると言っていました。
「次年の予算も無事に決まり、本年も五歳の祝いを残すだけになった。何事も起こらない様に取り組むように」
「「「はっ」」」
こうして、定例会議は無事に終了しました。
でも、五歳の祝いが少し波乱含みになったのは気が引けるなあ。
ちょうど昼食の時間になったので、僕は王族専用の食堂に向かいます。
今日は、ミカエルとブリットも勉強のために王城に来ていました。
すると、ミカエルからこんなリクエストが。
「ねーねー、お兄ちゃん、パーティーでお兄ちゃんのプリンが食べたい!」
「プリン? プリンなら、シェフが作るよ」
「違うの! お兄ちゃんのプリンが食べたいの!」
あの、ミカエル?
流石に僕も忙しいから、参加人数分のプリンを作るのは無理だよ。
「お兄ちゃんのプリンが食べたいの!」
「食べたいの!」
あの、だから、プリンは無理……
ブリットが加わっても、無理なものは無理……
「「「食べたいの!」」」
「……はい、分かりました」
結局この場にいる子ども達に押し切られる形で、僕はプリンを作ることになりました。
あとでスラちゃんに頼んで、プリンの材料をサーゲロイド辺境伯領に行って買って貰わないと。
僕は、思わずがっくりとしちゃいました。
566
あなたにおすすめの小説
三歳で婚約破棄された貧乏伯爵家の三男坊そのショックで現世の記憶が蘇る
マメシバ
ファンタジー
貧乏伯爵家の三男坊のアラン令息
三歳で婚約破棄され
そのショックで前世の記憶が蘇る
前世でも貧乏だったのなんの問題なし
なによりも魔法の世界
ワクワクが止まらない三歳児の
波瀾万丈
家ごと異世界転移〜異世界来ちゃったけど快適に暮らします〜
奥野細道
ファンタジー
都内の2LDKマンションで暮らす30代独身の会社員、田中健太はある夜突然家ごと広大な森と異世界の空が広がるファンタジー世界へと転移してしまう。
パニックに陥りながらも、彼は自身の平凡なマンションが異世界においてとんでもないチート能力を発揮することを発見する。冷蔵庫は地球上のあらゆる食材を無限に生成し、最高の鮮度を保つ「無限の食料庫」となり、リビングのテレビは異世界の情報をリアルタイムで受信・翻訳する「異世界情報端末」として機能。さらに、お風呂の湯はどんな傷も癒す「万能治癒の湯」となり、ベランダは瞬時に植物を成長させる「魔力活性化菜園」に。
健太はこれらの能力を駆使して、食料や情報を確保し、異世界の人たちを助けながら安全な拠点を築いていく。
公爵家三男に転生しましたが・・・
キルア犬
ファンタジー
前世は27歳の社会人でそこそこ恋愛なども経験済みの水嶋海が主人公ですが…
色々と本当に色々とありまして・・・
転生しました。
前世は女性でしたが異世界では男!
記憶持ち葛藤をご覧下さい。
作者は初投稿で理系人間ですので誤字脱字には寛容頂きたいとお願いします。
底辺から始まった俺の異世界冒険物語!
ちかっぱ雪比呂
ファンタジー
40歳の真島光流(ましまみつる)は、ある日突然、他数人とともに異世界に召喚された。
しかし、彼自身は勇者召喚に巻き込まれた一般人にすぎず、ステータスも低かったため、利用価値がないと判断され、追放されてしまう。
おまけに、道を歩いているとチンピラに身ぐるみを剥がされる始末。いきなり異世界で路頭に迷う彼だったが、路上生活をしているらしき男、シオンと出会ったことで、少しだけ道が開けた。
漁れる残飯、眠れる舗道、そして裏ギルドで受けられる雑用仕事など――生きていく方法を、教えてくれたのだ。
この世界では『ミーツ』と名乗ることにし、安い賃金ながらも洗濯などの雑用をこなしていくうちに、金が貯まり余裕も生まれてきた。その頃、ミーツは気付く。自分の使っている魔法が、非常識なほどチートなことに――
元おっさんの俺、公爵家嫡男に転生~普通にしてるだけなのに、次々と問題が降りかかってくる~
おとら@ 書籍発売中
ファンタジー
アルカディア王国の公爵家嫡男であるアレク(十六歳)はある日突然、前触れもなく前世の記憶を蘇らせる。
どうやら、それまでの自分はグータラ生活を送っていて、ろくでもない評判のようだ。
そんな中、アラフォー社畜だった前世の記憶が蘇り混乱しつつも、今の生活に慣れようとするが……。
その行動は以前とは違く見え、色々と勘違いをされる羽目に。
その結果、様々な女性に迫られることになる。
元婚約者にしてツンデレ王女、専属メイドのお調子者エルフ、決闘を仕掛けてくるクーデレ竜人姫、世話をすることなったドジっ子犬耳娘など……。
「ハーレムは嫌だァァァァ! どうしてこうなった!?」
今日も、そんな彼の悲鳴が響き渡る。
【完結】え、別れましょう?
須木 水夏
恋愛
「実は他に好きな人が出来て」
「は?え?別れましょう?」
何言ってんだこいつ、とアリエットは目を瞬かせながらも。まあこちらも好きな訳では無いし都合がいいわ、と長年の婚約者(腐れ縁)だったディオルにお別れを申し出た。
ところがその出来事の裏側にはある双子が絡んでいて…?
だる絡みをしてくる美しい双子の兄妹(?)と、のんびりかつ冷静なアリエットのお話。
※毎度ですが空想であり、架空のお話です。史実に全く関係ありません。
ヨーロッパの雰囲気出してますが、別物です。
ファンタジーは知らないけれど、何やら規格外みたいです 神から貰ったお詫びギフトは、無限に進化するチートスキルでした
渡琉兎
ファンタジー
『第3回次世代ファンタジーカップ』にて【優秀賞】を受賞!
2024/02/21(水)1巻発売!
2024/07/22(月)2巻発売!(コミカライズ企画進行中発表!)
2024/12/16(月)3巻発売!
2025/04/14(月)4巻発売!
応援してくださった皆様、誠にありがとうございます!!
刊行情報が出たことに合わせて02/01にて改題しました!
旧題『ファンタジーを知らないおじさんの異世界スローライフ ~見た目は子供で中身は三十路のギルド専属鑑定士は、何やら規格外みたいです~』
=====
車に轢かれて死んでしまった佐鳥冬夜は、自分の死が女神の手違いだと知り涙する。
そんな女神からの提案で異世界へ転生することになったのだが、冬夜はファンタジー世界について全く知識を持たないおじさんだった。
女神から与えられるスキルも遠慮して鑑定スキルの上位ではなく、下位の鑑定眼を選択してしまう始末。
それでも冬夜は与えられた二度目の人生を、自分なりに生きていこうと転生先の世界――スフィアイズで自由を謳歌する。
※05/12(金)21:00更新時にHOTランキング1位達成!ありがとうございます!
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる
本作については削除予定があるため、新規のレンタルはできません。
このユーザをミュートしますか?
※ミュートすると該当ユーザの「小説・投稿漫画・感想・コメント」が非表示になります。ミュートしたことは相手にはわかりません。またいつでもミュート解除できます。
※一部ミュート対象外の箇所がございます。ミュートの対象範囲についての詳細はヘルプにてご確認ください。
※ミュートしてもお気に入りやしおりは解除されません。既にお気に入りやしおりを使用している場合はすべて解除してからミュートを行うようにしてください。