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第二十四章 お兄ちゃんの官僚としての忙しい日々

六百五十一話 敵は身内にあり?

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 学園に着くと、先生が出迎えてくれました。
 そのまま、いつもの体育館にある控室に向かいます。

「この後は、打ち合わせ通りの流れになります。卒園生と保護者が入場したら、殿下の入場となります。式が終わりましたら、殿下は校内の応接室に移動します】

 入園式の式次第と大抵変わらないので、そんなに問題ないですね。
 警備が厳重なのは仕方ないので、僕達はそのまま応接室にいる事にしました。

 ガチャ。

「あっ、もう着いていたんだね」
「アレク君もリズちゃんも、とっても綺麗な服を着ているわね」

 打ち合わせが終わった所で、エマさんとオリビアさんが部屋にお茶を持って入ってきました。
 今日は、いつもの制服の胸の所に綺麗なお花がついています。

「エマさんが、卒園生代表の挨拶をするんですよね?」
「ええ、そうよ。これでも生徒会長ですから」

 エマさんとオリビアさんの会長副会長コンビで生徒会を運営していたから、エマさんが卒園生代表になるのは当然の話です。
 卒園生の中でも、爵位が一番上ってのもあります。

「でもね、エマちゃんが卒園生代表になるのを阻止しようとしている勢力もいるのよ」
「「「えっ!?」」」

 あの、オリビアさんがとっても不穏な事を言って来たんですけど。
 急遽話を詰める必要があると判断して、スラちゃんにお願いして先に学園に来ていたジンさんと辺境伯様とイザベラ様を体育館の控室に呼んで貰いました。
 ついでに、ちょうど学園に到着したルーカスお兄様と会い様にも立ち会って貰います。

「卒園生の女性側で爵位が一番上なのは私達なのですが、男性側で一番爵位が上の者が卒園生代表の座を狙っていました」
「バード伯爵家のアホよ。よく卒園出来たってレベルのアホなんだけど、事ある事に私とオリビアに突っかかってきたのよ」

 うーん、エマさんとオリビアさんの同級生にも、問題児がいたんですね。
 でも、エマさんもあまりアホアホって言わない方が良いですよ。

「その話は、私も知っていますわ。貴族主義ではないのですが、男尊女卑を貫く人で下級生からも人気がありませんのよ」

 アイビー様も、その人の事をけちょんけちょんに言っています。
 アイビー様の隣に座っているルーカスお兄様も微妙な表情をしているから、きっと本当の事なんだろうね。

「ジンさん、ジンさんの時には卒園生が危険な事をするのってありましたか?」
「ないぞ。俺等の時はレイナが卒園生代表だったが、公爵家の令嬢で尚且つ閣僚の娘だったもんなあ」
「それに、当時から腕っぷしが強かったし、レイナは番長みたいだったのよ」
「カミラ、番長という言葉をそのままそっくりお返しするわ」

 若干レイナさんとカミラさんが睨み合っているけど、カミラさんも侯爵家のしかも宰相の孫だから、ジンさん達に喧嘩を売る人はいなかったんだね。

「取り敢えず、外からの襲撃も警戒するが、卒園生が馬鹿な事をやらかすのを押さえる方が確率として高そうだな」
「そうね、せっかくの卒園生を台無しにするわけにはいかないね」
「バカが暴走しないように、監視をしないとね」
「悪い人は、リズがやっつけるよ!」

 こうして、僕達の警戒のレベルが上がりました。
 敵は身内にあり、ですね。
 あと、リズは大人しく座っていて下さい。
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