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第二十四章 お兄ちゃんの官僚としての忙しい日々
六百五十二話 卒園式の始まり
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時間になったので、僕達はそれぞれ所定の位置に移動しました。
僕とリズとルーシーお姉様は、壇上に用意された来賓席に座ります。
ジンさん達も、体育館の壁際に位置してスタンバイオッケーです。
辺境伯様夫妻も保護者席に座ったし、エマさんとオリビアさんも席に座っています。
「皆様、お待たせいたしました。これより、卒園式を始めます」
おお、司会進行役はアイビー様なんだ。
でも、生徒会に入っているし、とっても綺麗な声です。
式自体は普通に進んで行きますが、最初にして最大の難関がやってきました。
「それでは、学園長先生から卒園生への言葉です」
そうです、学園長の言葉がやってきました。
僕が今まで参加した学園行事では、学園長の話が半分以上の時間を占めていた時がありました。
こころなしか、周りの人もざわざわとし始めました。
「卒園生の諸君、卒園おめでとう。学園を代表して、諸君に言葉を送ろう。先ず……」
そして、やっぱりというか長時間の演説が始まってしまいました。
過去最高の長さじゃないかなってくらい、学園長の話が止まりません。
「長いよ……」
「退屈だよ……」
流石に卒園式の最中なので小声だけど、リズとルーシーお姉様も完全に飽きてしまっていた。
ふと保護者席を見ると、学園長の話によって催眠術にかかってしまった人もいる。
卒園生にも、ちらほら催眠術にかかっている人がいるぞ。
「……以上をもって、私からの挨拶とする」
パチパチパチ。
そして、学園長の話が終わると、体育館中から大きな拍手が起きました。
勿論、僕とリズとルーシーお姉様も拍手をしていました。
な、長かった……
思わず、僕も寝ちゃいそうだったよ。
「続きまして、来賓を代表して宰相補佐官であるアレクサンダー殿下より祝辞を頂戴します」
おっと、学園長の話で完全に集中力が途切れちゃったけど、僕も挨拶をしないと。
紙は用意したけど、アドリブで短くしちゃおう。
「卒園生の皆様、ご卒園おめでとうございます。来賓を代表して、一言祝辞を送ります。これから皆さんは学園を卒園して社会に飛び出しますが、どうか学園で育んだ友情を大切にして下さい。大切な仲間と共に、新しい王国を築き上げるのを私も楽しみにします。結びに、今まで卒園生を大切に育てて下さった保護者の皆様、真剣に授業を教えてくれた先生、多くの人の御多幸を祈願して私の挨拶とします」
パチパチパチ。
ふう、アドリブだったけど上手くいって良かった。
体育館中から、拍手が送られました。
「お兄ちゃん、カッコよかったよ!」
「流石は弟くんね。堂々としていたわよ」
席に着くと、小さな声でリズとルーシーお姉様が僕を褒めてくれました。
僕も大役を果たして、ホッとしています。
「続きまして、卒園生代表挨拶です。卒園生代表、エマ・ホーエンハイム」
「はい」
アイビー様のアナウンスで、エマさんが席から立ち上がりました。
「ちょっと待った!」
ざわざわ。
エマさんが立ち上がった瞬間に、太っちょの学生が立ち上がった。
突然の事で、体育館中がざわざわとしています。
間違いなく、あの男子学生がバード伯爵の息子だね。
僕とリズとルーシーお姉様は、壇上に用意された来賓席に座ります。
ジンさん達も、体育館の壁際に位置してスタンバイオッケーです。
辺境伯様夫妻も保護者席に座ったし、エマさんとオリビアさんも席に座っています。
「皆様、お待たせいたしました。これより、卒園式を始めます」
おお、司会進行役はアイビー様なんだ。
でも、生徒会に入っているし、とっても綺麗な声です。
式自体は普通に進んで行きますが、最初にして最大の難関がやってきました。
「それでは、学園長先生から卒園生への言葉です」
そうです、学園長の言葉がやってきました。
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そして、やっぱりというか長時間の演説が始まってしまいました。
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「長いよ……」
「退屈だよ……」
流石に卒園式の最中なので小声だけど、リズとルーシーお姉様も完全に飽きてしまっていた。
ふと保護者席を見ると、学園長の話によって催眠術にかかってしまった人もいる。
卒園生にも、ちらほら催眠術にかかっている人がいるぞ。
「……以上をもって、私からの挨拶とする」
パチパチパチ。
そして、学園長の話が終わると、体育館中から大きな拍手が起きました。
勿論、僕とリズとルーシーお姉様も拍手をしていました。
な、長かった……
思わず、僕も寝ちゃいそうだったよ。
「続きまして、来賓を代表して宰相補佐官であるアレクサンダー殿下より祝辞を頂戴します」
おっと、学園長の話で完全に集中力が途切れちゃったけど、僕も挨拶をしないと。
紙は用意したけど、アドリブで短くしちゃおう。
「卒園生の皆様、ご卒園おめでとうございます。来賓を代表して、一言祝辞を送ります。これから皆さんは学園を卒園して社会に飛び出しますが、どうか学園で育んだ友情を大切にして下さい。大切な仲間と共に、新しい王国を築き上げるのを私も楽しみにします。結びに、今まで卒園生を大切に育てて下さった保護者の皆様、真剣に授業を教えてくれた先生、多くの人の御多幸を祈願して私の挨拶とします」
パチパチパチ。
ふう、アドリブだったけど上手くいって良かった。
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「お兄ちゃん、カッコよかったよ!」
「流石は弟くんね。堂々としていたわよ」
席に着くと、小さな声でリズとルーシーお姉様が僕を褒めてくれました。
僕も大役を果たして、ホッとしています。
「続きまして、卒園生代表挨拶です。卒園生代表、エマ・ホーエンハイム」
「はい」
アイビー様のアナウンスで、エマさんが席から立ち上がりました。
「ちょっと待った!」
ざわざわ。
エマさんが立ち上がった瞬間に、太っちょの学生が立ち上がった。
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