493 / 947
第二十四章 お兄ちゃんの官僚としての忙しい日々
六百五十二話 卒園式の始まり
しおりを挟む
時間になったので、僕達はそれぞれ所定の位置に移動しました。
僕とリズとルーシーお姉様は、壇上に用意された来賓席に座ります。
ジンさん達も、体育館の壁際に位置してスタンバイオッケーです。
辺境伯様夫妻も保護者席に座ったし、エマさんとオリビアさんも席に座っています。
「皆様、お待たせいたしました。これより、卒園式を始めます」
おお、司会進行役はアイビー様なんだ。
でも、生徒会に入っているし、とっても綺麗な声です。
式自体は普通に進んで行きますが、最初にして最大の難関がやってきました。
「それでは、学園長先生から卒園生への言葉です」
そうです、学園長の言葉がやってきました。
僕が今まで参加した学園行事では、学園長の話が半分以上の時間を占めていた時がありました。
こころなしか、周りの人もざわざわとし始めました。
「卒園生の諸君、卒園おめでとう。学園を代表して、諸君に言葉を送ろう。先ず……」
そして、やっぱりというか長時間の演説が始まってしまいました。
過去最高の長さじゃないかなってくらい、学園長の話が止まりません。
「長いよ……」
「退屈だよ……」
流石に卒園式の最中なので小声だけど、リズとルーシーお姉様も完全に飽きてしまっていた。
ふと保護者席を見ると、学園長の話によって催眠術にかかってしまった人もいる。
卒園生にも、ちらほら催眠術にかかっている人がいるぞ。
「……以上をもって、私からの挨拶とする」
パチパチパチ。
そして、学園長の話が終わると、体育館中から大きな拍手が起きました。
勿論、僕とリズとルーシーお姉様も拍手をしていました。
な、長かった……
思わず、僕も寝ちゃいそうだったよ。
「続きまして、来賓を代表して宰相補佐官であるアレクサンダー殿下より祝辞を頂戴します」
おっと、学園長の話で完全に集中力が途切れちゃったけど、僕も挨拶をしないと。
紙は用意したけど、アドリブで短くしちゃおう。
「卒園生の皆様、ご卒園おめでとうございます。来賓を代表して、一言祝辞を送ります。これから皆さんは学園を卒園して社会に飛び出しますが、どうか学園で育んだ友情を大切にして下さい。大切な仲間と共に、新しい王国を築き上げるのを私も楽しみにします。結びに、今まで卒園生を大切に育てて下さった保護者の皆様、真剣に授業を教えてくれた先生、多くの人の御多幸を祈願して私の挨拶とします」
パチパチパチ。
ふう、アドリブだったけど上手くいって良かった。
体育館中から、拍手が送られました。
「お兄ちゃん、カッコよかったよ!」
「流石は弟くんね。堂々としていたわよ」
席に着くと、小さな声でリズとルーシーお姉様が僕を褒めてくれました。
僕も大役を果たして、ホッとしています。
「続きまして、卒園生代表挨拶です。卒園生代表、エマ・ホーエンハイム」
「はい」
アイビー様のアナウンスで、エマさんが席から立ち上がりました。
「ちょっと待った!」
ざわざわ。
エマさんが立ち上がった瞬間に、太っちょの学生が立ち上がった。
突然の事で、体育館中がざわざわとしています。
間違いなく、あの男子学生がバード伯爵の息子だね。
僕とリズとルーシーお姉様は、壇上に用意された来賓席に座ります。
ジンさん達も、体育館の壁際に位置してスタンバイオッケーです。
辺境伯様夫妻も保護者席に座ったし、エマさんとオリビアさんも席に座っています。
「皆様、お待たせいたしました。これより、卒園式を始めます」
おお、司会進行役はアイビー様なんだ。
でも、生徒会に入っているし、とっても綺麗な声です。
式自体は普通に進んで行きますが、最初にして最大の難関がやってきました。
「それでは、学園長先生から卒園生への言葉です」
そうです、学園長の言葉がやってきました。
僕が今まで参加した学園行事では、学園長の話が半分以上の時間を占めていた時がありました。
こころなしか、周りの人もざわざわとし始めました。
「卒園生の諸君、卒園おめでとう。学園を代表して、諸君に言葉を送ろう。先ず……」
そして、やっぱりというか長時間の演説が始まってしまいました。
過去最高の長さじゃないかなってくらい、学園長の話が止まりません。
「長いよ……」
「退屈だよ……」
流石に卒園式の最中なので小声だけど、リズとルーシーお姉様も完全に飽きてしまっていた。
ふと保護者席を見ると、学園長の話によって催眠術にかかってしまった人もいる。
卒園生にも、ちらほら催眠術にかかっている人がいるぞ。
「……以上をもって、私からの挨拶とする」
パチパチパチ。
そして、学園長の話が終わると、体育館中から大きな拍手が起きました。
勿論、僕とリズとルーシーお姉様も拍手をしていました。
な、長かった……
思わず、僕も寝ちゃいそうだったよ。
「続きまして、来賓を代表して宰相補佐官であるアレクサンダー殿下より祝辞を頂戴します」
おっと、学園長の話で完全に集中力が途切れちゃったけど、僕も挨拶をしないと。
紙は用意したけど、アドリブで短くしちゃおう。
「卒園生の皆様、ご卒園おめでとうございます。来賓を代表して、一言祝辞を送ります。これから皆さんは学園を卒園して社会に飛び出しますが、どうか学園で育んだ友情を大切にして下さい。大切な仲間と共に、新しい王国を築き上げるのを私も楽しみにします。結びに、今まで卒園生を大切に育てて下さった保護者の皆様、真剣に授業を教えてくれた先生、多くの人の御多幸を祈願して私の挨拶とします」
パチパチパチ。
ふう、アドリブだったけど上手くいって良かった。
体育館中から、拍手が送られました。
「お兄ちゃん、カッコよかったよ!」
「流石は弟くんね。堂々としていたわよ」
席に着くと、小さな声でリズとルーシーお姉様が僕を褒めてくれました。
僕も大役を果たして、ホッとしています。
「続きまして、卒園生代表挨拶です。卒園生代表、エマ・ホーエンハイム」
「はい」
アイビー様のアナウンスで、エマさんが席から立ち上がりました。
「ちょっと待った!」
ざわざわ。
エマさんが立ち上がった瞬間に、太っちょの学生が立ち上がった。
突然の事で、体育館中がざわざわとしています。
間違いなく、あの男子学生がバード伯爵の息子だね。
336
お気に入りに追加
8,909
あなたにおすすめの小説
小さな大魔法使いの自分探しの旅 親に見捨てられたけど、無自覚チートで街の人を笑顔にします
藤なごみ
ファンタジー
※2024年10月下旬に、第2巻刊行予定です
2024年6月中旬に第一巻が発売されます
2024年6月16日出荷、19日販売となります
発売に伴い、題名を「小さな大魔法使いの自分探しの旅~親に見捨てられたけど、元気いっぱいに無自覚チートで街の人を笑顔にします~」→「小さな大魔法使いの自分探しの旅~親に見捨てられたけど、無自覚チートで街の人を笑顔にします~」
中世ヨーロッパに似ているようで少し違う世界。
数少ないですが魔法使いがが存在し、様々な魔導具も生産され、人々の生活を支えています。
また、未開発の土地も多く、数多くの冒険者が活動しています
この世界のとある地域では、シェルフィード王国とタターランド帝国という二つの国が争いを続けています
戦争を行る理由は様ながら長年戦争をしては停戦を繰り返していて、今は辛うじて平和な時が訪れています
そんな世界の田舎で、男の子は産まれました
男の子の両親は浪費家で、親の資産を一気に食いつぶしてしまい、あろうことかお金を得るために両親は行商人に幼い男の子を売ってしまいました
男の子は行商人に連れていかれながら街道を進んでいくが、ここで行商人一行が盗賊に襲われます
そして盗賊により行商人一行が殺害される中、男の子にも命の危険が迫ります
絶体絶命の中、男の子の中に眠っていた力が目覚めて……
この物語は、男の子が各地を旅しながら自分というものを探すものです
各地で出会う人との繋がりを通じて、男の子は少しずつ成長していきます
そして、自分の中にある魔法の力と向かいながら、色々な事を覚えていきます
カクヨム様と小説家になろう様にも投稿しております

辺境伯家ののんびり発明家 ~異世界でマイペースに魔道具開発を楽しむ日々~
雪月夜狐
ファンタジー
壮年まで生きた前世の記憶を持ちながら、気がつくと辺境伯家の三男坊として5歳の姿で異世界に転生していたエルヴィン。彼はもともと物作りが大好きな性格で、前世の知識とこの世界の魔道具技術を組み合わせて、次々とユニークな発明を生み出していく。
辺境の地で、家族や使用人たちに役立つ便利な道具や、妹のための可愛いおもちゃ、さらには人々の生活を豊かにする新しい魔道具を作り上げていくエルヴィン。やがてその才能は周囲の人々にも認められ、彼は王都や商会での取引を通じて新しい人々と出会い、仲間とともに成長していく。
しかし、彼の心にはただの「発明家」以上の夢があった。この世界で、誰も見たことがないような道具を作り、貴族としての責任を果たしながら、人々に笑顔と便利さを届けたい——そんな野望が、彼を新たな冒険へと誘う。
他作品の詳細はこちら:
『転生特典:錬金術師スキルを習得しました!』
【https://www.alphapolis.co.jp/novel/297545791/906915890】
『テイマーのんびり生活!スライムと始めるVRMMOスローライフ』 【https://www.alphapolis.co.jp/novel/297545791/515916186】
『ゆるり冒険VR日和 ~のんびり異世界と現実のあいだで~』
【https://www.alphapolis.co.jp/novel/297545791/166917524】
3点スキルと食事転生。食いしん坊の幸福無双。〜メシ作るために、貰ったスキル、完全に戦闘狂向き〜
西園寺わかば🌱
ファンタジー
伯爵家の当主と側室の子であるリアムは転生者である。
転生した時に、目立たないから大丈夫と貰ったスキルが、転生して直後、ひょんなことから1番知られてはいけない人にバレてしまう。
- 週間最高ランキング:総合297位
- ゲス要素があります。
- この話はフィクションです。
異世界転生目立ちたく無いから冒険者を目指します
桂崇
ファンタジー
小さな町で酒場の手伝いをする母親と2人で住む少年イールスに転生覚醒する、チートする方法も無く、母親の死により、実の父親の家に引き取られる。イールスは、冒険者になろうと目指すが、周囲はその才能を惜しんでいる
俺だけ永久リジェネな件 〜パーティーを追放されたポーション生成師の俺、ポーションがぶ飲みで得た無限回復スキルを何故かみんなに狙われてます!〜
早見羽流
ファンタジー
ポーション生成師のリックは、回復魔法使いのアリシアがパーティーに加入したことで、役たたずだと追放されてしまう。
食い物に困って余ったポーションを飲みまくっていたら、気づくとHPが自動で回復する「リジェネレーション」というユニークスキルを発現した!
しかし、そんな便利なスキルが放っておかれるわけもなく、はぐれ者の魔女、孤高の天才幼女、マッドサイエンティスト、魔女狩り集団、最強の仮面騎士、深窓の令嬢、王族、謎の巨乳魔術師、エルフetc、ヤバい奴らに狙われることに……。挙句の果てには人助けのために、危険な組織と対決することになって……?
「俺はただ平和に暮らしたいだけなんだぁぁぁぁぁ!!!」
そんなリックの叫びも虚しく、王国中を巻き込んだ動乱に巻き込まれていく。
無双あり、ざまぁあり、ハーレムあり、戦闘あり、友情も恋愛もありのドタバタファンタジー!

水しか操れない無能と言われて虐げられてきた令嬢に転生していたようです。ところで皆さん。人体の殆どが水分から出来ているって知ってました?
ラララキヲ
ファンタジー
わたくしは出来損ない。
誰もが5属性の魔力を持って生まれてくるこの世界で、水の魔力だけしか持っていなかった欠陥品。
それでも、そんなわたくしでも侯爵家の血と伯爵家の血を引いている『血だけは価値のある女』。
水の魔力しかないわたくしは皆から無能と呼ばれた。平民さえもわたくしの事を馬鹿にする。
そんなわたくしでも期待されている事がある。
それは『子を生むこと』。
血は良いのだから次はまともな者が生まれてくるだろう、と期待されている。わたくしにはそれしか価値がないから……
政略結婚で決められた婚約者。
そんな婚約者と親しくする御令嬢。二人が愛し合っているのならわたくしはむしろ邪魔だと思い、わたくしは父に相談した。
婚約者の為にもわたくしが身を引くべきではないかと……
しかし……──
そんなわたくしはある日突然……本当に突然、前世の記憶を思い出した。
前世の記憶、前世の知識……
わたくしの頭は霧が晴れたかのように世界が突然広がった……
水魔法しか使えない出来損ない……
でも水は使える……
水……水分……液体…………
あら? なんだかなんでもできる気がするわ……?
そしてわたくしは、前世の雑な知識でわたくしを虐げた人たちに仕返しを始める……──
【※女性蔑視な発言が多々出てきますので嫌な方は注意して下さい】
【※知識の無い者がフワッとした知識で書いてますので『これは違う!』が許せない人は読まない方が良いです】
【※ファンタジーに現実を引き合いに出してあれこれ考えてしまう人にも合わないと思います】
◇ふんわり世界観。ゆるふわ設定。
◇ご都合展開。矛盾もあるよ!
◇なろうにも上げてます。

悪役令息に転生したけど、静かな老後を送りたい!
えながゆうき
ファンタジー
妹がやっていた乙女ゲームの世界に転生し、自分がゲームの中の悪役令息であり、魔王フラグ持ちであることに気がついたシリウス。しかし、乙女ゲームに興味がなかった事が仇となり、断片的にしかゲームの内容が分からない!わずかな記憶を頼りに魔王フラグをへし折って、静かな老後を送りたい!
剣と魔法のファンタジー世界で、精一杯、悪足搔きさせていただきます!
【完結】魔物をテイムしたので忌み子と呼ばれ一族から追放された最弱テイマー~今頃、お前の力が必要だと言われても魔王の息子になったのでもう遅い~
柊彼方
ファンタジー
「一族から出ていけ!」「お前は忌み子だ! 俺たちの子じゃない!」
テイマーのエリート一族に生まれた俺は一族の中で最弱だった。
この一族は十二歳になると獣と契約を交わさないといけない。
誰にも期待されていなかった俺は自分で獣を見つけて契約を交わすことに成功した。
しかし、一族のみんなに見せるとそれは『獣』ではなく『魔物』だった。
その瞬間俺は全ての関係を失い、一族、そして村から追放され、野原に捨てられてしまう。
だが、急な展開過ぎて追いつけなくなった俺は最初は夢だと思って行動することに。
「やっと来たか勇者! …………ん、子供?」
「貴方がマオウさんですね! これからお世話になります!」
これは魔物、魔族、そして魔王と一緒に暮らし、いずれ世界最強のテイマー、冒険者として名をとどろかせる俺の物語
2月28日HOTランキング9位!
3月1日HOTランキング6位!
本当にありがとうございます!
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる
本作については削除予定があるため、新規のレンタルはできません。
このユーザをミュートしますか?
※ミュートすると該当ユーザの「小説・投稿漫画・感想・コメント」が非表示になります。ミュートしたことは相手にはわかりません。またいつでもミュート解除できます。
※一部ミュート対象外の箇所がございます。ミュートの対象範囲についての詳細はヘルプにてご確認ください。
※ミュートしてもお気に入りやしおりは解除されません。既にお気に入りやしおりを使用している場合はすべて解除してからミュートを行うようにしてください。