51 / 67
第二章 文月の奪還作戦
第四十九話 文月の奪還作戦(中編)
しおりを挟む
~2100年7月14日 9:25 革命国内農場~
「お…お前たちは誰だ!」
母屋まであと50mというところまできて農場主に見つかってしまった。
「まずいな…全員戦闘準備」
D隊長が合図すると隊員が銃を構えた。
「うっ…お…お前たちの目的は何だ!」
「お前に話す必要などない」
「まさか…優芽をさらいに来たのか」
「優芽…!」
俺は久しぶりに聞いた幼馴染の名前につい反応してしまった。
「やっぱりか…お前たちには渡さんぞ!」
「やむを得ん。発砲準備」
「待て」
俺は農場主をもう一度じっくり見た。さびれた服と麦わら帽子。真っ黒に日焼けした肌が労働の証だ。言葉こそ強気だが銃を向けられ手や足が小刻みに震えている。だが優芽の話になったとたん震えは止まりくわを構えなおし、目には闘志がみなぎっている。あっ…この人が優芽を今日まで守ってくれていたんだな…
「この人は殺すな。作戦終了まで気絶させておけ」
「し…しかし…」
「大丈夫だ。俺を信じろ」
「了解」
「さっきから何をこそこそと話しているんだ!優芽をさらうやつはこのわしが生かして置かん!」
農場主はそういうとこちらに突進していた。だがあっという間に隊員たちに取り押さえられてしまった。
「くっ…優芽をさらわせるわけにはいかん…放せ!放せ!」
「こいつすごい暴れるな…」
「気絶させるにもさせられない…」
隊員たちが必死になって取り押さえてくれている。油断するとこっちに突進してきそうな勢いだ。その時だった。バンバンバンバンバンバンバンバン…
「何事だ!」
「革命国軍の攻撃です、グハッ…」
「おい!大丈夫か!」
「やむを得ん。ハッ!」
隊員の一人が農場主の首元にチョップを入れるとあっという間に伸びてしまった。
「全隊員応戦準備!打て!」
バンバンバン…激しい銃撃戦が始まった。
「山本非常事態対策本部長。ここは我々が食い止めます。早く優芽さんを迎えに行ってあげてください」
「だがしかし…」
「今優芽さんを助けに行けるのはあなただけです。少し遠回りですが牛舎の裏を通っていけば敵の死角を上手い具合に走り抜けられるでしょう。さぁ早く!」
「わ…分かった。お前たちも気を付けて」
「山本非常事態対策本部長も」
俺は走り出した。こぼれ球が体の左右をものすごい速さで飛んでいく。なんとか牛舎の裏までやってくることができた。母屋まではあと50mもない。俺は力いっぱい踏み出した。
ーーーーーーーーー
ーーーーーーーーー
ーーーーーーーーー
あの日した約束を君は覚えているだろうか。でも俺は約束を守れなかった。君を守れなかった。もしかすると君は僕の顔なんて見たくないかもしれない。
だってそうだろ?約束を破るような男の顔なんて見て何になるんだ?でも俺は君のもとに走っていきたいと思う。
だって君にどうしても伝えたい言葉があるから。
「お…お前たちは誰だ!」
母屋まであと50mというところまできて農場主に見つかってしまった。
「まずいな…全員戦闘準備」
D隊長が合図すると隊員が銃を構えた。
「うっ…お…お前たちの目的は何だ!」
「お前に話す必要などない」
「まさか…優芽をさらいに来たのか」
「優芽…!」
俺は久しぶりに聞いた幼馴染の名前につい反応してしまった。
「やっぱりか…お前たちには渡さんぞ!」
「やむを得ん。発砲準備」
「待て」
俺は農場主をもう一度じっくり見た。さびれた服と麦わら帽子。真っ黒に日焼けした肌が労働の証だ。言葉こそ強気だが銃を向けられ手や足が小刻みに震えている。だが優芽の話になったとたん震えは止まりくわを構えなおし、目には闘志がみなぎっている。あっ…この人が優芽を今日まで守ってくれていたんだな…
「この人は殺すな。作戦終了まで気絶させておけ」
「し…しかし…」
「大丈夫だ。俺を信じろ」
「了解」
「さっきから何をこそこそと話しているんだ!優芽をさらうやつはこのわしが生かして置かん!」
農場主はそういうとこちらに突進していた。だがあっという間に隊員たちに取り押さえられてしまった。
「くっ…優芽をさらわせるわけにはいかん…放せ!放せ!」
「こいつすごい暴れるな…」
「気絶させるにもさせられない…」
隊員たちが必死になって取り押さえてくれている。油断するとこっちに突進してきそうな勢いだ。その時だった。バンバンバンバンバンバンバンバン…
「何事だ!」
「革命国軍の攻撃です、グハッ…」
「おい!大丈夫か!」
「やむを得ん。ハッ!」
隊員の一人が農場主の首元にチョップを入れるとあっという間に伸びてしまった。
「全隊員応戦準備!打て!」
バンバンバン…激しい銃撃戦が始まった。
「山本非常事態対策本部長。ここは我々が食い止めます。早く優芽さんを迎えに行ってあげてください」
「だがしかし…」
「今優芽さんを助けに行けるのはあなただけです。少し遠回りですが牛舎の裏を通っていけば敵の死角を上手い具合に走り抜けられるでしょう。さぁ早く!」
「わ…分かった。お前たちも気を付けて」
「山本非常事態対策本部長も」
俺は走り出した。こぼれ球が体の左右をものすごい速さで飛んでいく。なんとか牛舎の裏までやってくることができた。母屋まではあと50mもない。俺は力いっぱい踏み出した。
ーーーーーーーーー
ーーーーーーーーー
ーーーーーーーーー
あの日した約束を君は覚えているだろうか。でも俺は約束を守れなかった。君を守れなかった。もしかすると君は僕の顔なんて見たくないかもしれない。
だってそうだろ?約束を破るような男の顔なんて見て何になるんだ?でも俺は君のもとに走っていきたいと思う。
だって君にどうしても伝えたい言葉があるから。
0
あなたにおすすめの小説
わたしの下着 母の私をBBA~と呼ぶことのある息子がまさか...
MisakiNonagase
青春
39才の母・真知子は息子が私の下着を持ち出していることに気づいた。
ネットで同様の事象がないか調べると、案外多いようだ。
さて、真知子は息子を問い詰める? それとも気づかないふりを続けてあげるか?
そのほかに外伝も綴りました。
虚無・神様のメール・その他の短編
れつだん先生
現代文学
20年間で書き溜めた短編やショートショートをまとめました。
公募一次通過作などもあります。
今見返すと文章も内容も難ありですが、それを楽しんでいただけると幸いです。
罠にはめられた公爵令嬢~今度は私が報復する番です
結城芙由奈@コミカライズ連載中
ファンタジー
【私と私の家族の命を奪ったのは一体誰?】
私には婚約中の王子がいた。
ある夜のこと、内密で王子から城に呼び出されると、彼は見知らぬ女性と共に私を待ち受けていた。
そして突然告げられた一方的な婚約破棄。しかし二人の婚約は政略的なものであり、とてもでは無いが受け入れられるものではなかった。そこで婚約破棄の件は持ち帰らせてもらうことにしたその帰り道。突然馬車が襲われ、逃げる途中で私は滝に落下してしまう。
次に目覚めた場所は粗末な小屋の中で、私を助けたという青年が側にいた。そして彼の話で私は驚愕の事実を知ることになる。
目覚めた世界は10年後であり、家族は反逆罪で全員処刑されていた。更に驚くべきことに蘇った身体は全く別人の女性であった。
名前も素性も分からないこの身体で、自分と家族の命を奪った相手に必ず報復することに私は決めた――。
※他サイトでも投稿中
終焉列島:ゾンビに沈む国
ねむたん
ホラー
2025年。ネット上で「死体が動いた」という噂が広まり始めた。
最初はフェイクニュースだと思われていたが、世界各地で「死亡したはずの人間が動き出し、人を襲う」事例が報告され、SNSには異常な映像が拡散されていく。
会社帰り、三浦拓真は同僚の藤木とラーメン屋でその話題になる。冗談めかしていた二人だったが、テレビのニュースで「都内の病院で死亡した患者が看護師を襲った」と報じられ、店内の空気が一変する。
優しい雨が降る夜は
葉月 まい
恋愛
浮世離れした地味子 × 外資系ITコンサルのエリートイケメン
無自覚にモテる地味子に
余裕もなく翻弄されるイケメン
二人の恋は一筋縄ではいかなくて……
雨降る夜に心に届いた
優しい恋の物語
⟡☾·̩͙⋆☔┈┈┈ 登場人物 ┈┈┈ ☔⋆·̩͙☽⟡
風間 美月(24歳)……コミュニティセンター勤務・地味でお堅い性格
雨宮 優吾(28歳)……外資系ITコンサルティング会社勤務のエリートイケメン
猿の内政官 ~天下統一のお助けのお助け~
橋本洋一
歴史・時代
この世が乱れ、国同士が戦う、戦国乱世。
記憶を失くした優しいだけの少年、雲之介(くものすけ)と元今川家の陪々臣(ばいばいしん)で浪人の木下藤吉郎が出会い、二人は尾張の大うつけ、織田信長の元へと足を運ぶ。織田家に仕官した雲之介はやがて内政の才を発揮し、二人の主君にとって無くてはならぬ存在へとなる。
これは、優しさを武器に二人の主君を天下人へと導いた少年の物語
※架空戦記です。史実で死ぬはずの人物が生存したり、歴史が早く進む可能性があります
『イージス艦長、インパール最前線へ。――牟田口廉也に転生した俺は、地獄の餓死作戦を「鉄壁の兵站要塞」に変える』
月神世一
SF
【あらすじ】
「補給がなければ、戦場に立つ資格すらない」
坂上真一(さかがみ しんいち)、50歳。
かつてイージス艦長として鉄壁の防空網を指揮し、現在は海上自衛隊で次世代艦の兵站システムを設計する男。
背中には若き日の過ちである「仁王」の刺青を隠し持ち、北辰一刀流の達人でもある彼は、ある日、勤務中に仮眠をとる。
目が覚めると、そこは湿気と熱気に満ちた1944年のビルマだった。
鏡に映っていたのは、小太りで口髭の男――歴史の教科書で見た、あの「牟田口廉也」。
しかも時期は、日本陸軍史上最悪の汚点とされる「インパール作戦」決行の直前。
部下たちは「必勝の精神論」を叫び、無謀な突撃を今か今かと待っている。
(……ふざけるな。俺に、部下を餓死させろと言うのか?)
現代の知識と、冷徹な計算、そして海自仕込みのロジスティクス能力。
すべてを駆使して、坂上(中身)は歴史への介入を開始する。
精神論を振りかざすふりをして上層部を欺き、現地改修で兵器を強化し、密かに撤退路を整備する。
これは、「史上最も無能な指揮官」の皮を被った「現代の有能な指揮官」が、確定した敗北の運命をねじ伏せ、数万の命を救うために戦う、逆転の戦記ドラマ。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる