調教師ファーマーの気まぐれ漂流記

竹田勇人

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第12話 出発

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クレール「荷物はまとめた!?」
スポンド「あぁ!バッチリだ!」
レヴェントン「皆様、お気をつけて。」
アリー「夕食作って待ってるから!ちゃんと帰ってきてね!」
クレール「クープとキーコは平気?」
クープ「クー!準備OKだよ!」
キーコ「荷物はしっかり固定して下さい。」
スポンド「お、おい…キーコ…大丈夫なのか?」
キーコの背中にはこれでもかというほど荷物が積まれているなにせ一週間分ほどは食料を積んでその他にも野営道具やら武器と防具のメンテナンス道具も持っているから荷物の量がどうしても多くなってしまった。
キーコ「大丈夫です。ご心配なく。昔は龍の死骸を持って森を横断したこともありましたから。」
スポンド「…心強いな。」
クレール「そろそろ行こう。先は長いから、なるべく早く先に進まないと。」
スポンド「俺らの旅はどうしていつも余裕ないんだろうな?」
クレール「しょうがないんじゃない?本来はファーマーって拠点作ってじっくり畑を作るある意味旅人とは真逆の生活だし。」
スポンド「まぁ、それもまた一興か。」
クレール「そういうこと。」
キーコ「飛びます!」
アリー「いってらっしゃーい!」
レヴェントン「神のご加護を…」
クープ「飛んだ飛んだ~!」
クレール「相変わらず好きだね。」
クープ「だって楽しいもん!とりあえずどこを目指すの?」
クレール「まずはそのギブリってのが言ってた集落を目指そう。そこで態勢を整えて草原で土龍を仲間にしてから炎龍を捕まえる。」
スポンド「大きさはどうすんだ?炎龍はともかく土龍に関してはピンキリだぞ?」
クレール「はじめは子供のやつ捕まえて育てようと思ってたけどそんな時間なさそうだから大物狙いで。」
スポンド「そういや、土龍の超変上位種っているのか?」
クレール「分かんない。」
そんな話をしていると、キーコが大きく翼を広げて速度を上げようとした。その時だった。
「待ってくれー!」
声のする方向を見ると淡く光を放つ馬車が空を飛んでいた。
クレール「何だ!?」
スポンド「ブラエハム!?」
光る馬車はぐんぐんとこちらに近づいてきた。
ブラエハム「いやぁ、もっと早く合流したかったんだが、準備が多くてな。」
スポンド「ちょっとまて!なんで合流してる!?」
ブラエハム「生きた龍の検体なんてそう簡単に得られるものではない。それに、無制限スキルにも興味がある。」
クレール「まぁ、仲間は多いに越したことはないから。」
クープ「そうだ!ブラエハムなら知ってるかな?」
ブラエハム「なんのことじゃ?」
クレール「そうそう、土龍の超変上位種っているんですか?」
ブラエハム「あぁ、おるぞ。というより、超変上位種の存在しない種の方が少ないからの。」
スポンド「超変上位種ってそもそもなんなの?バカ強いし見た目全然違うし。」
ブラエハム「まぁ~難しいの…簡単に言えば、ステータスを上げすぎた一体が持っていた劣性遺伝子が突然変異で恒久化したものが広がってしまった…と考えられておる。」
クレール「つまり、僕が起こした現象と同じようなのを起こした魔獣の子孫ってこと?」
ブラエハム「まぁ、そんなものじゃ。だが、龍と同様生きた検体がなかなか手に入らなくての。その生態のほとんどは謎に包まれておるのじゃ。」
ブラエハム「はぁ~、つかブラエハムって何者?魔獣にも詳しいし魔法も使えるし。」
ブラエハム「わしはの…天才魔導師と呼ばれることもあった。まぁ、昔のことだがな。元は魔導師じゃったが…あることがきっかけで研究をやめて今の研究所に籠ってそれっきりじゃ。今はもっぱら、近所の人の薬を作ったり、魔獣の研究をする程度での。」
ブラエハムはそれ以上は語ろうとしなかった。彼の知識の裏には、何か深く暗い過去があるように、そう感じられた。
ブラエハム「そんなことはどうでもいいのじゃ。今はとにかくその集落に向かうのじゃ。もうすぐ朝日が昇るぞ。」
空が紅に染まり、暁が照らす草原はどこまでも果てしなく広がっている。これから始まる激戦が、ここからほど近いところで始まったのはまだ少し先の話である。
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