上 下
13 / 13

第13話 情報

しおりを挟む
クレール「ん~!ついた~!」
スポンド「結局昼過ぎちまったな。」
クープ「お腹すいた!」
キーコ「とりあえず今晩泊まれるところを探しましょう」
クレール「待って待って!一つづつやっていこう。とりあえず役場に行って炎龍の話のこの村について聞いてこよう。」
スポンド「そうだな…周りの人の目が…」
それは初めて王国に入った日のことを思い出させる雰囲気だった。好奇というか、警戒というか、そんなのが混ざり合ったような視線だ。このままヤバい奴のレッテルを貼られると色々面倒なのでとりあえず、という話にまとまった。
クレール「ごめん下さい!誰か!」
ギブリ「よく来てくれました…奥へ。」
スポンド「あ!お前!」
クレール「知り合い?」
スポンド「知り合いも何も、フィレッツで会ったギブリだ。」
キーコ「この方が…」
そう話していると奥から長老らしき人物が姿を現した。
「よくいらっしゃいました…ただいまお茶を…」
スポンド「まどろっこしい話は後だ。とりあえず簡潔に状況を説明してくれ。」
アズル「はい、私はこの村の長老、アズルと申します。最近、我が村の大魔導師セプラが近く、この村のはずれの湖に眠る水龍が目を覚ますとの予言を呈しまして、我が村の者ではどうにもできずギブリを使いに送ると、皆様を見つけたということです。」
「ごめんなさいねぇ~?遅れてしまったわぁ~。」
アズル「おぉ、よくぞ来てくれた。こちらが大魔導師セプラだ。」
すると、セプラと顔を合わせた瞬間、顔を曇らせる男が一名…
ブラエハム「お前…こんなところにおったのか。」
セプラ「あら~ブラエハムじゃない~。まさかあなたに会えるとは思ってなかったわ~。」
クレール「ブラエハムさんは知り合い?」
ブラエハム「知り合いも何も、こいつはわしの同門じゃ。昔からわしにまとわりつきよって、わしは男には興味ないと何度言ったら分かるんじゃ!」
セプラ「いいじゃな~い。一晩だけよ。」
スポンド「やっぱセプラさんって、そっち系か?」
クレール「そんなことより、水龍について教えてくれます?」
スポンド「…なんだろう。時々お前の適応力が怖いんだけど。」
セプラ「そうね~。まず~水龍は後3ヶ月以内に目を覚ますわ~。きっかけがあればそれより早いこともあるわよ~。レベルは小型だけど230ってところね~。あなたたちの装備を見る限りでは、ちょっと戦うのは辛そうね~?」
クレール「僕らは戦わないよ。水龍を仲間にする。土龍を捕まえて炎龍を仲間にして、それから水龍を。」
セプラ「あら、あらら~。そんなことができるの~?」
クレール「契約解除と緊縛魔法を使えばなんとかいけるかもしれない。僕は調教もできるから。」
セプラ「そうね~?あまり聞いたことがないやり方だけど、いいかもしれないわね~?」
アズル「どうか、この村を救ってはいただけませんか。」
スポンド「元からそのつもりだ。」
クレール「そうだね。計画も立ってるし、いけるでしょ。」
アズル「ありがとうございます。そういえば、まだ名前を聞いていませんでした。」
スポンド「俺はスポンドだ!」
クレール「僕はクレール、こっちの木霊がクープでギガントピーコックがキーコ。」
アズル「皆様は冒険者パーティか何かで?」
クレール「いいえ、農業職パーティです。」
アズル「農業!?そうには見えませんが。」
スポンド「まぁ、訳あってな…」
アズル「とにかく、今日は最高の食事を準備いたします。宿も全て手配しますので。」
クレール「ありがとうございます。それじゃあ、少し村を見てまわってますね。」
僕たちは建物を出て中心の大通りを歩いていた。
スポンド「いやぁ、宿まで手配してくれるとはな。資金がだいぶ浮いたな。」
クレール「そうだね。よかったよ。」
クープ「お腹すいた!」
スポンド「そうだな!夕飯まで時間あるし、なんか買い食いでもするか。」
クレール「なんか名産とかないかな?」
すると、一軒の屋台を見つけた。僕たちは何かいいものはないかと屋台のおじさんに聞いてみたのだ。
「この辺の名産はポレッタだよ!メイズの粉から作ってんだ!よかったらどうだい?」
クレール「それじゃあ、4っつください。」
「おう、お代はいいよ。お前さんたち水龍退治の一行だろ?頼んだよ!」
スポンド「おぉ、ありがとよ!」
その後も色々とよくしてくれる人が多くいた。これもきっと水龍退治で来たと伝わっているからだろう。しかし、そんな中に少し気になる話をしている人がいた。
「お前さんたちの話は聞いてるよ。魔獣を手懐けちまうんだろ?すげぇな!この力で王国の暴君も手懐けられりゃ楽なのにな。」
スポンド「王国の王ってそんなヤバいやつなのか?」
「お前さんたち、王国から来たんじゃないのかい?今の国王になってから税金も苦しいし徴兵や労役もすごいって、うちは小さい集落だからさほど影響はないが、いつ影響が来るかな。」
クレール「僕たちは国民じゃないから、その辺は心配ないけど。」
スポンド「そう考えると、あの王国に拠点を据えるのはちょっと怖いな。」
「でも、他の場所は厳しいと思うぞ?なんせこの辺の土地は全域あの王国の領土だどこへ行っても多かれ少なかれ影響はあるだろう。」
クレール「そっか、それにきっと、何も知らないだけで僕らの街もそのうち巻き込まれるかもしれない。」
スポンド「一回帰ったら、ちょっと考えないとな。」
クレール「そうだね。ミエルは、どこにいるんだろうな…」
僕はふと、故郷の友達の顔を思い出した。
しおりを挟む

この作品の感想を投稿する

みんなの感想(1件)

まみ夜
2017.04.26 まみ夜

はじめまして。
旅だったのは、クレールとみせかけて、ファーマー?
続きが楽しみです。

竹田勇人
2017.04.26 竹田勇人

感想ありがとうございます。これから先、さらなる冒険へ旅立つクレールやその仲間たちの姿を是非最後まで見届けていただければ幸いです。まだまだ初心者ですがコツコツやっていきたいと思います。これからも応援宜しくお願いします。

解除

あなたにおすすめの小説

(完結)醜くなった花嫁の末路「どうぞ、お笑いください。元旦那様」

音爽(ネソウ)
ファンタジー
容姿が気に入らないと白い結婚を強いられた妻。 本邸から追い出されはしなかったが、夫は離れに愛人を囲い顔さえ見せない。 しかし、3年と待たず離縁が決定する事態に。そして元夫の家は……。 *6月18日HOTランキング入りしました、ありがとうございます。

[恥辱]りみの強制おむつ生活

rei
大衆娯楽
中学三年生になる主人公倉持りみが集会中にお漏らしをしてしまい、おむつを当てられる。 保健室の先生におむつを当ててもらうようにお願い、クラスメイトの前でおむつ着用宣言、お漏らしで小学一年生へ落第など恥辱にあふれた作品です。

ああ、もういらないのね

志位斗 茂家波
ファンタジー
……ある国で起きた、婚約破棄。 それは重要性を理解していなかったがゆえに起きた悲劇の始まりでもあった。 だけど、もうその事を理解しても遅い…‥‥ たまにやりたくなる短編。興味があればぜひどうぞ。

仰っている意味が分かりません

水姫
ファンタジー
お兄様が何故か王位を継ぐ気満々なのですけれど、何を仰っているのでしょうか? 常識知らずの迷惑な兄と次代の王のやり取りです。 ※過去に投稿したものを手直し後再度投稿しています。

私は何人とヤれば解放されるんですか?

ヘロディア
恋愛
初恋の人を探して貴族に仕えることを選んだ主人公。しかし、彼女に与えられた仕事とは、貴族たちの夜中の相手だった…

【完結】お父様に愛されなかった私を叔父様が連れ出してくれました。~お母様からお父様への最後のラブレター~

山葵
恋愛
「エリミヤ。私の所に来るかい?」 母の弟であるバンス子爵の言葉に私は泣きながら頷いた。 愛人宅に住み屋敷に帰らない父。 生前母は、そんな父と結婚出来て幸せだったと言った。 私には母の言葉が理解出来なかった。

RUBBER LADY 屈辱の性奴隷調教

RUBBER LADY
ファンタジー
RUBBER LADYが活躍するストーリーの続編です

【R18】通学路ですれ違うお姉さんに僕は食べられてしまった

ねんごろ
恋愛
小学4年生の頃。 僕は通学路で毎朝すれ違うお姉さんに… 食べられてしまったんだ……

処理中です...
本作については削除予定があるため、新規のレンタルはできません。

このユーザをミュートしますか?

※ミュートすると該当ユーザの「小説・投稿漫画・感想・コメント」が非表示になります。ミュートしたことは相手にはわかりません。またいつでもミュート解除できます。
※一部ミュート対象外の箇所がございます。ミュートの対象範囲についての詳細はヘルプにてご確認ください。
※ミュートしてもお気に入りやしおりは解除されません。既にお気に入りやしおりを使用している場合はすべて解除してからミュートを行うようにしてください。