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第三章

3-111 魔物が...ペット?

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 扉をこじ開けると一気に血の匂いが鼻に纏わりついてきたと思ったら床一面真っ赤に染まっていた。

地を辿ると床に執事服を着た男性が倒れておりその人から血が流れていた。
呼吸は絶え絶えで厳しい状況。

メイド服を着た女性と自分も腕に深い傷を負った兵士が必死に執事の腹部を抑えている。

「た、助けてください!!」

「こ、この人塔に残って作業していたオイラを助けるために...魔物に腹を齧られたんです。そ、それなのに...おいらをここまで連れてきてくれたんです...。」

そう言って涙をボロボロと流す青年。
見るからに農民と思える出立をしており...どうやらあの執事達が言っていた兵士と執事とメイドは彼らで間違いはないのではと判断した。

私は先兵士の怪我を治して執事に声をかける。
僅かに私の声に反応があるが...一刻を許さない状況なのには変わりなかった。

執事の側にいる人達に離れるように伝えて私は回復魔法をかける。

彼の腹は三分の一食い破られていたので死んでないのが奇跡だった。

兵士の応急処置が良かったのだろうと思う。
抉られた部分を再生させて失った血液を補充して...感染を防止して...思っていた以上に自分の魔力が削られていく。

(あの嫌な予感はこれだったのかしら...。)

そんな事を思いながら回復を進めていく。
なんとか時間はかかったが彼の傷は綺麗に治り呼吸も落ち着いてきた。

『ふっー。これで彼は大丈夫よ。他の人は怪我とかないかしら?動ける?』

私が声をかけると皆頷く。
すると...

「スノー魔物が寄ってきているぞ...しかも結構大型のが。血の匂いに引き寄せられたみたいだぞ。どうする?」

外を警戒していたフレアが声をかけてきた。
どうするもこうするも彼らを救うには戦うしかないので私は保護壁を収縮して貯蔵庫のみにしてこちらに向かってくる魔物を退治しにいく事にした。

彼らにはじっとしているように伝えて貯蔵庫から厨房へと出たところで...厨房の壁が爆音と共に大きな穴があきそこから魔物が入ってきた。

中型の狼系の魔物だ。
しかも群れで...。

私はふーっと息を吐き気合を入れ直して...戦闘モードに。
ドラゴンの覇者の覇気を放つと...。

キャワワンと可愛い声を出して狼達が尻尾を巻いてその場に座り込み伏せの姿勢をとる。

『へっ?』

「ワオ~。」

思わず間抜けな声が出る私とフレア。

そしてよく見ると...つぶらな瞳を潤ませて...近寄ると腹を見せて降伏の姿勢(ポーズ)を取り出したのだ。

「どうする?スノー。ペットにでもするか?」

フレアがそんな事を冗談で呟くと...狼系の魔物達は言葉が分かるのかとても嬉しそうな顔をして尻尾をぶんぶん振り回し出したのだった。

『えー...。人間やエルフやドワーフとかを襲わないんだったらいいわよ。』

と呟くと...何故か私と狼系の魔物達で主従の契約が結ばれたのだった。







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