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第三章

3-110 一階と地下に生存者が

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 部屋から出て私とフレアは口元に笑みを浮かべながら広間の方へと向かう。
部屋を出る前に話をした兵士のことが頭から離れなかった。

見るからに頭でっかちの堅物系兵士。
あの中では一番まともに状況判断ができ対応できる人物であふと判断した人物なのだが...まさか自分の兄と似た名前の人物であるとは思いもしなかったのだ。

今でこそ落ち着いた大人の雰囲気を醸し出す私の兄のブルーム兄さん。
最近では女性にモテ出しているが...そんな空気が全く読めなくて残念な兄さん。

そんな兄さんと...そう考えるとニヤニヤが止まらなかった。

通路を歩き進めて扉があった場所にたどり着いたので私は手を当てて外の気配を探る。
どうやら魔物はいないようなので入り口となっている岩壁をずらす。

光が差し込み広間の風景が目に入る。
私とフレアは広間へ足を進めて岩壁を元に戻して少し強めの魔法をかけ直す。

そして...奇跡的に生き残っているかも知れない人達を探しに再び城の中を散策する。

城の外ではまだ沢山の魔物の気配がするが...城の中はそこまで魔物の気配がしない。

私達の気配を感知して城の中に入ってこないのかなぁ?と思いつつも警戒しながら足をすすめる。

とりあえず順番に降りて行き人の気配を探る事にした。

広範囲の探知魔法を使えば簡単なのだが...嫌な予感がするのでなるべく魔力を温存しておきたかったので最小限に抑えて探していくことに。

大広間がある階には他に人の気配がないので下の階へ。

下の階も人の気配なし。
その下も...その下も...。
そんな感じて降りていくと気付けば一階に降りていた。

一階の正面玄関の入り口は綺麗に破壊されており外にいる魔物の姿が丸わかりだったが...私達を見ても魔物達は襲ってこなかった。

どちらかというと尻尾を丸めて逃げていく感じ...。
まぁ~逃げる魔物を追いかけるほど暇ではないので一階の散策を続ける事に。

すると...厨房付近と地下に生存している人の気配がした。
地下より...一階の人の救出を急いだ方が良いと感じた私はフレアに合図して気配を感じた方へ向かう。

厨房も魔物が入って来ていたのだろう...かなり荒れていて爪痕もあるし、一部破壊されていた。

人の気配があるのは...貯蔵庫と思われる所だ。
運がいいのか悪いのか分からないが大きな棚が貯蔵庫の入り口の所に倒れて来ており魔物の侵入を防いでいた。

その分中の人達も出れないのだけどね...。

フレアに背後の警戒をお願いして私は貯蔵庫に向かって声をかける。

すると...弱々しいが返事が返ってきた。
どうやら貯蔵庫には五人いて一人が瀕死のようだ。

貯蔵庫の入り口を塞いでいた棚をあえて厨房の入り口へと放り投げて防護壁を張り巡らせる。

ドアから離れるように伝えて変形している貯蔵庫の扉を剥がすと...血の匂いが鼻につく。

よく見ると貯蔵庫の床は血で真っ赤に染まっていたのだ。
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