36 / 93
36.不安を抱えたセアラと怒りに燃えるグレイス
しおりを挟む
「お久しぶりね」
寮の食堂に向かう為に部屋を出て歩きはじめると居丈高な態度のシャーロットが目を吊り上げてやって来た。
(本当に、どうやって私が部屋を出るのを察知するのかしら)
「夜会でお会いして以来ですわね」
溜息を飲み込みながら笑顔で答えたセアラを不機嫌なグレイスが睨みつけてきた。
「ユリスとジーニアに何をしたの!? セアラと大広間を出た後行方がわからなくなったのよ!」
「残念ながら存じませんの。お二人から声をかけていただいて控室に向かったのですが、ジュースを飲んだ後気分が悪くなったものですから直ぐに帰宅しました。
あの後お二人がどうされたのか心配しておりましたの。確かお二人はご両親と一緒に来られたと記憶しておりますが何もお聞きではないのでしょうか?」
「二人は体調不良で領地に戻ったと聞いていますがそんな事はあり得ませんわ。その直前まで二人はとても元気でしたもの」
シャーロット達はジーニア達がしでかした事を知らず本気で心配しているのか、アメリアの指示で様子を聞きにきたのか。グレイスの不機嫌さからすると前者に見えるが⋯⋯。
「まあ、わたくしと一緒ですわね。わたくしも直前まで体調は良かったのに突然気分が悪くなりましたの。
王宮で出していただいたオレンジジュースが古かったとも思えませんし不思議な話ですわね」
お腹がぺこぺこのセアラは小さく礼をしてさっさと食堂に向かった。ここ数日毒の影響が出ているふりをしていたので寮に着いたらお腹いっぱい食べたいと楽しみにしていたのだ。
(大丈夫だと思いはしたんだけど屋敷の食事は不安だったし)
さっさと席についたセアラはセットメニューにデザートも追加して注文した。今日のメイン鴨肉のローストはセアラの大好物。パンを追加したほうが良かったかしらと考えているとシャーロット達がセアラの周りを取り囲むようにして席に座った。
いつもと変わらない風景に料理が届くのを待った。
お喋りを楽しみながら食事をするシャーロットとグレイスの周りにいる取り巻き達のあからさまなお追従。セアラとわかるようにわざと繰り返される嫌味や嘲笑を聞き流しながらセアラはこっそりとイリスの姿を探していた。
(いつもより少し早い時間だからまだ部屋にいるのかしら。もう寮に着いてると思うんだけど)
少しでもイリスの顔が見たいと思ったセアラはゆっくりと食事をしてみたが結局最後までイリスはやって来なかった。仕方なく部屋に戻ったセアラはさっさと準備を整えてベッドに潜り込んだ。
(マーシャル夫人や王宮の事、初めて仕立てたドレスの事なんかを話したい。ミリセント様とお話しした事も。
それに、イリスとお兄様が少しは進展したのか聞けたらいいんだけど)
教室に入り席に向かいながらイリスを探したがまだ来ていない。仕方なく席に着き授業の準備をはじめると男子生徒の興奮した声が聞こえてきた。
「えっ、それ本当!?」
「父上が仰ってたから間違いないよ」
「リチャード王子殿下かあ、騎士団長並みだって聞くもんな」
「剣技大会出てみようかな。選手になれなくても練習だけでもいいから」
「リチャード王子殿下に教えてもらえるかも!」
(もう噂になってる。騎士団長並みなんて凄い)
鐘が鳴ってもイリスはやって来ない。担任が来ていつも通りの朝礼をはじめた。
「既に知っている者も多いと思うが今度の剣技大会の臨時講師としてリチャード第二王子殿下が来られることになった。
参加者が激増しそうな予感がするから申し込みは来週末迄に変更。遊び半分や邪な狙いで参加した奴は練習の妨害として次の考査で減点されるから気をつけるように。
練習中の観覧や応援時にもマナー違反があった場合は同様に減点になるからな」
「静かに見学するならいいって事ですか?」
「そういう事だ。詳しくは練習の日程と共に掲示される筈だから気になる者は生徒会の掲示板をチェックするように」
ざわつく生徒を無視して教室を出て行ったオーシエンの後を追いかけた。
「先生、イリス・ラーニア様は?」
「ラーニアなら休学した。年末に急病を発して領地で療養しているそうだ」
「それ、本当ですか!?」
「さあどうかな。都合の悪くなった貴族がよく使う手だしなんとも言えん。
授業がはじまるから席に戻れ」
一時限目、弁証法基礎の授業が始まったがセアラは全く聞いていなかった。
(まさか、休み前の最終日のアレのせい?)
試験の不正を疑われたセアラを庇ってグレイスに言い返したイリス。
『田舎者の子爵風情が偉そうに!! このままで済むと思わない事ね!!』
『保健室に行く前にグレイス達に謝りたまえ。このままでは学園にいられなくなる』
グレイスの父ルーカン伯爵は第一騎士団の団長で、ローランドの父アーカンソー伯爵は財務大臣。
例の神殿襲撃に参加したニ家は夜会の際レトビア公爵と親密そうにしていた上、国の重責を担っている。もしどちらかの家から抗議文が届いたとしたら田舎の一子爵家が太刀打ちできるとは思えない。
(なんとかアリシア叔母様に連絡できないかしら。休み中に一緒にお出かけするって言ってたからお兄様なら何かご存じかしら)
殆ど集中出来ないまま午前の授業が終わり食堂に着いたセアラだったが食事を前にフォークを握りしめたまま固まっていた。
「セアラ様、何かありましたの?」
感じの悪い笑みを浮かべたシャーロットが話しかけてきた。その横ではグレイスが笑いを堪えているのか口を歪めている。
「久しぶりの授業で少し疲れたのか食欲がなくて」
イリスのことを聞いてみたかったが真面な返事が返ってくるとは思えない。ルーカン伯爵家かアーカンソー伯爵家がラーニア子爵家に何かしたのかどうかだけでも聞いてみようかと思案していると嬉しそうに身を乗り出したグレイスがクスクスと笑いはじめた。
「なんだか聞きたい事があるってセアラ様のお顔に書いてあるわ。ねえ、皆さんもそう思うでしょう?」
普段セアラの事を平然と呼び捨てにするグレイスが敬称付きで呼ぶ時は、最高に楽しい嫌味を思いついた時だけ。
(何を言い出すつもりなの?)
寮の食堂に向かう為に部屋を出て歩きはじめると居丈高な態度のシャーロットが目を吊り上げてやって来た。
(本当に、どうやって私が部屋を出るのを察知するのかしら)
「夜会でお会いして以来ですわね」
溜息を飲み込みながら笑顔で答えたセアラを不機嫌なグレイスが睨みつけてきた。
「ユリスとジーニアに何をしたの!? セアラと大広間を出た後行方がわからなくなったのよ!」
「残念ながら存じませんの。お二人から声をかけていただいて控室に向かったのですが、ジュースを飲んだ後気分が悪くなったものですから直ぐに帰宅しました。
あの後お二人がどうされたのか心配しておりましたの。確かお二人はご両親と一緒に来られたと記憶しておりますが何もお聞きではないのでしょうか?」
「二人は体調不良で領地に戻ったと聞いていますがそんな事はあり得ませんわ。その直前まで二人はとても元気でしたもの」
シャーロット達はジーニア達がしでかした事を知らず本気で心配しているのか、アメリアの指示で様子を聞きにきたのか。グレイスの不機嫌さからすると前者に見えるが⋯⋯。
「まあ、わたくしと一緒ですわね。わたくしも直前まで体調は良かったのに突然気分が悪くなりましたの。
王宮で出していただいたオレンジジュースが古かったとも思えませんし不思議な話ですわね」
お腹がぺこぺこのセアラは小さく礼をしてさっさと食堂に向かった。ここ数日毒の影響が出ているふりをしていたので寮に着いたらお腹いっぱい食べたいと楽しみにしていたのだ。
(大丈夫だと思いはしたんだけど屋敷の食事は不安だったし)
さっさと席についたセアラはセットメニューにデザートも追加して注文した。今日のメイン鴨肉のローストはセアラの大好物。パンを追加したほうが良かったかしらと考えているとシャーロット達がセアラの周りを取り囲むようにして席に座った。
いつもと変わらない風景に料理が届くのを待った。
お喋りを楽しみながら食事をするシャーロットとグレイスの周りにいる取り巻き達のあからさまなお追従。セアラとわかるようにわざと繰り返される嫌味や嘲笑を聞き流しながらセアラはこっそりとイリスの姿を探していた。
(いつもより少し早い時間だからまだ部屋にいるのかしら。もう寮に着いてると思うんだけど)
少しでもイリスの顔が見たいと思ったセアラはゆっくりと食事をしてみたが結局最後までイリスはやって来なかった。仕方なく部屋に戻ったセアラはさっさと準備を整えてベッドに潜り込んだ。
(マーシャル夫人や王宮の事、初めて仕立てたドレスの事なんかを話したい。ミリセント様とお話しした事も。
それに、イリスとお兄様が少しは進展したのか聞けたらいいんだけど)
教室に入り席に向かいながらイリスを探したがまだ来ていない。仕方なく席に着き授業の準備をはじめると男子生徒の興奮した声が聞こえてきた。
「えっ、それ本当!?」
「父上が仰ってたから間違いないよ」
「リチャード王子殿下かあ、騎士団長並みだって聞くもんな」
「剣技大会出てみようかな。選手になれなくても練習だけでもいいから」
「リチャード王子殿下に教えてもらえるかも!」
(もう噂になってる。騎士団長並みなんて凄い)
鐘が鳴ってもイリスはやって来ない。担任が来ていつも通りの朝礼をはじめた。
「既に知っている者も多いと思うが今度の剣技大会の臨時講師としてリチャード第二王子殿下が来られることになった。
参加者が激増しそうな予感がするから申し込みは来週末迄に変更。遊び半分や邪な狙いで参加した奴は練習の妨害として次の考査で減点されるから気をつけるように。
練習中の観覧や応援時にもマナー違反があった場合は同様に減点になるからな」
「静かに見学するならいいって事ですか?」
「そういう事だ。詳しくは練習の日程と共に掲示される筈だから気になる者は生徒会の掲示板をチェックするように」
ざわつく生徒を無視して教室を出て行ったオーシエンの後を追いかけた。
「先生、イリス・ラーニア様は?」
「ラーニアなら休学した。年末に急病を発して領地で療養しているそうだ」
「それ、本当ですか!?」
「さあどうかな。都合の悪くなった貴族がよく使う手だしなんとも言えん。
授業がはじまるから席に戻れ」
一時限目、弁証法基礎の授業が始まったがセアラは全く聞いていなかった。
(まさか、休み前の最終日のアレのせい?)
試験の不正を疑われたセアラを庇ってグレイスに言い返したイリス。
『田舎者の子爵風情が偉そうに!! このままで済むと思わない事ね!!』
『保健室に行く前にグレイス達に謝りたまえ。このままでは学園にいられなくなる』
グレイスの父ルーカン伯爵は第一騎士団の団長で、ローランドの父アーカンソー伯爵は財務大臣。
例の神殿襲撃に参加したニ家は夜会の際レトビア公爵と親密そうにしていた上、国の重責を担っている。もしどちらかの家から抗議文が届いたとしたら田舎の一子爵家が太刀打ちできるとは思えない。
(なんとかアリシア叔母様に連絡できないかしら。休み中に一緒にお出かけするって言ってたからお兄様なら何かご存じかしら)
殆ど集中出来ないまま午前の授業が終わり食堂に着いたセアラだったが食事を前にフォークを握りしめたまま固まっていた。
「セアラ様、何かありましたの?」
感じの悪い笑みを浮かべたシャーロットが話しかけてきた。その横ではグレイスが笑いを堪えているのか口を歪めている。
「久しぶりの授業で少し疲れたのか食欲がなくて」
イリスのことを聞いてみたかったが真面な返事が返ってくるとは思えない。ルーカン伯爵家かアーカンソー伯爵家がラーニア子爵家に何かしたのかどうかだけでも聞いてみようかと思案していると嬉しそうに身を乗り出したグレイスがクスクスと笑いはじめた。
「なんだか聞きたい事があるってセアラ様のお顔に書いてあるわ。ねえ、皆さんもそう思うでしょう?」
普段セアラの事を平然と呼び捨てにするグレイスが敬称付きで呼ぶ時は、最高に楽しい嫌味を思いついた時だけ。
(何を言い出すつもりなの?)
8
お気に入りに追加
721
あなたにおすすめの小説
母と妹が出来て婚約者が義理の家族になった伯爵令嬢は・・
結城芙由奈@12/27電子書籍配信
恋愛
全てを失った伯爵令嬢の再生と逆転劇の物語
母を早くに亡くした19歳の美しく、心優しい伯爵令嬢スカーレットには2歳年上の婚約者がいた。2人は間もなく結婚するはずだったが、ある日突然単身赴任中だった父から再婚の知らせが届いた。やがて屋敷にやって来たのは義理の母と2歳年下の義理の妹。肝心の父は旅の途中で不慮の死を遂げていた。そして始まるスカーレットの受難の日々。持っているものを全て奪われ、ついには婚約者と屋敷まで奪われ、住む場所を失ったスカーレットの行く末は・・・?
※ カクヨム、小説家になろうにも投稿しています
罠にはめられた公爵令嬢~今度は私が報復する番です
結城芙由奈@12/27電子書籍配信
ファンタジー
【私と私の家族の命を奪ったのは一体誰?】
私には婚約中の王子がいた。
ある夜のこと、内密で王子から城に呼び出されると、彼は見知らぬ女性と共に私を待ち受けていた。
そして突然告げられた一方的な婚約破棄。しかし二人の婚約は政略的なものであり、とてもでは無いが受け入れられるものではなかった。そこで婚約破棄の件は持ち帰らせてもらうことにしたその帰り道。突然馬車が襲われ、逃げる途中で私は滝に落下してしまう。
次に目覚めた場所は粗末な小屋の中で、私を助けたという青年が側にいた。そして彼の話で私は驚愕の事実を知ることになる。
目覚めた世界は10年後であり、家族は反逆罪で全員処刑されていた。更に驚くべきことに蘇った身体は全く別人の女性であった。
名前も素性も分からないこの身体で、自分と家族の命を奪った相手に必ず報復することに私は決めた――。
※他サイトでも投稿中
変態婚約者を無事妹に奪わせて婚約破棄されたので気ままな城下町ライフを送っていたらなぜだか王太子に溺愛されることになってしまいました?!
utsugi
恋愛
私、こんなにも婚約者として貴方に尽くしてまいりましたのにひどすぎますわ!(笑)
妹に婚約者を奪われ婚約破棄された令嬢マリアベルは悲しみのあまり(?)生家を抜け出し城下町で庶民として気ままな生活を送ることになった。身分を隠して自由に生きようと思っていたのにひょんなことから光魔法の能力が開花し半強制的に魔法学校に入学させられることに。そのうちなぜか王太子から溺愛されるようになったけれど王太子にはなにやら秘密がありそうで……?!
※適宜内容を修正する場合があります
辺境の獣医令嬢〜婚約者を妹に奪われた伯爵令嬢ですが、辺境で獣医になって可愛い神獣たちと楽しくやってます〜
津ヶ谷
恋愛
ラース・ナイゲールはローラン王国の伯爵令嬢である。
次期公爵との婚約も決まっていた。
しかし、突然に婚約破棄を言い渡される。
次期公爵の新たな婚約者は妹のミーシャだった。
そう、妹に婚約者を奪われたのである。
そんなラースだったが、気持ちを新たに次期辺境伯様との婚約が決まった。
そして、王国の辺境の地でラースは持ち前の医学知識と治癒魔法を活かし、獣医となるのだった。
次々と魔獣や神獣を治していくラースは、魔物たちに気に入られて楽しく過ごすこととなる。
これは、辺境の獣医令嬢と呼ばれるラースが新たな幸せを掴む物語。
婚約破棄ですか???実家からちょうど帰ってこいと言われたので好都合です!!!これからは復讐をします!!!~どこにでもある普通の令嬢物語~
tartan321
恋愛
婚約破棄とはなかなか考えたものでございますね。しかしながら、私はもう帰って来いと言われてしまいました。ですから、帰ることにします。これで、あなた様の口うるさい両親や、その他の家族の皆様とも顔を合わせることがないのですね。ラッキーです!!!
壮大なストーリーで奏でる、感動的なファンタジーアドベンチャーです!!!!!最後の涙の理由とは???
一度完結といたしました。続編は引き続き書きたいと思いますので、よろしくお願いいたします。
【コミカライズ決定】地味令嬢は冤罪で処刑されて逆行転生したので、華麗な悪女を目指します!~目隠れ美形の天才王子に溺愛されまして~
胡蝶乃夢
恋愛
婚約者である王太子の望む通り『理想の淑女』として尽くしてきたにも関わらず、婚約破棄された挙句に冤罪で処刑されてしまった公爵令嬢ガーネット。
時間が遡り目覚めたガーネットは、二度と自分を犠牲にして尽くしたりしないと怒り、今度は自分勝手に生きる『華麗な悪女』になると決意する。
王太子の弟であるルベリウス王子にガーネットは留学をやめて傍にいて欲しいと願う。
処刑された時、留学中でいなかった彼がガーネットの傍にいることで運命は大きく変わっていく。
これは、不憫な地味令嬢が華麗な悪女へと変貌して周囲を魅了し、幼馴染の天才王子にも溺愛され、ざまぁして幸せになる物語です。
記憶喪失になった嫌われ悪女は心を入れ替える事にした
結城芙由奈@12/27電子書籍配信
ファンタジー
池で溺れて死にかけた私は意識を取り戻した時、全ての記憶を失っていた。それと同時に自分が周囲の人々から陰で悪女と呼ばれ、嫌われている事を知る。どうせ記憶喪失になったなら今から心を入れ替えて生きていこう。そして私はさらに衝撃の事実を知る事になる―。
【完結】許婚の子爵令息から婚約破棄を宣言されましたが、それを知った公爵家の幼馴染から溺愛されるようになりました
八重
恋愛
「ソフィ・ルヴェリエ! 貴様とは婚約破棄する!」
子爵令息エミール・エストレが言うには、侯爵令嬢から好意を抱かれており、男としてそれに応えねばならないというのだ。
失意のどん底に突き落とされたソフィ。
しかし、婚約破棄をきっかけに幼馴染の公爵令息ジル・ルノアールから溺愛されることに!
一方、エミールの両親はソフィとの婚約破棄を知って大激怒。
エミールの両親の命令で『好意の証拠』を探すが、侯爵令嬢からの好意は彼の勘違いだった。
なんとかして侯爵令嬢を口説くが、婚約者のいる彼女がなびくはずもなく……。
焦ったエミールはソフィに復縁を求めるが、時すでに遅し──
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる