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【五ノ章】納涼祭
短編 護国に捧ぐ金色の風《本編 第八話》
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大通りから外れ、路地を抜けていく。
爆音と黒煙、鼻につく焦げた臭い。近づくにつれて強まり、群がっていく住民を押し退けながら居住区を進む。
次第に事態を聞きつけた自警団による規制が張られ、すり抜ける為に制服のポケットに忍ばせていた腕章を着ける。
何人か顔見知りの団員とすれ違い、人垣を掻き分けた先で。
「なんだ、これ」
『何やら騒がしいと思い、視界を接続していたが……予想以上だな』
レオの言う通り、目前に広がる凄惨な光景に脚が止まる。
黒く煤けた集合住宅の壁、炎上する廃材置き場。爆発の衝撃で砕けた街路の結晶灯。正しく被害現場としての要素を備えた場所に人影が二つ。
どちらも男で、いかにも商人といった風貌を古ぼけた外套で身を包んでいる。
死んでいる訳ではなく、ただ意識を失っているのか、うつ伏せで倒れピクリとも動いていない。
いや、注目すべき点はまだある。──その黒焦げた腕はなんだ?
それぞれの男の利き腕だろうか。右腕と左腕は二の腕辺りから蒸気を立ち昇らせ、火が点いた炭のような、見るも無残な状態となっていた。
『マズいな……状況はまだ上手く呑み込めていないが、アレを放置するのはマズい。処置が遅れたら、最悪の場合切除も視野に入れる必要が出てくる』
『今、この場で緊急処置が可能なのは汝しかいない。自警団の腕章のおかげで不審がられることは無かろうが……』
『犯人か被害者かも分からないけど、見捨てるのは夢見が悪い。助けよう』
消火、現場保全に動いてた自警団の一人に掛け合い、手袋を貰って熱気が漂う現場へ入る。
転がる二人の男の下へ駆け寄り、脈と怪我の状態を確認。……乱れはなく、一定のリズムで安定してる。幸い命に別状はないが極端に魔力が減っているな。爆薬の取り扱いを誤ったのかと思ったが、魔力切れで気絶した?
次いで腕の方を注視すれば、どうやら地肌が直接炭化している訳ではないようだ。
恐らく負ったダメージを負荷として転換し、身代わりとする籠手のような魔装具によって保護されたらしい。それでも、高熱を帯びた装身具をそのまま着けていれば火傷の原因になる。
細心の注意を払って魔装具を外し、多少赤らんだ腕に血液魔法で治癒を促す。
「まだ目を覚まさないだろうけど、これでひと安心だな。それにしても、いったい何が……」
「っ、クロ坊!? 来てたのか!」
立ち上がり、もう一度周囲の状況を把握しようとして。
背後から名を呼ばれ、振り返ればエルノールさんが駆け寄ってきていた。その後ろからは救急バッグを持った医者が数名、こちらを追い越し転がる二人の男を診察し始めた。
「どうも。積もる話は多々ありますが、どういう経緯でこんなことになったか教えてもらえませんか?」
「昨日の通話、覚えてるだろ。今日は自警団の巡回を強化して青空市場を回り、同時に違法武具を取り扱う商人の摘発に動いていたんだ。そしたら、無防備にも売り捌いてるそこの二人を見つけた訳だ」
「こいつらが? でも、ここは大通りから外れて……そうか 取り締まりを受けるくらいなら逃げた方がいいと思った訳か」
「ああ。ようやく現行犯で捕まえられるって時に、商品を持って逃げ出しやがってな。追跡する先行組と応援を呼んで、やっと追い詰めたと思ったら──違法武具で魔法の威力を押し上げ、自爆しやがった」
「証拠を残したくなかったか、それとも自棄か……どちらにせよ、ロクでもない」
違法武具の犯人である二人を見下ろし、ため息を吐く。
……待てよ。エルノールさんの制服、やけに煤けてないか? ところどころ焦げてるし。
「もしかして、自爆に巻き込まれました?」
「被害を抑える為に風魔法で対抗したらな。ちょいと力を見誤って、十数メートルの自由落下を楽しむ羽目になったが……飛ばされた先が運良く病院で、人員を募って戻ってきたんだよ」
「怪我の功名だな……」
爆音の割に被害規模が狭いと思ったら、エルノールさんの尽力があったおかげか。
そうして話をしていたら処置を終えたのか、二人の犯人を担架に乗せた医者たちが病院へ搬送していく。
目を覚ませば彼らは尋問に掛けられるだろう。他にも仲間がいないか、違法武具の在庫はあるのか、製作している場所はどこか。
回収された籠手の魔装具は自壊すらしていないし、そこからも抜き取れる情報はある。
『何はともあれ、これで違法武具に関する事件は収束するはずだ。またとない情報源を入手した訳だからね』
『自警団の手腕であれば、全容を明らかにするのは時間の問題となろう』
『これでようやく肩の荷が下りたってもんだよ』
「クロ坊」
「ん……と、なんですか?」
レオと会話しながら、現場から離れようとしてエルノールさんに呼び止められた。
自警団の規制によって野次馬はいなくなり、この場には調査に残ったわずかばかりの団員しかいない。
そんな中で、彼は静かに頭を下げた。
「うぇ!? いきなりどうしたんですか!?」
「改めて礼をさせてくれ。衝動的に巻き込んだってのに、快く承諾して力を貸してくれたんだ。クロ坊の持ち込んできた情報が犯人確保に役立ったのは言うまでもねぇ……本当に、感謝している」
「……どうして、そこまで」
昨日の通話口での様子から今回の事件に並々ならぬ執着を抱いているのは理解していた。
口調や態度が悪くなったり、それらはストレスによるものだと思っていたが、今日の彼はあまりにも。
「殊勝すぎて気持ち悪い」
「おっまえ、ほんっと失礼だなッ!!」
しおらしくなったエルノールさんに思わず本音が出てしまった。
咄嗟に口元へ手を当て、これ以上失言しないように押さえつつも、怒りを鎮める為に発言。
「でも唐突過ぎてびっくりしましたし、なんというか……理由が建前っぽい感じがしたんで」
「……ッ…………託されたんだよ」
「託された?」
端正の良い顔立ちを歪めながらも、絞り出して呟いた一言を聞き返す。
辺りの団員にも聞こえない声量のようだが、しかし確かに、心の底から懐かしむようにそう言った。
◆◇◆◇◆
「この街が、まだニルヴァーナとして認知される前の時代だ」
黙りこくってしまったエルノールさんの無言の圧を受けて。
そのまま歩き、街を一望できる展望台に連れていかれて。
会話の糸口を探している最中、彼は柵にもたれかかりながら口を開いた。
「昔、ここは行き場を失った大勢の異なる種族が集まって形成された、村と呼ぶ事すらおこがましく、貧しい場所だった。そんなところで生まれた俺は、子どもながらに村外からやってくる、ありとあらゆる外敵から村を守らなくちゃいけないと考えた」
「それくらい昔ってなると、他種族が奴隷扱いされたり、差別とか迫害されてた時期ですよね」
「そうだ。外敵ってぇのは魔物に限らず奴隷商人なんかも含まれた……使い捨ての出来る労働力が一堂に会してんだ。絶好の狩場だと思われてたのさ」
人間と比べて膂力や体力が勝る獣人族、手先が器用でなんでも作れるドワーフ。
魔力が豊富で魔法に長けた妖精族、加えて美しい見た目で愛玩用にと狙われたエルフ。
今でこそ多くの種族が遺恨なく、平和的な関係を築けてはいるが、昔に起きた過去は決して消えることはない。
ましてや、他種族は誰もが人間より長生きである分、抱えた恨みや怒りは相当なものだと聞いた。
でも……確か、当時の奴隷文化や差別と迫害を解消したのも人間だった、っていう話だったな。
散見した文献を見るに、ニルヴァーナ周辺の村や町で非道な扱いをする奴隷商人やら貴族の下に、幽鬼の如く現れる謎の多い存在だとか。
男でも女でも、老いも若いも分からず。
苛烈ではあるが、過剰に傷つけるでもなく。
暴動や混乱を鎮め、見返りを求めずにただ一言──隣人を愛し、敬意を払え、と。
その一文と、導かれるようにニルヴァーナへ集結する他種族の話は共通しているらしい。その為、ヒロイックな物語として語られ、劇になるほど人気があるとか。
「こういうこと言ったら反感を買われそうですけど、壮絶な時代ですね……」
「…………間違っちゃいねぇさ。だからこそ、力が必要だったんだ。侵略を、身内の争いを、理外の敵を倒せるほどの力が。腕に自身のある奴をまとめて“自警団”だなんてお山の大将を気取りながら、それでも上手くやってたんだよ」
エルノールさんは胸元から取り出した煙草を口に咥え、火を点ける。
周りに人がいない以上、止める理由は無かった。
「だが、ある時に村のまとめ役……いわば村長だな。そいつが妙な拾い物をしてきた」
「拾い物?」
「人間さ。それも二〇に届かない若造だ。村外の見回り中に村長が見つけてきたんだが。どうもえらく気に入られたみたいでな。純人間なんぞ一人もいない肩身の狭い村で、下手すりゃ逆恨みすらありえる場所で保護してたんだよ」
「それ、大丈夫だったんですか? 悲劇の始まりにしかならないと思うんですけど」
「いんや? 案外、上手く立ち回ってたぜ。欲を見せるでもなく、輪を乱すでもなく、拾われた恩を返す為にと積極的に働いてくれた。どこまでもまっすぐで不器用にも見えたが、その姿勢を続けていく内にどんな堅物にも認められ、村の一員として馴染んでいった」
大切な懐かしい記憶を一つ一つ、思い出すように。
エルノールさんは胸を膨らませ、息を吐く。細く揺らめく紫煙が空に溶けていった。
「だがまあ、別れってぇのは唐突に来るもんだ。ある日いきなり“やるべき事はやったから元の場所に帰る”っつってな、村を去る事になったんだ。……拾われた恩を返し終えたんだろうな。ニルヴァーナの雛形として交易所の役割を提案し形にしたのもそいつで、他種族と友好関係を築いて当時の制度を崩すきっかけになったのもそいつのおかげだった」
「とんでもない功績……偉人みたいなものでは? 引き留める人が出てきてもおかしくなさそう……」
「もちろん、俺を含めて何人かは説得したが頑なに聞く耳を持たなかった。付き合っていく内に意志のかてぇ奴だってのは理解してたが、結局は止められずに去っていく背中を見送るしかなかったんだ」
再び胸元に手を潜ませ、取り出した吸い殻入れに灰を落とす。
「そん時、去り際に言われてな……“これまでも、これからも。街を、皆の居場所を守ってほしい”ってな。既にかけがえのない仲間だった奴が最後に残し、託した言葉だ。俺はずっと、それを守ってんのさ」
「……意外、でもないか。普段のエルノールさんを見てると納得できるし、事件に対する取り組み方も、自警団の組織運営も立派だし」
「だろ? 俺なりに考えて続けてんだぜ」
子供じみた笑みを浮かべて、だからこそ、と。
「今回の違法武具については特に力を入れて捜査してたんだ。ニルヴァーナの国益の基幹とも呼べる冒険者とそれらを支え補助する商会、日々を穏やかに過ごす住民。どれか一方だけなら手は打てるが、最悪の場合どれにも毒のように充満する悪影響が出てきちまう。……避ける為にも、多少強引にでも犯人を特定しなくちゃならなかった」
「その結果がレインちゃんに逆ギレした、と」
「やめろマジで反省してんだって……とにかく! そういった所以があったから、改めて頭を下げたってことだ。純粋に、感謝の気持ちを示したんだよ」
「ほほぉん……まあ、組織のトップにうやうやしく礼をされる機会なんて中々ないですし? ありがたく受け取っておきましょうかね?」
「む、むかつくガキだなこのやろぉ……!」
俺の顔を見て青筋を立て、力んだ手で煙草を潰し吸い殻入れに捨てる。弄り過ぎたか……しかし、意外な所でニルヴァーナの成り立ちや経緯を聞いたな。
教科書か、過去の資料とかは図書館や学園の倉庫で見た覚えがあるけど。長寿の種族から直接語られる方が実感もあって人となりを知りやすい。
その点、エルノールさんはぶっきらぼうでも過去から現在を守ろうとしてる。頑固って訳じゃあないが、柔軟に物事を俯瞰し、対応し、これまで秩序を繋いできたのだろう。
自警団の長を他者に任せない理由の一端を見た気がするな。しかし……暑いな……夏に近づいた日差しの下で長話はキツい。
懐からポーション飴を取り出し、一つ口の中に放り込む。ブドウの風味が広がり、じりじりと奪われた体力が補充されていくのが分かる。
そうしていると、彼が伏し目がちに吸い殻入れを見下ろしていることに気づいた。さっきから静かではあったが、もしかしてニコチンが切れたのだろうか。早くね?
「この場には俺しかいないんで、もう一本吸っても文句は言いませんよ」
「ん? ああ、違う違う……この煙草も、提案してくれたのはあいつだったと思ってな。威厳を持った方がいいとかで……従来の煙草と違って疲労回復と精神安定の効果を持つ薬膳煙草なんだ。元は肺を患った病人に処方する物だが、材料とアレンジレシピを教えてもらって以降は自作してる。だが、最初に作って貰ったヤツが一番美味かったな」
「薬膳煙草……そういや、錬金術の本に載ってたな。あっ、じゃあ受動喫煙とか気にしなくてもいいから、レインちゃんの前で吸おうとしてたのか」
「だとしても、許されていい理由にはなんねぇよ。ちゃんと気を付けるさ」
名残惜しそうに吸い殻入れを仕舞い、エルノールさんは踵を返す。
「俺はこれから捕らえた犯人の所に行ってくる。クロ坊が治療したおかげですぐにでも目が覚めるだろ。後は尋問して、雲隠れしてる連中も暴いてやる」
「ほんほん……それじゃあ、俺の役目も終わったってことで?」
「ああ。報酬に関しては後日、クロ坊んとこの家に送るわ。かなりの額になるぞぉ……びっくりして腰抜かすなよ。じゃあな!」
イタズラな笑みと仕草を向け、立ち去っていくエルノールさんを見送る。
『なんというか、とんでもなく年が離れてるのに同級生を相手にしてるような気軽さだったな』
『それだけ汝もこの街に馴染んできた証左であろう』
『そういうもんかなぁ。ってか花園で仕入れた情報、意味なくなっちゃったね。いやまあ、思い返せばそこまで有意義なものではなかったんだけど』
『……何故だ? ルーン文字による違法武具の判別方法の確立は捜査の役に立つだろう?』
『もうすでに犯人を捕まえてるのもある。でも、もう一つ重要なことがあって……ギルドに戻る道すがら話すよ』
飴を口内で転がしながら何気なくポケットに手を入れ、触れた伝票の存在を思い出す。やばい、仕事放棄はアカンな。
そういえばスイーツを入れてた木箱と弁当箱も花園に放置してきちゃった……爆発の詳細を伝えなくちゃいけないし、後で顔を見せに行こう。
『どんなルーン文字にも言えるんだけど、何も刻んだ対象に限って効果を発揮する訳じゃあないんだ。文字自体にも効果が及び、風化のルーン文字であれば一日も持たずに消失して効果が無くなる』
『故に扱いが難しく、刻むのは困難であるという話か?』
『安定しないからね。時間差で発動するとか言われてる理由はそこにある……ランダム性が高すぎるんだ。だからこそ、特定の単語や言葉を条件に紐づけて、固着化させることで効果を長引かせる。恐らく、サラさんが担当した冒険者たちはそれを刻んだ装身具を身に着けていたんだ。だけど……』
『何か懸念点が?』
ギルドへの道半ば。
大勢の人で賑わう青空市場を通り抜ける。
『難し過ぎるんだ。一度練習した事があるけど刻筆で描いた先から消えていくんだよ、あの文字。付与術を教えてくれたリーク先生ですらまともに書ける確率は三割ほど。失敗したら文字は愚か、付与した装身具すら……最悪の場合、人の身体すら風化する』
『……直接的に命を奪う可能性のあるルーン文字が付与されているのは、これまで発見された違法武具のコンセプトに反している、と?』
『心変わりした可能性も考えられるが、違和感を抱くには十分過ぎるよ。それに、難解なルーン文字を刻んだ装身具を何個も用意するなんて、どれだけのコストと作業時間が掛かるか分かったもんじゃない。力の入れようが異常だし、それに……』
「どあっ!?」
冒険者ギルドの扉を開けようとして、突然身体の前面に衝撃が走った。
咄嗟に踏ん張り、目線の先でぶつかった誰かが豪快に転がっていく。荷物を抱えていたのか、視界の端には床を滑っていく箱のような物まであった。
やべぇ、なんてこった……レオとの会話に夢中になっていたせいで気づけなかった!
「す、すみません、考え事をしていて……! 怪我してませんか!?」
「おお、だいじょぶ、大丈夫だっ……いてて」
周囲の目を集める前に、倒れた人の手を取って助け起こ……あれ?
「ダリルさんじゃないですか。昨日ぶりですね」
「へっ? って、あん時対応してくれた自警団の兄ちゃんか!」
手を貸し、起こした相手は。
先日、強盗に遭った被害者であるダリル・ハーベンさんだった。
爆音と黒煙、鼻につく焦げた臭い。近づくにつれて強まり、群がっていく住民を押し退けながら居住区を進む。
次第に事態を聞きつけた自警団による規制が張られ、すり抜ける為に制服のポケットに忍ばせていた腕章を着ける。
何人か顔見知りの団員とすれ違い、人垣を掻き分けた先で。
「なんだ、これ」
『何やら騒がしいと思い、視界を接続していたが……予想以上だな』
レオの言う通り、目前に広がる凄惨な光景に脚が止まる。
黒く煤けた集合住宅の壁、炎上する廃材置き場。爆発の衝撃で砕けた街路の結晶灯。正しく被害現場としての要素を備えた場所に人影が二つ。
どちらも男で、いかにも商人といった風貌を古ぼけた外套で身を包んでいる。
死んでいる訳ではなく、ただ意識を失っているのか、うつ伏せで倒れピクリとも動いていない。
いや、注目すべき点はまだある。──その黒焦げた腕はなんだ?
それぞれの男の利き腕だろうか。右腕と左腕は二の腕辺りから蒸気を立ち昇らせ、火が点いた炭のような、見るも無残な状態となっていた。
『マズいな……状況はまだ上手く呑み込めていないが、アレを放置するのはマズい。処置が遅れたら、最悪の場合切除も視野に入れる必要が出てくる』
『今、この場で緊急処置が可能なのは汝しかいない。自警団の腕章のおかげで不審がられることは無かろうが……』
『犯人か被害者かも分からないけど、見捨てるのは夢見が悪い。助けよう』
消火、現場保全に動いてた自警団の一人に掛け合い、手袋を貰って熱気が漂う現場へ入る。
転がる二人の男の下へ駆け寄り、脈と怪我の状態を確認。……乱れはなく、一定のリズムで安定してる。幸い命に別状はないが極端に魔力が減っているな。爆薬の取り扱いを誤ったのかと思ったが、魔力切れで気絶した?
次いで腕の方を注視すれば、どうやら地肌が直接炭化している訳ではないようだ。
恐らく負ったダメージを負荷として転換し、身代わりとする籠手のような魔装具によって保護されたらしい。それでも、高熱を帯びた装身具をそのまま着けていれば火傷の原因になる。
細心の注意を払って魔装具を外し、多少赤らんだ腕に血液魔法で治癒を促す。
「まだ目を覚まさないだろうけど、これでひと安心だな。それにしても、いったい何が……」
「っ、クロ坊!? 来てたのか!」
立ち上がり、もう一度周囲の状況を把握しようとして。
背後から名を呼ばれ、振り返ればエルノールさんが駆け寄ってきていた。その後ろからは救急バッグを持った医者が数名、こちらを追い越し転がる二人の男を診察し始めた。
「どうも。積もる話は多々ありますが、どういう経緯でこんなことになったか教えてもらえませんか?」
「昨日の通話、覚えてるだろ。今日は自警団の巡回を強化して青空市場を回り、同時に違法武具を取り扱う商人の摘発に動いていたんだ。そしたら、無防備にも売り捌いてるそこの二人を見つけた訳だ」
「こいつらが? でも、ここは大通りから外れて……そうか 取り締まりを受けるくらいなら逃げた方がいいと思った訳か」
「ああ。ようやく現行犯で捕まえられるって時に、商品を持って逃げ出しやがってな。追跡する先行組と応援を呼んで、やっと追い詰めたと思ったら──違法武具で魔法の威力を押し上げ、自爆しやがった」
「証拠を残したくなかったか、それとも自棄か……どちらにせよ、ロクでもない」
違法武具の犯人である二人を見下ろし、ため息を吐く。
……待てよ。エルノールさんの制服、やけに煤けてないか? ところどころ焦げてるし。
「もしかして、自爆に巻き込まれました?」
「被害を抑える為に風魔法で対抗したらな。ちょいと力を見誤って、十数メートルの自由落下を楽しむ羽目になったが……飛ばされた先が運良く病院で、人員を募って戻ってきたんだよ」
「怪我の功名だな……」
爆音の割に被害規模が狭いと思ったら、エルノールさんの尽力があったおかげか。
そうして話をしていたら処置を終えたのか、二人の犯人を担架に乗せた医者たちが病院へ搬送していく。
目を覚ませば彼らは尋問に掛けられるだろう。他にも仲間がいないか、違法武具の在庫はあるのか、製作している場所はどこか。
回収された籠手の魔装具は自壊すらしていないし、そこからも抜き取れる情報はある。
『何はともあれ、これで違法武具に関する事件は収束するはずだ。またとない情報源を入手した訳だからね』
『自警団の手腕であれば、全容を明らかにするのは時間の問題となろう』
『これでようやく肩の荷が下りたってもんだよ』
「クロ坊」
「ん……と、なんですか?」
レオと会話しながら、現場から離れようとしてエルノールさんに呼び止められた。
自警団の規制によって野次馬はいなくなり、この場には調査に残ったわずかばかりの団員しかいない。
そんな中で、彼は静かに頭を下げた。
「うぇ!? いきなりどうしたんですか!?」
「改めて礼をさせてくれ。衝動的に巻き込んだってのに、快く承諾して力を貸してくれたんだ。クロ坊の持ち込んできた情報が犯人確保に役立ったのは言うまでもねぇ……本当に、感謝している」
「……どうして、そこまで」
昨日の通話口での様子から今回の事件に並々ならぬ執着を抱いているのは理解していた。
口調や態度が悪くなったり、それらはストレスによるものだと思っていたが、今日の彼はあまりにも。
「殊勝すぎて気持ち悪い」
「おっまえ、ほんっと失礼だなッ!!」
しおらしくなったエルノールさんに思わず本音が出てしまった。
咄嗟に口元へ手を当て、これ以上失言しないように押さえつつも、怒りを鎮める為に発言。
「でも唐突過ぎてびっくりしましたし、なんというか……理由が建前っぽい感じがしたんで」
「……ッ…………託されたんだよ」
「託された?」
端正の良い顔立ちを歪めながらも、絞り出して呟いた一言を聞き返す。
辺りの団員にも聞こえない声量のようだが、しかし確かに、心の底から懐かしむようにそう言った。
◆◇◆◇◆
「この街が、まだニルヴァーナとして認知される前の時代だ」
黙りこくってしまったエルノールさんの無言の圧を受けて。
そのまま歩き、街を一望できる展望台に連れていかれて。
会話の糸口を探している最中、彼は柵にもたれかかりながら口を開いた。
「昔、ここは行き場を失った大勢の異なる種族が集まって形成された、村と呼ぶ事すらおこがましく、貧しい場所だった。そんなところで生まれた俺は、子どもながらに村外からやってくる、ありとあらゆる外敵から村を守らなくちゃいけないと考えた」
「それくらい昔ってなると、他種族が奴隷扱いされたり、差別とか迫害されてた時期ですよね」
「そうだ。外敵ってぇのは魔物に限らず奴隷商人なんかも含まれた……使い捨ての出来る労働力が一堂に会してんだ。絶好の狩場だと思われてたのさ」
人間と比べて膂力や体力が勝る獣人族、手先が器用でなんでも作れるドワーフ。
魔力が豊富で魔法に長けた妖精族、加えて美しい見た目で愛玩用にと狙われたエルフ。
今でこそ多くの種族が遺恨なく、平和的な関係を築けてはいるが、昔に起きた過去は決して消えることはない。
ましてや、他種族は誰もが人間より長生きである分、抱えた恨みや怒りは相当なものだと聞いた。
でも……確か、当時の奴隷文化や差別と迫害を解消したのも人間だった、っていう話だったな。
散見した文献を見るに、ニルヴァーナ周辺の村や町で非道な扱いをする奴隷商人やら貴族の下に、幽鬼の如く現れる謎の多い存在だとか。
男でも女でも、老いも若いも分からず。
苛烈ではあるが、過剰に傷つけるでもなく。
暴動や混乱を鎮め、見返りを求めずにただ一言──隣人を愛し、敬意を払え、と。
その一文と、導かれるようにニルヴァーナへ集結する他種族の話は共通しているらしい。その為、ヒロイックな物語として語られ、劇になるほど人気があるとか。
「こういうこと言ったら反感を買われそうですけど、壮絶な時代ですね……」
「…………間違っちゃいねぇさ。だからこそ、力が必要だったんだ。侵略を、身内の争いを、理外の敵を倒せるほどの力が。腕に自身のある奴をまとめて“自警団”だなんてお山の大将を気取りながら、それでも上手くやってたんだよ」
エルノールさんは胸元から取り出した煙草を口に咥え、火を点ける。
周りに人がいない以上、止める理由は無かった。
「だが、ある時に村のまとめ役……いわば村長だな。そいつが妙な拾い物をしてきた」
「拾い物?」
「人間さ。それも二〇に届かない若造だ。村外の見回り中に村長が見つけてきたんだが。どうもえらく気に入られたみたいでな。純人間なんぞ一人もいない肩身の狭い村で、下手すりゃ逆恨みすらありえる場所で保護してたんだよ」
「それ、大丈夫だったんですか? 悲劇の始まりにしかならないと思うんですけど」
「いんや? 案外、上手く立ち回ってたぜ。欲を見せるでもなく、輪を乱すでもなく、拾われた恩を返す為にと積極的に働いてくれた。どこまでもまっすぐで不器用にも見えたが、その姿勢を続けていく内にどんな堅物にも認められ、村の一員として馴染んでいった」
大切な懐かしい記憶を一つ一つ、思い出すように。
エルノールさんは胸を膨らませ、息を吐く。細く揺らめく紫煙が空に溶けていった。
「だがまあ、別れってぇのは唐突に来るもんだ。ある日いきなり“やるべき事はやったから元の場所に帰る”っつってな、村を去る事になったんだ。……拾われた恩を返し終えたんだろうな。ニルヴァーナの雛形として交易所の役割を提案し形にしたのもそいつで、他種族と友好関係を築いて当時の制度を崩すきっかけになったのもそいつのおかげだった」
「とんでもない功績……偉人みたいなものでは? 引き留める人が出てきてもおかしくなさそう……」
「もちろん、俺を含めて何人かは説得したが頑なに聞く耳を持たなかった。付き合っていく内に意志のかてぇ奴だってのは理解してたが、結局は止められずに去っていく背中を見送るしかなかったんだ」
再び胸元に手を潜ませ、取り出した吸い殻入れに灰を落とす。
「そん時、去り際に言われてな……“これまでも、これからも。街を、皆の居場所を守ってほしい”ってな。既にかけがえのない仲間だった奴が最後に残し、託した言葉だ。俺はずっと、それを守ってんのさ」
「……意外、でもないか。普段のエルノールさんを見てると納得できるし、事件に対する取り組み方も、自警団の組織運営も立派だし」
「だろ? 俺なりに考えて続けてんだぜ」
子供じみた笑みを浮かべて、だからこそ、と。
「今回の違法武具については特に力を入れて捜査してたんだ。ニルヴァーナの国益の基幹とも呼べる冒険者とそれらを支え補助する商会、日々を穏やかに過ごす住民。どれか一方だけなら手は打てるが、最悪の場合どれにも毒のように充満する悪影響が出てきちまう。……避ける為にも、多少強引にでも犯人を特定しなくちゃならなかった」
「その結果がレインちゃんに逆ギレした、と」
「やめろマジで反省してんだって……とにかく! そういった所以があったから、改めて頭を下げたってことだ。純粋に、感謝の気持ちを示したんだよ」
「ほほぉん……まあ、組織のトップにうやうやしく礼をされる機会なんて中々ないですし? ありがたく受け取っておきましょうかね?」
「む、むかつくガキだなこのやろぉ……!」
俺の顔を見て青筋を立て、力んだ手で煙草を潰し吸い殻入れに捨てる。弄り過ぎたか……しかし、意外な所でニルヴァーナの成り立ちや経緯を聞いたな。
教科書か、過去の資料とかは図書館や学園の倉庫で見た覚えがあるけど。長寿の種族から直接語られる方が実感もあって人となりを知りやすい。
その点、エルノールさんはぶっきらぼうでも過去から現在を守ろうとしてる。頑固って訳じゃあないが、柔軟に物事を俯瞰し、対応し、これまで秩序を繋いできたのだろう。
自警団の長を他者に任せない理由の一端を見た気がするな。しかし……暑いな……夏に近づいた日差しの下で長話はキツい。
懐からポーション飴を取り出し、一つ口の中に放り込む。ブドウの風味が広がり、じりじりと奪われた体力が補充されていくのが分かる。
そうしていると、彼が伏し目がちに吸い殻入れを見下ろしていることに気づいた。さっきから静かではあったが、もしかしてニコチンが切れたのだろうか。早くね?
「この場には俺しかいないんで、もう一本吸っても文句は言いませんよ」
「ん? ああ、違う違う……この煙草も、提案してくれたのはあいつだったと思ってな。威厳を持った方がいいとかで……従来の煙草と違って疲労回復と精神安定の効果を持つ薬膳煙草なんだ。元は肺を患った病人に処方する物だが、材料とアレンジレシピを教えてもらって以降は自作してる。だが、最初に作って貰ったヤツが一番美味かったな」
「薬膳煙草……そういや、錬金術の本に載ってたな。あっ、じゃあ受動喫煙とか気にしなくてもいいから、レインちゃんの前で吸おうとしてたのか」
「だとしても、許されていい理由にはなんねぇよ。ちゃんと気を付けるさ」
名残惜しそうに吸い殻入れを仕舞い、エルノールさんは踵を返す。
「俺はこれから捕らえた犯人の所に行ってくる。クロ坊が治療したおかげですぐにでも目が覚めるだろ。後は尋問して、雲隠れしてる連中も暴いてやる」
「ほんほん……それじゃあ、俺の役目も終わったってことで?」
「ああ。報酬に関しては後日、クロ坊んとこの家に送るわ。かなりの額になるぞぉ……びっくりして腰抜かすなよ。じゃあな!」
イタズラな笑みと仕草を向け、立ち去っていくエルノールさんを見送る。
『なんというか、とんでもなく年が離れてるのに同級生を相手にしてるような気軽さだったな』
『それだけ汝もこの街に馴染んできた証左であろう』
『そういうもんかなぁ。ってか花園で仕入れた情報、意味なくなっちゃったね。いやまあ、思い返せばそこまで有意義なものではなかったんだけど』
『……何故だ? ルーン文字による違法武具の判別方法の確立は捜査の役に立つだろう?』
『もうすでに犯人を捕まえてるのもある。でも、もう一つ重要なことがあって……ギルドに戻る道すがら話すよ』
飴を口内で転がしながら何気なくポケットに手を入れ、触れた伝票の存在を思い出す。やばい、仕事放棄はアカンな。
そういえばスイーツを入れてた木箱と弁当箱も花園に放置してきちゃった……爆発の詳細を伝えなくちゃいけないし、後で顔を見せに行こう。
『どんなルーン文字にも言えるんだけど、何も刻んだ対象に限って効果を発揮する訳じゃあないんだ。文字自体にも効果が及び、風化のルーン文字であれば一日も持たずに消失して効果が無くなる』
『故に扱いが難しく、刻むのは困難であるという話か?』
『安定しないからね。時間差で発動するとか言われてる理由はそこにある……ランダム性が高すぎるんだ。だからこそ、特定の単語や言葉を条件に紐づけて、固着化させることで効果を長引かせる。恐らく、サラさんが担当した冒険者たちはそれを刻んだ装身具を身に着けていたんだ。だけど……』
『何か懸念点が?』
ギルドへの道半ば。
大勢の人で賑わう青空市場を通り抜ける。
『難し過ぎるんだ。一度練習した事があるけど刻筆で描いた先から消えていくんだよ、あの文字。付与術を教えてくれたリーク先生ですらまともに書ける確率は三割ほど。失敗したら文字は愚か、付与した装身具すら……最悪の場合、人の身体すら風化する』
『……直接的に命を奪う可能性のあるルーン文字が付与されているのは、これまで発見された違法武具のコンセプトに反している、と?』
『心変わりした可能性も考えられるが、違和感を抱くには十分過ぎるよ。それに、難解なルーン文字を刻んだ装身具を何個も用意するなんて、どれだけのコストと作業時間が掛かるか分かったもんじゃない。力の入れようが異常だし、それに……』
「どあっ!?」
冒険者ギルドの扉を開けようとして、突然身体の前面に衝撃が走った。
咄嗟に踏ん張り、目線の先でぶつかった誰かが豪快に転がっていく。荷物を抱えていたのか、視界の端には床を滑っていく箱のような物まであった。
やべぇ、なんてこった……レオとの会話に夢中になっていたせいで気づけなかった!
「す、すみません、考え事をしていて……! 怪我してませんか!?」
「おお、だいじょぶ、大丈夫だっ……いてて」
周囲の目を集める前に、倒れた人の手を取って助け起こ……あれ?
「ダリルさんじゃないですか。昨日ぶりですね」
「へっ? って、あん時対応してくれた自警団の兄ちゃんか!」
手を貸し、起こした相手は。
先日、強盗に遭った被害者であるダリル・ハーベンさんだった。
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