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1章 呪いの女
265話 タイガを探して
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(引き続きトレイ視点)
俺ら人類を作った・・・
それってつまり神様ってことでは?
「おい、こいつ固まっちまったぞ」
「ははは、流石に驚かせすぎたかな」
「ま、待ってくださいっす・・神様って事なんすか」
「僕らも人間だよ。そんな超越的な存在じゃないさ。ただの前文明からの生き残りが再び人類を繁栄させようと頑張ったってだけ」
「俺らがシモン様やライ様の子孫ってことっすか?」
「僕ら生き残りの子孫もいるけど、文字通り作ったよ。獣人とかエルフとか前文明はいないからね」
情報過多過ぎて混乱してしまう。
俺は歴史には詳しくないので今の人類の始まりがいつなのかなどわからないが、確かギルドの歴史は2千年以上と言われている。
なので人類の歴史はそれ以上はあると言うことになる。
歴史学者はこの2人に話を聞いたら、過去の解明が一瞬なのでは。
「おい、そろそろ探すの再開しようぜ」
「おっと、そうだったね。珠夏ちゃんの太刀には魔法の付与効かないから何か鬼くんの思い入れの強いものが入ってればいいけど」
「・・・・そのバッグ自体が凄く大事なものっぽいっすよ」
「それもそうか、高価なものだしね。それじゃ、主人まで導け、トレイル!」
脱線していたタイガ探しを再開して、シモンが地面に置いたタイガのマジックバッグに杖をかざして魔法を唱えるとバッグから光が溢れ出しその光が森の奥へ誘う道標となった。
俺も色々ハテナだらけの思考を切り替える。
「よーし、成功したね。これを追っていけばたどり着くはずさ」
魔法を使うとこうも人探しが楽なんだなーとしみじみ思いながら、魔法の光に導かれて森の奥へと向かった。
途中までは森の中を進んだのだが行けどもいけども辿り着かず、2人の使う探知にも引っかからないとなり、空を飛んで一直線に向かうことにした。
しばらく飛んでいると俺たちを導く魔法の光は一つの綺麗な池の上で途切れた。
「もしかしてこの中っすか?」
「だなー強い気配が池の底から俺らに殺気飛ばしてきてるぜ」
「この池の水も聖水になってるし池全体が魔力を帯びてるね。水と浄化の力が押さえられてないのかな」
「魂に水属性の特性が染みついちまってんだろうな。相当魔力の資質が高いみたいだ。
こいつは育て上げればリヴァイアサンいけるんじゃないか?」
「そうかもね、いやー凄い逸材だよ!」
リヴァイアサンというのはギルドの討伐依頼にずっと書かれてある伝説の魔獣だ。
討伐報酬10億でぶっちぎりの最高額である。
「水属性とリヴァイアサンが関係あるんすか?」
「リヴァイアサンも聖女と同じ獣の1体だから存在としては呪いだしね、浄化の力が強ければ呪いにも強い。そしてリヴァイアサンは海の底にいて手が出せないからね。鬼くんのように水属性の力が強い人は存在が水みたいになれるから頑張れば海の底までいけるかもしれない」
「タイガは伝説の魔獣さえも倒せる可能性があるんすね!」
「可能性だけなら誰しもが持ってるんだけどねー。挑めるだけの実力があっても、もし体が死んでしまっても海の底じゃ回収できないし、魔獣型の獣に負けると魂を破壊されるし、何も保証のない戦いを強いられることになるからリヴァイアサンには困ってるんだよ」
「海の底にいて人の脅威になることってあるんすか?」
「トレイくん火山ってしってる?」
「たまに爆発する山っすよね?聞いたことはあるっす」
「大きな火山が噴火すると、この星が人の生きられない環境になる可能性があるんだけど、その火山って海底にもあって、リヴァイアサンは海底火山に詰まってるんだ。
火山が人を滅ぼすに足るエネルギーを蓄えさせているっぽいんだよね。計算ならまだかなり余裕はあるんだけどねー倒さないとまずいことだけは確かだよ」
「やっぱり獣って碌でもないんすね・・」
何気なく聞いてみたが重大さは充分に理解できた。
タイガには是非頑張って10億稼いでもらいたい。
「タイガはどうするんすか?」
「ほっといてくれって感情が氣に籠ってるぜ」
「魔物の本能に抗って人を遠ざけてるんだね。殊勝だなー。とりあえずほっとく?」
「戦ってみてーけどな。今やんなくてもいいだろ。あいつの気持ちも汲んでほっとくか」
「トレイくんもそれでいいかな?」
「はいっす。会えないのは残念っすけど。状況が分かっただけで充分っす」
生きていてくれたという事実だけでもとても嬉しい。
タイガならきっとまたギルダナに帰ってきてくれるだろう。
だから今はタイガを信じて待つことにしよう。
「それじゃあ僕たちは一旦王都に帰ろう。
王様に報告しなくちゃ。
トレイくんはちゃんとギルダナに送ってあげるからね。僕らも新しい守護者に会いに行かないと行けないしね」
「ありがとうございますっす!宜しくっす!」
これで終わったんだな、そう思う。
最初から最後まで予定通りとは行かず、大勢の同僚も失った。
苦い想いの方が多いと思う。
それでも聖女はタイガによって斃されてこの国は救われた。
国を救った英雄があんな池の底に沈んでるのは心苦しいが、きっとまた会える。
王都までのこの旅は俺の人生の中でいちばん記憶に残る大冒険だった。
何もできなかったが隣に居れたことだけで誇らしい。
帰ったらみんなにタイガの勇姿を語って効かせてやろう。
ーーーーー
今回で1章は完結です。
ここまで読んでくださってありがとうございます。
投稿を追っかけて読んでくださっている方々や、ブックマーク、いいねなどいただけるのがとても励みになってます。
勢いで書いてる拙い小説ですが、引き続き読んでいただけると嬉しいです。
ここまでの登場人物紹介と設定なんかを公開してから2章の投稿始めます。
俺ら人類を作った・・・
それってつまり神様ってことでは?
「おい、こいつ固まっちまったぞ」
「ははは、流石に驚かせすぎたかな」
「ま、待ってくださいっす・・神様って事なんすか」
「僕らも人間だよ。そんな超越的な存在じゃないさ。ただの前文明からの生き残りが再び人類を繁栄させようと頑張ったってだけ」
「俺らがシモン様やライ様の子孫ってことっすか?」
「僕ら生き残りの子孫もいるけど、文字通り作ったよ。獣人とかエルフとか前文明はいないからね」
情報過多過ぎて混乱してしまう。
俺は歴史には詳しくないので今の人類の始まりがいつなのかなどわからないが、確かギルドの歴史は2千年以上と言われている。
なので人類の歴史はそれ以上はあると言うことになる。
歴史学者はこの2人に話を聞いたら、過去の解明が一瞬なのでは。
「おい、そろそろ探すの再開しようぜ」
「おっと、そうだったね。珠夏ちゃんの太刀には魔法の付与効かないから何か鬼くんの思い入れの強いものが入ってればいいけど」
「・・・・そのバッグ自体が凄く大事なものっぽいっすよ」
「それもそうか、高価なものだしね。それじゃ、主人まで導け、トレイル!」
脱線していたタイガ探しを再開して、シモンが地面に置いたタイガのマジックバッグに杖をかざして魔法を唱えるとバッグから光が溢れ出しその光が森の奥へ誘う道標となった。
俺も色々ハテナだらけの思考を切り替える。
「よーし、成功したね。これを追っていけばたどり着くはずさ」
魔法を使うとこうも人探しが楽なんだなーとしみじみ思いながら、魔法の光に導かれて森の奥へと向かった。
途中までは森の中を進んだのだが行けどもいけども辿り着かず、2人の使う探知にも引っかからないとなり、空を飛んで一直線に向かうことにした。
しばらく飛んでいると俺たちを導く魔法の光は一つの綺麗な池の上で途切れた。
「もしかしてこの中っすか?」
「だなー強い気配が池の底から俺らに殺気飛ばしてきてるぜ」
「この池の水も聖水になってるし池全体が魔力を帯びてるね。水と浄化の力が押さえられてないのかな」
「魂に水属性の特性が染みついちまってんだろうな。相当魔力の資質が高いみたいだ。
こいつは育て上げればリヴァイアサンいけるんじゃないか?」
「そうかもね、いやー凄い逸材だよ!」
リヴァイアサンというのはギルドの討伐依頼にずっと書かれてある伝説の魔獣だ。
討伐報酬10億でぶっちぎりの最高額である。
「水属性とリヴァイアサンが関係あるんすか?」
「リヴァイアサンも聖女と同じ獣の1体だから存在としては呪いだしね、浄化の力が強ければ呪いにも強い。そしてリヴァイアサンは海の底にいて手が出せないからね。鬼くんのように水属性の力が強い人は存在が水みたいになれるから頑張れば海の底までいけるかもしれない」
「タイガは伝説の魔獣さえも倒せる可能性があるんすね!」
「可能性だけなら誰しもが持ってるんだけどねー。挑めるだけの実力があっても、もし体が死んでしまっても海の底じゃ回収できないし、魔獣型の獣に負けると魂を破壊されるし、何も保証のない戦いを強いられることになるからリヴァイアサンには困ってるんだよ」
「海の底にいて人の脅威になることってあるんすか?」
「トレイくん火山ってしってる?」
「たまに爆発する山っすよね?聞いたことはあるっす」
「大きな火山が噴火すると、この星が人の生きられない環境になる可能性があるんだけど、その火山って海底にもあって、リヴァイアサンは海底火山に詰まってるんだ。
火山が人を滅ぼすに足るエネルギーを蓄えさせているっぽいんだよね。計算ならまだかなり余裕はあるんだけどねー倒さないとまずいことだけは確かだよ」
「やっぱり獣って碌でもないんすね・・」
何気なく聞いてみたが重大さは充分に理解できた。
タイガには是非頑張って10億稼いでもらいたい。
「タイガはどうするんすか?」
「ほっといてくれって感情が氣に籠ってるぜ」
「魔物の本能に抗って人を遠ざけてるんだね。殊勝だなー。とりあえずほっとく?」
「戦ってみてーけどな。今やんなくてもいいだろ。あいつの気持ちも汲んでほっとくか」
「トレイくんもそれでいいかな?」
「はいっす。会えないのは残念っすけど。状況が分かっただけで充分っす」
生きていてくれたという事実だけでもとても嬉しい。
タイガならきっとまたギルダナに帰ってきてくれるだろう。
だから今はタイガを信じて待つことにしよう。
「それじゃあ僕たちは一旦王都に帰ろう。
王様に報告しなくちゃ。
トレイくんはちゃんとギルダナに送ってあげるからね。僕らも新しい守護者に会いに行かないと行けないしね」
「ありがとうございますっす!宜しくっす!」
これで終わったんだな、そう思う。
最初から最後まで予定通りとは行かず、大勢の同僚も失った。
苦い想いの方が多いと思う。
それでも聖女はタイガによって斃されてこの国は救われた。
国を救った英雄があんな池の底に沈んでるのは心苦しいが、きっとまた会える。
王都までのこの旅は俺の人生の中でいちばん記憶に残る大冒険だった。
何もできなかったが隣に居れたことだけで誇らしい。
帰ったらみんなにタイガの勇姿を語って効かせてやろう。
ーーーーー
今回で1章は完結です。
ここまで読んでくださってありがとうございます。
投稿を追っかけて読んでくださっている方々や、ブックマーク、いいねなどいただけるのがとても励みになってます。
勢いで書いてる拙い小説ですが、引き続き読んでいただけると嬉しいです。
ここまでの登場人物紹介と設定なんかを公開してから2章の投稿始めます。
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