黄昏一番星

更科二八

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1章 呪いの女

135話 女王

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娼館の3階に上がると窓際に一本の廊下が伸びていた。
変哲のない廊下なのだが2階とは明らかに空気が変わった気がする。
何だか猛獣の檻の前のような緊張感が漂う。
娼館が出していい空気ではない。

廊下を進むと1人の奉公人と思わしき男が部屋の前に立っていた。
よくみるとゆったりとしたズボンの股間は盛り上がりその先端から溢れた白い液体が服に下へとくだる染みを作っている。

「どうも見苦しくてすみません。どうか気にしないでください。こちらが部屋の入り口ですのでお入りください」

こいつはここで服の上からいじってたんだろうか。
何とも自由だ。
この先がそういう場所だと物語っているようだ。

俺はエドガーと目を合わせて頷く。
エドガーも緊張して変な顔だが真剣さは伺える。
奉公人に扉を開けてもらい中に入る。
部屋の中は薄暗いが中央には見たこともない大きさの広すぎる天蓋付きのベッド、天蓋からは数個の明かりの魔道具が吊るされてベッドの上をぼんやりと照らしている。

ベッドには十数人の裸の男女が入り乱れ、絡み合い、ベッドからこぼれ落ちて気を失っている奴もいる。
皆恍惚な表情を浮かべ男達の竿は伸びきって艶やかに濡れている。
なにか夢の中にいるような非現実的な感覚になる。
光景を見た瞬間から下半身が熱くなってくる感覚がわかる。

「あら、いらっしゃい。お客さんたち初めてねえ。ふふふ、ウチ大きい人好きよ」

広いベッドの中央でサメの魚人族の男に跨って揺れていた、この空間で一際存在感のある女が話しかけてきた。

透き通る耳障りの良い声はずっと耳に残るようで、しかし心地よさがある。
輝くような金色の髪は後ろでかき上げキラキラと輝く宝石を散りばめた簪で止めてある。
顔の左右から長く下ろした髪は胸下まであり女が揺れるたびに艶やかに光る。
顔立ちも良く整い大きな瞳は鮮やかな赤だ。鼻はスッと高く唇は少し厚くぷっくりとしている。
整った顔の下から続く色めかしい首筋と女性らしい狭い鎖骨そして馬鹿でかい乳。
血色のよい透明感のある素肌の馬鹿でかい乳の先端は熟れたモモのような色で、見ていると唾が湧く。
乳のしたからは緩急のあるラインがあり腰回りもまた肉厚。
太ももも張りがあり少し筋肉がついている。

この誰よりも女たらんとした姿形の人物が、この空間を支配する女王リーシーのようだ。
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