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連載
さわこさんと、ブロロッサム餅
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古代怪獣族のベル
クリスマスツリーの付喪神のエンジェさん
白銀狐のシロ
ブロロッサムの精霊のロッサさん
気がつくと、バテアさんの家の中におチビさんの姿が多くなっていました。
そうは申しましても、見た目はおチビさんなエンジェさんとロッサさんは私よりも相当年上なんですけどね。
エンジェさんは天然の木を使って作成されているクリスマスツリーですので、その木の年齢がかなりだったみたいですし、ロッサさんも然りなんです。
……一応そのはずなのですが
「ロッサちゃんも猫集会に行くニャ!」
「ふむ、何やら楽しそうじゃの」
「そうよロッサ、とっても楽しいんだから!」
「シロも!」
リビングに集まってワイワイ楽しそうにお話しながら、連れだって近くの公園で開催されている猫系亜人種族の子供達の集まりに出かけていく4人の姿を見ておりますと、なんだかほっこりしてしまいます。
「ホント、仲良しよねあの4人ってば」
「そうですね。見ていてなんだか癒やされます」
「……うん、とっても癒やされる」
バテアさん、私、リンシンさんが思わず笑顔になってしまうのも、仕方ありませんよね。
何しろあんなに可愛い後ろ姿を見せられているのですもの。
お出かけした4人ですが、そんな4人が戻ってきた時のおやつでも作っておいてあげましょう。
準備したのは、ブロロッサムの花と葉っぱの塩漬けです。
これ、ロッサさんが巨木の家の木に咲かせてくださっていた花と葉っぱを採取しまして、塩漬けにしておいたものなんです。
花の方は、その後で塩抜きしてシロップにしてあるのですが、いいピンク色に染まっています。
居酒屋さわこさんの厨房へ移動した私は、花と葉っぱを保存している瓶を取り出しました。
葉っぱの方は少し早いかなって感じなのですが、なんとか使えそうです。
ブロロッサムの花のシロップに道明寺粉を入れてしばらく放置。
これで、道明寺粉がほんのりピンクに染まります。
「へぇ……綺麗ねぇ」
「……うん、すごく綺麗」
それを見ていたバテアさんとリンシンさんも、楽しそうにその色合いを眺めておいでです。
さぁ、その道明寺粉を蒸し器で蒸らしていきます。
一度蒸らしたあと、個数分に小分けしてから再度蒸し上げまして、同じく小分けにしたこしあんを加えて包んでいきます。
最後に、塩漬けの葉っぱで巻いて……はい、桜餅の完成です。
使用した材料からすると、ブロロッサム餅といった方がいいのかもしれませんね。
「へぇ、ピンクで可愛いじゃない」
「うん、小さくてかわいい」
「よかったら試食してみられますか?」
私の言葉に、バテアさんもリンシンさんも大きく頷いておられます。
そうですね……おチビさんチームもいないことですし……
そう思った私は、棚に並んでいる日本酒の瓶を眺めていきました。
ほどなくして、その中の1本を手にとりました。
高清水の、その名もずばり「辛口純米」です。
喉越しがきれていて、それでいて上品でとってもふくよかな味を楽しめるお酒なんです。
辛口の純米酒って、和菓子といいますか餡子系のお菓子との相性がとてもいいんです。
ブロロッサム餅と、日本酒を注いだグラスをバテアさんとリンシンさんの前に並べていきまして、
「さ、お召し上がりくださいな」
私はお2人に笑顔を向けました。
「じゃあ、遠慮なく」
「……いただき、ます」
お2人はそう言うと、
バテアさんはお酒から
リンシンさんはブロロッサム餅から
それぞれ口になさっていきました。
「うん、すっきりしてていいわね、この喉越し。ホント美味しいわ」
「……甘い……美味しい……幸せ」
バテアさんもリンシンさんも嬉しそうに笑顔を浮かべておいでです。
そして今度は
バテアさんがブロロッサム餅を
リンシンさんがお酒を
それぞれ口になさいました。
「うん! 良いわね。お酒で口の中がさっぱりしたところに、甘みが広がる感覚がなんとも言えないわ!」
「……美味しい……すごく美味しい……幸せ」
「ちょっとリンシン、もう少し変わった感想は出来ないわけ? ブロロッサム餅の感想もお酒の感想もほとんど同じじゃない」
「……どっちも美味しい……仕方ない」
「まぁ……確かにそうなんだけどさ」
ニコニコなさっているリンシンさん。
そんなリンシンさんを前にして、バテアさんは苦笑することしか出来ない感じです。
そんなお2人の様子を、私も笑顔で見つめていたのですが……
「さわこ、私にも!」
リンシンさんの隣で右手をあげたのは……他ならぬツカーサさんでした。
そうですね……みんなで試食をしていたわけですので、お見えになるのではないかと、心のどこかで思っておりました。
そんなわけで……
「はい、ツカーサさんの分もございますよ」
私は1個余分に準備しておりましたブロロッサム餅をツカーサさんの前にお出ししました。
お酒も、新たにそそいでいます。
「うんうん、すごく美味しそうな匂いがしてたから来てみたんだけど、やっぱりすごく美味しそう!」
「匂いって……あんた、居酒屋さわこさんからはいつも美味しそうな匂いがしてるでしょう?」
「そうなんだけどぉ……新作の時の匂いはなんか違うのよ、バテア。じゃあいただきま~す!」
バテアさんの言葉に満面の笑顔で答えたツカーサさんは、大きなお口をあけて、ブロロッサム餅をほおばられました。
「うん! やっぱりすっごく美味しい! これ、最高よ! というわけでお替わり!」
そう言うが早いか、ツカーサさんは私に向かって空になったお皿を差し出しておられました。
そんなツカーサさんに苦笑しながらも、私はお替わりの準備をしていきました。
おチビさんチームの分がなくなってしまいますので、これで最後にしていただかないと、ですね。
◇◇
その夜……
居酒屋さわこさんでも、追加で作成したブロロッサム餅を提供してみました。
「ふむ……この餡子はなかなか美味いな」
いつもぜんざいしかお召し上がりにならないゾフィナさんが、ブロロッサム餅をお食べになられています。
どうも、餡子とブロロッサムの匂いが気になられたようでして、
『さわこ、そのピンクのお餅を1つもらえないか?』
そう申し出てこられたのですが……私も最初びっくりしてしまいました。
カウンター席で、美味しそうにブロロッサム餅をお食べになっているゾフィナさん。
すると……
「さわこさん、こっちにもそのブロロッサム餅をくれるかい?」
「こっちにも頼むよ」
「あのぜんざいしか食べないゾフィナが、あんなに美味しそうに食べてるんだ……きっと美味いに違いない」
そんな声がお店のあちこちからあがっていったのでございます。
ゾフィナさんがぜんざい以外の物をお食べになっているのもあれですが、とっても美味しそうな笑顔でブロロッサム餅をお食べになっているのが、みなさんの気を引いたのでしょうね。
「はい、喜んで」
皆さんに笑顔で返事を返しながら、私は新しくブロロッサム餅を準備していきました。
ちなみに……
猫集会から帰って来たおチビさんチームの4人も、このブロロッサム餅をとっても喜んで食べてくれたんですよ。
『美味しいは正義にゃ!』
『そうねベル、私もそう思うわ!』
『うむ、妾も賛同するのじゃ』
『シロも!』
そう言いながら、嬉しそうな笑顔を浮かべていた4人。
その笑顔を思い出しながら、私は思わず思いだし笑いを浮かべておりました。
ーつづく
クリスマスツリーの付喪神のエンジェさん
白銀狐のシロ
ブロロッサムの精霊のロッサさん
気がつくと、バテアさんの家の中におチビさんの姿が多くなっていました。
そうは申しましても、見た目はおチビさんなエンジェさんとロッサさんは私よりも相当年上なんですけどね。
エンジェさんは天然の木を使って作成されているクリスマスツリーですので、その木の年齢がかなりだったみたいですし、ロッサさんも然りなんです。
……一応そのはずなのですが
「ロッサちゃんも猫集会に行くニャ!」
「ふむ、何やら楽しそうじゃの」
「そうよロッサ、とっても楽しいんだから!」
「シロも!」
リビングに集まってワイワイ楽しそうにお話しながら、連れだって近くの公園で開催されている猫系亜人種族の子供達の集まりに出かけていく4人の姿を見ておりますと、なんだかほっこりしてしまいます。
「ホント、仲良しよねあの4人ってば」
「そうですね。見ていてなんだか癒やされます」
「……うん、とっても癒やされる」
バテアさん、私、リンシンさんが思わず笑顔になってしまうのも、仕方ありませんよね。
何しろあんなに可愛い後ろ姿を見せられているのですもの。
お出かけした4人ですが、そんな4人が戻ってきた時のおやつでも作っておいてあげましょう。
準備したのは、ブロロッサムの花と葉っぱの塩漬けです。
これ、ロッサさんが巨木の家の木に咲かせてくださっていた花と葉っぱを採取しまして、塩漬けにしておいたものなんです。
花の方は、その後で塩抜きしてシロップにしてあるのですが、いいピンク色に染まっています。
居酒屋さわこさんの厨房へ移動した私は、花と葉っぱを保存している瓶を取り出しました。
葉っぱの方は少し早いかなって感じなのですが、なんとか使えそうです。
ブロロッサムの花のシロップに道明寺粉を入れてしばらく放置。
これで、道明寺粉がほんのりピンクに染まります。
「へぇ……綺麗ねぇ」
「……うん、すごく綺麗」
それを見ていたバテアさんとリンシンさんも、楽しそうにその色合いを眺めておいでです。
さぁ、その道明寺粉を蒸し器で蒸らしていきます。
一度蒸らしたあと、個数分に小分けしてから再度蒸し上げまして、同じく小分けにしたこしあんを加えて包んでいきます。
最後に、塩漬けの葉っぱで巻いて……はい、桜餅の完成です。
使用した材料からすると、ブロロッサム餅といった方がいいのかもしれませんね。
「へぇ、ピンクで可愛いじゃない」
「うん、小さくてかわいい」
「よかったら試食してみられますか?」
私の言葉に、バテアさんもリンシンさんも大きく頷いておられます。
そうですね……おチビさんチームもいないことですし……
そう思った私は、棚に並んでいる日本酒の瓶を眺めていきました。
ほどなくして、その中の1本を手にとりました。
高清水の、その名もずばり「辛口純米」です。
喉越しがきれていて、それでいて上品でとってもふくよかな味を楽しめるお酒なんです。
辛口の純米酒って、和菓子といいますか餡子系のお菓子との相性がとてもいいんです。
ブロロッサム餅と、日本酒を注いだグラスをバテアさんとリンシンさんの前に並べていきまして、
「さ、お召し上がりくださいな」
私はお2人に笑顔を向けました。
「じゃあ、遠慮なく」
「……いただき、ます」
お2人はそう言うと、
バテアさんはお酒から
リンシンさんはブロロッサム餅から
それぞれ口になさっていきました。
「うん、すっきりしてていいわね、この喉越し。ホント美味しいわ」
「……甘い……美味しい……幸せ」
バテアさんもリンシンさんも嬉しそうに笑顔を浮かべておいでです。
そして今度は
バテアさんがブロロッサム餅を
リンシンさんがお酒を
それぞれ口になさいました。
「うん! 良いわね。お酒で口の中がさっぱりしたところに、甘みが広がる感覚がなんとも言えないわ!」
「……美味しい……すごく美味しい……幸せ」
「ちょっとリンシン、もう少し変わった感想は出来ないわけ? ブロロッサム餅の感想もお酒の感想もほとんど同じじゃない」
「……どっちも美味しい……仕方ない」
「まぁ……確かにそうなんだけどさ」
ニコニコなさっているリンシンさん。
そんなリンシンさんを前にして、バテアさんは苦笑することしか出来ない感じです。
そんなお2人の様子を、私も笑顔で見つめていたのですが……
「さわこ、私にも!」
リンシンさんの隣で右手をあげたのは……他ならぬツカーサさんでした。
そうですね……みんなで試食をしていたわけですので、お見えになるのではないかと、心のどこかで思っておりました。
そんなわけで……
「はい、ツカーサさんの分もございますよ」
私は1個余分に準備しておりましたブロロッサム餅をツカーサさんの前にお出ししました。
お酒も、新たにそそいでいます。
「うんうん、すごく美味しそうな匂いがしてたから来てみたんだけど、やっぱりすごく美味しそう!」
「匂いって……あんた、居酒屋さわこさんからはいつも美味しそうな匂いがしてるでしょう?」
「そうなんだけどぉ……新作の時の匂いはなんか違うのよ、バテア。じゃあいただきま~す!」
バテアさんの言葉に満面の笑顔で答えたツカーサさんは、大きなお口をあけて、ブロロッサム餅をほおばられました。
「うん! やっぱりすっごく美味しい! これ、最高よ! というわけでお替わり!」
そう言うが早いか、ツカーサさんは私に向かって空になったお皿を差し出しておられました。
そんなツカーサさんに苦笑しながらも、私はお替わりの準備をしていきました。
おチビさんチームの分がなくなってしまいますので、これで最後にしていただかないと、ですね。
◇◇
その夜……
居酒屋さわこさんでも、追加で作成したブロロッサム餅を提供してみました。
「ふむ……この餡子はなかなか美味いな」
いつもぜんざいしかお召し上がりにならないゾフィナさんが、ブロロッサム餅をお食べになられています。
どうも、餡子とブロロッサムの匂いが気になられたようでして、
『さわこ、そのピンクのお餅を1つもらえないか?』
そう申し出てこられたのですが……私も最初びっくりしてしまいました。
カウンター席で、美味しそうにブロロッサム餅をお食べになっているゾフィナさん。
すると……
「さわこさん、こっちにもそのブロロッサム餅をくれるかい?」
「こっちにも頼むよ」
「あのぜんざいしか食べないゾフィナが、あんなに美味しそうに食べてるんだ……きっと美味いに違いない」
そんな声がお店のあちこちからあがっていったのでございます。
ゾフィナさんがぜんざい以外の物をお食べになっているのもあれですが、とっても美味しそうな笑顔でブロロッサム餅をお食べになっているのが、みなさんの気を引いたのでしょうね。
「はい、喜んで」
皆さんに笑顔で返事を返しながら、私は新しくブロロッサム餅を準備していきました。
ちなみに……
猫集会から帰って来たおチビさんチームの4人も、このブロロッサム餅をとっても喜んで食べてくれたんですよ。
『美味しいは正義にゃ!』
『そうねベル、私もそう思うわ!』
『うむ、妾も賛同するのじゃ』
『シロも!』
そう言いながら、嬉しそうな笑顔を浮かべていた4人。
その笑顔を思い出しながら、私は思わず思いだし笑いを浮かべておりました。
ーつづく
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