神様の料理番

柊 ハルト

文字の大きさ
2 / 150
蜂蜜の吐息

01 ー はじまりの森

しおりを挟む
 時を同じくして、統括の神達から送り出された青年、遠野誠は途方に暮れていた。
 当初の「約束」では、王都の大神殿に到着…と言う話だった。
 先にルシリューリクが「異世界からの客人である『神の料理番』が大神殿に来る」と、主教だか司祭だかに神託を下しているはずだ。当面の生活もあるので、そこを拠点にするも良し、誠の希望通りに世界各地を周りながらでも良し、というものだ。
 そして生活が整い次第、当のルシリューリクに菓子等の料理を供える。ということで、双方話はついていた。
 しかし、辺りを見回しても視界に入るのは雲一つ無い青空と果てしなく広がる緑、そして足元に広がる湖だ。
 誠は湖の上に立っていた。しかも、たまにしかとらない狐の姿で。

「嘘だろ…」

 人間であれば右手の掌にあたる、右前脚の肉球を見ながら誠は呟いた。
 嫌な予感はしていた。
 実家兼職場である「café 紺」には、いろんな「客」が来店する。その半数は遠野一族が担う「神様の料理番」の腕を見込んでいる、近隣の神々だ。
 その店で、初めてルシリューリクと対面したのは約一ヶ月前のことだった。
 事前に統括の神から出向の話を伺っていた「café 紺」の面々、つまり誠の家族は頭を抱えていた。ただの出向なら快く送り出すだろう。しかし、出向先は全くの未知数である異世界だ。
 神たっての頼みであるし、無許可で、しかも乱雑な異世界召喚が乱発している昨今、異世界間のバランスは危うくなっているらしい。その煽りを受けて、ルシリューリクの世界も不安定になっている。
 ルシリューリクの力を補うために誠か兄のどちらかをその世界に派遣したいと言われれば、行くと言うしかないだろう。そのための「神様の料理番」だ。本来は地球の神々のための料理番なのだが、近年他の一族で何人か異世界に行ったという噂はいくつか聞いたことがあった。今度は東京の遠野の番らしい。
「神様の料理番」とはその名の通り、神に料理を供える者を示す。しかしその職に就けるのはよっぽど力のある人間か、もしくは遠野一族のような特殊な血族だけだ。
 神事とは違い、「神様の料理番」は龍脈や龍穴から大地のエネルギーを取り込み、それらを料理に溶け込ませることが出来る者だけがなれる。力が弱まった神々は、そのエネルギーと遠野の神力を料理から取り込み、力を補っている。
 全国には「café 紺」と同じような役割の店が散らばっている。
 東京に出てきた遠野はたまたまカフェを経営しているが、大元は出雲にある温泉宿だ。
 そこは営業当初から遠野の祖である牡丹と諏訪が鎮座しており、何か問題があれば一族は連絡・相談をしている。
 家族や祖達と話し合った結果、兄ではなく誠が出向することになった。
 そして最終の話し合いの場で関係者一同が会することとなったが、そこでルシリューリクと初めて会った「café 紺」の面々は、チャラチャラした態度、終始ヘラヘラした表情の異世界の神に、不信感しか抱けなかった。

「コイツはヤバい(主に頭が)」

 家族四人の心の声は一致していた。
 一日に何十人、何十柱の客と対面するカフェだ。良い客、悪い(面倒臭い)客の見分けは瞬時に判断出来るようになっている。その無意識のスキルが告げていた。
 人数が人数なのでテーブルを二つくっ付け、それぞれ遠野家側と、神々、相模側に別れて座る。話の主役は誠のはずなのに、なぜか壁と母の陽子に挟まれていた。その母は大体の話が終わったところで口を開いた。

「最終確認なんですけど、息子を何も問題無く向こうの世界に送り届けてくれるんでしょうね?」

 いつもニコニコと柔らかな笑顔を絶やさない陽子は、この場でも笑顔を浮かべている。それにつられたのか、ルシリューリクの答えは大事な場だと言うのにユルユルだ。

「もっちろ~ん!到着ポイントは王都の大神殿内だから、安心安全だよ。転移する時は、統括の神の力も借りるしね」
「そうですか。安心安全…ね。仕事内容は、向こうの食材でルシリューリク様へのお供えをすることのみ、ですよね?きちんと"約束"してくださいね」

 異世界の神のオーラにも負けず、陽子は笑顔のまま押し切る。その笑顔に騙される人は多いが、陽子は遠野一族の人間だ。異世界の、しかも力が弱まっている神に負けるはずがない。
 陽子の両隣に座っている誠や兄は、その攻防を黙って見ていた。

「もー、僕ってそんなに信用が無いの?大丈夫、約束するから」

 言質は取った。
 陽子は口の端を少しだけ上げた。それが分かったのは、端の席に座っているが長い付き合いである夫、國男だけだった。

「ありがとうございます、"約束"ですよ?大事な息子の一人ですから。ね?誠」

 話をコッチに振らないで欲しい。
 誠は当事者ながら、そう思った。先程、ほんの一瞬だけ空気が張り詰めた。ルシリューリク以外の面々はそれが何だか分かっている。特に相模は、誠と目が合うとニコリと…いや、ニヤリと口だけで笑った。
 神は約束、契約を違えられない。
 それは地球でも異世界でも変わらない不問律だ。
 陽子はそこを突いた。こういった輩は、少し持ち上げて気分を良くさせているうちに契約を済ませておくに限るのだ。
 相模はテーブルの端によせていた契約書を、統括の神特製の万年筆と共にルシリューリクの前に滑らせる。

「ルシリューリク様と遠野の皆様の意見が合致致しましたので、そちらの契約書にサインをお願いします。遠野家側は、ご本人である誠君がしてくださいね」

 双方のサインが記入されたところで、相模は契約書を統括の神に渡した。
 神は双方のサインを確認すると、空中から出した印をぺたんと押す。契約書はがわずかに光り、これで関東統括の神の元、契約が成されと証明されたのだった。
 だと言うのにだ。
 そこまでしたからこそ、誠は現状を受け止められないでいた。

「もしかして、"王都の大神殿"ってここですかー⁉︎」

 大自然の中、やけくそで叫ぶ。しかし誰が答えるわけもない。その大声に驚いたのか、木々から小鳥が飛び去っただけだった。
 神殿はいろんな形があるが、ここが王都の大神殿だとは到底思えない。例え足元の湖が信仰の対象だと言われても、せめて石碑や屋根付きの建物くらいは湖畔に立てるだろう。
 辺境に飛ばされているのが、ありありと分かる状況だ。
 誠は苛立ちを発散させるようにバサバサと九本の尾を振り回しながら、とにかく湖畔に向かうことにした。
 湖面に小さな波紋を作りながら歩く。漏れ出る力のせいで水面には時折、誠を中心とした白波が立っていた。
 ここに来る直前、統括の神の神域では確かにいつもの人型だった。この世界に着いた途端に狐の姿になっていたことも、誠がイラついている要因の一つだ。
 異世界への扉が閉まる瞬間、統括の神や相模と同じく、しっかりとルシリューリクの「あっ!」と言う声を聞いた。
 誰がどう見ても不手際があった、もしくは何かマズいことを思い出したと分かる状況だった。人型が保てないなんて、一言も聞いていないし、今も人型をとれない。

「クソが」

 悪態をつきながら残りの距離を跳躍し、丁度木々の間から出てきたヘラジカっぽい生物の首元めがけ、落下の勢いも借りながら強化した爪で引き裂いた。
 これがただのヘラジカっぽい生物なら、誠もここまではしない。むしろ日本では滅多に見れない生物だ。近付けるギリギリの距離から観察したかもしれない。
 そしてヘラジカと聞いても、北欧のちょっと大きな家の飾りか帽子かけのイメージしかない。
 しかし、ここは異世界。ルシリューリク曰く、中世ヨーロッパに似ている剣と魔法の世界だそうだ。
 テンプレよろしく、日本のゲームやラノベからヒントを得たらしいこの世界の生物は、総じて地球上の生物とは生態が違うだろう。草食動物であるヘラジカでありながら、誠に殺気を向けている。
 口元から覗く鋭い牙や、誠を見た途端にバリバリと音を立てながら雷を纏いだした立派な角。これらのどこが、草食動物か。
 殺られる前に殺れ。それが牡丹の教えだ。
「神様の料理番」はその特異な役目ゆえに、堕ち神やどこぞの神の神使、妖怪等から狙われることが多い。そのため牡丹の教えは、一族全員しっかりと身に付けている。
 幾度となく若い神や魑魅魍魎達に襲われては返り討ちにしてきた誠は、ここが異世界で辺りには小鳥くらいしか見えないと言っても、気を抜くことはない。
 なのでそのヘラジカもどきの、更に向こうからこちらに走って来ている生物の気配も、しっかりと感知していた。
 耳を少し後ろに倒し、少し体を低くしながら森の奥を注視していると、ソレは現れた。
 銀色の閃光だ。
 目に映った瞬間、そう思った。
 ザッと音を立てながら現れた銀色の正体は、大きな体躯の見事な銀色の狼だった。
 ヘラジカもどきを追いかけていたのかもしれない。銀狼は首元から血を流し倒れている獲物を見てから、誠を見てきた。お前が倒したのかと聞かれている様だ。
 誠はとりあえず「食うならどうぞ」と、マズルでヘラジカもどきの腹部を、少し銀狼側に寄せた。
 銀狼は良く見ると、アイスブルーの瞳をしている。地球の狼の瞳は全て金眼だ。しかも体長は百センチから百六〇センチで今の誠の姿と同じくらいだが、この狼は誠よりも一回り以上は大きい。
 そんな異世界の狼と出会えた誠は「おお、神よ…」と、妙に興奮していた。ちなみにこの「神」とはどこぞの子供の神ではなく、勿論地球の神々のことだ。
 誠は犬派か猫派かと問われれば、即座に「犬派」と答えるくらい犬が好きだ。ご近所の犬とも仲が良い。しかし、犬より好きな動物がいる。
 狼だ。
 県外の動物園に、わざわざ狼を見に行くほどなのだ。
 可愛いと格好良いが混在している、そのギャップも好きだ。そして誠の狼贔屓は、知り合いの神狼が皆、誠実で優しいからということもあるだろう。
 銀狼は誠から一切の警戒や殺気がないことに拍子抜けしたのか、張っていた気を緩めた。そしてゆっくりと誠に近付く。
 思いがけないその行動に、まだ少し気を張っていた誠は、その場で固まった。命の危機を感じたのではなく、動物園ではどうしても距離を取って見なければならない狼が、文字通り目の前に迫って来たからである。
 さながら、ライブハウスで好きなバンドマンと目が合ったファンの気分だ。
 お互いに喉元を一撃で狙える距離まで近付いたと思うと、銀狼はいきなり誠の頬をベロリと舐め上げた。

「クゥ…」

 思わず、情けない声が出る。
 同じ一族なら良いが、誠は他人に触られるのが苦手だ。遠野一族の中でも、特に牡丹の血が出ている人間は、総じて皆そうらしい。特に尾は力の象徴なので、親兄弟以外に触らせることをしない。例外があるとすれば、伴侶だけだそうだ。
 しかし銀狼はそんな誠にはお構いなしに、自身を誠の体に擦り付けながら一周する。いつもなら自分の尾を触ろうとする手は、蹴り飛ばすなり何なりするはずなのに、狼が尾で撫で上げてきても、抵抗が出来なかった。
 いや、抵抗しようと思えなかったのだ。
 隣に並んだ銀狼は、誠の首や顔を舐めながら盛んに顔を寄せている。狼はボディコミュニケーションが盛んだと言うが、初対面でここまでするのだろうか。
 誠は疑問に思いながらも、銀狼のなすがままになっていた。
 これは決して、狼が好きと言う理由だけではない。自分自身にも分からない、何かの力が働いているみたいだ。
 もしも、その力が誠の本能からくるものであれば、もしかしたら…。
 その理由が分からず釈然としない誠は、躊躇いつつも自分から銀狼の頬をペロっと、控えめに舐めた。すると銀狼の尾は激しく揺れ、誠の尾にパシパシと当たる。自分よりも大きな体躯のくせに、どこか可愛いと思ってしまった。
 誠は尾の一本を狼の尾に絡めながら、銀狼に体全体を寄せる。
 ピタリと寄り添った瞬間、銀狼はピクリと身じろぎをした。それと同時に、遠くから犬の遠吠えが聞こえた。
 もう少しで自分の不可解な行動の理由が分かる、そう思っていただけに、水を注された気分だ。
 銀狼はその遠吠えに反応したのか、

「アオォォォォ…ン」

 と吠える。呼応する様にまた向こうから遠吠えが聞こえた後、銀狼は戸惑いがちに誠から少し距離を取った。
 もしかしたら、銀狼の仲間かもしれない。
 どう?と銀狼を見ると、銀狼の尾はシュンと垂れ下がっていた。
 ビンゴだ。
 誠はそんな銀狼の頬を今度はベロリと舐めると、ヘラジカもどきの側に行く。前脚でその腹部をトンと叩き、浮き上がらせてから角の部分を咥えて狼の眼前に持って行った。
 誠が使える力のうちの一つだ。風は、重い物を動かす時にも役立つ。
 驚いているような銀狼は口を半開きにしつつ、少し首を傾げる。そんな人間っぽい仕草に笑いそうになった誠は、ヘラジカもどきを浮かせたまま鼻先で銀狼に勧めた。
 こちらの意図が伝わったのか、銀狼はゆるりと尾を振りながら誠の首元をペロペロと舐め、そして甘噛みをしたと思うと、一瞬。その牙に力を入れた。
 あ、と思ったが、遅かった。
 深く噛まれたそこから、妖力でも神力でもない、知らない力が流れて来る。
 グゥ、と呻いて抵抗しようとしたが、銀狼が噛み跡をしつこくベロベロと舐めてくるので、そんな気も失せてしまった。
 それに、噛まれた辺りから全身に暖かな気が巡っている。悪い物ではないようだ。
 またしても銀狼のなすがままになっていると、今度は二頭の犬の遠吠えが聞こえてきた。早く帰って来いと、せっついているのだろうか。銀狼は「ウゥ…」と情けない声を出しながら、ぐいぐいと誠の頭部に喉元を擦り付ける。
 やっと離れると、銀狼は浮いたままの獲物の角を咥えた。
 それから二頭は、数歩進む毎にチラチラと互いを見ながら別れた。
 銀狼は森の中へ。誠は湖から流れ出ている川の方へ。
 短い邂逅だった。
 でも、また会える。誠は不思議とそんな確信を持っていた。
しおりを挟む

あなたにおすすめの小説

拝啓、目が覚めたらBLゲームの主人公だった件

碧月 晶
BL
さっきまでコンビニに向かっていたはずだったのに、何故か目が覚めたら病院にいた『俺』。 状況が分からず戸惑う『俺』は窓に映った自分の顔を見て驚いた。 「これ…俺、なのか?」 何故ならそこには、恐ろしく整った顔立ちの男が映っていたのだから。 《これは、現代魔法社会系BLゲームの主人公『石留 椿【いしどめ つばき】(16)』に転生しちゃった元平凡男子(享年18)が攻略対象たちと出会い、様々なイベントを経て『運命の相手』を見つけるまでの物語である──。》 ──────────── ~お知らせ~ ※第3話を少し修正しました。 ※第5話を少し修正しました。 ※第6話を少し修正しました。 ※第11話を少し修正しました。 ※第19話を少し修正しました。 ※第22話を少し修正しました。 ※第24話を少し修正しました。 ※第25話を少し修正しました。 ※第26話を少し修正しました。 ※第31話を少し修正しました。 ※第32話を少し修正しました。 ──────────── ※感想(一言だけでも構いません!)、いいね、お気に入り、近況ボードへのコメント、大歓迎です!! ※表紙絵は作者が生成AIで試しに作ってみたものです。

《本編 完結 続編 完結》29歳、異世界人になっていました。日本に帰りたいのに、年下の英雄公爵に溺愛されています。

かざみはら まなか
BL
24歳の英雄公爵✕29歳の日本に帰りたい異世界転移した青年

【8話完結】いじめられっ子だった俺が、覚醒したら騎士団長に求愛されました

キノア9g
BL
いじめられ続けた僕は、ある日突然、異世界に転移した。 けれど、勇者として歓迎されたのは、僕を苦しめてきた“あいつ”の方。僕は無能と決めつけられ、誰からも相手にされなかった。 そんな僕に手を差し伸べてくれたのは、冷酷と恐れられる騎士団長・ジグルドだった。 なのに、あいつの命令で、僕は彼に嘘の告白をしてしまう――「ジグルドさんのことが、好きなんです」 それが、すべての始まりだった。 あの日から彼は、僕だけをまっすぐ見つめてくる。 僕を守る手は、やさしく、強くて、どこまでも真剣だった。 だけど僕には、まだ知られていない“力”がある。 過去の傷も、偽りの言葉も超えて、彼の隣にいてもいいのだろうか。 これは、いじめられっ子の僕が“愛されること”を知っていく、嘘と覚醒の物語。 全8話。

花屋の息子

きの
BL
ひょんなことから異世界転移してしまった、至って普通の男子高校生、橘伊織。 森の中を一人彷徨っていると運良く優しい夫婦に出会い、ひとまずその世界で過ごしていくことにするが___? 瞳を見て相手の感情がわかる能力を持つ、普段は冷静沈着無愛想だけど受けにだけ甘くて溺愛な攻め×至って普通の男子高校生な受け の、お話です。 不定期更新。大体一週間間隔のつもりです。 攻めが出てくるまでちょっとかかります。

【WEB版】監視が厳しすぎた嫁入り生活から解放されました~冷徹無慈悲と呼ばれた隻眼の伯爵様と呪いの首輪~【BL・オメガバース】

古森きり
BL
【書籍化決定しました!】 詳細が決まりましたら改めてお知らせにあがります! たくさんの閲覧、お気に入り、しおり、感想ありがとうございました! アルファポリス様の規約に従い発売日にURL登録に変更、こちらは引き下げ削除させていただきます。 政略結婚で嫁いだ先は、女狂いの伯爵家。 男のΩである僕には一切興味を示さず、しかし不貞をさせまいと常に監視される生活。 自分ではどうすることもできない生活に疲れ果てて諦めた時、夫の不正が暴かれて失脚した。 行く当てがなくなった僕を保護してくれたのは、元夫が口を開けば罵っていた政敵ヘルムート・カウフマン。 冷徹無慈悲と呼び声高い彼だが、共に食事を摂ってくれたりやりたいことを応援してくれたり、決して冷たいだけの人ではなさそうで――。 カクヨムに書き溜め。 小説家になろう、アルファポリス、BLoveにそのうち掲載します。

【8話完結】帰ってきた勇者様が褒美に私を所望している件について。

キノア9g
BL
異世界召喚されたのは、 ブラック企業で心身ボロボロになった陰キャ勇者。 国王が用意した褒美は、金、地位、そして姫との結婚―― だが、彼が望んだのは「何の能力もない第三王子」だった。 顔だけ王子と蔑まれ、周囲から期待されなかったリュシアン。 過労で倒れた勇者に、ただ優しく手を伸ばしただけの彼は、 気づかぬうちに勇者の心を奪っていた。 「それでも俺は、あなたがいいんです」 だけど――勇者は彼を「姫」だと誤解していた。 切なさとすれ違い、 それでも惹かれ合う二人の、 優しくて不器用な恋の物語。 全8話。

僕を惑わせるのは素直な君

秋元智也
BL
父と妹、そして兄の家族3人で暮らして来た。 なんの不自由もない。 5年前に病気で母親を亡くしてから家事一切は兄の歩夢が 全てやって居た。 そこへいきなり父親からも唐突なカミングアウト。 「俺、再婚しようと思うんだけど……」 この言葉に驚きと迷い、そして一縷の不安が過ぎる。 だが、好きになってしまったになら仕方がない。 反対する事なく母親になる人と会う事に……。 そこには兄になる青年がついていて…。 いきなりの兄の存在に戸惑いながらも興味もあった。 だが、兄の心の声がどうにもおかしくて。 自然と聞こえて来てしまう本音に戸惑うながら惹かれて いってしまうが……。 それは兄弟で、そして家族で……同性な訳で……。 何もかも不幸にする恋愛などお互い苦しみしかなく……。

ネグレクトされていた四歳の末娘は、前世の経理知識で実家の横領を見抜き追放されました。これからはもふもふ聖獣と美食巡りの旅に出ます。

旅する書斎(☆ほしい)
ファンタジー
アークライト子爵家の四歳の末娘リリアは、家族から存在しないものとして扱われていた。食事は厨房の残飯、衣服は兄姉のお下がりを更に継ぎ接ぎしたもの。冷たい床で眠る日々の中、彼女は高熱を出したことをきっかけに前世の記憶を取り戻す。 前世の彼女は、ブラック企業で過労死した経理担当のOLだった。 ある日、父の書斎に忍び込んだリリアは、ずさんな管理の家計簿を発見する。前世の知識でそれを読み解くと、父による悪質な横領と、家の財産がすでに破綻寸前であることが判明した。 「この家は、もうすぐ潰れます」 家族会議の場で、リリアはたった四歳とは思えぬ明瞭な口調で破産の事実を突きつける。激昂した父に「疫病神め!」と罵られ家を追い出されたリリアだったが、それは彼女の望むところだった。 手切れ金代わりの銅貨数枚を握りしめ、自由を手に入れたリリア。これからは誰にも縛られず、前世で夢見た美味しいものをたくさん食べる生活を目指す。

処理中です...