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第一章 王国編第二部(中等部)
エピソード125 王立学院中等部入学しました
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「えー、コホン……王立学院中等部の新入生の皆さん、ご入学誠におめでとうございます。また、保護者の皆様もお子様のご入学について心よりお喜びを申し上げます。
この晴れがましい王立学院中等部の入学式にお忙しい中ご来賓としてご臨席を賜りましたマクウィリアズ王国宰相のアーロン・ウィンゲート侯爵様をはじめ多数のご参列の皆様に厚く御礼申し上げます。
本日ここに今新たに王立学院中等部に九十名が入学いたしました。私達教職員一同も新たな新入生を迎えて大変喜ばしい気持ちでいっぱいです。
さて、本校は設立以来百年以上の…………………
本校への就職者の中には、希望して本校で教員を執るべく戻って来てくれた卒業生もいます。このことは、学校妙意に尽きることで教職員一同大変嬉しく思うと同時に、教育機関として卒業生が社会に出るという一つの…………………………………………
さらに、卒業生が社会で活躍し、その根底で受けた王立学院での教育が、大きな試練が立ちはだかったときに発揮すると考えております。
教職としての役割は限られていますが、社会貢献する人材の育成は、本校の教育方針のひとつですが、いかに貢献したかは生徒本人のみが知り、社会が評価することでしょう。学校としては、卒業生がこのマクウィリアズ王国、いやニーベラル大陸で活躍する上で、本校で学んで良かったと思える教育を目指していきたいと考えています。
現在、マクウィリアズ王国では王都への人口の一局集中化また辺境伯領の局所的集中化があります。この集中化したところは………………………………
貴族や平民問わず異種の文化価値観が混ざりあうことによって新たな文化を創造することが大切になります。その文化や価値観を持った人材を送り出すことをひとつとして当時のマクウィリアズ王の意向により王立学院を造られる事となりました。
このように極めて魅力ある学院で、皆さんは二年間または五年間学ぶことになります。是非、この王立学院で学ぶことに対して誇りを持って頂きたいと思います。このことが、ここで学ぶ大きな力となり…………………………………………………………
さて、皆さんは望むと望まざるとに関わらず、学院生活という社会の小さな縮図の中ですが、大きな渦の中で生きていくことになります。これからは思わぬ人とも、知らない人との繋がりが増える事があるかもしれません。
その繋がり一つ一つを見極めて将来の人脈となるか否かを判断する決断力を養う場でもあります。
これからの世の中では、常識に捉われない一般的な考えを超えた新たな社会を迎えようとしているのではないでしょうか。学院内での貴族と平民との格差社会も設立されてから少しずつ境界線は薄れつつあります。
これからの時代では人が……………………………
一人ひとりが世情を見据えて学び、様々な視点をしっかりと持ち、今後学んでほしいと思います。
そして、将来は人々にとって真に豊かな世の中の実現に貢献する人になっていただきたいと思います。貴族として領民に慕われる存在となる為に、また貴族でなくとも、文官、騎士、商人、様々な職種に就く事でマクウィリアズ王国の繁栄を支える事はできます。
ここ王都も歴史と文化、そして自然に溢れた素晴らしい街です。この街で皆さんは、かけがえのない青春を送ろうとされています。
新入生の皆さん。現在のワクワクとした初心は、つい忘れがちです。
高い志や初心やしっかりとした目標を持ち、そして同じ志の友人が得られれば苦しいときや辛い時も乗り越えていけるはずです。ぜひ頑張って頂きたいと思います。
最後に保護者様に於かれましては、お子様の教育を王立学院に託していただき誠にありがとうございます。もちろん、生徒本人の努力も不可欠になりますが、本校には将来のマクウィリアズ王国に貢献できる高いレベルの育成という目標をもとに、学力や様々な活動など通して、豊かな人間性の育成に教職員一丸となって生活指導に当たりたいと思っておりますので、ご理解よろしくお願いいたします。
これをもって入学式の式辞とさせていただきます」
何やらぽっちゃりとした優しそうな白髪の男性……学院長だと思われる方の挨拶だろう。
オレは何度か意識を失いながら話を聞いていた。
「クライヴ、やっと起きたんだね」
隣に座っているモーガンがいつもの悪い笑みを浮かべている。
初等部の時と違い、ホールの大きさや人の多さ等桁違いだ。
万が一の避難の際に中等部と高等部全員と教職員の約六百人収容できた良いと思うのだが…………まさか野球でもするつもりか?
その広さは何と縦横二百メートルで高さ百メートル………………
(必要か? この広さ……何万人収容するつもりだよ…………どこのライブだよ!)
オレにとっては相変わらずツッコミどころ満載な学院なんだが、他の生徒はへぇ~ぐらいしか思っていない……
その後、各先生の挨拶がありオレはまた意識を失いかけていた。
そして最後に学院の学食を提供する食堂の料理長の紹介があった。
オレ達は忘れていた……あの……料理長の存在を…………
何とオレ達の中等部入学と同時期に王立学院分校から王立学院へ昇格したシェフを呼び戻して、自分が王立学院の料理長に就いたらしい…………
そして料理長は獲物を見るような細い目をして、誰かを探していた………………
その時!
オレは料理長と目が合った!
料理長をオレの顔を見てみつけたと言わんばかりの怪しい笑みを浮かべて挨拶を終えて去っていった。
「ねぇ、アレって絶対アンタの事見てたわよ」
モーガンのもう一つ横に座っているフィーネも気づいたらしく、オレにそっと声をかけてきた。
「確かに……ぼくにもクライヴを見て不気味な笑みを浮かべたように見えたよ」
オレの隣に座るリアナも料理長の奇行を見ていたようだ。
(みんな怖い事言うなよ……学食に毒とか入れられたりしないよな?)
「クライヴ……気をつけてね…………ボクの予想では食堂に行って学食を頼むと………………」
モーガンはオレに話しかけておきながら途中から意味深な事を言って真顔のまま何も言わなくなった……
「いやいや、何でオレが親父ギャグの人に目をつけられるんだよ。オレ別に何もしてないしみんなの勘違いだろ?」
オレの言葉にモーガン達はジト目でオレを見てきた。
(何でだよ! どうしてみんなしてそんな目でオレを見るんだ!)
………………………………………………………
「それでは新入生の皆さん。クラス分けを行うので、そのままホールに残っていて下さい」
いかにも教頭先生と言う言葉が似合う黒のセミロングにキリッと眼鏡、割と年配な几帳面そうな女性がオレ達新入生に言葉をかけた。
その先生が次に発した言葉で、クラス分けが決められる事となった。
(クラスメイトに恵まれますように!)
この晴れがましい王立学院中等部の入学式にお忙しい中ご来賓としてご臨席を賜りましたマクウィリアズ王国宰相のアーロン・ウィンゲート侯爵様をはじめ多数のご参列の皆様に厚く御礼申し上げます。
本日ここに今新たに王立学院中等部に九十名が入学いたしました。私達教職員一同も新たな新入生を迎えて大変喜ばしい気持ちでいっぱいです。
さて、本校は設立以来百年以上の…………………
本校への就職者の中には、希望して本校で教員を執るべく戻って来てくれた卒業生もいます。このことは、学校妙意に尽きることで教職員一同大変嬉しく思うと同時に、教育機関として卒業生が社会に出るという一つの…………………………………………
さらに、卒業生が社会で活躍し、その根底で受けた王立学院での教育が、大きな試練が立ちはだかったときに発揮すると考えております。
教職としての役割は限られていますが、社会貢献する人材の育成は、本校の教育方針のひとつですが、いかに貢献したかは生徒本人のみが知り、社会が評価することでしょう。学校としては、卒業生がこのマクウィリアズ王国、いやニーベラル大陸で活躍する上で、本校で学んで良かったと思える教育を目指していきたいと考えています。
現在、マクウィリアズ王国では王都への人口の一局集中化また辺境伯領の局所的集中化があります。この集中化したところは………………………………
貴族や平民問わず異種の文化価値観が混ざりあうことによって新たな文化を創造することが大切になります。その文化や価値観を持った人材を送り出すことをひとつとして当時のマクウィリアズ王の意向により王立学院を造られる事となりました。
このように極めて魅力ある学院で、皆さんは二年間または五年間学ぶことになります。是非、この王立学院で学ぶことに対して誇りを持って頂きたいと思います。このことが、ここで学ぶ大きな力となり…………………………………………………………
さて、皆さんは望むと望まざるとに関わらず、学院生活という社会の小さな縮図の中ですが、大きな渦の中で生きていくことになります。これからは思わぬ人とも、知らない人との繋がりが増える事があるかもしれません。
その繋がり一つ一つを見極めて将来の人脈となるか否かを判断する決断力を養う場でもあります。
これからの世の中では、常識に捉われない一般的な考えを超えた新たな社会を迎えようとしているのではないでしょうか。学院内での貴族と平民との格差社会も設立されてから少しずつ境界線は薄れつつあります。
これからの時代では人が……………………………
一人ひとりが世情を見据えて学び、様々な視点をしっかりと持ち、今後学んでほしいと思います。
そして、将来は人々にとって真に豊かな世の中の実現に貢献する人になっていただきたいと思います。貴族として領民に慕われる存在となる為に、また貴族でなくとも、文官、騎士、商人、様々な職種に就く事でマクウィリアズ王国の繁栄を支える事はできます。
ここ王都も歴史と文化、そして自然に溢れた素晴らしい街です。この街で皆さんは、かけがえのない青春を送ろうとされています。
新入生の皆さん。現在のワクワクとした初心は、つい忘れがちです。
高い志や初心やしっかりとした目標を持ち、そして同じ志の友人が得られれば苦しいときや辛い時も乗り越えていけるはずです。ぜひ頑張って頂きたいと思います。
最後に保護者様に於かれましては、お子様の教育を王立学院に託していただき誠にありがとうございます。もちろん、生徒本人の努力も不可欠になりますが、本校には将来のマクウィリアズ王国に貢献できる高いレベルの育成という目標をもとに、学力や様々な活動など通して、豊かな人間性の育成に教職員一丸となって生活指導に当たりたいと思っておりますので、ご理解よろしくお願いいたします。
これをもって入学式の式辞とさせていただきます」
何やらぽっちゃりとした優しそうな白髪の男性……学院長だと思われる方の挨拶だろう。
オレは何度か意識を失いながら話を聞いていた。
「クライヴ、やっと起きたんだね」
隣に座っているモーガンがいつもの悪い笑みを浮かべている。
初等部の時と違い、ホールの大きさや人の多さ等桁違いだ。
万が一の避難の際に中等部と高等部全員と教職員の約六百人収容できた良いと思うのだが…………まさか野球でもするつもりか?
その広さは何と縦横二百メートルで高さ百メートル………………
(必要か? この広さ……何万人収容するつもりだよ…………どこのライブだよ!)
オレにとっては相変わらずツッコミどころ満載な学院なんだが、他の生徒はへぇ~ぐらいしか思っていない……
その後、各先生の挨拶がありオレはまた意識を失いかけていた。
そして最後に学院の学食を提供する食堂の料理長の紹介があった。
オレ達は忘れていた……あの……料理長の存在を…………
何とオレ達の中等部入学と同時期に王立学院分校から王立学院へ昇格したシェフを呼び戻して、自分が王立学院の料理長に就いたらしい…………
そして料理長は獲物を見るような細い目をして、誰かを探していた………………
その時!
オレは料理長と目が合った!
料理長をオレの顔を見てみつけたと言わんばかりの怪しい笑みを浮かべて挨拶を終えて去っていった。
「ねぇ、アレって絶対アンタの事見てたわよ」
モーガンのもう一つ横に座っているフィーネも気づいたらしく、オレにそっと声をかけてきた。
「確かに……ぼくにもクライヴを見て不気味な笑みを浮かべたように見えたよ」
オレの隣に座るリアナも料理長の奇行を見ていたようだ。
(みんな怖い事言うなよ……学食に毒とか入れられたりしないよな?)
「クライヴ……気をつけてね…………ボクの予想では食堂に行って学食を頼むと………………」
モーガンはオレに話しかけておきながら途中から意味深な事を言って真顔のまま何も言わなくなった……
「いやいや、何でオレが親父ギャグの人に目をつけられるんだよ。オレ別に何もしてないしみんなの勘違いだろ?」
オレの言葉にモーガン達はジト目でオレを見てきた。
(何でだよ! どうしてみんなしてそんな目でオレを見るんだ!)
………………………………………………………
「それでは新入生の皆さん。クラス分けを行うので、そのままホールに残っていて下さい」
いかにも教頭先生と言う言葉が似合う黒のセミロングにキリッと眼鏡、割と年配な几帳面そうな女性がオレ達新入生に言葉をかけた。
その先生が次に発した言葉で、クラス分けが決められる事となった。
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