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「そのようなことが……」
リーゲルは額に片手を当てて天を仰ぐ。
「アレが知らない、というより忘れているのは分かるが、その子爵令嬢が知らないというのもおかしい。おそらくわざとでしょう」
「わざと?」
そんなことをして何になるのだと首を傾げてしまうエリス。
「エリス様を名で呼んで高貴な身分だと勘違いさせて、エリス様の失態を引き出させたかった。ヴェインの気を引くために」
「まあ……」
まさか、この世にヴェインの気を引こうとする女性が存在するなどと露程も思わなかった。
「気を付けて下さい、エリス様。また、子爵令嬢は貴女に接触してくるでしょう」
「そうですね……」
許可なく他学年の敷地に入ってはいけないので、ルコットが二年の敷地に押し掛けてくることは無いが、共用の施設がある学園中心部で遭遇することはあるかもしれない。
「何かあれば私に相談してください」
「ええ、ありがとうございます」
そう答えるが、共用施設を利用するたびにリーゲルに同伴してもらう訳にはいかない。気持ちだけ受け取って置く。
□
パーティも中盤にさしかかった頃、エリスの結った髪が少し崩れた。パウダールームで直そうと会場から離れる。休憩室やパウダールームへ続く廊下を歩いていると、休憩室の一室から出てきたルコットを見つけてしまった。気が付かないふりをして通り過ぎようとしたが、声を掛けられた。
「エリス様! さっきはごめんなさい、取り乱してしまって。エリス様はただ、婚約者の殿下が私なんかをエスコートしたのが気に入らなかっただけなんですよね」
「いいえ、特に何も思って無いわ」
「ええっ」
露骨に驚くルコット。
「だって婚約者でしょう? 他の女性が一緒にいたら嫌ですよね?」
「いいえ、全く」
ルコットはわなわなと震えて叫んだ。
「そんな……! 殿下が可哀想です! 酷い! 婚約者に興味を持たれてないなんて知ったら殿下が悲しみます! だから寂しくて私なんかに構ってるんですよ?」
「殿下と私はただ親の決めた婚姻だけの関係だから、お互い情は無いの」
「そんなんだと殿下が他の女性に取られますよ! それは困るでしょう!? 殿下が王様になったらエリス様が王妃ですよ!?」
「誰と親しくなろうと、婚約は王家と侯爵家の取り決めだから覆らないわ」
相手にするのに疲れたエリスが去ろうとする。しかし、袖を掴まれる。
「それじゃあ、殿下の人生があまりにも辛いものになります! 仲良くして、支えてあげようと思わないんですか?」
「私が支えなくても、きっと他の人が支えるわ。手を離して」
「それって、私みたいなのは殿下の情婦がお似合いってそう言いたいんですか!?」
話がいきなり飛躍して、エリスは心底うんざりした。ルコットに袖を掴まれたまま歩き出す。
「そうは言っていない。貴女は私の話をどうやっても勘違いするようだから、もうこれで話は終わり。あまりしつこいと警備の騎士を呼びます」
袖から手を離したルコットはそれ以上追って来なかった。
□
第三王子リオスは寮の自室にて、椅子の上で胡坐をかいて悩んでいた。
「う~ん」
「何か悩み事ですか?」
紅茶を淹れながら尋ねるのは、リオスの同学年にして唯一の側近ディラン・ラースィ。
「いや~、前から思ってたけど、第二王子派やめようかと」
「英断です。私はリオス殿下こそ王太子になるべきお方だと」
「前からちょいちょいそう言うけど普通に無理だからな?」
ディランを使えそうな人材だと判断したことと、ある理由から、リオスは没落寸前だったラースィ伯爵家を援助した。それからというものディランはリオスを過大評価している。
「何かさ~、子供の頃からヴェイン兄上は扱いやすかったから、お飾り王に据えて俺は楽しようと考えてた訳よ」
煽てれば容易にコントロールできたヴェインを操って楽に甘い汁を吸おうと思っていた。
しかし、ヴェインはリオスより一年先に王立学園に入学して、リオスが傍に居ない内に、同学年の生徒を側近として勝手に採用していた。類は友を呼ぶべきか、揃いも揃ってヴェインと同程度の知能ばかり。しかも、ヴェインはその気の合うバカを大変気に入り、彼らの意見を重視するようになっていた。リオスの一言よりも、バカ多数の言葉を尊重する。これでは先も危うい。
「俺が常に兄上の傍にいる状態がよくなかった。そのせいで、俺も第二王子派閥のオッサンらも兄上の知能を見誤ってた。兄上は想像を絶する馬鹿だったんだ」
上手く手綱を引いている状態を馬鹿だと認識していた。手綱を引いていなければ大馬鹿なのに、ずっと手綱を引いていたせいで本来の知能を認識できていなかった。
「仕方がありません。リオス殿下がご令兄を支えると決めたのは幼い頃です。失敗は誰にでもあります」
「まあな~、つーか途中で薄々そうじゃないかとは気づいてたけど、第二王子派閥のオッサンらの前では言えないよなあ」
第二王子派閥が出来る前、幼い頃のヴェインに「民の支持無き冷徹な父上の次は感情豊かな兄上こそ王になるべき!」と散々煽ててその気にさせたのはリオスである。今更「第二王子派やめまーす」と言って「はい、そうですか」とはならない。しかし、それなりの理由があれば話は別だ。
「兄上を失脚させれそうな機が巡ってきたんだよ。兄上がこれまた馬鹿な女を気に入ってな~。こいつの動き次第では何とかなりそうだ」
ヴェインがルコットという下級生に一目惚れに近い気に入り方をし、傍に置き出した。昼休憩と放課後に第三学年の敷地に呼び出して侍らせている。ルコットも最初は戸惑っていたが、王子と側近のバカにちやほやされて満更でもないようだった。
だんだん調子に乗ってきたルコットは、エリスと同学年のリオスにエリスのことを細かく聞いてきた。ヴェインの婚約者に失礼の無いようにしたいからだと理由を述べていたが、この時点でリオスは未来が予測できた。
学園全体に張られている誓約魔法によりニナのことは他学年に口外できないこともあり、「友人もおらず一人で過ごしているが、時々学園の中央図書館を利用している」と説明した。
そして、学年合同パーティではっきり判明したが、やはり予想通りルコットはエリスに味方がいないのをいいことに、エリスから苛められいるなどと虚言を吐くつもりだ。
ルコットは現在同学年からやっかみで軽い嫌がらせを受けていたが、ヴェインには報告していなかった。パーティで揉めた後に、エリスの指示かもしれないと匂わせてヴェインに報告した。
ルコットは最終的にヴェインとエリスの婚約を破棄させて自分が後釜に座りたいのだろう。
「そうですか、しかし何故殿下はそこまでルコット嬢について詳しいのですか?」
「エリスチャンのこと詳しく聞いてきた時に、お、と思ったから、兄上にルコットの身を守るための魔導具だっつって、贈らせたんだよ。所謂盗聴器~」
そう言ってリオスは懐から二つの魔導具が連結されたものを取り出した。
「これは受信器と記録の魔導具をくっつけたやつな」
「……犯罪ですよ」
「大丈夫大丈夫。実際持ち主の危険を察知した時に結界張る機能も付いてるし、盗聴も第二王子の寵愛を受ける令嬢を守る為っつったらいけるいける~。それに、ルコットと兄上が馬鹿やらかしてくれたら正当化できるから」
後にリオスの予測通り、ヴェインがやらかすことになる。
リーゲルは額に片手を当てて天を仰ぐ。
「アレが知らない、というより忘れているのは分かるが、その子爵令嬢が知らないというのもおかしい。おそらくわざとでしょう」
「わざと?」
そんなことをして何になるのだと首を傾げてしまうエリス。
「エリス様を名で呼んで高貴な身分だと勘違いさせて、エリス様の失態を引き出させたかった。ヴェインの気を引くために」
「まあ……」
まさか、この世にヴェインの気を引こうとする女性が存在するなどと露程も思わなかった。
「気を付けて下さい、エリス様。また、子爵令嬢は貴女に接触してくるでしょう」
「そうですね……」
許可なく他学年の敷地に入ってはいけないので、ルコットが二年の敷地に押し掛けてくることは無いが、共用の施設がある学園中心部で遭遇することはあるかもしれない。
「何かあれば私に相談してください」
「ええ、ありがとうございます」
そう答えるが、共用施設を利用するたびにリーゲルに同伴してもらう訳にはいかない。気持ちだけ受け取って置く。
□
パーティも中盤にさしかかった頃、エリスの結った髪が少し崩れた。パウダールームで直そうと会場から離れる。休憩室やパウダールームへ続く廊下を歩いていると、休憩室の一室から出てきたルコットを見つけてしまった。気が付かないふりをして通り過ぎようとしたが、声を掛けられた。
「エリス様! さっきはごめんなさい、取り乱してしまって。エリス様はただ、婚約者の殿下が私なんかをエスコートしたのが気に入らなかっただけなんですよね」
「いいえ、特に何も思って無いわ」
「ええっ」
露骨に驚くルコット。
「だって婚約者でしょう? 他の女性が一緒にいたら嫌ですよね?」
「いいえ、全く」
ルコットはわなわなと震えて叫んだ。
「そんな……! 殿下が可哀想です! 酷い! 婚約者に興味を持たれてないなんて知ったら殿下が悲しみます! だから寂しくて私なんかに構ってるんですよ?」
「殿下と私はただ親の決めた婚姻だけの関係だから、お互い情は無いの」
「そんなんだと殿下が他の女性に取られますよ! それは困るでしょう!? 殿下が王様になったらエリス様が王妃ですよ!?」
「誰と親しくなろうと、婚約は王家と侯爵家の取り決めだから覆らないわ」
相手にするのに疲れたエリスが去ろうとする。しかし、袖を掴まれる。
「それじゃあ、殿下の人生があまりにも辛いものになります! 仲良くして、支えてあげようと思わないんですか?」
「私が支えなくても、きっと他の人が支えるわ。手を離して」
「それって、私みたいなのは殿下の情婦がお似合いってそう言いたいんですか!?」
話がいきなり飛躍して、エリスは心底うんざりした。ルコットに袖を掴まれたまま歩き出す。
「そうは言っていない。貴女は私の話をどうやっても勘違いするようだから、もうこれで話は終わり。あまりしつこいと警備の騎士を呼びます」
袖から手を離したルコットはそれ以上追って来なかった。
□
第三王子リオスは寮の自室にて、椅子の上で胡坐をかいて悩んでいた。
「う~ん」
「何か悩み事ですか?」
紅茶を淹れながら尋ねるのは、リオスの同学年にして唯一の側近ディラン・ラースィ。
「いや~、前から思ってたけど、第二王子派やめようかと」
「英断です。私はリオス殿下こそ王太子になるべきお方だと」
「前からちょいちょいそう言うけど普通に無理だからな?」
ディランを使えそうな人材だと判断したことと、ある理由から、リオスは没落寸前だったラースィ伯爵家を援助した。それからというものディランはリオスを過大評価している。
「何かさ~、子供の頃からヴェイン兄上は扱いやすかったから、お飾り王に据えて俺は楽しようと考えてた訳よ」
煽てれば容易にコントロールできたヴェインを操って楽に甘い汁を吸おうと思っていた。
しかし、ヴェインはリオスより一年先に王立学園に入学して、リオスが傍に居ない内に、同学年の生徒を側近として勝手に採用していた。類は友を呼ぶべきか、揃いも揃ってヴェインと同程度の知能ばかり。しかも、ヴェインはその気の合うバカを大変気に入り、彼らの意見を重視するようになっていた。リオスの一言よりも、バカ多数の言葉を尊重する。これでは先も危うい。
「俺が常に兄上の傍にいる状態がよくなかった。そのせいで、俺も第二王子派閥のオッサンらも兄上の知能を見誤ってた。兄上は想像を絶する馬鹿だったんだ」
上手く手綱を引いている状態を馬鹿だと認識していた。手綱を引いていなければ大馬鹿なのに、ずっと手綱を引いていたせいで本来の知能を認識できていなかった。
「仕方がありません。リオス殿下がご令兄を支えると決めたのは幼い頃です。失敗は誰にでもあります」
「まあな~、つーか途中で薄々そうじゃないかとは気づいてたけど、第二王子派閥のオッサンらの前では言えないよなあ」
第二王子派閥が出来る前、幼い頃のヴェインに「民の支持無き冷徹な父上の次は感情豊かな兄上こそ王になるべき!」と散々煽ててその気にさせたのはリオスである。今更「第二王子派やめまーす」と言って「はい、そうですか」とはならない。しかし、それなりの理由があれば話は別だ。
「兄上を失脚させれそうな機が巡ってきたんだよ。兄上がこれまた馬鹿な女を気に入ってな~。こいつの動き次第では何とかなりそうだ」
ヴェインがルコットという下級生に一目惚れに近い気に入り方をし、傍に置き出した。昼休憩と放課後に第三学年の敷地に呼び出して侍らせている。ルコットも最初は戸惑っていたが、王子と側近のバカにちやほやされて満更でもないようだった。
だんだん調子に乗ってきたルコットは、エリスと同学年のリオスにエリスのことを細かく聞いてきた。ヴェインの婚約者に失礼の無いようにしたいからだと理由を述べていたが、この時点でリオスは未来が予測できた。
学園全体に張られている誓約魔法によりニナのことは他学年に口外できないこともあり、「友人もおらず一人で過ごしているが、時々学園の中央図書館を利用している」と説明した。
そして、学年合同パーティではっきり判明したが、やはり予想通りルコットはエリスに味方がいないのをいいことに、エリスから苛められいるなどと虚言を吐くつもりだ。
ルコットは現在同学年からやっかみで軽い嫌がらせを受けていたが、ヴェインには報告していなかった。パーティで揉めた後に、エリスの指示かもしれないと匂わせてヴェインに報告した。
ルコットは最終的にヴェインとエリスの婚約を破棄させて自分が後釜に座りたいのだろう。
「そうですか、しかし何故殿下はそこまでルコット嬢について詳しいのですか?」
「エリスチャンのこと詳しく聞いてきた時に、お、と思ったから、兄上にルコットの身を守るための魔導具だっつって、贈らせたんだよ。所謂盗聴器~」
そう言ってリオスは懐から二つの魔導具が連結されたものを取り出した。
「これは受信器と記録の魔導具をくっつけたやつな」
「……犯罪ですよ」
「大丈夫大丈夫。実際持ち主の危険を察知した時に結界張る機能も付いてるし、盗聴も第二王子の寵愛を受ける令嬢を守る為っつったらいけるいける~。それに、ルコットと兄上が馬鹿やらかしてくれたら正当化できるから」
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