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決戦①
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「お前は何者なんだ?」
アマネは目の前にいる魔族にそう問いかける。
「私の事が気になるというのなら教えてやろう。グリードだ」
「なぜこっちの世界にいる?」
「我が主である魔王様に不可能は無い。故に私はここに居る」
「魔王だと?」
なぜ魔王が帰還魔法を使える?いや<帰還>に似た別の魔法なのか?とアマネは思考をめぐらす。
「質問は以上か?」
「最後にもう一ついいか?」
「ほう?」
アマネはグリードから視線を逸らし、背後にいるシイラギを睨みつけた。
「正体を隠さず来るんだったら最初からそうすれば良かったんじゃないのか?」
「出来るならそうしたかったわ。でもお前はこっちの世界に戻ってきてから一度もリーシャ・ミリセントから離れることが無くなった。私の正体に気づいたと考えるのが自然でしょ」
「つまりは監視してたって訳か。じゃあ何で今になって仕掛けてした?狙うタイミングはもっとあったはずだぞ?」
アマネのその発言を聞いてシイラギは眉をピクリと動かした。
それをアマネは見逃さなかった。
「───殺す勇気がなかったんじゃないのか?だから別の人間を利用してリーシャを狙いに来たんだろ?」
カン!
シイラギはアマネに飛びかかり、剣を振るった。
アマネはそれを簡単に止めた。
「図星か?」
「黙れ!!」
怒りの表情を浮かべそう言うシイラギ。
彼女の瞳には怒りの他に苦しみが見えていた。
「私を……………私を置いて勝手に始めるでないぞ!!」
意味のわからない理由でグリードは怒り、アマネに襲い掛かる。
怒りに任せた攻撃だからか、軌道が読みやすく、アマネは足でグリードの顔面を蹴りあげた。
「グハッ!」
グリードは一回転し、地面に着地した。
「ほぉやるでは無いか!」
「氷の風」
すかさずリーシャが攻撃を仕掛け、グリードを氷漬けにした。
それを見て、シイラギは一歩距離を置き防御の姿勢をとった。
「おい!いつまで凍ってるつもりだ」
するのバキと音がし、氷に亀裂が入った。
バキバキバキ───
氷は完全に割れ、グリードが姿を現した。
「そう急かすでない。私は彼らの素晴らしい連携に惚れてしまっていたのだ」
まだ全力を出していないのか余裕そうなグリード。
アマネは余裕を与えまいとグリードに間合いを詰める。
そうして刀を振るった。
グリードは後ろに飛び、それを避ける。
「漆黒の炎」
アマネはグリードの胸に向かって炎を放つ。
「グアッ…………」
その炎はグリードに命中し、体を焼いた。
炎を消そうとグリードは手で体を撫でた。
だが炎は消えることは無く、逆に手に燃え移った。
「なるほど消えない炎というわけか」
するとグリードは再び炎に手を当てた。
「魔力吸収《ドレイン》」
するとだんだん炎は小さくなっていき、やがて完全に消えた。
それを見てアマネは驚愕の表情を浮かべた。
「どんな魔法であろうと魔力が失われればその効果は打ち消される。誰にだって分かることだ」
ニヤリと笑みを浮かべそう言うグリード。
「ならこれどうだ?」
アマネは右腕をグリードの方に向けこう言った。
「ハンドガン」
右手に漆黒の銃が握られる。
アマネは容赦なく引き金を引いた。
その瞬間───音も立てず弾が発射され、グリードの体に小さな穴が空いた。
「見えなければ消す事も出来ないだろ?」
「ほお…………面白いではないか」
アマネはグリードに向かって引き金を引き続ける。
グリードは素早い速度で走り回りそれを避けていく。
だが全てを避けることは出来ず気づけばグリードの体は穴だからけになっていた。
その傷の痛みのせいなのかグリードの動きは見てわかるほどに鈍ってきていた。
アマネは弾を打ち続けながらグリードへ間合いを詰めていく。
「ぐっ………………」
その時───グリードに隙が生じた。
アマネはそれを見逃すことなく一気に距離を詰め、グリードの顔面に右ストレートを食らわした。
続けて左ストレート。
グリードはその衝撃に押されていた。
「ブレード」
アマネは右手に漆黒の刀を握り、勢いよく振り下ろした。
グリードはその刀を素手で掴んだ。
だがアマネはそんな事お構い無しい刀に力を込め、手を切り落とした。
「ぐっ───」
グリードはよろよろと後ろに下がっていく。
「魔力を制限されていない状態の私がここまで押されるとは……………ますます興味が湧いてくる」
手を切り落とされたというのにまだ笑みを浮かべているグリード。
「そりゃどうも───」
アマネは立ち止まることなく間合いを詰めていく。
「───だが未熟だ」
「っ!?」
突然、アマネの体を黒い影が覆った。
それに捕まり身動き一つ取れなくなるアマネ。
「束縛の呪いか」
「そうだ。警戒しておくべきであったな」
だが拘束されたところで抜け出せない訳では無い。先程グリードの使っていたやり方で魔法を解除すればいいだけだ。
「魔力吸収《ドレイン》」
魔力を吸い取り、拘束を解くアマネ。
それと同時にグリードが長い爪を振るてきた。
それを刀で止め、蹴りをいれる。
グリードはアマネの動きを止めようと再び<束縛の呪い>を放つ。アマネも同時に<束縛の呪い>を放った。
その二つはお互いにぶつかり合い相殺した。
その瞬間───グリードの表情に焦りが見え始めた。
気づけばアマネはグリードを間合いに収めていた。
アマネはグリードに向けて刀を振るう。
その刃はグリードの体をザックリと切り去った。
「グハッ…………やる…………では無いか…………」
そう言ってその場に崩れ落ちるグリード。
「終わりだグリード」
アマネは刀を振り上げる。
「ククク…………クハハハハハハハ!!」
何故か唐突に笑い声をあげるグリード。
それと同時にゆっくりと地面から立ち上がる。
アマネの<魔眼>に映るグリードから大量の魔力が溢れ出ていた。
危険を感じたアマネは一度グリードから距離を置いく。
「ここまでとは思わなかったぞアマネ・シュン!!」
するとグリードの体がどんどん大きくなり始めた。
「擬態《トラジェンス》。竜───」
そうしてグリードは巨大な竜へと姿を変えた。
アマネは目の前にいる魔族にそう問いかける。
「私の事が気になるというのなら教えてやろう。グリードだ」
「なぜこっちの世界にいる?」
「我が主である魔王様に不可能は無い。故に私はここに居る」
「魔王だと?」
なぜ魔王が帰還魔法を使える?いや<帰還>に似た別の魔法なのか?とアマネは思考をめぐらす。
「質問は以上か?」
「最後にもう一ついいか?」
「ほう?」
アマネはグリードから視線を逸らし、背後にいるシイラギを睨みつけた。
「正体を隠さず来るんだったら最初からそうすれば良かったんじゃないのか?」
「出来るならそうしたかったわ。でもお前はこっちの世界に戻ってきてから一度もリーシャ・ミリセントから離れることが無くなった。私の正体に気づいたと考えるのが自然でしょ」
「つまりは監視してたって訳か。じゃあ何で今になって仕掛けてした?狙うタイミングはもっとあったはずだぞ?」
アマネのその発言を聞いてシイラギは眉をピクリと動かした。
それをアマネは見逃さなかった。
「───殺す勇気がなかったんじゃないのか?だから別の人間を利用してリーシャを狙いに来たんだろ?」
カン!
シイラギはアマネに飛びかかり、剣を振るった。
アマネはそれを簡単に止めた。
「図星か?」
「黙れ!!」
怒りの表情を浮かべそう言うシイラギ。
彼女の瞳には怒りの他に苦しみが見えていた。
「私を……………私を置いて勝手に始めるでないぞ!!」
意味のわからない理由でグリードは怒り、アマネに襲い掛かる。
怒りに任せた攻撃だからか、軌道が読みやすく、アマネは足でグリードの顔面を蹴りあげた。
「グハッ!」
グリードは一回転し、地面に着地した。
「ほぉやるでは無いか!」
「氷の風」
すかさずリーシャが攻撃を仕掛け、グリードを氷漬けにした。
それを見て、シイラギは一歩距離を置き防御の姿勢をとった。
「おい!いつまで凍ってるつもりだ」
するのバキと音がし、氷に亀裂が入った。
バキバキバキ───
氷は完全に割れ、グリードが姿を現した。
「そう急かすでない。私は彼らの素晴らしい連携に惚れてしまっていたのだ」
まだ全力を出していないのか余裕そうなグリード。
アマネは余裕を与えまいとグリードに間合いを詰める。
そうして刀を振るった。
グリードは後ろに飛び、それを避ける。
「漆黒の炎」
アマネはグリードの胸に向かって炎を放つ。
「グアッ…………」
その炎はグリードに命中し、体を焼いた。
炎を消そうとグリードは手で体を撫でた。
だが炎は消えることは無く、逆に手に燃え移った。
「なるほど消えない炎というわけか」
するとグリードは再び炎に手を当てた。
「魔力吸収《ドレイン》」
するとだんだん炎は小さくなっていき、やがて完全に消えた。
それを見てアマネは驚愕の表情を浮かべた。
「どんな魔法であろうと魔力が失われればその効果は打ち消される。誰にだって分かることだ」
ニヤリと笑みを浮かべそう言うグリード。
「ならこれどうだ?」
アマネは右腕をグリードの方に向けこう言った。
「ハンドガン」
右手に漆黒の銃が握られる。
アマネは容赦なく引き金を引いた。
その瞬間───音も立てず弾が発射され、グリードの体に小さな穴が空いた。
「見えなければ消す事も出来ないだろ?」
「ほお…………面白いではないか」
アマネはグリードに向かって引き金を引き続ける。
グリードは素早い速度で走り回りそれを避けていく。
だが全てを避けることは出来ず気づけばグリードの体は穴だからけになっていた。
その傷の痛みのせいなのかグリードの動きは見てわかるほどに鈍ってきていた。
アマネは弾を打ち続けながらグリードへ間合いを詰めていく。
「ぐっ………………」
その時───グリードに隙が生じた。
アマネはそれを見逃すことなく一気に距離を詰め、グリードの顔面に右ストレートを食らわした。
続けて左ストレート。
グリードはその衝撃に押されていた。
「ブレード」
アマネは右手に漆黒の刀を握り、勢いよく振り下ろした。
グリードはその刀を素手で掴んだ。
だがアマネはそんな事お構い無しい刀に力を込め、手を切り落とした。
「ぐっ───」
グリードはよろよろと後ろに下がっていく。
「魔力を制限されていない状態の私がここまで押されるとは……………ますます興味が湧いてくる」
手を切り落とされたというのにまだ笑みを浮かべているグリード。
「そりゃどうも───」
アマネは立ち止まることなく間合いを詰めていく。
「───だが未熟だ」
「っ!?」
突然、アマネの体を黒い影が覆った。
それに捕まり身動き一つ取れなくなるアマネ。
「束縛の呪いか」
「そうだ。警戒しておくべきであったな」
だが拘束されたところで抜け出せない訳では無い。先程グリードの使っていたやり方で魔法を解除すればいいだけだ。
「魔力吸収《ドレイン》」
魔力を吸い取り、拘束を解くアマネ。
それと同時にグリードが長い爪を振るてきた。
それを刀で止め、蹴りをいれる。
グリードはアマネの動きを止めようと再び<束縛の呪い>を放つ。アマネも同時に<束縛の呪い>を放った。
その二つはお互いにぶつかり合い相殺した。
その瞬間───グリードの表情に焦りが見え始めた。
気づけばアマネはグリードを間合いに収めていた。
アマネはグリードに向けて刀を振るう。
その刃はグリードの体をザックリと切り去った。
「グハッ…………やる…………では無いか…………」
そう言ってその場に崩れ落ちるグリード。
「終わりだグリード」
アマネは刀を振り上げる。
「ククク…………クハハハハハハハ!!」
何故か唐突に笑い声をあげるグリード。
それと同時にゆっくりと地面から立ち上がる。
アマネの<魔眼>に映るグリードから大量の魔力が溢れ出ていた。
危険を感じたアマネは一度グリードから距離を置いく。
「ここまでとは思わなかったぞアマネ・シュン!!」
するとグリードの体がどんどん大きくなり始めた。
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