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決戦②
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時は少し遡る。
リーシャとシイラギがお互いを睨み合っていた。
「どうしてあなたがこんな事をしたんですか?」
「悪いけどそれは言えないわね───」
そう言い切るとシイラギはナイフを取り出し、リーシャへと間合いを詰めていく。
「氷の塊」
リーシャは距離を離しながら氷を放ち、牽制する。
シイラギはそれを躱しながらリーシャとの距離を近づけていっていた。
「氷の風」
地面から尖った氷を無数に出し、シイラギの行く手を阻むリーシャ。
シイラギはたまらず、一度距離を離す。
「意外とやるわね。ずっと守られてばっかだったから弱いのかと思ってたわ」
「確かにアマネさんには敵いません。ですが私だって戦えるんです。あなたには負けません!」
「そう。せいぜい足掻くといいわ」
余裕の笑みを浮かべそう言うシイラギ。
再びリーシャへと間合いを詰め始める。
またしてもリーシャは氷を飛ばし、牽制する。
するとシイラギは空へ向かって飛んだ。
<氷の風>対策だろう。
そのまま落下し、リーシャにナイフを突き立てる。
「氷の盾」
シールドを貼り、ナイフを止める。
「くっ……………」
「氷の塊」
シイラギのお腹目掛け、氷を飛ばす。
「グハッ───」
まるで強烈なフックを入れられたかのような衝撃にシイラギは後方へ吹き飛んだ。
だがすぐに立ち上がってきた。
お腹を手で抑え、少し焦りの表情を見せるシイラギ。
手を前に出し、いつでも魔法を放てる状態にいるリーシャ。
お互い睨み合いの牽制が続く。
「ハハハ。確かに私はあなたの事を舐めすぎていたみたいね。私も本気を出す事にするわ」
するとリーシャの視界に映るシイラギの姿が消えた。
「隠密───」
リーシャの体に緊張が走る。背筋の凍るような殺意が彼女に向けられ、冷や汗が流れ始めた。
「氷の盾」
リーシャは自分自身を覆うドーム状のシールドを貼った。
「その盾はいつまでもつかしら」
「っ……………」
シイラギは気づいていた。全身を守るシールドは魔力消費が激しい事に。
リーシャの顔に焦りが見え始めた。
どこからともなく襲いかかってくる斬撃に徐々にシールドは削られていた。
(一か八かやるしかないですね)
リーシャは深呼吸をし、落ち着く。
すると覚悟を決めた表情を見せ、リーシャはシールドを消した。
シイラギはリーシャに襲いかかる。
だが───リーシャにナイフが突き刺さる事はなかった。
「どうしてよ………………どうして私は───」
<隠密>が解けたシイラギがリーシャの前に現れる。
彼女の持つナイフはあと数ミリでリーシャの首を切れる所まで迫っていた。
だがそこで止まっていた───いやシイラギ自身が止めていたんだ。まるで殺す事を躊躇っているかのように手をブルブルと震えさせていた。
苦しい表情を浮かべ、リーシャを見つめるシイラギ。
「アマネさんの言った通りでしたね。シイラギさんは私を殺せない。でもどの道私を殺す事は出来ませんでしたよ」
「えっ………………どういう事よ」
「分かりませんか?」
リーシャは自分の首に指を差す。
シイラギは視線をそこに合わせた。
「氷?まさか───」
「その通りです」
そう、リーシャは自身の首を<氷の盾>で守っていたのだ。
「どうしてそんな事が……………?」
「暗殺系のスキルを持っている人はだいたい短期戦を得意とします。だから相手の首を狙うのが癖になるんです。向こうの世界では常識ですよ」
するとシイラギはその場にナイフを落とした。
何か吹っ切れたようなスッキリした顔をし、リーシャを見つめた。
「…………………私の負けね」
気づいてしまった───。
やっぱり私には彼女を殺すなんて出来ない。だって彼女は何もしていないのだから。
自分が死にたくないからって彼女を巻き込んで苦しめてしまった。
もう疲れた。魔王に呪い殺される事になるかもしれないけど、操られ続ける人生よりはずっと良い。
リーシャはシイラギに向けて腕を伸ばす。
氷の塊が徐々に形成されていく。
その時だった───
ドォォォン
そんな音を立て、建物が崩壊した。
瓦礫がリーシャに向かって落ちていく。
「グリード!何やってんのよ!」
怒りの表情を浮かべそう叫ぶシイラギ。
「リーシャ───!」
「えっ!?アマネさん」
突然リーシャはアマネに抱きかかえられ、その場から離れた。
「何をしているだと?貴様があの小娘を殺さなかったからだろ?」
「それは彼女が強───」
「言い訳とは見苦しいぞ。力を抜いていたことくらいお見通しだ」
「くっ…………………」
「協力する気がないのなら殺してやっても良いのだぞ」
「そう……………わかったわ」
俯き、怒りの籠った口調でそう言うシイラギ。
「アマネさん何があったんですか?」
アマネに突然抱きかかえられ、戸惑うリーシャ。
「後ろ見てみろ」
「えっ?」
リーシャは言われた通り、後ろに目を向ける。
「竜?」
「正確にはグリードが竜に化けてるんだ」
そうしてアマネは近くのコンビニ(バイト先)まで距離を離した。
保管庫から二着のローブを取り出した。
「こうなってしまった以上、人目がつく。念の為だ」
ローブを着た二人は竜に化けたグリードと向き合う。
「何事だ?」
そう言ってコンビニからフジサキが姿を現した。
「えっ、なんで竜がいんの?」
「店長」
アマネはフジサキに話しかける。
<認識阻害>が入っているがフジサキはローブからアマネとリーシャだと気がついた。
「どういう状況?」
「詳しい話は後でします。とりあえず手伝ってくれませんか?」
「わかった」
「店長?音の正体分かりました?」
そう言って今井がコンビニから出てきた。
「えっ?何ですかあれ……………?というか誰!?」
驚愕の表情でそう言う今井。
「これは現実?それとも夢?」
彼女からしたら得体の知れない巨大生物と顔が分からない怪しい人間が二人いるというカオスな状況だ。戸惑うのも当然だろう。
だがそれを全て説明しているような時間は無い。
「店長。早く今井さんを安全な場所に───」
「わかった。それで旬くんはどうするんだ?」
「えっ……………旬くん?もしかして天音くんなの?」
「あっ」
「あっ」
フジサキとアマネは揃ってそんな声を出した。
今井はカオスすぎる状況に頭がこんがらがり「えっ?」と首を傾げる。
「とりあえず行くよ琴音ちゃん」
そう言ってフジサキは無理やり今井を抱きかかえた。
「えっ、ちょっと店長!急に何するんですか!」
そうしてフジサキは人間離れしたスピードでその場から離脱した。
「えっーーーーー!!」
驚きでそんな声を上げる今井。
二人が居なくなった事を確認し、アマネはリーシャにこう言った。
「リーシャは逃げてくる人達の護衛を頼む。あいつは俺が相手する」
「分かりました」
二人は別れ、アマネはグリードの方に距離を詰め始めた。
するとグリードもアマネのいる方に顔を向けた。
「まずは余興だ」
そう言ってグリードはアマネの方に目を向け、口を大きく開けた。
すると徐々にグリードの口が赤く光始め、赤黒い大きな炎の塊が放たれた。
「マジかよ」
着弾すれば大きな被害となる。
「砲台」
アマネの腕に漆黒の炎がまとわりつく。
「放て」
炎の球が飛び出し、赤黒い炎に直撃した。
バァァァン
そんな音を立て空中で巨大な爆発が起きた。
その爆発に隠れ、アマネは一気に距離を詰めた。
(炎を放ってきたってことは───)
アマネはグリードの使う擬態スキルの能力に一つの仮説を立てた。
アマネはグリードの足元に潜り、刀を振るった。
カン
だが皮膚は硬く、炎が移ることもなかった。
(やっぱり竜の特徴そのままだ)
つまりグリードの擬態スキルは擬態した者の能力を使用できるのだ。
(これは厄介だな)
アマネの体に緊張が走った。
リーシャとシイラギがお互いを睨み合っていた。
「どうしてあなたがこんな事をしたんですか?」
「悪いけどそれは言えないわね───」
そう言い切るとシイラギはナイフを取り出し、リーシャへと間合いを詰めていく。
「氷の塊」
リーシャは距離を離しながら氷を放ち、牽制する。
シイラギはそれを躱しながらリーシャとの距離を近づけていっていた。
「氷の風」
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するとシイラギは空へ向かって飛んだ。
<氷の風>対策だろう。
そのまま落下し、リーシャにナイフを突き立てる。
「氷の盾」
シールドを貼り、ナイフを止める。
「くっ……………」
「氷の塊」
シイラギのお腹目掛け、氷を飛ばす。
「グハッ───」
まるで強烈なフックを入れられたかのような衝撃にシイラギは後方へ吹き飛んだ。
だがすぐに立ち上がってきた。
お腹を手で抑え、少し焦りの表情を見せるシイラギ。
手を前に出し、いつでも魔法を放てる状態にいるリーシャ。
お互い睨み合いの牽制が続く。
「ハハハ。確かに私はあなたの事を舐めすぎていたみたいね。私も本気を出す事にするわ」
するとリーシャの視界に映るシイラギの姿が消えた。
「隠密───」
リーシャの体に緊張が走る。背筋の凍るような殺意が彼女に向けられ、冷や汗が流れ始めた。
「氷の盾」
リーシャは自分自身を覆うドーム状のシールドを貼った。
「その盾はいつまでもつかしら」
「っ……………」
シイラギは気づいていた。全身を守るシールドは魔力消費が激しい事に。
リーシャの顔に焦りが見え始めた。
どこからともなく襲いかかってくる斬撃に徐々にシールドは削られていた。
(一か八かやるしかないですね)
リーシャは深呼吸をし、落ち着く。
すると覚悟を決めた表情を見せ、リーシャはシールドを消した。
シイラギはリーシャに襲いかかる。
だが───リーシャにナイフが突き刺さる事はなかった。
「どうしてよ………………どうして私は───」
<隠密>が解けたシイラギがリーシャの前に現れる。
彼女の持つナイフはあと数ミリでリーシャの首を切れる所まで迫っていた。
だがそこで止まっていた───いやシイラギ自身が止めていたんだ。まるで殺す事を躊躇っているかのように手をブルブルと震えさせていた。
苦しい表情を浮かべ、リーシャを見つめるシイラギ。
「アマネさんの言った通りでしたね。シイラギさんは私を殺せない。でもどの道私を殺す事は出来ませんでしたよ」
「えっ………………どういう事よ」
「分かりませんか?」
リーシャは自分の首に指を差す。
シイラギは視線をそこに合わせた。
「氷?まさか───」
「その通りです」
そう、リーシャは自身の首を<氷の盾>で守っていたのだ。
「どうしてそんな事が……………?」
「暗殺系のスキルを持っている人はだいたい短期戦を得意とします。だから相手の首を狙うのが癖になるんです。向こうの世界では常識ですよ」
するとシイラギはその場にナイフを落とした。
何か吹っ切れたようなスッキリした顔をし、リーシャを見つめた。
「…………………私の負けね」
気づいてしまった───。
やっぱり私には彼女を殺すなんて出来ない。だって彼女は何もしていないのだから。
自分が死にたくないからって彼女を巻き込んで苦しめてしまった。
もう疲れた。魔王に呪い殺される事になるかもしれないけど、操られ続ける人生よりはずっと良い。
リーシャはシイラギに向けて腕を伸ばす。
氷の塊が徐々に形成されていく。
その時だった───
ドォォォン
そんな音を立て、建物が崩壊した。
瓦礫がリーシャに向かって落ちていく。
「グリード!何やってんのよ!」
怒りの表情を浮かべそう叫ぶシイラギ。
「リーシャ───!」
「えっ!?アマネさん」
突然リーシャはアマネに抱きかかえられ、その場から離れた。
「何をしているだと?貴様があの小娘を殺さなかったからだろ?」
「それは彼女が強───」
「言い訳とは見苦しいぞ。力を抜いていたことくらいお見通しだ」
「くっ…………………」
「協力する気がないのなら殺してやっても良いのだぞ」
「そう……………わかったわ」
俯き、怒りの籠った口調でそう言うシイラギ。
「アマネさん何があったんですか?」
アマネに突然抱きかかえられ、戸惑うリーシャ。
「後ろ見てみろ」
「えっ?」
リーシャは言われた通り、後ろに目を向ける。
「竜?」
「正確にはグリードが竜に化けてるんだ」
そうしてアマネは近くのコンビニ(バイト先)まで距離を離した。
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「どういう状況?」
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「わかった」
「店長?音の正体分かりました?」
そう言って今井がコンビニから出てきた。
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「わかった。それで旬くんはどうするんだ?」
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「あっ」
「あっ」
フジサキとアマネは揃ってそんな声を出した。
今井はカオスすぎる状況に頭がこんがらがり「えっ?」と首を傾げる。
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「えっ、ちょっと店長!急に何するんですか!」
そうしてフジサキは人間離れしたスピードでその場から離脱した。
「えっーーーーー!!」
驚きでそんな声を上げる今井。
二人が居なくなった事を確認し、アマネはリーシャにこう言った。
「リーシャは逃げてくる人達の護衛を頼む。あいつは俺が相手する」
「分かりました」
二人は別れ、アマネはグリードの方に距離を詰め始めた。
するとグリードもアマネのいる方に顔を向けた。
「まずは余興だ」
そう言ってグリードはアマネの方に目を向け、口を大きく開けた。
すると徐々にグリードの口が赤く光始め、赤黒い大きな炎の塊が放たれた。
「マジかよ」
着弾すれば大きな被害となる。
「砲台」
アマネの腕に漆黒の炎がまとわりつく。
「放て」
炎の球が飛び出し、赤黒い炎に直撃した。
バァァァン
そんな音を立て空中で巨大な爆発が起きた。
その爆発に隠れ、アマネは一気に距離を詰めた。
(炎を放ってきたってことは───)
アマネはグリードの使う擬態スキルの能力に一つの仮説を立てた。
アマネはグリードの足元に潜り、刀を振るった。
カン
だが皮膚は硬く、炎が移ることもなかった。
(やっぱり竜の特徴そのままだ)
つまりグリードの擬態スキルは擬態した者の能力を使用できるのだ。
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