ボケ老人無双

斑目 ごたく

文字の大きさ
上 下
13 / 78
冒険の始まり

暴発

しおりを挟む
「ああああぁぁぁぁ!!?完全にバレてるぅぅぅ!!!」

 悲痛な叫び声を上げ、カレンは降り注ぐ石礫から頭抱えて逃げ惑っている。
 それは彼女の秘密が、完全にバレてしまった事を意味していた。

「えぇ、そうですよ!そうですとも!!私は魔法を遠くに放つなんて、器用な芸当出来ませんとも!!仕方ないでしょ、独学なんだから!!ここまで出来るようになっただけでも、褒めて欲しいくらいよ!!」

 細身のゴブリンが推測したように、カレンは魔法を遠くに放つことが出来なかった。
 それは彼女が独学で魔法を学んでおり、そうした技術を体得していなかったためであったが、この状況ではそれが致命的にもなりかねなかった。

「ふぉ?おぉ・・・今日は石が降るんか。不思議な事もあるもんじゃなぁ・・・」

 そこら中からカレンに向かって石が投げつけられている状況に、そこから逸れてしまった石が他の者の頭の上にも降り注いでいた。
 そんな中の一つを頭へと受けたトージローは、上を見上げるとそこに降り注ぐ石の姿を目にする。
 そして彼はそんな不思議な光景に、しんみりと感想を漏らしていた。

「不思議な事もあるもんじゃなぁ・・・じゃない!!トージロー、それ攻撃だから!!攻撃が当たってるから!あんたも攻撃されたんだから、反撃しなさいよ、反撃!!分かる?反撃よ、は・ん・げ・き!!」

 ぼんやりと石の雨が降り注ぐ頭上を見詰めるトージローの姿に、カレンはその瞳を輝かせると頻りに声を上げている。
 それは例え流れ弾とはいえど、彼にも攻撃が向けられたという事実を目にしたからだ。
 カレンはそれを理由に、何とかこの戦闘にトージローも引き込もうと言葉を重ねる。

「むぅ、どうしたのかねお嬢ちゃん、そんなに大声を上げて・・・おぉ、そうかそうか!傘がないんじゃな!そりゃそうじゃ、こんな天気で傘がなければ・・・どれ、わしの傘がこの辺りに」

 しかしそんな彼女の努力も空しく、トージローは見当違いの事を話し始めてしまっていた。
 カレンの事を心配して傘を探し始める彼は、自らの腰の辺りを何やらごそごそと探り始めている。
 そこにあるのは、今回のためにカレンが奮発して用意した彼の得物だけであり、目当てのものが見つかる筈もなかった。

「だーーー!!傘なんていらないのよ!!いいから、あんたも戦いなさいよ!!」

 トージローの惚けた振る舞いに、カレンは頭を抱えて嘆いている。
 そしてそんなトージローの振る舞いに、ゴブリン達は完全に彼の事を戦力外だと認識していた。

「あぁ、もういい!!分かったわよ、分かりました!!私一人で何とかすればいいんでしょ!?やってやるわよ、こんくらい!!」

 完全にこの戦闘に参加する気のないトージローの振る舞いに、カレンはついに彼を巻き込むことを諦めて覚悟を決める。
 そして隠れていた木の影から前へと躍り出てきた彼女は、その両手に杖を握り締めている。

「こん、ちくしょーーー!!!」

 両手で杖を握り締めたカレンは、それを振り上げながら鬼の形相でゴブリンに向かって突撃していく。
 その間にもゴブリンはカレンに向かって石を投げつけていたが、彼女はそれに怯むことはない。
 今もそのこめかみ命中した石に、出来た傷口から血が垂れる。
 彼女は伝ったそれをペロリと舐め取ると、さらに凶暴な表情でゴブリンへと向かう。
 その迫力に、ゴブリン達の方が怯んでしまっていた。



「はぁ、はぁ、はぁ・・・見なさい、やってやったわよ。どんなもんよ・・・!」

 荒い息にその胸を上下させ、血まみれな杖を地面へと突き刺して何とかその体重を支えているカレンが見下ろす先には、幾つものゴブリンの死体が転がっている。
 それらの姿を見下ろしながら、カレンは噛みしめるようにして勝利の余韻に浸っていた。

「あーーー、疲っれたぁ・・・何匹か逃げられたけど、もうそんなのどうだっていいや。今はとにかく、休ませて・・・」

 体重を預けていた杖から身体を離し、ふらふらと何歩か後ずさった彼女は、その背中を木へと預けるとそのままズルズルと腰を下ろしていく。
 そうして両足を投げ出したカレンは長々と息を吐き出すと、明後日の方向へと顔を向ける。
 恐らくそちらの方にゴブリンが逃げ出したのだろうが、今の彼女にはそんな事どうでもいいことであった。

「あぁ、でもそうか・・・討伐の証を回収しとかないと・・・死んだ後に暫らく放っておくと、切り取り辛くなるって確か誰かが・・・あれ?それって別の話だったっけ?まぁいいや、とにかく回収を・・・ゴブリンは、耳の先端だっけ?」

 完全に脱力した様子で木の根元へと座り込んでいたカレンは、まだ仕事が終わっていないのだと思い出すとのろのろとそこから立ち上がる。
 彼女達が今回引き受けた依頼は、ゴブリンの討伐だ。
 それならば確かに果たしたといえる状況であったが、それを証明する証拠を彼女はまだ手にしてはいなかった。
 魔物の討伐の証拠として切り取る部位はその種類によって様々だが、ゴブリンの場合はその特徴的な尖った耳であった。
 その尖った耳はゴブリンの数多ある種類によっても特徴が分かれ、また住む地域による肌の色の変化なども現れやすいという事もあって、その部位を切り取る事となっていた。

「はぁ、面倒臭い・・・こんな事しなくたって、これだけ倒しましたっていえばそれでいいじゃない?まぁでも、こんだけいれば依頼には十分よね?早速・・・」

 疲れた身体に鞭打っての回収作業に、カレンはぶつぶつと文句を零している。
 彼女は腰にぶら下げていた鞄から小ぶりなナイフを取り出すと、それを抱えてゴブリンの死体へと歩み寄っていく。
 確かにその数は、彼女の言う通り依頼の達成には十分な数があるようだった。

「あん?何よトージロー、剣なんて抜いちゃって。今更やる気になってももう遅いっての!やる気になるならもっと前に・・・」

 ナイフを手にし、カレンはゴブリンの死体へと跨る。
 そんな彼女の背後に、ふらりとトージローが近づいてきていた。
 彼の手には、先ほどの戦闘中には手すらかけなかった剣が握られていた。

「え、ちょっと何よ・・・?だから戦闘はもう終わったんだって!もう敵なんていないから、トージロー!それを仕舞いなさい!!」

 今更それを握り、死んでしまったゴブリン達へと近づいてくるトージローの姿に、カレンは呆れ果てた表情を見せて溜め息を漏らしている。
 しかしそんな緩んだ空気も、彼が止まることなく徐々に近づいてくれば話は違う。
 いくらただのボケた老人にしか見えなくとも、トージローは間違いなく勇者であり、とんでもない力を秘めているのだ。
 そんな男が、その手に得物を持って近づいてきている。
 それは先ほどまでのゴブリン達とは比較にならないほどの、圧倒的な迫力であった。

「ちょっと、あんたまさか・・・あれだけ苦労して倒したのよ!?お願い止めて、トージロー!!やるならせめて、証を切り取ってから・・・!!」

 ゴブリンの方へと真っ直ぐに向かうトージローの姿は、それを敵と認識してのものか。
 カレンは必死にもう戦闘は終わったのだと訴え、彼に剣を仕舞うように指示を出すが、それも空しく響くだけ。
 トージローは彼女の目の前で、ゆっくりとその剣を振りかぶる。
 その剣の威力は、素手の状態ですら大魔王エヴァンジェリンを消し飛ばした彼の力に明らかだろう。
 そんなものに掛かれば、カレンが苦労して倒したゴブリン達など、その討伐の証を回収するまでもなく消し飛ばされてしまう。
 それだけでもせめて回収させてくれと、カレンは訴えかけていた。

「ひっ!?」

 しかしそんな訴えも空しく、トージローは剣を振り下ろす。 
 その目にもとまらぬ速さに、カレンは小さく悲鳴を上げると、頭を抱えて蹲ってしまっていた。

「あぁ・・・やったわね、やったくれたわねトージロー!!あんなに頑張ったのに、どうして・・・あれ?」

 振り下ろされた剣にも、その背後に破壊の気配はない。
 しかしそれこそが、余りにも圧倒的な破壊が行われた証左なのだと、カレンは過去の経験から既に知っていた。
 そして苦労して手に入れた成果が台無しにされてしまった嘆くカレンは、それを叫びながらゆっくりと振り返る。
 しかしそこには予想外の光景が広がっており、彼女はそれを目にして固まってしまっていた。

「何ともない・・・?何で・・・?」
「お嬢ちゃん、危ないぞい」
「え?きゃあ!?」

 カレンの目の前には、先ほどと何ら変わる事のない光景が広がっている。
 それを目にしたカレンは、信じられないと目を丸くしている。
 そんな彼女に、トージローがその足元を示しながら声を掛けてくる。
 その声に足元へと目を向けた彼女が目にしたのは、その身体を真っ二つにされた蛇の姿だった。

「え、何?トージロー、あんたこれをやっつけてくれたの?何よ、それぇ・・・」

 トージローが剣を振るったのは、その蛇を仕留めるためだった。
 それを知ったカレンは、力が抜けるようにその場へと崩れ落ちていく。

「はー、良かったぁ・・・あ、上にいたの?それならそうと早くいってよぉ・・・」

 顔を上に向けては、そこに蛇がいたと示すトージローに、それならそうと早くいえとカレンは愚痴を零している。

「ん?待てよ・・・トージローあんたもしかして、そういう感覚も鋭かったりするの?」
「ほぁ?」

 しかし彼女はやがて気づいていた、そんな自分では全く気づくことの出来なかった野生動物の息吹を、トージローがあっさり見破ったことを。
 それは、彼の鋭い感覚を示している。
 それを尋ねるカレンの言葉に、トージローはぼんやりと首を傾げていた。

「はいはい、分かんないわよね。あーもう!これ絶対、感覚とかも普通の人とは比べ物にならないぐらい鋭い奴じゃん!!くぅぅ・・・!!ボケてさえいなければ、ボケてさえいなければ・・・!!」

 的の得ないトージローの反応にも、先ほどの行為は彼の鋭い感覚を証明するものであった。
 それを知ったカレンは地面へと蹲り、そこへとこぶしを何度も叩きつけては悔しがっていた。
 圧倒的な力を備え、超人的な感覚をも兼ね備えている、そんな完璧な勇者に付き従えば栄光は約束されたも同然だ。
 たった一つ、彼がボケてさえいなければ。

「うぅ、風が出てきたな。早く回収して帰りましょ、トージロー・・・トージロー?」

 森の中に吹いた風に、カレンは思わず身体を震わせる。
 思えば、ずいぶん時間も経ってしまっている。
 彼女はさっさと討伐の証を回収しようと立ち上がり、トージローへと声を掛ける。
 しかしその視線の先の彼は、何やら上を見上げ、鼻をひくひくとひくつかせてしまっていた。

「ふぇ、ふぇ・・・」

 それは、くしゃみの前兆だ。
 そしてくしゃみとは往々にして全身が連動してしまうもので、例に違わず彼もその全身を仰け反らしていた。
 握りしめたままの剣を、大きく振り上げて。

「ちょ、ちょっと待って!?あんたまさか・・・堪えなさい!!堪えられないんなら、せめてそれをしまって―――」

 彼が剣を振り上げるその先には、ゴブリンの死体が転がっている。
 その二つを見比べたカレンは、必死に彼を止めようとしている。

「ふぇっくしょん!!!」

 しかしそれは、叶う事はない。
 トージローは豪快にくしゃみをかまし、彼は握りしめた剣をも全力で振り下ろしていた。
 圧倒的なその力が、解放される。



「あぁぁぁ・・・あああぁぁぁ・・・あああああぁぁぁぁぁぁ!!!?」

 地面に跪き、その両手をそこへとついているカレンの目の前には、何もない景色が広がっていた。
 そこにあった筈のゴブリンの死体も、その先に広がっていた森の木々すらも、何もない光景が。

「何で、何で・・・何でこうなるのよぉぉぉぉ!!!!」

 何もない景色に、カレンの悲痛な叫び声が響く。

「ふぇ、ふぇ・・・へっくしゅん」

 その背後では、再び鼻をひくひくとさしていたトージローがくしゃみをしている所であった。
 それは小さく、幸運なことに再び悲劇を起こすことはなかった。
しおりを挟む

あなたにおすすめの小説

貴族に生まれたのに誘拐され1歳で死にかけた

佐藤醤油
ファンタジー
 貴族に生まれ、のんびりと赤ちゃん生活を満喫していたのに、気がついたら世界が変わっていた。  僕は、盗賊に誘拐され魔力を吸われながら生きる日々を過ごす。  魔力枯渇に陥ると死ぬ確率が高いにも関わらず年に1回は魔力枯渇になり死にかけている。  言葉が通じる様になって気がついたが、僕は他の人が持っていないステータスを見る力を持ち、さらに異世界と思われる世界の知識を覗ける力を持っている。  この力を使って、いつか脱出し母親の元へと戻ることを夢見て過ごす。  小さい体でチートな力は使えない中、どうにか生きる知恵を出し生活する。 ------------------------------------------------------------------  お知らせ   「転生者はめぐりあう」 始めました。 ------------------------------------------------------------------ 注意  作者の暇つぶし、気分転換中の自己満足で公開する作品です。  感想は受け付けていません。  誤字脱字、文面等気になる方はお気に入りを削除で対応してください。

転生貴族のハーレムチート生活 【400万ポイント突破】

ゼクト
ファンタジー
ファンタジー大賞に応募中です。 ぜひ投票お願いします ある日、神崎優斗は川でおぼれているおばあちゃんを助けようとして川の中にある岩にあたりおばあちゃんは助けられたが死んでしまったそれをたまたま地球を見ていた創造神が転生をさせてくれることになりいろいろな神の加護をもらい今貴族の子として転生するのであった 【不定期になると思います まだはじめたばかりなのでアドバイスなどどんどんコメントしてください。ノベルバ、小説家になろう、カクヨムにも同じ作品を投稿しているので、気が向いたら、そちらもお願いします。 累計400万ポイント突破しました。 応援ありがとうございます。】 ツイッター始めました→ゼクト  @VEUu26CiB0OpjtL

(完結)夫に浮気されたのは嫁の私が至らないせいだそうです

青空一夏
恋愛
私はパトリシア。両親を早くに亡くし叔父夫妻に育てられた。ギガンテッド男爵家の三男に見初められて結婚したが、その結婚生活は・・・・・・ ギガンテッド元男爵夫妻(夫の両親)が私達夫婦の屋敷に同居し、私はいつも振り回されている。それでも、夫は私に優しくねぎらいの言葉をかけてくれた。だから、我慢できたのだけれど・・・・・・ 夫の浮気が発覚。私は悲しみにくれ夫を責めた。すると、夫の母親は私に言った。 「夫に浮気されるのは嫁のあなたが至らないせいでしょう!」 だから私は・・・・・・ ☆ご注意☆ この小説の舞台は異世界です。ヨーロッパ風ですが、史実に基づいてはおりません。貴族は嫡男だけが爵位や屋敷・財産を継ぎ、次男以下は仕事を持ち自分で生活します。パトリシアの夫は三男である為、パトリシアの屋敷では平民に近い生活になっています。 ※途中タグの追加・変更の可能性あるかもしれません。

旦那様、どうやら御子がお出来になられたようですのね ~アラフォー妻はヤンデレ夫から逃げられない⁉

Hinaki
ファンタジー
「初めまして、私あなたの旦那様の子供を身籠りました」  華奢で可憐な若い女性が共もつけずに一人で訪れた。  彼女の名はサブリーナ。  エアルドレッド帝国四公の一角でもある由緒正しいプレイステッド公爵夫人ヴィヴィアンは余りの事に瞠目してしまうのと同時に彼女の心の奥底で何時かは……と覚悟をしていたのだ。  そうヴィヴィアンの愛する夫は艶やかな漆黒の髪に皇族だけが持つ緋色の瞳をした帝国内でも上位に入るイケメンである。  然もである。  公爵は28歳で青年と大人の色香を併せ持つ何とも微妙なお年頃。    一方妻のヴィヴィアンは取り立てて美人でもなく寧ろ家庭的でぽっちゃりさんな12歳年上の姉さん女房。  趣味は社交ではなく高位貴族にはあるまじき的なお料理だったりする。  そして十人が十人共に声を大にして言うだろう。 「まだまだ若き公爵に相応しいのは結婚をして早五年ともなるのに子も授からぬ年増な妻よりも、若くて可憐で華奢な、何より公爵の子を身籠っているサブリーナこそが相応しい」と。  ある夜遅くに帰ってきた夫の――――と言うよりも最近の夫婦だからこそわかる彼を纏う空気の変化と首筋にある赤の刻印に気づいた妻は、暫くして決意の上行動を起こすのだった。  拗らせ妻と+ヤンデレストーカー気質の夫とのあるお話です。    

母親に家を追い出されたので、勝手に生きる!!(泣きついて来ても、助けてやらない)

いくみ
ファンタジー
実母に家を追い出された。 全く親父の奴!勝手に消えやがって! 親父が帰ってこなくなったから、実母が再婚したが……。その再婚相手は働きもせずに好き勝手する男だった。 俺は消えた親父から母と頼むと、言われて。 母を守ったつもりだったが……出て行けと言われた……。 なんだこれ!俺よりもその男とできた子供の味方なんだな? なら、出ていくよ! 俺が居なくても食って行けるなら勝手にしろよ! これは、のんびり気ままに冒険をする男の話です。 カクヨム様にて先行掲載中です。 不定期更新です。

召喚アラサー女~ 自由に生きています!

マツユキ
ファンタジー
異世界に召喚された海藤美奈子32才。召喚されたものの、牢屋行きとなってしまう。 牢から出た美奈子は、冒険者となる。助け、助けられながら信頼できる仲間を得て行く美奈子。地球で大好きだった事もしつつ、異世界でも自由に生きる美奈子 信頼できる仲間と共に、異世界で奮闘する。 初めは一人だった美奈子のの周りには、いつの間にか仲間が集まって行き、家が村に、村が街にとどんどんと大きくなっていくのだった *** 異世界でも元の世界で出来ていた事をやっています。苦手、または気に入らないと言うかたは読まれない方が良いかと思います かなりの無茶振りと、作者の妄想で出来たあり得ない魔法や設定が出てきます。こちらも抵抗のある方は読まれない方が良いかと思います

幼なじみ三人が勇者に魅了されちゃって寝盗られるんだけど数年後勇者が死んで正気に戻った幼なじみ達がめちゃくちゃ後悔する話

妄想屋さん
ファンタジー
『元彼?冗談でしょ?僕はもうあんなのもうどうでもいいよ!』 『ええ、アタシはあなたに愛して欲しい。あんなゴミもう知らないわ!』 『ええ!そうですとも!だから早く私にも――』  大切な三人の仲間を勇者に〈魅了〉で奪い取られて絶望した主人公と、〈魅了〉から解放されて今までの自分たちの行いに絶望するヒロイン達の話。

異世界漂流者ハーレム奇譚 ─望んでるわけでもなく目指してるわけでもないのに増えていくのは仕様です─

虹音 雪娜
ファンタジー
 単身赴任中の派遣SE、遊佐尚斗は、ある日目が覚めると森の中に。  直感と感覚で現実世界での人生が終わり異世界に転生したことを知ると、元々異世界ものと呼ばれるジャンルが好きだった尚斗は、それで知り得たことを元に異世界もの定番のチートがあること、若返りしていることが分かり、今度こそ悔いの無いようこの異世界で第二の人生を歩むことを決意。  転生した世界には、尚斗の他にも既に転生、転移、召喚されている人がおり、この世界では総じて『漂流者』と呼ばれていた。  流れ着いたばかりの尚斗は運良くこの世界の人達に受け入れられて、異世界もので憧れていた冒険者としてやっていくことを決める。  そこで3人の獣人の姫達─シータ、マール、アーネと出会い、冒険者パーティーを組む事になったが、何故か事を起こす度周りに異性が増えていき…。  本人の意志とは無関係で勝手にハーレムメンバーとして増えていく異性達(現在31.5人)とあれやこれやありながら冒険者として異世界を過ごしていく日常(稀にエッチとシリアス含む)を綴るお話です。 ※横書きベースで書いているので、縦読みにするとおかしな部分もあるかと思いますがご容赦を。 ※纏めて書いたものを話数分割しているので、違和感を覚える部分もあるかと思いますがご容赦を(一話4000〜6000文字程度)。 ※基本的にのんびりまったり進行です(会話率6割程度)。 ※小説家になろう様に同タイトルで投稿しています。

処理中です...