5 / 55
第1章 家をつくろうと思っていたら街ができてい
5.拠点の改築
しおりを挟む
果物を無限収納に放り込んだ俺は、蜘蛛たちを眺めながら考えていた。
この森に厳しい気候の変化がない限りは生き延びることのできる環境ができた。
となると、今度はひとりで生きていくのに、快適な空間と娯楽が欲しくなる。
実は俺、この拠点を作ったときに気が付いていた。土を動かしてものを作るの、めちゃくちゃ楽しい。
まるでレゴやサンドボックスゲームをしている時のような面白さがあった。
さっきは焦っていたから楽しむ暇もなかったけど、余裕のできた今ならめちゃくちゃ楽しめる気がする。
快適な移住空間を確保するためという建前で、俺は最高の暇つぶしをはじめるのだった。
◆
相変わらず蜘蛛がいるので、外には出られない。
内側の空間を広げていくことにする。
まずは入口周りだけはそのままに、天井の高さをもう1メートルほど上げた。
そして入口の溝に繋がる四角い空間――ここを玄関と呼ぶことにした――から、廊下を溝から入って左右に伸ばしていった。
その廊下の先にもうひとつ、四角い空間を作り出す。今は「なんちゃって」だが、蜘蛛がいなくなったら木や草をもらってきて、ちゃんとした寝室と厨房を作ろうと思う。厨房を想定した左側の空間は、玄関よりも崖の際側へ寄せて作った。壁を薄くしておけば、のちのち排気口みたいなものも作りやすいのではと夢想したのだ。
システムキッチンらしきものを土で作って置いておいた。
俺はキッチンの細かい造形なんて覚えていないので、ただの四角い箱と化していたが。
今度は左側の空間に寝室を作る。反対に寝室の壁は厚くした。寝てるときが一番無防備になると思うので、万が一にでも化け物に壁が破られるなんてことがないようにである。ただ掘り進んで思ったのは、とにも角にも暗いので、いずれの部屋にも細い穴を何個か通して採光部にしてある。寝室の方は壁も分厚いのであまり意味を成していないが、まあ寝る部屋なんだし暗いくらいでちょうどいいだろう。
床も壁も土でできているので殺風景だが、あの忌々しい蜘蛛がいなくなったら木材を調達して、俺、フローリングにするんだ。
木を変形させて、ベッドも作るんだ。
とはいえ、今は木がないので、木を夢見てとりあえず土でベッドの形を作っておくとするか。
俺は薄暗い空間で腕を組みながら、廊下の位置まで下がって寝室(予定)を眺めた。
やっぱりベッドは入口から真正面の壁に頭の方を寄せておくかな。
左右の壁にベッドの側面をくっつけておくというのも、安心感があるでもないが、せっかく広く空間を取ったのだし広々と使いたい。ほら、それにセレブの寝室って真ん中の方に天蓋付きベッドがあるってイメージ。
自由に部屋を作れる身分となった今なのだからセレブを夢見ても悪くないだろう。
将来のセレブ暮らしを夢見ながら、意気揚々と土でベッドの造形を行っていく。
「うむむ……」
何度か念動力で土をベッドの形にしようと試みたところで俺は唸った。
土はどう頑張っても土なので、ベッドらしく細い脚をつけようとすると脆く崩れ落ちてしまうのだ。
だからといって、脚を太くするとベッドに見えないし、土の布団というのはなんか違う気がする。
折衷案として俺は、某アルプスに暮らす女の子が藁で作っていたベッドの形状をオマージュして、土ベッドを作成した。脚はなくて、こう、側面がもこもこしている感じ。枕もちゃんと作っておいておく。
これ、快適に眠れるんだろうか。
若干疑問がもたげたが、俺は形から入るタイプなので問題ない。
ここまで作り終えたところで玄関へと戻って来たが、今度は玄関部分がやたら寂しくなってしまったように感じる。それに、何も考えずに井戸もどきを掘ったおかげで、玄関の空間の真ん中の位置に変な穴が開いてしまっている。
歩いてたら足がハマってこけそうだし、ださい。
俺は井戸もどきの穴が真ん中にくるように、噴水のようなものをつくった。
といっても凝った装飾はなく、真ん中で折った砂時計みたいなものをポンと置いただけだが。
まあこれでコケる心配はなくなった。
と、そうこうしているうちに、外は赤く染まってきていた。
俺がこの世界にきたときの時間は、この世界の朝方から昼頃に当たる時間だったのだろうな。
まだ何時間かしか経っていないが、濃い体験のせいか、この世界に来てから随分と長く経ったように思える。
そして、何よりの朗報。
外の蜘蛛たちがいなくなっていた。巣に戻ったのだろうか。わからんが、これはチャンスだ。
俺は溝から久方ぶりの外の世界に這い出て、目を細めた。
夕暮れ時だが、ずっと暗闇に篭っていた身にはまぶしく感じる。
そして、気合を入れて辺りを見渡す。
俺が夢想するのは、俺だけの果樹園。忌々しい彼奴等から、食い物を奪ってやるのだ。そしてあわよくば、青空を拝める生活を。
木々の生えるエリアの外側から土を持ってきて、盛り上げていく。
高く高くそびえる塀を作る。塀に使用する土を塀の外から確保することで同時に塀の外に堀らしきものも作ることができるという一石二鳥の寸法だ。まあ木の幹にもがっしり捕まりながら森を縦横無尽に跳ね回っていた蜘蛛相手に、堀や塀が効くとも思えないが、森にいる化け物があの蜘蛛だけとは限らない。備えあれば、だな。
崖を壁にして半径約50メートルの半円形のエリアを俺の陣地にしていく。
10メートルほどまで塀を伸ばしたところで、いい加減外の土がなくなってきたので、無限収納から土を取り出す。
そして、天井部にその土を使って、造形していく。
イメージは木の幹と枝と、たくさん生える葉っぱ。
網目状に光射す天井を作り上げ、俺は満足げに鼻を鳴らした。
夕暮れの今はわからないが、これで昼間には、この俺の陣地は木漏れ日のようなキラキラとした光の溢れる快適空間になっているのではないだろうか。
そして同時に、木と草も確保できた。木を枡のような形にうにょうにょと変形させて、その中にいれられるだけの草を放り込んで、ベッドの完成だ!
できあがったベッドを無限収納に放り込んで、溝の内部に戻る。
いいかげん眠くなってきた。
寝室で無限収納からベッドを取り出し、代わりに土ベッドを無限収納に放り込む。
土ベッド、驚くほど早い別れだったな。
「どっこいしょ」
俺は敷き詰められた草の上に転がった。ちくちくしてるし青臭くて不快だが、まあ土の上よりはマシだ。
明日はフローリングを貼ろうかな、なんて考えながら、俺は眠りの世界へ溶け込んでいった。
この森に厳しい気候の変化がない限りは生き延びることのできる環境ができた。
となると、今度はひとりで生きていくのに、快適な空間と娯楽が欲しくなる。
実は俺、この拠点を作ったときに気が付いていた。土を動かしてものを作るの、めちゃくちゃ楽しい。
まるでレゴやサンドボックスゲームをしている時のような面白さがあった。
さっきは焦っていたから楽しむ暇もなかったけど、余裕のできた今ならめちゃくちゃ楽しめる気がする。
快適な移住空間を確保するためという建前で、俺は最高の暇つぶしをはじめるのだった。
◆
相変わらず蜘蛛がいるので、外には出られない。
内側の空間を広げていくことにする。
まずは入口周りだけはそのままに、天井の高さをもう1メートルほど上げた。
そして入口の溝に繋がる四角い空間――ここを玄関と呼ぶことにした――から、廊下を溝から入って左右に伸ばしていった。
その廊下の先にもうひとつ、四角い空間を作り出す。今は「なんちゃって」だが、蜘蛛がいなくなったら木や草をもらってきて、ちゃんとした寝室と厨房を作ろうと思う。厨房を想定した左側の空間は、玄関よりも崖の際側へ寄せて作った。壁を薄くしておけば、のちのち排気口みたいなものも作りやすいのではと夢想したのだ。
システムキッチンらしきものを土で作って置いておいた。
俺はキッチンの細かい造形なんて覚えていないので、ただの四角い箱と化していたが。
今度は左側の空間に寝室を作る。反対に寝室の壁は厚くした。寝てるときが一番無防備になると思うので、万が一にでも化け物に壁が破られるなんてことがないようにである。ただ掘り進んで思ったのは、とにも角にも暗いので、いずれの部屋にも細い穴を何個か通して採光部にしてある。寝室の方は壁も分厚いのであまり意味を成していないが、まあ寝る部屋なんだし暗いくらいでちょうどいいだろう。
床も壁も土でできているので殺風景だが、あの忌々しい蜘蛛がいなくなったら木材を調達して、俺、フローリングにするんだ。
木を変形させて、ベッドも作るんだ。
とはいえ、今は木がないので、木を夢見てとりあえず土でベッドの形を作っておくとするか。
俺は薄暗い空間で腕を組みながら、廊下の位置まで下がって寝室(予定)を眺めた。
やっぱりベッドは入口から真正面の壁に頭の方を寄せておくかな。
左右の壁にベッドの側面をくっつけておくというのも、安心感があるでもないが、せっかく広く空間を取ったのだし広々と使いたい。ほら、それにセレブの寝室って真ん中の方に天蓋付きベッドがあるってイメージ。
自由に部屋を作れる身分となった今なのだからセレブを夢見ても悪くないだろう。
将来のセレブ暮らしを夢見ながら、意気揚々と土でベッドの造形を行っていく。
「うむむ……」
何度か念動力で土をベッドの形にしようと試みたところで俺は唸った。
土はどう頑張っても土なので、ベッドらしく細い脚をつけようとすると脆く崩れ落ちてしまうのだ。
だからといって、脚を太くするとベッドに見えないし、土の布団というのはなんか違う気がする。
折衷案として俺は、某アルプスに暮らす女の子が藁で作っていたベッドの形状をオマージュして、土ベッドを作成した。脚はなくて、こう、側面がもこもこしている感じ。枕もちゃんと作っておいておく。
これ、快適に眠れるんだろうか。
若干疑問がもたげたが、俺は形から入るタイプなので問題ない。
ここまで作り終えたところで玄関へと戻って来たが、今度は玄関部分がやたら寂しくなってしまったように感じる。それに、何も考えずに井戸もどきを掘ったおかげで、玄関の空間の真ん中の位置に変な穴が開いてしまっている。
歩いてたら足がハマってこけそうだし、ださい。
俺は井戸もどきの穴が真ん中にくるように、噴水のようなものをつくった。
といっても凝った装飾はなく、真ん中で折った砂時計みたいなものをポンと置いただけだが。
まあこれでコケる心配はなくなった。
と、そうこうしているうちに、外は赤く染まってきていた。
俺がこの世界にきたときの時間は、この世界の朝方から昼頃に当たる時間だったのだろうな。
まだ何時間かしか経っていないが、濃い体験のせいか、この世界に来てから随分と長く経ったように思える。
そして、何よりの朗報。
外の蜘蛛たちがいなくなっていた。巣に戻ったのだろうか。わからんが、これはチャンスだ。
俺は溝から久方ぶりの外の世界に這い出て、目を細めた。
夕暮れ時だが、ずっと暗闇に篭っていた身にはまぶしく感じる。
そして、気合を入れて辺りを見渡す。
俺が夢想するのは、俺だけの果樹園。忌々しい彼奴等から、食い物を奪ってやるのだ。そしてあわよくば、青空を拝める生活を。
木々の生えるエリアの外側から土を持ってきて、盛り上げていく。
高く高くそびえる塀を作る。塀に使用する土を塀の外から確保することで同時に塀の外に堀らしきものも作ることができるという一石二鳥の寸法だ。まあ木の幹にもがっしり捕まりながら森を縦横無尽に跳ね回っていた蜘蛛相手に、堀や塀が効くとも思えないが、森にいる化け物があの蜘蛛だけとは限らない。備えあれば、だな。
崖を壁にして半径約50メートルの半円形のエリアを俺の陣地にしていく。
10メートルほどまで塀を伸ばしたところで、いい加減外の土がなくなってきたので、無限収納から土を取り出す。
そして、天井部にその土を使って、造形していく。
イメージは木の幹と枝と、たくさん生える葉っぱ。
網目状に光射す天井を作り上げ、俺は満足げに鼻を鳴らした。
夕暮れの今はわからないが、これで昼間には、この俺の陣地は木漏れ日のようなキラキラとした光の溢れる快適空間になっているのではないだろうか。
そして同時に、木と草も確保できた。木を枡のような形にうにょうにょと変形させて、その中にいれられるだけの草を放り込んで、ベッドの完成だ!
できあがったベッドを無限収納に放り込んで、溝の内部に戻る。
いいかげん眠くなってきた。
寝室で無限収納からベッドを取り出し、代わりに土ベッドを無限収納に放り込む。
土ベッド、驚くほど早い別れだったな。
「どっこいしょ」
俺は敷き詰められた草の上に転がった。ちくちくしてるし青臭くて不快だが、まあ土の上よりはマシだ。
明日はフローリングを貼ろうかな、なんて考えながら、俺は眠りの世界へ溶け込んでいった。
0
お気に入りに追加
408
あなたにおすすめの小説
異世界でのんびり暮らしてみることにしました
松石 愛弓
ファンタジー
アラサーの社畜OL 湊 瑠香(みなと るか)は、過労で倒れている時に、露店で買った怪しげな花に導かれ異世界に。忙しく辛かった過去を忘れ、異世界でのんびり楽しく暮らしてみることに。優しい人々や可愛い生物との出会い、不思議な植物、コメディ風に突っ込んだり突っ込まれたり。徐々にコメディ路線になっていく予定です。お話の展開など納得のいかないところがあるかもしれませんが、書くことが未熟者の作者ゆえ見逃していただけると助かります。他サイトにも投稿しています。
転生したら脳筋魔法使い男爵の子供だった。見渡す限り荒野の領地でスローライフを目指します。
克全
ファンタジー
「第3回次世代ファンタジーカップ」参加作。面白いと感じましたらお気に入り登録と感想をくださると作者の励みになります!
辺境も辺境、水一滴手に入れるのも大変なマクネイア男爵家生まれた待望の男子には、誰にも言えない秘密があった。それは前世の記憶がある事だった。姉四人に続いてようやく生まれた嫡男フェルディナンドは、この世界の常識だった『魔法の才能は遺伝しない』を覆す存在だった。だが、五〇年戦争で大活躍したマクネイア男爵インマヌエルは、敵対していた旧教徒から怨敵扱いされ、味方だった新教徒達からも畏れられ、炎竜が砂漠にしてしまったと言う伝説がある地に押し込められたいた。そんな父親達を救うべく、前世の知識と魔法を駆使するのだった。
初夜に「君を愛するつもりはない」と夫から言われた妻のその後
澤谷弥(さわたに わたる)
ファンタジー
結婚式の日の夜。夫のイアンは妻のケイトに向かって「お前を愛するつもりはない」と言い放つ。
ケイトは知っていた。イアンには他に好きな女性がいるのだ。この結婚は家のため。そうわかっていたはずなのに――。
※短いお話です。
※恋愛要素が薄いのでファンタジーです。おまけ程度です。
来訪神に転生させてもらえました。石長姫には不老長寿、宇迦之御魂神には豊穣を授かりました。
克全
ファンタジー
ほのぼのスローライフを目指します。賽銭泥棒を取り押さえようとした氏子の田中一郎は、事もあろうに神域である境内の、それも神殿前で殺されてしまった。情けなく申し訳なく思った氏神様は、田中一郎を異世界に転生させて第二の人生を生きられるようにした。
召喚アラサー女~ 自由に生きています!
マツユキ
ファンタジー
異世界に召喚された海藤美奈子32才。召喚されたものの、牢屋行きとなってしまう。
牢から出た美奈子は、冒険者となる。助け、助けられながら信頼できる仲間を得て行く美奈子。地球で大好きだった事もしつつ、異世界でも自由に生きる美奈子
信頼できる仲間と共に、異世界で奮闘する。
初めは一人だった美奈子のの周りには、いつの間にか仲間が集まって行き、家が村に、村が街にとどんどんと大きくなっていくのだった
***
異世界でも元の世界で出来ていた事をやっています。苦手、または気に入らないと言うかたは読まれない方が良いかと思います
かなりの無茶振りと、作者の妄想で出来たあり得ない魔法や設定が出てきます。こちらも抵抗のある方は読まれない方が良いかと思います
料理スキルで完璧な料理が作れるようになったから、異世界を満喫します
黒木 楓
恋愛
隣の部屋の住人というだけで、女子高生2人が行った異世界転移の儀式に私、アカネは巻き込まれてしまう。
どうやら儀式は成功したみたいで、女子高生2人は聖女や賢者といったスキルを手に入れたらしい。
巻き込まれた私のスキルは「料理」スキルだけど、それは手順を省略して完璧な料理が作れる凄いスキルだった。
転生者で1人だけ立場が悪かった私は、こき使われることを恐れてスキルの力を隠しながら過ごしていた。
そうしていたら「お前は不要だ」と言われて城から追い出されたけど――こうなったらもう、異世界を満喫するしかないでしょう。
貴族に生まれたのに誘拐され1歳で死にかけた
佐藤醤油
ファンタジー
貴族に生まれ、のんびりと赤ちゃん生活を満喫していたのに、気がついたら世界が変わっていた。
僕は、盗賊に誘拐され魔力を吸われながら生きる日々を過ごす。
魔力枯渇に陥ると死ぬ確率が高いにも関わらず年に1回は魔力枯渇になり死にかけている。
言葉が通じる様になって気がついたが、僕は他の人が持っていないステータスを見る力を持ち、さらに異世界と思われる世界の知識を覗ける力を持っている。
この力を使って、いつか脱出し母親の元へと戻ることを夢見て過ごす。
小さい体でチートな力は使えない中、どうにか生きる知恵を出し生活する。
------------------------------------------------------------------
お知らせ
「転生者はめぐりあう」 始めました。
------------------------------------------------------------------
注意
作者の暇つぶし、気分転換中の自己満足で公開する作品です。
感想は受け付けていません。
誤字脱字、文面等気になる方はお気に入りを削除で対応してください。
祝・定年退職!? 10歳からの異世界生活
空の雲
ファンタジー
中田 祐一郎(なかたゆういちろう)60歳。長年勤めた会社を退職。
最後の勤めを終え、通い慣れた電車で帰宅途中、突然の衝撃をうける。
――気付けば、幼い子供の姿で見覚えのない森の中に……
どうすればいいのか困惑する中、冒険者バルトジャンと出会う。
顔はいかついが気のいいバルトジャンは、行き場のない子供――中田祐一郎(ユーチ)の保護を申し出る。
魔法や魔物の存在する、この世界の知識がないユーチは、迷いながらもその言葉に甘えることにした。
こうして始まったユーチの異世界生活は、愛用の腕時計から、なぜか地球の道具が取り出せたり、彼の使う魔法が他人とちょっと違っていたりと、出会った人たちを驚かせつつ、ゆっくり動き出す――
※2月25日、書籍部分がレンタルになりました。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる