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第4章 婚約の行方
番外編マグノリア・アンリゼット
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「では行ってくるわ」
「姉上、お気をつけて」
エルヴィンはいつになく心配そうな顔をしていた。ティズ族の多い土地へ向けて出発すると告げてからこんな顔をすることが多くなっていた。
「そんな顔をするものではありませんよ。しっかりしなさい。今は2人の子の父なのですから」
「…確かにそうですが」
エルヴィンは罰の悪そうな顔をした。あんなことがあった以上、誰だって受け入れるのには時間がかかるだろう。でも、子どもに罪はない。
「アリアだって貴方の子じゃなかったとしてもアンリゼット家の血を引いている子かもしれません。」
「しかし!僕は不貞を働いたことはありません!アイリーンだけを愛していたのです!」
エルヴィンは私に向かって思いを吐き出すとすぐにまた申し訳なさそうな顔をした。
「申し訳ありません、姉上。姉上が聖女として多忙な上に必死に闇魔法についても調査を進めて下さっているというのに…」
「私も言い方が悪かったわね。ごめんなさい。」
気まずい空気のまま、屋敷の前には馬車が来ていた。「じゃあ行くわね」と私はエルヴィンに告げた。それがマグノリア・アンリゼットとして最後にあの子とした会話だった。
ーーー
「ここが」
調査するためにその土地に訪れると多くのティズ族が奴隷として働かせていた。労働環境はとても酷く、中には既に息絶えている者もいた。皆、ただ仕事だけをし、他には何も考えていないように見えた。
「マグノリア様、どうされますか?」
「…私がティズ族に混ざり、情報を聞き出します」
「え?今、何と仰いました?」
「だから潜入調査です。この者達と共に過ごさねば『闇魔法』についてなんて教えることはないでしょう。唯でさえも闇魔法は禁忌とされているのですから」
私はそう言うと自身の魔力を発動させ、髪色と目の色を変えた。ティズ族は黒髪と闇のような紫の瞳を持つ者が多い一族だ。私の金髪と緑の目では潜入しても彼等に暴かれてしまうだろう。
「…私達も共に行くのですか?」
護衛や騎士達は震えながら私の方を見た。その様子に私は安心させるように問いかけた。
「…いいえ、無理に着いて来いと言いません。しかし、私が暫くの間、戻って来なければその時は王宮とアンリゼット家へ私の訃報を知らせて下さい。」
「しかし!それでは!」
「…では着いてこれますか?」
私の言葉に皆怖気づいていた。闇魔法の調査というのは表向き隠して来ているのだから、騎士や護衛には最初から期待はしていなかった。
「それでは頼みましたよ」
私は身なりを彼等と同じように整えるとティズ族の雇い主の元に行き、その後は彼等と同じ労働を行った。彼等の行う労働は地獄そのものだった。そんな時、一人の少年に会った。
少年は少ない食糧を年上の輩に奪われ今にも倒れそうなほどに衰弱をしていた。私は彼に自分の食糧を分け与えた。
「本当にいいの?」
「ええ、私も弟がいるの。それを思ったら貴方に同情しただけよ。だから遠慮なく受け取って」
「…ティズ族だよね?こんなに優しい人、初めてみたよ」
「そうなの?」
「だって俺らはいつも生きるのに精一杯だから。他人の事なんて考えられないよ」
「…そうよね」
少年は硬いパンに嬉しそうに齧りつくと思い出したように私を見た。
「でもね俺がまだ今より小さい頃、あるティズ族のおじさんが言ってたんだ。「時期に大いなる時が来るそれまで耐えろ」って」
「大いなる時?」
「さあ、俺にもそれは分かんないけど」
少年はそう言うとすぐに体を横にして眠りについた。私も少年の横で眠りについた。それから数日して少年はまた私の前にやって来た。
「いた!この間の優しい人!」
「あなたは」
私を見つけるなり、少年は監視の目を掻い潜り近づいて来た。
「俺、この間ね、お姉さんが気になってた「大いなる時」について知っている人を見つけたんだ」
「本当に?」
「うん、その人に話したらお姉さんを今日の夜連れてこいって頼まれたんだ」
「そう」
私は少年と共にその日の労働が終わるとその人物の元を尋ねることにした。そこは深い洞窟の中だった。
「やあいらっしゃい」
「あれ?何か人が多いんだね」
少年は呑気に構えていたが、私は自身に魔力を溜め込みいつでも発動させる準備をしていた。
「お前か。大いなる時について嗅ぎ回っているのは」
「ええ、そうよ。私もティズ族の端くれだもの。気になったって可笑しくないわ」
「そうか」
男達は薄ら笑いを浮かべると私をじろじろと見てきた。
「じゃあなんで今、お前は魔力を溜め込んでる?俺達仲間だろ?同じティズ族同士の」
「…なんでそれを?」
ティズ族は魔力があったとしても魔法を使えない、使う術を知らないというのが一般的な考えだった。だがここにいる男達はそうではない。魔力を発動させる術を知っている。
「あなたは逃げて!」
私は少年を背に庇い、突き放そうとしたその時だった。
「痛い!離せ!」
少年は男の一人に捕まり首元を締められていた。このままでは少年の息が絶えてしまう。
「離しなさい」
「…お前、やっぱりティズ族じゃないな」
「…私はあなた達と同じよ」
静かに私は男の目を見て答えた。しかし、別の男が私に何か魔法を放つと私の姿は元の姿へと戻った。
「やっぱり、お前余所者だな?ティズ族と偽って潜り込んだか」
「…あなた達は何を考えてるの?」
「まあ、時期に分かるさ。俺達の憎悪がこの国を変える。その為に族長が仕掛けを既に放ったのさ。」
「まさか」
「…お前、どこまで知ってる?」
男達は私を取り囲んだ。
「どの道、お前もこの話をしちまったら返す訳にいかねえ。このガキもな」
「何をする気?」
「決まってる。でも先にお前だ」
男達はそう言うと少年を跳ね飛ばし、私に触れようとした。
「私はどうなっても…あの子には危害を加えないと約束して」
「…今更なんだよ。どうせ一緒のところに行くんだからよ。どっちが先でも後でもいいだろ」
「…そう、端からそういう考えなのね。そっちがその気なら私も手加減しないわ」
私はそう言うと地面に手をつけて地の魔法を使った。途端に地面が揺れると彼等の足元は崩れ、身動きが取れなくなっていた。私は少年の元に駆け寄った。大丈夫、まだ息はあるみたいだ。私は少年を連れ、洞窟を出ようとしたその時だった。
「逃がすか!」
振り返ると男の一人が私の頭に石を振り上げていた。男と目が合う。憎悪と殺意に満ちた目に私はその瞬間、とてつもない憎悪を彼等に感じてしまったのだ。それから私は気付いたら全く別の場所にいた。
目を開けると少年が泣きそうな顔をしていた。あの少年があの場から逃げ、私を助けてくれたようだった。重たい体を上げるとそこは全く別の場所だった。一般的な平民の民家だろうか。木のベッドに寝ていたせいか体は痛いはずなのに何故か温かい気持ちになる。
「あら気が付きましたか?」
優しげな婦人の顔が扉の向こうから覗いた。婦人の傍にはまだ幼い小さな男の子が心配そうにこちらを見ていた。
「ごめんなさいね。こんなボロ家で。…でも驚いたわ。まさか、道中でこの子が必死に助けを求めていて。…私達の馬車が通りかかって良かったわね」
「あの、あなたは?」
「名乗るほどの者じゃないけど、私はララ・ヴェンガルデンよ」
「…ヴェンガルデン?ヴェンガルデン公爵家の」
私はその姓に驚いた。それにしてもヴェンガルデン公爵家の奥方がこんな家に住んでいるのは妙だ。それにここは領地からもかなり離れている。
「…と言っても私はヴェンガルデン公爵家で侍女として働いてこの子を授かっただけで、私自身爵位もない平民なのです。だから名前だけはヴェンガルデンですが、こんな生活をしているのです。それに他にも旦那様には奥方様がいらっしゃるし、この子と生きていければいいので」
そういうとララ様は幼い男の子を抱きかかえる。男の子は私に緊張しているのかすぐにララ様の胸に顔を埋めた。
「それにしても貴女、傷は大丈夫?」
「ええ、これくらいの傷なら。」
私は聖魔法を発動させようしたが、身体が言うことを聞かないように一向に聖魔法を使うことが出来なかった。
「え?」
私が身体を動かさず呆然としているとララ様は何かを察したように「暫くここにいて大丈夫よ」と言うとその場を後にした。少年に聞くと私は眠ってから暫くの間経っていたらしい。この状況であれば私の訃報は既に届いているだろう。そして私は聖魔法が使えない聖女として王都に帰ることが何より怖かった。
ー私が生きていると分かればティズ族は私と少年を始末しに来るだろう
そう考え、私はララ様の元でただの「マグノリア」として過ごすことを決めたのだ。ララ様とカイン、リヒト様との日々は本当に穏やかだった。『あの時』が来るまでは。
私はいつでも現実を見ることも出来たのに、聖魔法を失った自分を直視するのが怖くて今まで逃げつづけてきた。
でも、もう逃げない。アリスとアリアを助けたい。そう決意をしてヴェンガルデン公爵邸に向かったのだった。
「姉上、お気をつけて」
エルヴィンはいつになく心配そうな顔をしていた。ティズ族の多い土地へ向けて出発すると告げてからこんな顔をすることが多くなっていた。
「そんな顔をするものではありませんよ。しっかりしなさい。今は2人の子の父なのですから」
「…確かにそうですが」
エルヴィンは罰の悪そうな顔をした。あんなことがあった以上、誰だって受け入れるのには時間がかかるだろう。でも、子どもに罪はない。
「アリアだって貴方の子じゃなかったとしてもアンリゼット家の血を引いている子かもしれません。」
「しかし!僕は不貞を働いたことはありません!アイリーンだけを愛していたのです!」
エルヴィンは私に向かって思いを吐き出すとすぐにまた申し訳なさそうな顔をした。
「申し訳ありません、姉上。姉上が聖女として多忙な上に必死に闇魔法についても調査を進めて下さっているというのに…」
「私も言い方が悪かったわね。ごめんなさい。」
気まずい空気のまま、屋敷の前には馬車が来ていた。「じゃあ行くわね」と私はエルヴィンに告げた。それがマグノリア・アンリゼットとして最後にあの子とした会話だった。
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「ここが」
調査するためにその土地に訪れると多くのティズ族が奴隷として働かせていた。労働環境はとても酷く、中には既に息絶えている者もいた。皆、ただ仕事だけをし、他には何も考えていないように見えた。
「マグノリア様、どうされますか?」
「…私がティズ族に混ざり、情報を聞き出します」
「え?今、何と仰いました?」
「だから潜入調査です。この者達と共に過ごさねば『闇魔法』についてなんて教えることはないでしょう。唯でさえも闇魔法は禁忌とされているのですから」
私はそう言うと自身の魔力を発動させ、髪色と目の色を変えた。ティズ族は黒髪と闇のような紫の瞳を持つ者が多い一族だ。私の金髪と緑の目では潜入しても彼等に暴かれてしまうだろう。
「…私達も共に行くのですか?」
護衛や騎士達は震えながら私の方を見た。その様子に私は安心させるように問いかけた。
「…いいえ、無理に着いて来いと言いません。しかし、私が暫くの間、戻って来なければその時は王宮とアンリゼット家へ私の訃報を知らせて下さい。」
「しかし!それでは!」
「…では着いてこれますか?」
私の言葉に皆怖気づいていた。闇魔法の調査というのは表向き隠して来ているのだから、騎士や護衛には最初から期待はしていなかった。
「それでは頼みましたよ」
私は身なりを彼等と同じように整えるとティズ族の雇い主の元に行き、その後は彼等と同じ労働を行った。彼等の行う労働は地獄そのものだった。そんな時、一人の少年に会った。
少年は少ない食糧を年上の輩に奪われ今にも倒れそうなほどに衰弱をしていた。私は彼に自分の食糧を分け与えた。
「本当にいいの?」
「ええ、私も弟がいるの。それを思ったら貴方に同情しただけよ。だから遠慮なく受け取って」
「…ティズ族だよね?こんなに優しい人、初めてみたよ」
「そうなの?」
「だって俺らはいつも生きるのに精一杯だから。他人の事なんて考えられないよ」
「…そうよね」
少年は硬いパンに嬉しそうに齧りつくと思い出したように私を見た。
「でもね俺がまだ今より小さい頃、あるティズ族のおじさんが言ってたんだ。「時期に大いなる時が来るそれまで耐えろ」って」
「大いなる時?」
「さあ、俺にもそれは分かんないけど」
少年はそう言うとすぐに体を横にして眠りについた。私も少年の横で眠りについた。それから数日して少年はまた私の前にやって来た。
「いた!この間の優しい人!」
「あなたは」
私を見つけるなり、少年は監視の目を掻い潜り近づいて来た。
「俺、この間ね、お姉さんが気になってた「大いなる時」について知っている人を見つけたんだ」
「本当に?」
「うん、その人に話したらお姉さんを今日の夜連れてこいって頼まれたんだ」
「そう」
私は少年と共にその日の労働が終わるとその人物の元を尋ねることにした。そこは深い洞窟の中だった。
「やあいらっしゃい」
「あれ?何か人が多いんだね」
少年は呑気に構えていたが、私は自身に魔力を溜め込みいつでも発動させる準備をしていた。
「お前か。大いなる時について嗅ぎ回っているのは」
「ええ、そうよ。私もティズ族の端くれだもの。気になったって可笑しくないわ」
「そうか」
男達は薄ら笑いを浮かべると私をじろじろと見てきた。
「じゃあなんで今、お前は魔力を溜め込んでる?俺達仲間だろ?同じティズ族同士の」
「…なんでそれを?」
ティズ族は魔力があったとしても魔法を使えない、使う術を知らないというのが一般的な考えだった。だがここにいる男達はそうではない。魔力を発動させる術を知っている。
「あなたは逃げて!」
私は少年を背に庇い、突き放そうとしたその時だった。
「痛い!離せ!」
少年は男の一人に捕まり首元を締められていた。このままでは少年の息が絶えてしまう。
「離しなさい」
「…お前、やっぱりティズ族じゃないな」
「…私はあなた達と同じよ」
静かに私は男の目を見て答えた。しかし、別の男が私に何か魔法を放つと私の姿は元の姿へと戻った。
「やっぱり、お前余所者だな?ティズ族と偽って潜り込んだか」
「…あなた達は何を考えてるの?」
「まあ、時期に分かるさ。俺達の憎悪がこの国を変える。その為に族長が仕掛けを既に放ったのさ。」
「まさか」
「…お前、どこまで知ってる?」
男達は私を取り囲んだ。
「どの道、お前もこの話をしちまったら返す訳にいかねえ。このガキもな」
「何をする気?」
「決まってる。でも先にお前だ」
男達はそう言うと少年を跳ね飛ばし、私に触れようとした。
「私はどうなっても…あの子には危害を加えないと約束して」
「…今更なんだよ。どうせ一緒のところに行くんだからよ。どっちが先でも後でもいいだろ」
「…そう、端からそういう考えなのね。そっちがその気なら私も手加減しないわ」
私はそう言うと地面に手をつけて地の魔法を使った。途端に地面が揺れると彼等の足元は崩れ、身動きが取れなくなっていた。私は少年の元に駆け寄った。大丈夫、まだ息はあるみたいだ。私は少年を連れ、洞窟を出ようとしたその時だった。
「逃がすか!」
振り返ると男の一人が私の頭に石を振り上げていた。男と目が合う。憎悪と殺意に満ちた目に私はその瞬間、とてつもない憎悪を彼等に感じてしまったのだ。それから私は気付いたら全く別の場所にいた。
目を開けると少年が泣きそうな顔をしていた。あの少年があの場から逃げ、私を助けてくれたようだった。重たい体を上げるとそこは全く別の場所だった。一般的な平民の民家だろうか。木のベッドに寝ていたせいか体は痛いはずなのに何故か温かい気持ちになる。
「あら気が付きましたか?」
優しげな婦人の顔が扉の向こうから覗いた。婦人の傍にはまだ幼い小さな男の子が心配そうにこちらを見ていた。
「ごめんなさいね。こんなボロ家で。…でも驚いたわ。まさか、道中でこの子が必死に助けを求めていて。…私達の馬車が通りかかって良かったわね」
「あの、あなたは?」
「名乗るほどの者じゃないけど、私はララ・ヴェンガルデンよ」
「…ヴェンガルデン?ヴェンガルデン公爵家の」
私はその姓に驚いた。それにしてもヴェンガルデン公爵家の奥方がこんな家に住んでいるのは妙だ。それにここは領地からもかなり離れている。
「…と言っても私はヴェンガルデン公爵家で侍女として働いてこの子を授かっただけで、私自身爵位もない平民なのです。だから名前だけはヴェンガルデンですが、こんな生活をしているのです。それに他にも旦那様には奥方様がいらっしゃるし、この子と生きていければいいので」
そういうとララ様は幼い男の子を抱きかかえる。男の子は私に緊張しているのかすぐにララ様の胸に顔を埋めた。
「それにしても貴女、傷は大丈夫?」
「ええ、これくらいの傷なら。」
私は聖魔法を発動させようしたが、身体が言うことを聞かないように一向に聖魔法を使うことが出来なかった。
「え?」
私が身体を動かさず呆然としているとララ様は何かを察したように「暫くここにいて大丈夫よ」と言うとその場を後にした。少年に聞くと私は眠ってから暫くの間経っていたらしい。この状況であれば私の訃報は既に届いているだろう。そして私は聖魔法が使えない聖女として王都に帰ることが何より怖かった。
ー私が生きていると分かればティズ族は私と少年を始末しに来るだろう
そう考え、私はララ様の元でただの「マグノリア」として過ごすことを決めたのだ。ララ様とカイン、リヒト様との日々は本当に穏やかだった。『あの時』が来るまでは。
私はいつでも現実を見ることも出来たのに、聖魔法を失った自分を直視するのが怖くて今まで逃げつづけてきた。
でも、もう逃げない。アリスとアリアを助けたい。そう決意をしてヴェンガルデン公爵邸に向かったのだった。
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