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完成すれば……
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「王になる気がないのに、王になってしまったからこそ、っすか……それならまぁ、解らなくはないっすね」
「だろ…………にしてもあのモンスター、マジで強かったな」
シュラとセルシア、ルーフェイスも起きたので朝食タイム。
話題は、先程までメリルと話していたイレックスコボルトに関して。
「無責任、モンスター?」
「ふっふっふ、確かに無責任と言えば無責任かもしれないな。でも、あいつらが生きている野性っていう場所を考えれば、イレックスコボルトだけが責められるのは、少し違うのかもな」
そもそもただのコボルトとかなら、疑うという考えを持ってるのかは微妙なところだけど……ただ勝手に付いてきただけの存在を嫌うのは、イレックスコボルトの自由。
「……しかし、あんなモンスターがいるのを考えると、俺たちの考察が当たってるなら、さっさとダンジョン化が進んで、完全なダンジョンになってほしいものだな」
「何でっすか」
「現段階でその機能が発動してるのかは知らないけど、まだ……この地下遺跡がただの地下遺跡なら、イレックスコボルトやエスエールさんたちが討伐したAランククラスのキマイラが地上に出るかもしれないんだぞ」
可能性として、ゼロとは言えない。
イレックスコボルトは……通れるか?
キマイラは通れないかもしれないけど、無理矢理入り口を広げて地下遺跡の外に出ることは不可能じゃない。
「そいつは……不味いっすね」
「そうだろ」
未開拓地で活動するようになって……もう数か月は過ぎてるか? その間、何回かBランクのモンスター、Bランククラスの実力を持つモンスターとは戦ってきたけど、Aランククラスの実力を持つモンスターとは戦ってない。
いるにはいるんだろうけど、まだ俺たちは遭遇してない。
でも、この遺跡では遭遇してしまった。
短期間の間に俺たちが一回、エスエールさんたちが一回。
おそらく、まだまだいるだろうな。
「とはいえ、恐ろしいのは本当にダンジョン化が終わってからもだな」
「……ボスモンスターとして、Aランクモンスターが出現するのか。それとも、運悪く転移トラップに引っ掛かってしまい、転移された空間にAランクモンスターが現れるのか……それとも、通常の階層にもAランクモンスターが徘徊するのが、そこまで珍しくない階層が生まれるのか。三番目が実現してしまうと、非常に恐ろしいですね」
「だろ。シュラ、ハイ・ヴァンパイアとかイレックスコボルトみたいなモンスターが普通に徘徊するような階層が生まれるかもしれないんだぜ」
「は、はっはっはっ…………今は、乾いた笑いしか零れないっすけど、でも…………燃えてくるっすね」
「ふふ……本当に、頼もしいな」
メリルは若干呆れてるが、セルシアはシュラと同じく、目の奥に炎が灯ってて、闘争心が燃え上がってるのが解る。
「しっかし、メリルが口にしたもしものケースの中で、三番目が実現したら……もしかして、最下層にはSランクモンスターが誕生するってことっすか?」
「「…………」」
俺とメリルは、固まってしまった。
そうだよ……そうだよ。
Aランクモンスターが徘徊してるのがそこまで珍しくない階層が生まれるなら、なんで最下層には更に上の……Sランクモンスターがボスとして待ち受けるかもしれないって考えに至らなかったんだよ。
ダンジョンコアとSランクモンスターの心臓、二つともが動力源に使われてるとしたら、全然にあり得る話だ。
「…………私たちが立てた仮説が全て合ってるとして、ダンジョン化が終了し、改めて効力が始まったとして……最下層が攻略されるのは、数十年後か……それとも五十年後ぐらいでしょうか」
半世紀、か……全然あり得そうだな。
素材としての価値は半端ない。
てか、俺たちが話してる内容が本当にその通りになれば、国としては……定期的にSランクモンスターを狩れて最高だろうけど、そもそもハンターたちや騎士たちが挑みたいと思うかどうか…………夢がある、って言うには攻略難易度が高過ぎるな。
「だろ…………にしてもあのモンスター、マジで強かったな」
シュラとセルシア、ルーフェイスも起きたので朝食タイム。
話題は、先程までメリルと話していたイレックスコボルトに関して。
「無責任、モンスター?」
「ふっふっふ、確かに無責任と言えば無責任かもしれないな。でも、あいつらが生きている野性っていう場所を考えれば、イレックスコボルトだけが責められるのは、少し違うのかもな」
そもそもただのコボルトとかなら、疑うという考えを持ってるのかは微妙なところだけど……ただ勝手に付いてきただけの存在を嫌うのは、イレックスコボルトの自由。
「……しかし、あんなモンスターがいるのを考えると、俺たちの考察が当たってるなら、さっさとダンジョン化が進んで、完全なダンジョンになってほしいものだな」
「何でっすか」
「現段階でその機能が発動してるのかは知らないけど、まだ……この地下遺跡がただの地下遺跡なら、イレックスコボルトやエスエールさんたちが討伐したAランククラスのキマイラが地上に出るかもしれないんだぞ」
可能性として、ゼロとは言えない。
イレックスコボルトは……通れるか?
キマイラは通れないかもしれないけど、無理矢理入り口を広げて地下遺跡の外に出ることは不可能じゃない。
「そいつは……不味いっすね」
「そうだろ」
未開拓地で活動するようになって……もう数か月は過ぎてるか? その間、何回かBランクのモンスター、Bランククラスの実力を持つモンスターとは戦ってきたけど、Aランククラスの実力を持つモンスターとは戦ってない。
いるにはいるんだろうけど、まだ俺たちは遭遇してない。
でも、この遺跡では遭遇してしまった。
短期間の間に俺たちが一回、エスエールさんたちが一回。
おそらく、まだまだいるだろうな。
「とはいえ、恐ろしいのは本当にダンジョン化が終わってからもだな」
「……ボスモンスターとして、Aランクモンスターが出現するのか。それとも、運悪く転移トラップに引っ掛かってしまい、転移された空間にAランクモンスターが現れるのか……それとも、通常の階層にもAランクモンスターが徘徊するのが、そこまで珍しくない階層が生まれるのか。三番目が実現してしまうと、非常に恐ろしいですね」
「だろ。シュラ、ハイ・ヴァンパイアとかイレックスコボルトみたいなモンスターが普通に徘徊するような階層が生まれるかもしれないんだぜ」
「は、はっはっはっ…………今は、乾いた笑いしか零れないっすけど、でも…………燃えてくるっすね」
「ふふ……本当に、頼もしいな」
メリルは若干呆れてるが、セルシアはシュラと同じく、目の奥に炎が灯ってて、闘争心が燃え上がってるのが解る。
「しっかし、メリルが口にしたもしものケースの中で、三番目が実現したら……もしかして、最下層にはSランクモンスターが誕生するってことっすか?」
「「…………」」
俺とメリルは、固まってしまった。
そうだよ……そうだよ。
Aランクモンスターが徘徊してるのがそこまで珍しくない階層が生まれるなら、なんで最下層には更に上の……Sランクモンスターがボスとして待ち受けるかもしれないって考えに至らなかったんだよ。
ダンジョンコアとSランクモンスターの心臓、二つともが動力源に使われてるとしたら、全然にあり得る話だ。
「…………私たちが立てた仮説が全て合ってるとして、ダンジョン化が終了し、改めて効力が始まったとして……最下層が攻略されるのは、数十年後か……それとも五十年後ぐらいでしょうか」
半世紀、か……全然あり得そうだな。
素材としての価値は半端ない。
てか、俺たちが話してる内容が本当にその通りになれば、国としては……定期的にSランクモンスターを狩れて最高だろうけど、そもそもハンターたちや騎士たちが挑みたいと思うかどうか…………夢がある、って言うには攻略難易度が高過ぎるな。
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