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第七部『暗躍の海に舞う竜騎士』

三章-6

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   6

「ランドッ!!」


「ランド!」


 瑠胡とセラの悲鳴で、俺は意識を失わずに済んだ。
 丸太のようなクラーケンの触腕によって、俺は帆船に押さえつけられていた。右肩から左下方向に強く圧迫されているが、そのせいで左の脇が酷く痛む。
 どうやら最初の一撃で、左の肋骨の二、三本は折れたらしい。神糸でできた衣を着ていたお陰か、背中に痛みはあるが、折れてはいないようだ。
 破れず、ほつれず――と、瑠胡は神糸の特徴を述べていたが、それが防具の役目も果たしてくれたのだろうか?
 だが、折れたらしい肋骨の痛みは耐えがたく、額に脂汗を浮かべた俺は、呻き声を抑えることができなかった。
 このままでは激痛で気を失うか、押しつぶされてしまう。
 触腕に抑えられ、左手も自由が利かない。右腕一本で状況を打破する手段を、懸命に考えた。


「――っそ!!」


 俺は〈断裁の風〉を、全力で放った。クラーケンの触腕――ではなく、帆船へと。
 右手から放たれた不可視の力が、俺の背後にある船板材を切り刻んだ。
 クラーケンの触腕による圧力で、そして狙い通り、俺は砕けた船板材とともに、船内へと押し込まれた。
 激しく背中を打ってしまったが、あのまま押し潰されるよりはマシだ。
 上半身を起こしたとき、俺はムッとする臭いに鼻を押さえた。周囲を見回せば、ほぼ腐っている鯨肉が積まれていた。
 恐らく、鯨油をとったあとの残骸を囮として利用したんだろう。充満してた腐臭に顔を顰めつつ、俺は左の脇腹を押さえながら船内を駆けた。
 階段を駆け上がって甲板に出ると、俺は船尾を振り向いた。
 甲板からは、クラーケンの胴体とエラ、それに触腕だけが見えている。左から船体に巻き付こうとしている触腕が、甲板に先端を押しつけた。
 俺が〈断裁の風〉を放とうとしたとき、クラーケンの胴体で爆発が起きた。これは間違いなく、瑠胡の〈爆炎〉だ。


「ランド、大丈夫ですか!?」


「セラ……ああ、脇腹は痛みますかが、なんとか動けます」


 近寄ってきたセラに頷くと、俺はドラゴンの翼で飛び上がった。


「セラ、船員たちの脱出状況はどうですか?」


「全員、小舟で岸に向かっています。ここで暴れても、影響は少ないでしょう」


「ありがとうございます。なら、遠慮無く――」


 俺はセラと、近寄って来た瑠胡に頷くと、竜語魔術を唱え始めた。
 クラーケンが船内に触腕を突っ込みながら、俺たちに目を向けた。上空の俺たちの動向を気にしているように見えるが、食欲も我慢できないらしい。
 俺と瑠胡は、同時に竜語魔術の詠唱を始めた。詠唱が終わると、俺と瑠胡の頭上にそれぞれ、白い光球が浮かび上がった。
 意図せず、二人とも〈白光〉を唱えていた。
 船の損失を気にしなくていいなら、もう手加減などいらない。俺たちは〈白光〉を放つと船尾ごと、クラーケンを貫いた。
 俺の〈白光〉が目の上、瑠胡のものが左目を貫くと、クラーケンは触腕をばたつかせながら、帆船から離れた。
 脳と心臓――というわけにはいかないが、それでもかなりの手傷を負わせることができた。
 その傷も、瞬く間に癒え始めていた。
 やはり、あの〈超再生〉をなんとかしないと斃すのは難しい。俺は左手から赤い棘を出しながら、クラーケンへと急降下をし始めた。
 触腕の一本をやり過ごし、俺はクラーケンの胴体へと肉迫した。エラを掴んでクラーケンにしがみつくと、赤い棘を突き刺そうと左手を構えた。
 しかし、もう一本の触腕が俺を狙って振り下ろされた。寸前のところで、俺は飛び上がって触腕を躱したが――最大の機会を逃してしまった。
 やはりクラーケンの動きを封じなければ、〈スキルドレイン〉をするのは難しい。それに、このままでは海中に逃げられてしまう可能性だってある。
 それを防ぐ為の手段……俺が竜語魔術の〈氷結の霧〉を唱え始めたのは、やけくそになっていたからだ。
 俺の手から放たれた冷気が、海の表面を冷やしていく。だが、元々の体積が大きすぎるのか、威力を最大にしても、中々海水は凍らなかった。
 頭上では、瑠胡とセラがクラーケンの気を引いてくれている。今のうちに海水、できればクラーケン本体も凍らせたかった。
 俺の手の平から放たれる冷気が、真下の海水を僅かに白くしていった。それを見ながら、俺は心の中で、(凍れ、凍ってくれっ!)と、願い続けていた。
 しかし海が凍り始めるよりも先に、〈氷結の霧〉の効果が切れてきた。


「くそっ! 少しでもいいから、クラーケンの身体を凍らせろっ!!」


 自棄になった俺が怒鳴ったとき、身体の中で前にも感じた、違和感を覚えた。
 前に感じたのは、水車で臼を引く歯車が、しっかりと噛み合ったような感触だ。しかし今回は、それだけでなく、何かが開くような――喩えるなら、今まで開かなかった扉が、適合する鍵によって解錠したような感覚だ。
 解放された力が目覚めによる喜悦とともに、俺の身体から放出された。その力は俺の手の平から広がって、見る間に海面を凍らせていく。
 クラーケンの周囲の海面が白く凍り、海面に出ている触腕の三分の一ほどに、霜がこびりつき始めた。凍っていない部分を動かしているが、それでは瑠胡やセラどころか、自分の胴体に触腕を届かせることはできそうにない。
 なにがどうなったのか、俺は理解できなかった。しかし、〈スキルドレイン〉を使うなら、今が最大の好機だ。

 ――考えている暇はねぇ!

 俺は背後からクラーケンの胴体に取り付くと、左手から出した赤い棘を突き刺した。
 その途端、頭の中にクラーケンの《スキル》や能力ともいえる数々の情報が、流れ込んできた。
 目当ての〈超再生〉は、すぐに見つかった。一般に、《スキル》における最高の等級とされている濃い赤色の〈長再生〉にも目を見張ったが、それ以上に気になったものを見つけた。
 それは《スキル》の等級である灰色、青、緑、橙、赤の、濃淡を含めたおよそ一〇段階の色とは事なり、どす黒い黄色をしていた。
 名称も少し異質で、〈呪・凶暴化〉となっている。
 俺は少し悩むと、〈超再生〉と〈呪い・凶暴化〉の二つを消すことにした。手首から生えた赤い棘から、虹色の光となった魔力が放出されると共に、二つの《スキル》が消えていく。
 二つの《スキル》が完全に見えなくなると、クラーケンは動きを止めた。
 海中に潜って逃げるでもなく、周囲を見回すように目を動かしながら、その場に浮いていた。
 クラーケンから離れた俺は、ヤツから目を離さないようにしながら、空中で動向を窺っている瑠胡とセラに近寄った。


「ランド、なにをしたのです?」


「ええっと……全部を答えるのは難しいんですが。〈スキルドレイン〉で〈超再生〉と〈呪・凶暴化〉というのを消したんですよ」


「呪い?」


 瑠胡は怪訝な顔をしたが、俺にもほかに答えようがない。
 この会話をしているあいだに、クラーケンの触腕の霜が解けていく。どういう状況だったのかは、わからない。
 しかし、このクラーケンは斃さなければならない。それだけのことを、こいつはしてしまったのだから。
 俺が竜語魔術を唱え始めると、瑠胡もそれに続いた。セラは俺たちの横でミスリル製の細剣を構え、不測の事態に備えてくれている。
 もうすぐ詠唱が終わる。
 俺が〈白光〉の狙いをクラーケンの眉間――目と目のあいだ――に定めたとき、海中からキングーが姿を現した。


「お待ち下さい!」


 クラーケンを庇うように両手を広げたキングーは、そのまま空中に浮かび上がった。そして、すでに頭上に光球が浮かび上がった俺たちへ、訴えかけてきた。


「もう勝負はついたでしょう。見ての通り、このクラーケンは無抵抗です。これ以上は、過剰な暴力と変わりありません」


 今まで戦いの場へ姿を見せなかったのに、勝手な言い分だ。
 俺は怒りを堪えながら、キングーへと言った。


「言いことは、理解できますけどね」


「なら――」


 言い分を飲んで貰えたと思ったのか、キングーの顔に笑みが浮かんだ。
 しかし、俺は表情を崩さないまま、淡々と言葉を続けた。


「けど、納得はできませんよ。どんな理由があったにせよ、こいつは人を喰ってます。それに、ドラゴン種であるワイアームたちを襲い、喰らっている。ここで斃さなければ今後、人やドラゴンの被害が増える可能性があります」


「それは……あくまで、可能性でしょう。それに今の会話を聞いた限りでは、凶暴化していた原因は、誰かに施された呪いによるものだと思われます。大人しくなった今、無差別な襲撃はしないはず」


「それで、ジコエエルが納得できるとでも? あいつの同胞が、襲われたんでしょうに」


「それは……強い者が弱い者を捕食するのは、自然界の流れです」


 ――っ!? こいつ、マジで言ってるのか?

 個の恨みよりも自然界の流れ――それが重要っていうのが、神族というのか。俺が横目で瑠胡を見ると、彼女も憤りを堪えているかのように、渋面になっていた。
 俺と同じように頭上に光球を浮かべた瑠胡が、キングーを睨めた。


「御主は……同胞よりも、自然界の流れとやらが大事と申すか。ワイアームだけではなく、サーペントらも喰われているのだろうに」


「それでも……このクラーケンは、わたしがジコエエルの役に立てればと思い、ここへ呼んだものでもあります。ここで、死なせたくはありません」


 こいつ――っ!? 結局は、体裁を保ちたいという理由かよ。
 俺は怒りを抑えきれずに、横腹の痛みも構わず、怒鳴り声をあげていた。


「そんな理由で、納得できるか! そこをどけ!」


「駄目です!」


 このままでは、埒が開かない――苛立ちと焦りで切れそうになったそのとき、いきなり頭上で雷鳴が轟き始めた。
 こんな冬場の雷に、俺が視線を上に向けた直後、クラーケンへと雷が降り注いだ。


「――おい、やばいぞ!」


 俺がキングーへと大声を出すよりも早く、瑠胡が動いていた。神糸の着物の袖を大きく伸ばし、キングーの腕に素早く巻き付かせた。
 そのままこちらへ引っ張った直後、クラーケンへと落ちた雷の余波が、周囲へと広がった。
 帯電した空気で、肌でピリピリという感触がした。
 眩しい雷光に目を眩ませた俺たちの前で、クラーケンの胴体が木っ端微塵になっていた。


〝まったく――役立たずにも程がある〟


 頭上に広がっていた雷雲から、白い影が降りてきた。サーペントに似た姿をしているが、三本指の前足と、獅子のたてがみのような体毛が、異なる種だと主張していた。
 白い鱗に覆われたそれは、俺たちへ金色の瞳を向けた。


〝我は眷属神ペークヨー。天竜の瑠胡姫を欺瞞に長けた人の子より救い出すため、この地に参った〟


「なん……だって?」


 欺瞞に長けたっていうのは……どうやら、俺のことらしい。
 徐々に眩んだ視界が戻ってくると、ペークヨーと名乗った眷属神は、離島へと首を向けた。


〝ランド・コールよ。瑠胡姫を賭けて、我と勝負せよ。場所は、あの島だ。三日だけ待ってやる。そのあいだに、せめて傷だけでも癒やすがいい。もし逃げるようなら――貴様の代わりに、この地に住む者たちに神罰が下るであろう〟


「……なんだと? ここの土地の人々は関係ないだろ。勝負したいなら、いつでも俺のところへ来い」


〝やはり、元人間だけあって愚かなだな。眷属神とはいえ、神の一柱ぞ。その我が、なぜ貴様如きのところへ赴かねばならぬのだ。来るなら、貴様が我の指定する場所まで来るのが、道理というものではないか〟


 ペークヨーは尊大に言い放つと、鎌首を離島へ向けた。


「待て」


 瑠胡が離島へと向かいかけた、ペークヨーを止めた。
 首だけを俺たちのほうへと向ける白い眷属神に、瑠胡は睨みながら問いかけた。


「あのクラーケンに、呪いを施したのは御主か?」


〝ああ……あれは、気性が穏やかだったのでな。躊躇無くランドを殺せるよう、少し手助けをしたまで。瑠胡姫が気にすることではなかろう。ワイアームとの共闘でランドを殺せれば、あとは我がワイアームを斃すだけだったのだがな。まあ、致し方ないというもの。瑠胡姫よ……あと少しで汝は我が物となる。心して待っておくが良い〟


「……そうか。もうよい」


 瑠胡が手を振ると、ペークヨーは離島へと去って行った。
 俺と瑠胡、それにセラの前で、状況を理解しきれていない顔をしたキングーはただ狼狽えていた。
 そんな彼に、瑠胡は冷ややかな目を向けた。


「さて、海竜族のキングーよ。仔細を話してもらうぞ」


 その問いかけは、俺も聞きたいことだった。
 話を聞くというより、尋問に近い状況になるかもしれないが、俺たちは帆船に降りると、キングーを取り囲んだ。

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本作を読んで頂き、誠にありがとうございます!

わたなべ ゆたか です。

というわけで、ペークヨーが目的を明らかにしたわけですが。
ランドことも引いている状況。
こんな状況で次回が三章の最後、次々回から四章に入るわけですが。

……ちょっと引きが多いかなと反省。

予定では、四章で引きは解決できますので……あくまでも予定ではありますが。この予定となっている部分の9割ほどが、気分というのは内緒です。

少しでも楽しんで頂ければ幸いです。

次回も宜しくお願いします!
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