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143虎種族の森
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エアークラフトは月明かりの中で、
着陸予定地上空をエアークッションしだした。
エアークラフト内から、
「ガス負傷者、六十。SOS。」と描かれた地上へ、
次々と完全装備の元陸戦隊が降下していった。
元陸戦隊は地上に着くと、
猫亜人衛生兵のエアークラフトが着陸できる範囲の外へ円形に散会した。
配置場所に着くと、直ぐに魔物の表皮楯を立てた。
表皮楯には銃座の為に開けた窪みがあり、
窪みにレーザー銃を乗せると、
腰を落として照明弾を全員が打ち上げた。
「あの中央に居るのが指揮官だな。」
「そうです。カジマ提督閣下です。」
「提督?なんでお前の為に指導者が出向くのだ。」
「兄弟だからでしょう。」
「猫が人間の指導者と兄弟?」
「因みに、真正面の人は私の姉の夫です。」
「お前やお前の家族は、一体何者だ。」
「ただの猫亜人です。」
ロンメルは不思議そうにアーマートを覗き込んでいる。
「迎えに行きましょうか。」
「しかしながら、俺は丸腰だ。」
「武器がなくても、私の首をねじ切ることができるでしょう。」
「あ~。たやすいことだ。」
と言って、二人は楯を構えているホルヘの方へ歩き出した。
「お兄様お迎えありがとうございます。
この方が虎種族の指導者ロンメル将軍です。
閣下に取り継いでください。」
「アーマートくん、無事か、怪我はしてないか?
マティーレが心配している。」
「同じ猫亜人同士です。心配はありません。銃を下ろしてください。」
「無断で誘拐する者たちを信用せよと?」
「切羽詰まった状況でしたようです。理解してあげましょう。」
「お前たち姉弟は優しいな。」
と、ホルヘは微笑んでレーザー銃を楯の影に隠した。
中央辺りに居た鹿島は、アーマート達の所へ駆けて来て、
「アーマート。大丈夫か?」
と、言って、抱き着いた。
「閣下。有難うございます。使徒様から連絡して頂いたみたいですね。」
「ガイア様は、何時もみんなを見てくださっている。」
「閣下。紹介します。ロンメル将軍です。」
鹿島とロンメルは互いに睨み合うだけであった。
「将軍。歓迎してください。」
「看護人なら歓迎しようが、攻め込んできた者達は歓迎できない。」
「俺らは、くそったれ守り人だ!攻め込んできた訳ではない。
この先の展開はお前次第だ。」
と、鹿島は見上げるように、怒り顔で巨体のロンメルをにらみつけた。
「二人共、病人の看護が優先でしょう。
閣下様、衛生兵の降下を許可してください。」
と、アーマートは二人の間に割って入った
鹿島はアーマートに微笑みながら頷いた。
衛生兵の乗ったエアークラフトが降りてくると、
アーマートはエアークラフトに駆け寄り、
遠巻きに見ているトラ顔達に手を振り招いた。
トラ顔達の手伝いで、
エアークラフトから次々と酸素ボンベが降ろされていった。
二棟に横たわっていた患者のうめき声は消えていて、
今は全員が眠りについている。
ロンメルは、眠っているまだ十四、五歳の子供の横にたたずんでいた。
アーマートはロンメルの横に近寄り、
「まだ子供なのに、戦場へ出てたのですか?」
と、非難めいた眼をロンメルに向けた。
「こやつには、こやつの事情があったのだ。」
と、ロンメルはアーマートから目をそらした。
ロンメルはアーマートから逃げるように、
背を向けて外へ出ていった。
陸戦隊は、
それぞれに衛生兵の入っている棟を二人ずつ配置していて、
鹿島と二人の陸戦隊は、
着陸している二機のエアークラフトの警護についていた。
木刀二本を持ったロンメルは、鹿島に近寄ってきて、
「一手お願いしたい。」
と言いながら、木刀を鹿島に渡した。
鹿島はニヤリと笑って、木刀を受け取った。
鹿島はめんどくさそうに、片手で木刀を中断に構えてにやけている。
鹿島の態度に、ロンメルは青筋を顔いっぱいに表している。
ロンメルは上段から打ち込んむと、
無防備で隙だらけの鹿島の頭を砕いたと思ったが、
そこには鹿島はいなくて、
相変らずめんどくさそうに鼻で笑いながら、
木刀が振り下ろされた場所から二メートル横に立っていた。
ロンメルには、何が起こったのか理解できない様子で狼狽しだした。
「次は組手だ!」
と言って、木刀を投げ捨てると、鹿島の両肩を掴みにかかった。
ロンメルは肩を掴んで引き倒すつもりが、
肩を掴もうとした瞬間両手首を鹿島につかまれた。
二人の力比べが始まったと思ったロンメルは、
掴んでた指をほどこうと、
渾身の力を込めて鹿島の親指方向へ手首をねじったが、
足に激痛が走りその身は宙に浮いていた。
子供と大人のような闘いは終わり、
ロンメルは地面に背中から落ちていた。
遠巻きに見ていたトラ顔の抜刀した衛士兵が、
ふたりの方へ駆けてくると、
「剣を鞘に戻せ!」
と、ロンメルは起き上がれないのか、
身体を横に向けようとしながら怒鳴った。
ロンメルはトラ顔の衛士兵に支えられながら、
「ご指導ありがとうございました。」
と言って、鹿島に頭を下げて、家屋の方へ帰っていった。
ロンメルはソファ―に沈み込んだまま、天井をにらんでいる。
「俺達は、何者と戦っているのだろうか?」
を呟くが、誰も反論する者は居なくて無言である。
「あの男の噂は、勇者か眷属なのではと聞いていたが、
どちらが正しいのだ。」
と再度ロンメルは、
周りにいる側近らに問いかけるが、周りの者たちはやはり無言である。
「誰か何か言ってくれ。」
と、周りを見渡すが、皆は互いに顔を向かい合わせるだけである。
「将軍様がなすすべがなかったのに、
われらにどう答えれと言われるのでしょう。」
と、おソロおソロと返事した者がいた。
「われらは、なぜ彼らと戦っているのだ?」
と、ロンメルは皆を見回した。
「森を守るためです。」
と、先程の男が答えた。
「俺達も、ご先祖様も自分達でこの森を守ってきたが、
彼等はこの森へ攻めてきたか?
ドドンパ国の要請で、応援しただけであったが、
逆に我が息子、わが親戚は毒ガスで被害にあった。
なんかおかしいだろう。」
皆はロンメル将軍が何かを言いたいのかを理解しだしていた。
「味方を攻撃するドドンパ国。
助けてくれる亜人協力国。
敵を再思考しなければならないようですね。」
と周りから声がしだした。
「ドドンパ国には、義理も恩もないが、
亜人協力国の同族には借ができたことは確かだ。」
「借りは返さなければなりません。」
「ドドンパ国との友好は大事だが、
手伝う必要は今回の被害で消滅した。皆はそれでいいか?」
「手の平を返すのは、われらの信条に反するが、
正当な理由があるので手を引くことは出来ます。」
「では、亜人共和国との休戦を申し込む。反対者はいるか?」
みんな無言である。
「休戦多数と思って良いか?」
「休戦賛成です。」
と言ってみんなは手を挙げた。
「な~兄弟。俺は年上だが、弟にしてくれないか?」
と、ロンメルはミントティーを飲みながら、アーマートに声がけした。
「俺たち種族は、簡単にその言葉を出せないことは、
承知でしょうか?」
「冗談で出せない言葉だとは、承知している。」
「理由を聞いても?」
「理由はいっぱいある。
ドドンパ国では、毒ガス被害者は寝たっきりになってるらしいが、
こちらではみんなが歩けるようになった。
同じ種族同士戦う理由はないのに、
俺らは亜人協力国に戦いを挑んだが、
亜人協力国に若者を助けてもらった恩が出来た。」
「では、虎種族は和睦したいと?」
「急に和睦はできないが、休戦ではどうだろうか?」
「そんな理由で、兄弟になる理由にはならないでしょう。」
「兄様になっていただくことで、
われらの指導者として皆に納得してもらえる。」
「俺が指導者?」
「それが本当の理由です。」
「あなたたち種族は、強いものが指導者だと聞いていたのですが?」
「貴方の兄様は強い。だが、種族が違うので支配者にはなれるが、
俺らの指導者にはなれない。
その弟は同じ種族なので、指導者になれる。
頼む、虎種族をまとめて、指導してくれ。」
「考える時間をくれ。」
「有難うございます。
その暁には、あなたをはじめ、亜人協力国に忠誠を誓います。」
アーマートはその夜、
夢の中で姉マティーレと会話すると、
両種族にとってはいいことであり、
亜人共和国の国是を説明して了解を取り付けることができたならば、強くロンメル将軍と兄弟になることを勧められた。
翌日、アーマートの看護場に鹿島は訪れて、
「アーマート。俺はお前が虎種族の長になるのなら協力する。」
「姉から言われたのですね。」
「そうだが、本音は平和に虎種族を取り込みたい。それが本音だ。」
「ロンメルは休戦を申し込みたいようですが。」
「休戦か~。今停戦を求めることは、
敗北を意味するから、申し込めないのだろう。
ホルヘと相談しろ。二人に任せた。」
鹿島得意の丸投げである。
虎種族会合には、ホルヘとアーマートも参加した。
「今日からアーマート兄と俺は兄弟だ。
アーマート兄の後ろには、
兄であるカジマ提督と守り人ホルヘ殿に弟の俺が付いっている。
挑戦者には三人が付いているので、いつでも挑戦を受ける。
アーマート兄を指導者にふさわしくないと思う者は申し出よ。」
「俺の息子はアーマート様に助けられた。
俺もアーマート様の後ろに控える。」
「俺の弟も助かった。俺もアーマート様の後ろに立つ。」
と、会場内は熱気に包まれた。
反対意見や、挑戦者は一人も現れないので、
アーマートは全会一致で虎種族の指導者に迎えられた。
ホルヘは、
「アーマートくん。
若者たちをなるべく多く、医学校や職業訓練校に押し込め。」
と、アドバイスした。
アーマートを残して、救護に来ていただ皆は神降臨街に帰った。
着陸予定地上空をエアークッションしだした。
エアークラフト内から、
「ガス負傷者、六十。SOS。」と描かれた地上へ、
次々と完全装備の元陸戦隊が降下していった。
元陸戦隊は地上に着くと、
猫亜人衛生兵のエアークラフトが着陸できる範囲の外へ円形に散会した。
配置場所に着くと、直ぐに魔物の表皮楯を立てた。
表皮楯には銃座の為に開けた窪みがあり、
窪みにレーザー銃を乗せると、
腰を落として照明弾を全員が打ち上げた。
「あの中央に居るのが指揮官だな。」
「そうです。カジマ提督閣下です。」
「提督?なんでお前の為に指導者が出向くのだ。」
「兄弟だからでしょう。」
「猫が人間の指導者と兄弟?」
「因みに、真正面の人は私の姉の夫です。」
「お前やお前の家族は、一体何者だ。」
「ただの猫亜人です。」
ロンメルは不思議そうにアーマートを覗き込んでいる。
「迎えに行きましょうか。」
「しかしながら、俺は丸腰だ。」
「武器がなくても、私の首をねじ切ることができるでしょう。」
「あ~。たやすいことだ。」
と言って、二人は楯を構えているホルヘの方へ歩き出した。
「お兄様お迎えありがとうございます。
この方が虎種族の指導者ロンメル将軍です。
閣下に取り継いでください。」
「アーマートくん、無事か、怪我はしてないか?
マティーレが心配している。」
「同じ猫亜人同士です。心配はありません。銃を下ろしてください。」
「無断で誘拐する者たちを信用せよと?」
「切羽詰まった状況でしたようです。理解してあげましょう。」
「お前たち姉弟は優しいな。」
と、ホルヘは微笑んでレーザー銃を楯の影に隠した。
中央辺りに居た鹿島は、アーマート達の所へ駆けて来て、
「アーマート。大丈夫か?」
と、言って、抱き着いた。
「閣下。有難うございます。使徒様から連絡して頂いたみたいですね。」
「ガイア様は、何時もみんなを見てくださっている。」
「閣下。紹介します。ロンメル将軍です。」
鹿島とロンメルは互いに睨み合うだけであった。
「将軍。歓迎してください。」
「看護人なら歓迎しようが、攻め込んできた者達は歓迎できない。」
「俺らは、くそったれ守り人だ!攻め込んできた訳ではない。
この先の展開はお前次第だ。」
と、鹿島は見上げるように、怒り顔で巨体のロンメルをにらみつけた。
「二人共、病人の看護が優先でしょう。
閣下様、衛生兵の降下を許可してください。」
と、アーマートは二人の間に割って入った
鹿島はアーマートに微笑みながら頷いた。
衛生兵の乗ったエアークラフトが降りてくると、
アーマートはエアークラフトに駆け寄り、
遠巻きに見ているトラ顔達に手を振り招いた。
トラ顔達の手伝いで、
エアークラフトから次々と酸素ボンベが降ろされていった。
二棟に横たわっていた患者のうめき声は消えていて、
今は全員が眠りについている。
ロンメルは、眠っているまだ十四、五歳の子供の横にたたずんでいた。
アーマートはロンメルの横に近寄り、
「まだ子供なのに、戦場へ出てたのですか?」
と、非難めいた眼をロンメルに向けた。
「こやつには、こやつの事情があったのだ。」
と、ロンメルはアーマートから目をそらした。
ロンメルはアーマートから逃げるように、
背を向けて外へ出ていった。
陸戦隊は、
それぞれに衛生兵の入っている棟を二人ずつ配置していて、
鹿島と二人の陸戦隊は、
着陸している二機のエアークラフトの警護についていた。
木刀二本を持ったロンメルは、鹿島に近寄ってきて、
「一手お願いしたい。」
と言いながら、木刀を鹿島に渡した。
鹿島はニヤリと笑って、木刀を受け取った。
鹿島はめんどくさそうに、片手で木刀を中断に構えてにやけている。
鹿島の態度に、ロンメルは青筋を顔いっぱいに表している。
ロンメルは上段から打ち込んむと、
無防備で隙だらけの鹿島の頭を砕いたと思ったが、
そこには鹿島はいなくて、
相変らずめんどくさそうに鼻で笑いながら、
木刀が振り下ろされた場所から二メートル横に立っていた。
ロンメルには、何が起こったのか理解できない様子で狼狽しだした。
「次は組手だ!」
と言って、木刀を投げ捨てると、鹿島の両肩を掴みにかかった。
ロンメルは肩を掴んで引き倒すつもりが、
肩を掴もうとした瞬間両手首を鹿島につかまれた。
二人の力比べが始まったと思ったロンメルは、
掴んでた指をほどこうと、
渾身の力を込めて鹿島の親指方向へ手首をねじったが、
足に激痛が走りその身は宙に浮いていた。
子供と大人のような闘いは終わり、
ロンメルは地面に背中から落ちていた。
遠巻きに見ていたトラ顔の抜刀した衛士兵が、
ふたりの方へ駆けてくると、
「剣を鞘に戻せ!」
と、ロンメルは起き上がれないのか、
身体を横に向けようとしながら怒鳴った。
ロンメルはトラ顔の衛士兵に支えられながら、
「ご指導ありがとうございました。」
と言って、鹿島に頭を下げて、家屋の方へ帰っていった。
ロンメルはソファ―に沈み込んだまま、天井をにらんでいる。
「俺達は、何者と戦っているのだろうか?」
を呟くが、誰も反論する者は居なくて無言である。
「あの男の噂は、勇者か眷属なのではと聞いていたが、
どちらが正しいのだ。」
と再度ロンメルは、
周りにいる側近らに問いかけるが、周りの者たちはやはり無言である。
「誰か何か言ってくれ。」
と、周りを見渡すが、皆は互いに顔を向かい合わせるだけである。
「将軍様がなすすべがなかったのに、
われらにどう答えれと言われるのでしょう。」
と、おソロおソロと返事した者がいた。
「われらは、なぜ彼らと戦っているのだ?」
と、ロンメルは皆を見回した。
「森を守るためです。」
と、先程の男が答えた。
「俺達も、ご先祖様も自分達でこの森を守ってきたが、
彼等はこの森へ攻めてきたか?
ドドンパ国の要請で、応援しただけであったが、
逆に我が息子、わが親戚は毒ガスで被害にあった。
なんかおかしいだろう。」
皆はロンメル将軍が何かを言いたいのかを理解しだしていた。
「味方を攻撃するドドンパ国。
助けてくれる亜人協力国。
敵を再思考しなければならないようですね。」
と周りから声がしだした。
「ドドンパ国には、義理も恩もないが、
亜人協力国の同族には借ができたことは確かだ。」
「借りは返さなければなりません。」
「ドドンパ国との友好は大事だが、
手伝う必要は今回の被害で消滅した。皆はそれでいいか?」
「手の平を返すのは、われらの信条に反するが、
正当な理由があるので手を引くことは出来ます。」
「では、亜人共和国との休戦を申し込む。反対者はいるか?」
みんな無言である。
「休戦多数と思って良いか?」
「休戦賛成です。」
と言ってみんなは手を挙げた。
「な~兄弟。俺は年上だが、弟にしてくれないか?」
と、ロンメルはミントティーを飲みながら、アーマートに声がけした。
「俺たち種族は、簡単にその言葉を出せないことは、
承知でしょうか?」
「冗談で出せない言葉だとは、承知している。」
「理由を聞いても?」
「理由はいっぱいある。
ドドンパ国では、毒ガス被害者は寝たっきりになってるらしいが、
こちらではみんなが歩けるようになった。
同じ種族同士戦う理由はないのに、
俺らは亜人協力国に戦いを挑んだが、
亜人協力国に若者を助けてもらった恩が出来た。」
「では、虎種族は和睦したいと?」
「急に和睦はできないが、休戦ではどうだろうか?」
「そんな理由で、兄弟になる理由にはならないでしょう。」
「兄様になっていただくことで、
われらの指導者として皆に納得してもらえる。」
「俺が指導者?」
「それが本当の理由です。」
「あなたたち種族は、強いものが指導者だと聞いていたのですが?」
「貴方の兄様は強い。だが、種族が違うので支配者にはなれるが、
俺らの指導者にはなれない。
その弟は同じ種族なので、指導者になれる。
頼む、虎種族をまとめて、指導してくれ。」
「考える時間をくれ。」
「有難うございます。
その暁には、あなたをはじめ、亜人協力国に忠誠を誓います。」
アーマートはその夜、
夢の中で姉マティーレと会話すると、
両種族にとってはいいことであり、
亜人共和国の国是を説明して了解を取り付けることができたならば、強くロンメル将軍と兄弟になることを勧められた。
翌日、アーマートの看護場に鹿島は訪れて、
「アーマート。俺はお前が虎種族の長になるのなら協力する。」
「姉から言われたのですね。」
「そうだが、本音は平和に虎種族を取り込みたい。それが本音だ。」
「ロンメルは休戦を申し込みたいようですが。」
「休戦か~。今停戦を求めることは、
敗北を意味するから、申し込めないのだろう。
ホルヘと相談しろ。二人に任せた。」
鹿島得意の丸投げである。
虎種族会合には、ホルヘとアーマートも参加した。
「今日からアーマート兄と俺は兄弟だ。
アーマート兄の後ろには、
兄であるカジマ提督と守り人ホルヘ殿に弟の俺が付いっている。
挑戦者には三人が付いているので、いつでも挑戦を受ける。
アーマート兄を指導者にふさわしくないと思う者は申し出よ。」
「俺の息子はアーマート様に助けられた。
俺もアーマート様の後ろに控える。」
「俺の弟も助かった。俺もアーマート様の後ろに立つ。」
と、会場内は熱気に包まれた。
反対意見や、挑戦者は一人も現れないので、
アーマートは全会一致で虎種族の指導者に迎えられた。
ホルヘは、
「アーマートくん。
若者たちをなるべく多く、医学校や職業訓練校に押し込め。」
と、アドバイスした。
アーマートを残して、救護に来ていただ皆は神降臨街に帰った。
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