220 / 349
砲撃のパラディン大佐隊編(【05】の裏)
202【交換ついでに合同演習編107】合同演習一日目:間違ってはいない
しおりを挟む
【パラディン大佐隊・ミーティング室】
エリゴール、入室した瞬間に眉をひそめる。
エリゴール
「……チョコくさいな。誰かチョコ食ったか?」
フィリップス
「元四班長、鼻もいいな」
エリゴール、レラージュに気づいて一言。
エリゴール
「……犯人はおまえか」
レラージュ
「主犯は確かに俺ですが、共犯は複数います」
エリゴール
「何?」
フィリップス
「いやいや、俺がレラージュ副長に徳用チョコ一袋あげたんだよ。で、レラージュ副長がそのチョコをさらにうちの奴らに分け与えた」
一班長・ハワード
「分け与えた……まあ、間違ってはいないが……」
エリゴール
「もう一袋食いきったのか?」
レラージュ
「調子に乗って分け与えすぎました……」
フィリップス
「また今度あげるから、そのときは待機室に持ち帰るんだよ」
エリゴール
「……まだ十二班と六班が来てないのか。十二班はともかく、六班が俺より先に来てないなんて、何かあったのか?」
フィリップス
「さあ……想像はつかないでもないけどその隙に! 元四班長! 約束どおり、メモリカードの対戦ゲームのルール、教えてくれ!」
エリゴール
「メモリカード?」
フィリップス
「忘れたのか? 細かいルールは演習終わったら教えてくれるって言っただろ!」
エリゴール
「本気だったのか……」
フィリップス
「本気だったよ。メモリカードもほらこのとおり、これだけ用意した!」
エリゴール
「用意しすぎだろ……」
フィリップス
「六班と役立たず十二班が来る前に、早く教えてくれ!」
エリゴール
「ルールと言われてもな……別に公式にこれってもんはないが……とりあえず、使うメモリカードは同数だ。何枚でもかまわないが、今は十三枚にしておくか」
フィリップス
「ふむ。じゃあ、全部で二十六枚か。……よし、同数に分けたぞ。それから?」
エリゴール
「一枚は旗艦として、テーブルの端っこの中央に置く。置き方は自由だが、位置は必ずテーブルの中央。で、その周りに、今回の場合だったら十二枚のメモリカードを置く。これも置き方は自由だが、一度置き方を決めたら修正は不可だ。これと同じことを反対側のテーブルの端っこでもやる」
フィリップス
「ふむふむ。テーブルの端っこ中央か。……おとっつぁん、ちょっと隣に移動して」
一班長・ハワード
「あ、ああ……」
フィリップス
「どんなふうに置いても自由……じゃあ、こう置くか」
一班長・ハワード
「これは……四・四・四の〝凡人布陣〟……!」
フィリップス
「とにかく、何も考えずに並べてみた」
エリゴール
「じゃあ、俺も何も考えずに、あっちでこれと同じように並べてくる。……七班長、ちょっと場所貸してくれ」
七班長・カットナー
「は、はい!」
十一班長・ロノウェ
「……一班長、いったい何事だ?」
一班長・ハワード
「いや、今朝、元四班長がメモリカードの対戦ゲームしたことがあるって口を滑らせてな。それにフィリップスが食いついたんだ。こいつ、こういう遊びも大好きだから。……マクスウェル大佐隊で流行ってた遊びじゃないのか?」
十一班長・ロノウェ
「いやあ、俺は知らねえなあ。……四班限定で流行ってたのかね?」
レラージュ
「でも、マクスウェル大佐隊時代の元四班長が、こういう遊びをするとも思えませんが」
十一班長・ロノウェ
「じゃあ、訓練生時代か。どっちにしろ、よくやるな」
エリゴール
「……よし、俺も同じように置いた。本来だったら置き方は自由だから、一回だけ相手の布陣を見るチャンスがある。これだけ離れてたら、相手がどういう並べ方してるかわからないからな。フィリップス副長も信用できなかったら見にきていいぞ」
フィリップス
「わかった、見にいく」
エリゴール
「俺をよくわかってるな」
フィリップス
「……なるほど。旗艦もその前のメモリカードの位置もほぼ同じだな」
エリゴール
「次に、『帝国』と『連合』、先攻と後攻を決める。だいたいジャンケンして勝ったほうが両方決めるな」
フィリップス
「じゃあ、ジャンケン。……勝った。俺はスタンダードに『帝国』で先攻とるぜ」
エリゴール
「ジャンケン強いな……」
フィリップス
「おとっつぁんが人一倍弱いから、その分、俺が勝たないといけないんだよ。……この旗艦の前のメモリカードを一枚ずつ滑らせて、敵の旗艦をテーブルから落とせばいいんだよな?」
エリゴール
「そうだ。敵のメモリカードは、自分のメモリカードを動かさないようにして別にしておく。ローカルルールであえてそのままにしておくってのもありだが、最初は撤去していったほうがいいだろ」
フィリップス
「そうだな。じゃあ、俺は自軍に戻るぜ」
七班長・カットナー
「……これって、何ゲームって言うんですか?」
エリゴール
「さあ……俺らは単純に〝『帝国』と『連合』〟って言ってたが。ちなみに、テーブルの上を滑らせられる平べったいものなら、別にメモリカードじゃなくてもかまわない」
七班長・カットナー
「なるほど」
フィリップス
「それじゃ元四班長! 行くぜ!」
エリゴール
「どうぞ」
フィリップス
「おらあ!」
七班長・カットナー
「うわ、いきなり中央突破!」
九班長・ビショップ
「でも惜しい! カーブつけたから旗艦の脇に!」
フィリップス
「何ィ!?」
エリゴール
「じゃあ、今度は俺の番だな」
九班長・ビショップ
「え、旗艦の前のメモリカード滑らせるんですか?」
エリゴール
「そのほうが、向こうの旗艦狙いやすいだろ」
九班長・ビショップ
「は?」
エリゴール
「えーと……このへん……か!」
七班長・カットナー
「速ッ!」
九班長・ビショップ
「今のほんとにメモリカード!?」
フィリップス
「ぎゃー、玉突きで旗艦が落下した!」
エリゴール
「……というようなルールだ。以上」
フィリップス
「力業で来たな……」
エリゴール
「失礼な。まっすぐ滑らせるほうが難しい。試しにやってみろ」
フィリップス
「む、いつにもまして上から目線! でやっ!」
七班長・カットナー
「……あ、ほんとに曲がる」
フィリップス
「畜生! もう一戦!」
エリゴール
「駄目だ。約束どおり、ルールは教えたんだから、対戦はよそでやれ」
フィリップス
「よし、待機室に帰ったらやる!」
一班長・ハワード
「おまえ、今日は帰ったら他にやることがあるだろ」
フィリップス
「あ、そうか。うーん……よし、七班長!」
七班長・カットナー
「は、はい!」
フィリップス
「今から〝ストレート〟の練習する。ちゃんとまっすぐになってるかどうか、その席で見ててくれ。メモリカードは後で回収するから滑らせ返さなくていいぞ」
七班長・カットナー
「え……ええっ!?」
エリゴール
「〝ストレート〟とネーミングしたのか……」
一班長・ハワード
「こいつのネーミングもいつもストレート……」
フィリップス
「じゃあ行くぞ! ……この変態がっ!」
七班長・カットナー
「何ですか、その掛け声!」
レラージュ
「でも、間違ってはいません」
十一班長・ロノウェ
「ああ。間違ってないな」
エリゴール、入室した瞬間に眉をひそめる。
エリゴール
「……チョコくさいな。誰かチョコ食ったか?」
フィリップス
「元四班長、鼻もいいな」
エリゴール、レラージュに気づいて一言。
エリゴール
「……犯人はおまえか」
レラージュ
「主犯は確かに俺ですが、共犯は複数います」
エリゴール
「何?」
フィリップス
「いやいや、俺がレラージュ副長に徳用チョコ一袋あげたんだよ。で、レラージュ副長がそのチョコをさらにうちの奴らに分け与えた」
一班長・ハワード
「分け与えた……まあ、間違ってはいないが……」
エリゴール
「もう一袋食いきったのか?」
レラージュ
「調子に乗って分け与えすぎました……」
フィリップス
「また今度あげるから、そのときは待機室に持ち帰るんだよ」
エリゴール
「……まだ十二班と六班が来てないのか。十二班はともかく、六班が俺より先に来てないなんて、何かあったのか?」
フィリップス
「さあ……想像はつかないでもないけどその隙に! 元四班長! 約束どおり、メモリカードの対戦ゲームのルール、教えてくれ!」
エリゴール
「メモリカード?」
フィリップス
「忘れたのか? 細かいルールは演習終わったら教えてくれるって言っただろ!」
エリゴール
「本気だったのか……」
フィリップス
「本気だったよ。メモリカードもほらこのとおり、これだけ用意した!」
エリゴール
「用意しすぎだろ……」
フィリップス
「六班と役立たず十二班が来る前に、早く教えてくれ!」
エリゴール
「ルールと言われてもな……別に公式にこれってもんはないが……とりあえず、使うメモリカードは同数だ。何枚でもかまわないが、今は十三枚にしておくか」
フィリップス
「ふむ。じゃあ、全部で二十六枚か。……よし、同数に分けたぞ。それから?」
エリゴール
「一枚は旗艦として、テーブルの端っこの中央に置く。置き方は自由だが、位置は必ずテーブルの中央。で、その周りに、今回の場合だったら十二枚のメモリカードを置く。これも置き方は自由だが、一度置き方を決めたら修正は不可だ。これと同じことを反対側のテーブルの端っこでもやる」
フィリップス
「ふむふむ。テーブルの端っこ中央か。……おとっつぁん、ちょっと隣に移動して」
一班長・ハワード
「あ、ああ……」
フィリップス
「どんなふうに置いても自由……じゃあ、こう置くか」
一班長・ハワード
「これは……四・四・四の〝凡人布陣〟……!」
フィリップス
「とにかく、何も考えずに並べてみた」
エリゴール
「じゃあ、俺も何も考えずに、あっちでこれと同じように並べてくる。……七班長、ちょっと場所貸してくれ」
七班長・カットナー
「は、はい!」
十一班長・ロノウェ
「……一班長、いったい何事だ?」
一班長・ハワード
「いや、今朝、元四班長がメモリカードの対戦ゲームしたことがあるって口を滑らせてな。それにフィリップスが食いついたんだ。こいつ、こういう遊びも大好きだから。……マクスウェル大佐隊で流行ってた遊びじゃないのか?」
十一班長・ロノウェ
「いやあ、俺は知らねえなあ。……四班限定で流行ってたのかね?」
レラージュ
「でも、マクスウェル大佐隊時代の元四班長が、こういう遊びをするとも思えませんが」
十一班長・ロノウェ
「じゃあ、訓練生時代か。どっちにしろ、よくやるな」
エリゴール
「……よし、俺も同じように置いた。本来だったら置き方は自由だから、一回だけ相手の布陣を見るチャンスがある。これだけ離れてたら、相手がどういう並べ方してるかわからないからな。フィリップス副長も信用できなかったら見にきていいぞ」
フィリップス
「わかった、見にいく」
エリゴール
「俺をよくわかってるな」
フィリップス
「……なるほど。旗艦もその前のメモリカードの位置もほぼ同じだな」
エリゴール
「次に、『帝国』と『連合』、先攻と後攻を決める。だいたいジャンケンして勝ったほうが両方決めるな」
フィリップス
「じゃあ、ジャンケン。……勝った。俺はスタンダードに『帝国』で先攻とるぜ」
エリゴール
「ジャンケン強いな……」
フィリップス
「おとっつぁんが人一倍弱いから、その分、俺が勝たないといけないんだよ。……この旗艦の前のメモリカードを一枚ずつ滑らせて、敵の旗艦をテーブルから落とせばいいんだよな?」
エリゴール
「そうだ。敵のメモリカードは、自分のメモリカードを動かさないようにして別にしておく。ローカルルールであえてそのままにしておくってのもありだが、最初は撤去していったほうがいいだろ」
フィリップス
「そうだな。じゃあ、俺は自軍に戻るぜ」
七班長・カットナー
「……これって、何ゲームって言うんですか?」
エリゴール
「さあ……俺らは単純に〝『帝国』と『連合』〟って言ってたが。ちなみに、テーブルの上を滑らせられる平べったいものなら、別にメモリカードじゃなくてもかまわない」
七班長・カットナー
「なるほど」
フィリップス
「それじゃ元四班長! 行くぜ!」
エリゴール
「どうぞ」
フィリップス
「おらあ!」
七班長・カットナー
「うわ、いきなり中央突破!」
九班長・ビショップ
「でも惜しい! カーブつけたから旗艦の脇に!」
フィリップス
「何ィ!?」
エリゴール
「じゃあ、今度は俺の番だな」
九班長・ビショップ
「え、旗艦の前のメモリカード滑らせるんですか?」
エリゴール
「そのほうが、向こうの旗艦狙いやすいだろ」
九班長・ビショップ
「は?」
エリゴール
「えーと……このへん……か!」
七班長・カットナー
「速ッ!」
九班長・ビショップ
「今のほんとにメモリカード!?」
フィリップス
「ぎゃー、玉突きで旗艦が落下した!」
エリゴール
「……というようなルールだ。以上」
フィリップス
「力業で来たな……」
エリゴール
「失礼な。まっすぐ滑らせるほうが難しい。試しにやってみろ」
フィリップス
「む、いつにもまして上から目線! でやっ!」
七班長・カットナー
「……あ、ほんとに曲がる」
フィリップス
「畜生! もう一戦!」
エリゴール
「駄目だ。約束どおり、ルールは教えたんだから、対戦はよそでやれ」
フィリップス
「よし、待機室に帰ったらやる!」
一班長・ハワード
「おまえ、今日は帰ったら他にやることがあるだろ」
フィリップス
「あ、そうか。うーん……よし、七班長!」
七班長・カットナー
「は、はい!」
フィリップス
「今から〝ストレート〟の練習する。ちゃんとまっすぐになってるかどうか、その席で見ててくれ。メモリカードは後で回収するから滑らせ返さなくていいぞ」
七班長・カットナー
「え……ええっ!?」
エリゴール
「〝ストレート〟とネーミングしたのか……」
一班長・ハワード
「こいつのネーミングもいつもストレート……」
フィリップス
「じゃあ行くぞ! ……この変態がっ!」
七班長・カットナー
「何ですか、その掛け声!」
レラージュ
「でも、間違ってはいません」
十一班長・ロノウェ
「ああ。間違ってないな」
1
お気に入りに追加
64
あなたにおすすめの小説
俺の義兄弟が凄いんだが
kogyoku
BL
母親の再婚で俺に兄弟ができたんだがそれがどいつもこいつもハイスペックで、その上転校することになって俺の平凡な日常はいったいどこへ・・・
初投稿です。感想などお待ちしています。
目が覚めたら、妹の彼氏とつきあうことになっていた件
水野七緒
BL
一見チャラそうだけど、根はマジメな男子高校生・星井夏樹。
そんな彼が、ある日、現代とよく似た「別の世界(パラレルワールド)」の夏樹と入れ替わることに。
この世界の夏樹は、浮気性な上に「妹の彼氏」とお付き合いしているようで…?
※終わり方が2種類あります。9話目から分岐します。※続編「目が覚めたら、カノジョの兄に迫られていた件」連載中です(2022.8.14)
攻略対象者やメインキャラクター達がモブの僕に構うせいでゲーム主人公(ユーザー)達から目の敵にされています。
慎
BL
───…ログインしました。
無機質な音声と共に目を開けると、未知なる世界… 否、何度も見たことがある乙女ゲームの世界にいた。
そもそも何故こうなったのか…。経緯は人工頭脳とそのテクノロジー技術を使った仮想現実アトラクション体感型MMORPGのV Rゲームを開発し、ユーザーに提供していたのだけど、ある日バグが起きる───。それも、ウィルスに侵されバグが起きた人工頭脳により、ゲームのユーザーが現実世界に戻れなくなった。否、人質となってしまい、会社の命運と彼らの解放を掛けてゲームを作りストーリーと設定、筋書きを熟知している僕が中からバグを見つけ対応することになったけど…
ゲームさながら主人公を楽しんでもらってるユーザーたちに変に見つかって騒がれるのも面倒だからと、ゲーム案内人を使って、モブの配役に着いたはずが・・・
『これはなかなか… 面白い方ですね。正直、悪魔が勇者とか神子とか聖女とかを狙うだなんてベタすぎてつまらないと思っていましたが、案外、貴方のほうが楽しめそうですね』
「は…!?いや、待って待って!!僕、モブだからッッそれ、主人公とかヒロインの役目!!」
本来、主人公や聖女、ヒロインを襲撃するはずの上級悪魔が… なぜに、モブの僕に構う!?そこは絡まないでくださいっっ!!
『……また、お一人なんですか?』
なぜ、人間族を毛嫌いしているエルフ族の先代魔王様と会うんですかね…!?
『ハァ、子供が… 無茶をしないでください』
なぜ、隠しキャラのあなたが目の前にいるんですか!!!っていうか、こう見えて既に成人してるんですがッ!
「…ちょっと待って!!なんか、おかしい!主人公たちはあっっち!!!僕、モブなんで…!!」
ただでさえ、コミュ症で人と関わりたくないのに、バグを見つけてサクッと直す否、倒したら終わりだと思ってたのに… 自分でも気づかないうちにメインキャラクターたちに囲われ、ユーザー否、主人公たちからは睨まれ…
「僕、モブなんだけど」
ん゙ん゙ッ!?……あれ?もしかして、バレてる!?待って待って!!!ちょっ、と…待ってッ!?僕、モブ!!主人公あっち!!!
───だけど、これはまだ… ほんの序の口に過ぎなかった。
会社を辞めて騎士団長を拾う
あかべこ
BL
社会生活に疲れて早期リタイアした元社畜は、亡き祖父から譲り受けた一軒家に引っ越した。
その新生活一日目、自宅の前に現れたのは足の引きちぎれた自称・帝国の騎士団長だった……!え、この人俺が面倒見るんですか?
女装趣味のギリギリFIREおじさん×ガチムチ元騎士団長、になるはず。
なぜか第三王子と結婚することになりました
鳳来 悠
BL
第三王子が婚約破棄したらしい。そしておれに急に婚約話がやってきた。……そこまではいい。しかし何でその相手が王子なの!?会ったことなんて数えるほどしか───って、え、おれもよく知ってるやつ?身分偽ってたぁ!?
こうして結婚せざるを得ない状況になりました…………。
金髪碧眼王子様×黒髪無自覚美人です
ハッピーエンドにするつもり
長編とありますが、あまり長くはならないようにする予定です
弟いわく、ここは乙女ゲームの世界らしいです
慎
BL
――‥ 昔、あるとき弟が言った。此処はある乙女ゲームの世界の中だ、と。我が侯爵家 ハワードは今の代で終わりを迎え、父・母の散財により没落貴族に堕ちる、と… 。そして、これまでの悪事が晒され、父・母と共に令息である僕自身も母の息の掛かった婚約者の悪役令嬢と共に公開処刑にて断罪される… と。あの日、珍しく滑舌に喋り出した弟は予言めいた言葉を口にした――‥ 。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる