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第5章 束の間の休息(5日目)
5ー3 展望
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人として生まれたからには本当の世界を見たい。
ナラヤンの野望だ。
自分の曲がった性向を経ずストレートに、世界そのものを見たい。
それは真実を知ること、神を知ることと同意だ。
不遜だとはわかっている。古来ごく一部の聖仙や修行者にしか許されなかったことだ。
前世ではそれこそ象や狼だったかもしれない。蝿や蚊だったかもしれない。今、古からの神の科学が残る地に人間として生まれ落ちた以上、この人生で真実を見つけたい。
『私は友人だと思い、無礼にもいった。「おおクリシュナよ。おおサーダヴァよ。おお友よ」と。私があなたの偉大さを知らないで、不注意から、また親愛の情から言ったことを、あなたにお詫びする』
(バガヴァッド・ギーター11.41)
アルジュナは、友人として接していたクリシュナ神の中に世界の全てがあるのを見る僥倖を得た。
自分の友人はクリスチャンとムスリムだから彼らの中に宇宙普遍相を見せてくれることはない。だが得難い友人たちだ。
『俺たちこんなに違うのになんで一緒にいるんだろうな』
ある時アッバースが含みなく明るく言った。ナラヤンはぎょっとした。いずれ卒業して別々の大学に行く時が来る、と信じられないほど三人でいることは自然だった。
『違うからだろ?』
スティーブンはこともなく答えた。屈託のない笑顔が浮かんだ頬を今でもよく覚えている。土の上、動かなくなった骸ー
体を動かすのが好きなアッバース。分け隔てなく人に接し(ルチアーノの非難は心外だ!)自分が引っ張ろうとするのではなく回りから押し上げられる本物のリーダー、会うまでこのような人間がいるとは思わなかったスティーブン。
本の虫で図書館にこもっている時幸せを感じる、あまり前に出ていくタイプではない自分。
それほど違うのに一緒にいればとても楽しかった。
『また、散策したり寝たり坐ったり食事をしたりする間、あなた一人の時、または他人が見ている時、私がふざけてあなたに行った非礼を、計り知れぬあなたにお詫びする。不滅の方よ。』(同11.42)
今ナラヤンにはアルジュナの述懐がよくわかる。ふたりが友人としてふざけ合い、言葉を交わし行動を共にするのがどれだけ楽しい時間だったか。
クリシュナ神が宇宙普遍相を見せた時、アルジュナは友を失ったと思ったのだろうか?
スティーブンを失い、ナラヤンの胸にはぽかりと大きな穴が開いた。
彼の死について、アッバースは皆の面前で批判したことだけは悪いがルチアーノのせいではないと言う。ナラヤンは違う。不当な非難でメンツを失い身を隠そうとしなかったならスティーブンは謎の死を遂げることはなかった。奴が許せない。
本来は地味なナラヤンに女子が近付いて来るようになったのは二年くらい前からだ。
母と父のいいとこどりでいい顔になったからだろうと家では言われている。確かに整っている方で両親には感謝しているが、鏡の中に見慣れれば飽きる。
男らしいアッバースの顔の方が見た目として優れていると思うが、彼はそこは譲らない。
女性に対しナラヤンは少し距離を置いている。
もし世界の真実に身を捧げることが出来たなら。生涯女の人に触れることなく、最低限の所持物以外を持たず、修行者として人生を過ごすことが出来たなら。
それは夢だ。
男はナラヤン1人で後は妹たちばかりの家、後継ぎに出家は許されない。両親への恩に反する。
だがもし何か機会があったなら、例えば将来妹たちに家を継ぎたいという夫が現れたならー
現実は聖仙のように歩むどころか、今ここの真実が何かもわからず、口先ばかりで恐怖に怯えている。今日はその恐れの事情を話して出来る時にはアッバースにいてもらえるよう頼んだ。
昼前はまだいい。ランチが終わり午後が過ぎていけば、命の危険が近づくことを感じて胸が重くなる。何を選択するのが仲間と共に生き延びる正解なのかもわからない。
出来るのは祈ること。マントラを唱えること。
そしてこの暗中模索の行動全てを神に捧げることだけだ。
『しかし、ひたむきな信愛により、このような私を真に知り、見て、私に入ることができる。アルジュナよ。
私のための行為をし、私に専念し、私は信愛し、執着を離れ、すべてのものに対して敵意ない人は、まさに私に至る。アルジュナよ。』(同11.54ー55)
聖者の祝福も武士の守りもないのに人狼が昨夜誰も殺さなかったのは、象を襲撃しようとしたからだ。
「ルールからは、わたしはそれだけしか見つけられなかった」
アディティはぽそりと言った。
テーブルの上のルールの紙を集まっている人間で回しながらそれぞれに頷く。
とイジャイが指摘した。
「武士の守りとは違って、毎晩同じ人じゃ駄目だって書いてないよね。だったらさ、ここに人狼の人いるかもしれないけど、これからはずっと象の人を目標にしたら誰も殺さなくて済むんじゃね?」
ほおっと誰かのため息が聞こえた。
(それじゃ人狼は得をしない)
無言のテーブルを囲みアディティは思った。結局それを口にしたのはバーラムだった。そして、
「彼らはもう殺している。そこで納得するか?」
「殺したいんじゃないと思うの。だったら、そうするんじゃないかな?」
低いバーラムの声の後にマリアの甘く高めの声が響く。
「勝敗は村人と人狼の人数で決まるんだよね。これからも毎晩会議と処刑はあって、」
スレーシュは身を震わせ、
「ひとりずつ殺されていく。比率で言えば人狼はおれたち村人よりずっと少ないから、有利になる夜の『仕事』を放棄してくれるかどうか……」
「早い時期に亡くなった人たちの中にどれだけ人狼役がいたかにもよるけどね。少なくともキランが『象使い』、タヒラ、サニタ、それから『兄弟』で私のパートナーだったチャンダも村人。イジャイのパートナーだったパドミニもそう」
イジャイが頷く。
死者に村人が多かったなら、残った人間の中の人狼の比率は増しているとアディティは指摘した。
「それはどっちに転がる。俺たちが思っている以上に人狼側が有利だったとしたら、彼らはもう勝負を降りるか? それとも攻勢をかけるか?」
「わからない」
アッバースの問いに正直に答える。
「アディティいつもそればっかりじゃない」
「……そうかも」
シャキーラの突っ込みも肯定する。
ルールの全貌も本当の配役もわからない以上、わからないことの方が多いとアディティは思うが。
「失礼します。これから女子棟のお掃除に入りたいのですが大丈夫でしょうか」
ラジューがほうきを後ろ手に女子へ尋ねれば、
「見てくるね」
とマリアが飛んでいき、間もなく戻ってきてOKを出す。
連れ立って女子棟に向かうラジューとマリアに、
「マナーは守ってね」
スレーシュが声をかける。
「大丈夫。ロビーでニルマラが踊ってるから」
人目はある。アディティは即座に言った。
「また踊ってるの?」
イジャイが目を丸くする。
「今はカタックの練習だと思う」
見るともなくふたりの後ろ姿を見守る中、ナラヤンが言った。
「なあ。勝ち負けって言うけど負けたらどうなるんだ?」
皆で顔を見回した。
初日に勝者には賞金が与えられると告げられた。進学を控える自分たちには必要だろうと言ったところを見ると家に帰してもらえるのだろう。だが、
「敗者については何も言われてないよね」
シャキーラもつぶやく。
「金はもらえない。そこは間違いない」
とイジャイ。
「金があれば店の改修が出来るだろうな」
「オイ! 犯罪者の金だぞ」
仰ぐアッバースをナラヤンが注意する。
「そうだな。期待するのはよくねえ」
(もし勝者だけに金を渡して全員を解放したら、勝者と敗者の間で軋轢が起こる。まして勝者が人狼だったなら、殺人で警察に告発する者が出るだろう)
金をもらっていなければ口止めも何もない。同じクラスの中でと思えば身を切られる思いがするが、もう現実は変わってしまった。
(それなら、誰が勝者で敗者か告げずに解放する?)
そのためにここまでの大金をかけて大人数を長い日数監禁するだろうか。
口に出したくないのは敗者は連中に始末されるという結末だ。
だがコストを考えても、彼らの残酷さからも一番妥当だろう。
「最悪は殺される、かな」
誰も口にしないのなら、とアディティは自分が口を開き首輪を指した。
「それは考えるよな」
とっくに結論を得ていたのであろうナラヤンも言う。
「確かなことはわからねえ。なら希望はあるってことだ。勝とうが負けようが生き延びる方法を俺たちは考えようぜ!」
笑うアッバースに半分呆れる。半分はこの楽観がうらやましい。
頭に加えお腹も痛くなってきた。ちょっと洗面と軽く断って女子棟に向かうと、女子ひとりになるのを避けたかシャキーラもついて来る。
「夕飯ビリヤニにするんだよね。食材間に合いそう?」
「この人数になっちゃうとね」
問題ないとシャキーラは首を振る。
「ゲーム」で人数が減っていくことを前提で食材も準備されていた。スティーブンが心配した量も人員半減の今では五日目でも十分余裕がある。
(青菜はいずれしなびてきそう。いつまできちんと青菜炒め作れるかな……)
ああお腹痛いな。ニハーリーおいしすぎて暴食しちゃったかな?
無意識で腹を抑えた手をはっと戻す。渡り廊下を過ぎれば女子棟だ。
(誰も言わなかったけれど)
昨夜の事態は、人狼が象は誰かを突き止めた、と言うことでもある。
勝敗において人狼は(村人も)象が邪魔だ。だが象陣営の中でも「象」ひとりだけは人狼が夜殺害出来ない。ならば処刑させるしかない。
今夜の会議で執拗に誰かを処刑対象にしようとする動きがあれば、人狼と象が浮かび上がるかもしれない。
(ってわかっていれば口にするはずもないよね)
言えば彼らは動きを止めるか巧妙に隠す。
アディティにとって今夜は憂鬱でだが期待もしていた。
※バガヴァッド・ギーターの引用は『バガヴァッド・ギーター』上村勝彦訳 岩波文庫 1992.3 より
ナラヤンの野望だ。
自分の曲がった性向を経ずストレートに、世界そのものを見たい。
それは真実を知ること、神を知ることと同意だ。
不遜だとはわかっている。古来ごく一部の聖仙や修行者にしか許されなかったことだ。
前世ではそれこそ象や狼だったかもしれない。蝿や蚊だったかもしれない。今、古からの神の科学が残る地に人間として生まれ落ちた以上、この人生で真実を見つけたい。
『私は友人だと思い、無礼にもいった。「おおクリシュナよ。おおサーダヴァよ。おお友よ」と。私があなたの偉大さを知らないで、不注意から、また親愛の情から言ったことを、あなたにお詫びする』
(バガヴァッド・ギーター11.41)
アルジュナは、友人として接していたクリシュナ神の中に世界の全てがあるのを見る僥倖を得た。
自分の友人はクリスチャンとムスリムだから彼らの中に宇宙普遍相を見せてくれることはない。だが得難い友人たちだ。
『俺たちこんなに違うのになんで一緒にいるんだろうな』
ある時アッバースが含みなく明るく言った。ナラヤンはぎょっとした。いずれ卒業して別々の大学に行く時が来る、と信じられないほど三人でいることは自然だった。
『違うからだろ?』
スティーブンはこともなく答えた。屈託のない笑顔が浮かんだ頬を今でもよく覚えている。土の上、動かなくなった骸ー
体を動かすのが好きなアッバース。分け隔てなく人に接し(ルチアーノの非難は心外だ!)自分が引っ張ろうとするのではなく回りから押し上げられる本物のリーダー、会うまでこのような人間がいるとは思わなかったスティーブン。
本の虫で図書館にこもっている時幸せを感じる、あまり前に出ていくタイプではない自分。
それほど違うのに一緒にいればとても楽しかった。
『また、散策したり寝たり坐ったり食事をしたりする間、あなた一人の時、または他人が見ている時、私がふざけてあなたに行った非礼を、計り知れぬあなたにお詫びする。不滅の方よ。』(同11.42)
今ナラヤンにはアルジュナの述懐がよくわかる。ふたりが友人としてふざけ合い、言葉を交わし行動を共にするのがどれだけ楽しい時間だったか。
クリシュナ神が宇宙普遍相を見せた時、アルジュナは友を失ったと思ったのだろうか?
スティーブンを失い、ナラヤンの胸にはぽかりと大きな穴が開いた。
彼の死について、アッバースは皆の面前で批判したことだけは悪いがルチアーノのせいではないと言う。ナラヤンは違う。不当な非難でメンツを失い身を隠そうとしなかったならスティーブンは謎の死を遂げることはなかった。奴が許せない。
本来は地味なナラヤンに女子が近付いて来るようになったのは二年くらい前からだ。
母と父のいいとこどりでいい顔になったからだろうと家では言われている。確かに整っている方で両親には感謝しているが、鏡の中に見慣れれば飽きる。
男らしいアッバースの顔の方が見た目として優れていると思うが、彼はそこは譲らない。
女性に対しナラヤンは少し距離を置いている。
もし世界の真実に身を捧げることが出来たなら。生涯女の人に触れることなく、最低限の所持物以外を持たず、修行者として人生を過ごすことが出来たなら。
それは夢だ。
男はナラヤン1人で後は妹たちばかりの家、後継ぎに出家は許されない。両親への恩に反する。
だがもし何か機会があったなら、例えば将来妹たちに家を継ぎたいという夫が現れたならー
現実は聖仙のように歩むどころか、今ここの真実が何かもわからず、口先ばかりで恐怖に怯えている。今日はその恐れの事情を話して出来る時にはアッバースにいてもらえるよう頼んだ。
昼前はまだいい。ランチが終わり午後が過ぎていけば、命の危険が近づくことを感じて胸が重くなる。何を選択するのが仲間と共に生き延びる正解なのかもわからない。
出来るのは祈ること。マントラを唱えること。
そしてこの暗中模索の行動全てを神に捧げることだけだ。
『しかし、ひたむきな信愛により、このような私を真に知り、見て、私に入ることができる。アルジュナよ。
私のための行為をし、私に専念し、私は信愛し、執着を離れ、すべてのものに対して敵意ない人は、まさに私に至る。アルジュナよ。』(同11.54ー55)
聖者の祝福も武士の守りもないのに人狼が昨夜誰も殺さなかったのは、象を襲撃しようとしたからだ。
「ルールからは、わたしはそれだけしか見つけられなかった」
アディティはぽそりと言った。
テーブルの上のルールの紙を集まっている人間で回しながらそれぞれに頷く。
とイジャイが指摘した。
「武士の守りとは違って、毎晩同じ人じゃ駄目だって書いてないよね。だったらさ、ここに人狼の人いるかもしれないけど、これからはずっと象の人を目標にしたら誰も殺さなくて済むんじゃね?」
ほおっと誰かのため息が聞こえた。
(それじゃ人狼は得をしない)
無言のテーブルを囲みアディティは思った。結局それを口にしたのはバーラムだった。そして、
「彼らはもう殺している。そこで納得するか?」
「殺したいんじゃないと思うの。だったら、そうするんじゃないかな?」
低いバーラムの声の後にマリアの甘く高めの声が響く。
「勝敗は村人と人狼の人数で決まるんだよね。これからも毎晩会議と処刑はあって、」
スレーシュは身を震わせ、
「ひとりずつ殺されていく。比率で言えば人狼はおれたち村人よりずっと少ないから、有利になる夜の『仕事』を放棄してくれるかどうか……」
「早い時期に亡くなった人たちの中にどれだけ人狼役がいたかにもよるけどね。少なくともキランが『象使い』、タヒラ、サニタ、それから『兄弟』で私のパートナーだったチャンダも村人。イジャイのパートナーだったパドミニもそう」
イジャイが頷く。
死者に村人が多かったなら、残った人間の中の人狼の比率は増しているとアディティは指摘した。
「それはどっちに転がる。俺たちが思っている以上に人狼側が有利だったとしたら、彼らはもう勝負を降りるか? それとも攻勢をかけるか?」
「わからない」
アッバースの問いに正直に答える。
「アディティいつもそればっかりじゃない」
「……そうかも」
シャキーラの突っ込みも肯定する。
ルールの全貌も本当の配役もわからない以上、わからないことの方が多いとアディティは思うが。
「失礼します。これから女子棟のお掃除に入りたいのですが大丈夫でしょうか」
ラジューがほうきを後ろ手に女子へ尋ねれば、
「見てくるね」
とマリアが飛んでいき、間もなく戻ってきてOKを出す。
連れ立って女子棟に向かうラジューとマリアに、
「マナーは守ってね」
スレーシュが声をかける。
「大丈夫。ロビーでニルマラが踊ってるから」
人目はある。アディティは即座に言った。
「また踊ってるの?」
イジャイが目を丸くする。
「今はカタックの練習だと思う」
見るともなくふたりの後ろ姿を見守る中、ナラヤンが言った。
「なあ。勝ち負けって言うけど負けたらどうなるんだ?」
皆で顔を見回した。
初日に勝者には賞金が与えられると告げられた。進学を控える自分たちには必要だろうと言ったところを見ると家に帰してもらえるのだろう。だが、
「敗者については何も言われてないよね」
シャキーラもつぶやく。
「金はもらえない。そこは間違いない」
とイジャイ。
「金があれば店の改修が出来るだろうな」
「オイ! 犯罪者の金だぞ」
仰ぐアッバースをナラヤンが注意する。
「そうだな。期待するのはよくねえ」
(もし勝者だけに金を渡して全員を解放したら、勝者と敗者の間で軋轢が起こる。まして勝者が人狼だったなら、殺人で警察に告発する者が出るだろう)
金をもらっていなければ口止めも何もない。同じクラスの中でと思えば身を切られる思いがするが、もう現実は変わってしまった。
(それなら、誰が勝者で敗者か告げずに解放する?)
そのためにここまでの大金をかけて大人数を長い日数監禁するだろうか。
口に出したくないのは敗者は連中に始末されるという結末だ。
だがコストを考えても、彼らの残酷さからも一番妥当だろう。
「最悪は殺される、かな」
誰も口にしないのなら、とアディティは自分が口を開き首輪を指した。
「それは考えるよな」
とっくに結論を得ていたのであろうナラヤンも言う。
「確かなことはわからねえ。なら希望はあるってことだ。勝とうが負けようが生き延びる方法を俺たちは考えようぜ!」
笑うアッバースに半分呆れる。半分はこの楽観がうらやましい。
頭に加えお腹も痛くなってきた。ちょっと洗面と軽く断って女子棟に向かうと、女子ひとりになるのを避けたかシャキーラもついて来る。
「夕飯ビリヤニにするんだよね。食材間に合いそう?」
「この人数になっちゃうとね」
問題ないとシャキーラは首を振る。
「ゲーム」で人数が減っていくことを前提で食材も準備されていた。スティーブンが心配した量も人員半減の今では五日目でも十分余裕がある。
(青菜はいずれしなびてきそう。いつまできちんと青菜炒め作れるかな……)
ああお腹痛いな。ニハーリーおいしすぎて暴食しちゃったかな?
無意識で腹を抑えた手をはっと戻す。渡り廊下を過ぎれば女子棟だ。
(誰も言わなかったけれど)
昨夜の事態は、人狼が象は誰かを突き止めた、と言うことでもある。
勝敗において人狼は(村人も)象が邪魔だ。だが象陣営の中でも「象」ひとりだけは人狼が夜殺害出来ない。ならば処刑させるしかない。
今夜の会議で執拗に誰かを処刑対象にしようとする動きがあれば、人狼と象が浮かび上がるかもしれない。
(ってわかっていれば口にするはずもないよね)
言えば彼らは動きを止めるか巧妙に隠す。
アディティにとって今夜は憂鬱でだが期待もしていた。
※バガヴァッド・ギーターの引用は『バガヴァッド・ギーター』上村勝彦訳 岩波文庫 1992.3 より
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