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第二章ドラゴニア帝国編
いざ、夜の海へ
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錨を上げたり、マストの帆を張ったりと船員さんが忙しそうに動き回る甲板。
戦力外のミゲランヘルさん達と船員さんが蹴っ飛ばしそうで怖いと言う理由で船内にある船長室へと案内された。
羅針盤や海図、高そうな望遠鏡、船長さんの机などが置かれた部屋はあまり広いとは言えなかったけど、なんとか皆入る事が出来た。
机の上に海図を広げて船長さんとミゲランヘルさんがこれからの進路の確認とクラーケンに遭遇した場合の予測行動などを話し合っている。それにファンティーヌさんやエレンさんなんかの他のメンバーが加わる。
私はと言うと船長さんからクッキーを渡されたのでそれを食べている真っ最中。暗に戦力外通告されたわけなんだけど。
クッキー片手にクラーケンの場所が分かれば良いなと考えていたら目の前に半透明のポップアップ画面が展開して驚いた。
勢いよく皆を見てからまた勢いよく画面へという行動を三回位してから一旦落ち着き、特に私の不審な行動に気付いていない面々は恙無く話し合い中のようでホッとした。気を取り直して視線をポップアップ画面に戻すと画面にポツンと赤い点が移動している。
机の上の海図とポップアップ画面を見比べるとどうやら画面に映し出されているのは海図とそっくりな地形だ。
つまりこの画面は今現在の海を写しているのだろう。自分達のアイコンは緑色の矢印で画面の横には他へと切り替えられるボタンもあるみたい。触ってみると画面全体に大小様々な青い点が出現する。
説明書きらしきものを発見したので見てみるとどうやらこの青い点々は海の中の生物を表しているらしい。だとすると最初の赤い点がもしかしてクラーケンなのだろうか?
もう一度同じ所をタッチするとオンオフが切り替わり赤い点だけが残る。赤い点へと指を伸ばし長押しすると更にピックアップされる。
そこにはターゲットであるクラーケンの文字が記されてあった。これなら海図と睨み合いっこしなくて良いので便利だね。
「じぃじ」
ミゲランヘルさんに声をかけると直ぐに反応して此方を振り返った瞬間にガタタッと腰を抜かし、驚愕の表情になった。
「姫様、それは……」
「クラケンのばちょ」
指でツィっとスワイプすると画面が裏返りミゲランヘルさん達の正面を向く。
ヨロヨロと立ち上がり、じっとマップを睨むミゲランヘルさんや船長さんから何か言われるかとじっと見ているとふぃと私へと視線を落としてきた。
「姫様、これがあればクラーケン退治がとても楽になります。ですが、最初からお持ちだったのですか?」
「ううん、今」
「今!」
「あい、今でしゅ」
「姫様の規格外はいつもの事ですよ。先程だって急に羽根を生やしましたしね」
「羽根っ!?」
船長さんもビックリしている。そうだよね。驚くよね。はい。
戦力外のミゲランヘルさん達と船員さんが蹴っ飛ばしそうで怖いと言う理由で船内にある船長室へと案内された。
羅針盤や海図、高そうな望遠鏡、船長さんの机などが置かれた部屋はあまり広いとは言えなかったけど、なんとか皆入る事が出来た。
机の上に海図を広げて船長さんとミゲランヘルさんがこれからの進路の確認とクラーケンに遭遇した場合の予測行動などを話し合っている。それにファンティーヌさんやエレンさんなんかの他のメンバーが加わる。
私はと言うと船長さんからクッキーを渡されたのでそれを食べている真っ最中。暗に戦力外通告されたわけなんだけど。
クッキー片手にクラーケンの場所が分かれば良いなと考えていたら目の前に半透明のポップアップ画面が展開して驚いた。
勢いよく皆を見てからまた勢いよく画面へという行動を三回位してから一旦落ち着き、特に私の不審な行動に気付いていない面々は恙無く話し合い中のようでホッとした。気を取り直して視線をポップアップ画面に戻すと画面にポツンと赤い点が移動している。
机の上の海図とポップアップ画面を見比べるとどうやら画面に映し出されているのは海図とそっくりな地形だ。
つまりこの画面は今現在の海を写しているのだろう。自分達のアイコンは緑色の矢印で画面の横には他へと切り替えられるボタンもあるみたい。触ってみると画面全体に大小様々な青い点が出現する。
説明書きらしきものを発見したので見てみるとどうやらこの青い点々は海の中の生物を表しているらしい。だとすると最初の赤い点がもしかしてクラーケンなのだろうか?
もう一度同じ所をタッチするとオンオフが切り替わり赤い点だけが残る。赤い点へと指を伸ばし長押しすると更にピックアップされる。
そこにはターゲットであるクラーケンの文字が記されてあった。これなら海図と睨み合いっこしなくて良いので便利だね。
「じぃじ」
ミゲランヘルさんに声をかけると直ぐに反応して此方を振り返った瞬間にガタタッと腰を抜かし、驚愕の表情になった。
「姫様、それは……」
「クラケンのばちょ」
指でツィっとスワイプすると画面が裏返りミゲランヘルさん達の正面を向く。
ヨロヨロと立ち上がり、じっとマップを睨むミゲランヘルさんや船長さんから何か言われるかとじっと見ているとふぃと私へと視線を落としてきた。
「姫様、これがあればクラーケン退治がとても楽になります。ですが、最初からお持ちだったのですか?」
「ううん、今」
「今!」
「あい、今でしゅ」
「姫様の規格外はいつもの事ですよ。先程だって急に羽根を生やしましたしね」
「羽根っ!?」
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