転生したので好きに生きよう!

ゆっけ

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第二章ドラゴニア帝国編

いよいよ、出航

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 元ヒューマニ王国筆頭王宮魔術師マイルズさんから竜人がそもそも整った顔をしている人が多いのだと聞いた。なんでなのかは未だに分かってないらしいけど、竜人としての特性だとでも思ってたら言いよ、って言ってた。ざっくりしてるな。

「お前達がそのちっこいのと言っている方が今回のクラーケン討伐の要だ」

「マジかっ」

「うへっ」

「実は凄い魔術師とか?」

 やめて、矢鱈煽るの止めて!失敗とかしちゃった時の居たたまれなさを想像して絶望するしかないよ、私。

「此方にはアイゼンハワーの姫もいる。今回こそは奴を討ち取って烏賊祭りをするぞ!」

「烏賊!」

「待ってました!大将!」

「腹一杯食うぞ!!」

「苦手なんですけど」

「酒だ!浴びるように飲んでやる!!」

 これ、本当に普通の船かな?海賊船の間違いじゃないの?船長さんの横でどっしりと構えているミゲランヘルさんは何も言わない。今から闘気を高めているのか。

「姫様、安心して下さい」

「フィーねぇちゃ」

「彼等は安心信頼の海賊です」

 どこに安心要素があるのかな!一体何処を信頼するべきなのかな?海賊だよね。謂わば略奪者だよね!いや、某漫画とかだと楽しい一味だったけど。

「ニア、普通の漁船がクラーケン退治に嬉々として船を出してくれるわけないだろう」

 確かに!!そうでした。荒くれ者だって言っても所詮普通の漁師。そこいくと海賊は毎日が戦場。いつ敵に襲われ、また自分達が捕らえられるのかと気を張った集団。

 クラーケンの暴れる流れを先読みし、回避するなど造作もないことだろう。

「因みに毎回船は壊されてる」

 何処行った?安心と信頼が凄い勢いで遠ざかってる。もう、きっと彼等は戻ってこない。残されたのは震える不安という感情だけ…じゃかましいわ!

 はっ!最近、特に口が悪くなってる気がする。いかんいかん。私は幼児何も知らない無垢な子供。うん、よし。

「皆、褌を締めてかかれ!」

 皆、褌履いてんのかよっ!ミゲランヘルさんの号令で皆が一斉に服を脱ぎ、褌一丁に。何かの変態集団。

「ニア、見てはいけませんよ」

「姫、隠すか?」

 ありがとう。良識ある対応に私、うっかりときめきそう。

「ニア、凄くね?皆真っ裸だぞ」

「いつもの光景ですよ」

 スヴェンさん、真っ裸じゃない。ちゃんと下着は辛うじて着けている。後、ファンティーヌさん、ちょっと諦めたような表情しないで。帰ってきて。さあ、エレンさん、貴方の恋人を繋ぎ止めて。

「ふむっ。これが日常茶飯事の光景なのですか」

 納得した。どうしよう。この集団でツッコミは居ないのか。

「此処は変な人しか存在しちゃいけないのかな?」

 キナリさん。ありがとう。君だけが良心だよ。
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