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45 ホウレンソウは大事ですわ②
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私の言葉に一同から言葉が消え、部屋の中が一瞬にして静かになりました。
まぁ、「媚薬」と聞いて皆心穏やかではないでしょうね。
この国での禁止薬にされている「不幸を呼ぶ薬」。
ある「事件」をきっかけに禁止され、今では使用だけでなく所持すらも重罪となった薬物。
「過去を繰り返す訳にはいかんな」
アシェリーの王族としての顔。
久しぶりに見ましたわ…最近ぽやぽやしたお顔ばかりでしたから。
因みに「ある事件」とは、数代前の王家で起こった「とある男爵令嬢」と「当時の第一王子殿下」の引き起こした悲劇ですわ。
まぁ、いつの世でもおバカさんはいるもので、第一王子殿下は婚約者がいながら男爵令嬢と恋仲になり、その後侯爵令嬢だった婚約者様に婚約破棄を叩きつけるテンプレをなさいました。
まぁ、ですが父君である国王陛下から許可が出るはずもなく、第一王子殿下は結果男爵令嬢と引き離される事になりました。
そして、その後どうなったかと申しますと、引き離されて数日、王子殿下が発狂なさったのです。
当初は男爵令嬢との事が原因かと考えられましたが、医師が調べたところ、原因は「媚薬の過剰摂取による副作用」と言う事が分かりました。
そう、王子殿下は、男爵令嬢に媚薬を定期的に摂取させられていたのです。
毒薬と同等の媚薬は、使い方を誤ると使用者を廃人にしてしまいます。
結果、その後第一王子殿下は正気を取り戻す事が叶わず、王家所有の屋敷で亡くなるまで数人の使用人と過ごされたのですわ。
因みに男爵令嬢ですが、王子殿下に媚薬と言う毒を盛った罪で処刑されましたわ。
と言う事で、我が国ではそれ以来「媚薬」は禁止薬になりましたの。
「本当に、困ったお花畑ですわね」
無意識とは言え、媚薬と同等のものを作り出し、それを意中の人間に摂取させた。
まぁ、あの娘からしたらゲームのキーアイテム程度の考えなのでしょうが、実際は大問題ですわ。
「あの三馬鹿の家はどの家も名家ですのに、また同じ過ちを繰り返すどころか、もう時すでに遅しですわね」
次代の子息がことごとく無様に籠絡。
しかも今回の事案はもう救いようがない所まで行ってますし……はぁ、やはりこれは。
「………陛下が喜びそうだな」
あ、思っていましたがあえて口にしませんでしたのに……お兄様言っちゃいましたわね?
「マルク…あえて言わなかったのに、お前は…なんで口にするかなぁ」
ほら、アシェリーだって空気を読んでましたのに…兄様、そう言うトコですわよ?
普段からズバズバ発言なさるから、令嬢方に「氷薔薇の君」って二つ名をつけられますのよ?
全く、跡取りとしてもう少し自覚をもって頂きたいわ。
「兄様、少しはオブラートに包むなりなさいませ?そんなだから、令嬢方にしょっちゅう泣かれるんですわよ?」
「は?何を言う。だいたい私の地位と容姿にしか興味のない女など付き合うだけ無駄な時間だ。口を開けば自慢話や他人を卑下する言葉しか吐かん」
………やれやれですわ。
「兄様、そんな事言ってたら婚約出来ませんよ?」
あ…ヘンリー貴方その言葉は地雷ですわよ?
「……ヘンリー、お前は自分に婚約者がいるからと言う事での発言か?」
「え!いや、そうではなく!あ、兄様だってそろそろ「例のご令嬢」に……って、ヒィ!」
………ヘンリー、自業自得ですわ。
兄様に想い人がいるのは、近親者なら皆知っていますが、彼女は今隣国に留学中。
帰国をずっと待っている状態ですのに、あえてソコを突かなくても。
「……ジャレてないで話を戻すぞ?」
ナイスタイミングでアシェリーですわ。
アシェ自身、現在頭の中は「したり顔の陛下」でいっぱいでしょうが、仕方ないと諦めている様ですわね。
なんせあの腹黒陛下ですから、悩むだけ心を疲弊させるだけですわ。
「で、今後の方針ですわね?」
「あぁ、フィオはどうするつもりなんだ?私はなるべくなら早めにこの茶番を終わらせたいんだが……気持ち悪くて敵わん」
まぁ、アシェリーはそうでしょうね。
「そうですわね。私もそろそろ次のステップに移行しようかと考えていたところです。それについては「彼女」に協力を願うつもりですわ」
そう、少し前に別邸に家族と出かけた時に「奇跡的」に出会った「彼女」に。
「何故…と聞いていいのかしら?」
そう言いながら、私の膝に視線を落とすベルバラ。
「ふふっ、勿論よ」
部屋に入り、ソファーに腰掛けた時から膝に抱く「彼女」の背をひとなでしながら、私は今後の計画を口にいたしました。
まぁ、結果各々の反応は上々。
皆の反対もありませんでしたので、このまま小娘達を地獄まで一気にご案内と言う形になりましたわ。
まぁ、「媚薬」と聞いて皆心穏やかではないでしょうね。
この国での禁止薬にされている「不幸を呼ぶ薬」。
ある「事件」をきっかけに禁止され、今では使用だけでなく所持すらも重罪となった薬物。
「過去を繰り返す訳にはいかんな」
アシェリーの王族としての顔。
久しぶりに見ましたわ…最近ぽやぽやしたお顔ばかりでしたから。
因みに「ある事件」とは、数代前の王家で起こった「とある男爵令嬢」と「当時の第一王子殿下」の引き起こした悲劇ですわ。
まぁ、いつの世でもおバカさんはいるもので、第一王子殿下は婚約者がいながら男爵令嬢と恋仲になり、その後侯爵令嬢だった婚約者様に婚約破棄を叩きつけるテンプレをなさいました。
まぁ、ですが父君である国王陛下から許可が出るはずもなく、第一王子殿下は結果男爵令嬢と引き離される事になりました。
そして、その後どうなったかと申しますと、引き離されて数日、王子殿下が発狂なさったのです。
当初は男爵令嬢との事が原因かと考えられましたが、医師が調べたところ、原因は「媚薬の過剰摂取による副作用」と言う事が分かりました。
そう、王子殿下は、男爵令嬢に媚薬を定期的に摂取させられていたのです。
毒薬と同等の媚薬は、使い方を誤ると使用者を廃人にしてしまいます。
結果、その後第一王子殿下は正気を取り戻す事が叶わず、王家所有の屋敷で亡くなるまで数人の使用人と過ごされたのですわ。
因みに男爵令嬢ですが、王子殿下に媚薬と言う毒を盛った罪で処刑されましたわ。
と言う事で、我が国ではそれ以来「媚薬」は禁止薬になりましたの。
「本当に、困ったお花畑ですわね」
無意識とは言え、媚薬と同等のものを作り出し、それを意中の人間に摂取させた。
まぁ、あの娘からしたらゲームのキーアイテム程度の考えなのでしょうが、実際は大問題ですわ。
「あの三馬鹿の家はどの家も名家ですのに、また同じ過ちを繰り返すどころか、もう時すでに遅しですわね」
次代の子息がことごとく無様に籠絡。
しかも今回の事案はもう救いようがない所まで行ってますし……はぁ、やはりこれは。
「………陛下が喜びそうだな」
あ、思っていましたがあえて口にしませんでしたのに……お兄様言っちゃいましたわね?
「マルク…あえて言わなかったのに、お前は…なんで口にするかなぁ」
ほら、アシェリーだって空気を読んでましたのに…兄様、そう言うトコですわよ?
普段からズバズバ発言なさるから、令嬢方に「氷薔薇の君」って二つ名をつけられますのよ?
全く、跡取りとしてもう少し自覚をもって頂きたいわ。
「兄様、少しはオブラートに包むなりなさいませ?そんなだから、令嬢方にしょっちゅう泣かれるんですわよ?」
「は?何を言う。だいたい私の地位と容姿にしか興味のない女など付き合うだけ無駄な時間だ。口を開けば自慢話や他人を卑下する言葉しか吐かん」
………やれやれですわ。
「兄様、そんな事言ってたら婚約出来ませんよ?」
あ…ヘンリー貴方その言葉は地雷ですわよ?
「……ヘンリー、お前は自分に婚約者がいるからと言う事での発言か?」
「え!いや、そうではなく!あ、兄様だってそろそろ「例のご令嬢」に……って、ヒィ!」
………ヘンリー、自業自得ですわ。
兄様に想い人がいるのは、近親者なら皆知っていますが、彼女は今隣国に留学中。
帰国をずっと待っている状態ですのに、あえてソコを突かなくても。
「……ジャレてないで話を戻すぞ?」
ナイスタイミングでアシェリーですわ。
アシェ自身、現在頭の中は「したり顔の陛下」でいっぱいでしょうが、仕方ないと諦めている様ですわね。
なんせあの腹黒陛下ですから、悩むだけ心を疲弊させるだけですわ。
「で、今後の方針ですわね?」
「あぁ、フィオはどうするつもりなんだ?私はなるべくなら早めにこの茶番を終わらせたいんだが……気持ち悪くて敵わん」
まぁ、アシェリーはそうでしょうね。
「そうですわね。私もそろそろ次のステップに移行しようかと考えていたところです。それについては「彼女」に協力を願うつもりですわ」
そう、少し前に別邸に家族と出かけた時に「奇跡的」に出会った「彼女」に。
「何故…と聞いていいのかしら?」
そう言いながら、私の膝に視線を落とすベルバラ。
「ふふっ、勿論よ」
部屋に入り、ソファーに腰掛けた時から膝に抱く「彼女」の背をひとなでしながら、私は今後の計画を口にいたしました。
まぁ、結果各々の反応は上々。
皆の反対もありませんでしたので、このまま小娘達を地獄まで一気にご案内と言う形になりましたわ。
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