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第一章 輝葬師
二幕 「ラフ・フローゼル」 三
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3人はガフディに案内され宿の中に入った。
中は先ほど泊まろうとした宿とは比べ物にならないほど綺麗に手入れされており、カウンターや休憩スペースに飾ってある花も愛らしい。
ガフディはカウンターの受付にいた若い女性に挨拶をし、ダイニングに入る旨を伝えて奥に進む。
ダイニングはなかなかに広く、4人掛けのテーブルが4セット、かなり余裕をもって並べられていた。
既に他の兵士達が食事を始めていたが、窓際のテーブルが一つだけ空いていたため、そのテーブル席に椅子を一つ追加してハインツ、ガフディ、ヴェルノ、アス、ジゼルが卓についた。
ハインツは耳をこちらにむけてはいるものの、腕組みをしてそっぽを向いている。
程なくして宿の者が料理を運んできた。
「しかし珍しいな、王都の兵士が宿を利用するなんて。通常なら村の外に陣を敷いて自炊でもするもんだろうに」
「ああ、本来ならそうすべきなんだが。今回は兎にも角にも現地に早く来てもらうことを優先したから、必要な物は現地調達という運びになったんだよ。一般の旅人に迷惑をかけていることは申し訳ないとこだが」
ヴェルノとガフディが会話している間に、店の者がテキパキと配膳を行う。配膳が完了したところで店の者は一礼して、奥に下がっていった。
アスの目の前には上品に盛り付けられた料理がならび、その料理が放つ香りが食欲をそそった。
「食べていい?」
ジゼルがおずおずとガフディに尋ねる。最早、我慢ができなかったのかそう尋ねた彼女の手は既に食卓のパンをつかんでいた。
「どうぞ」
ガフディが微笑みながらそう言うと、ジゼルの表情は一気ににこやかになり、早速目の前の料理を口に運び始めた。
「おいしい!」
ジゼルの至福ともいえるような声を聞きながら、アスもいただきますと姉にならって目の前の料理を食べ始めた。
その姿を横目に見ながらガフディが話を再開した。
「さて、話を続けよう。今回輝葬した人物はビガスという20代の男性だ。王都の研究者で植物の資料採取のためにこの村の近辺の森に出入りしていたようだ。死因はラフ・フローゼルの毒針、太ももの裏に刺された跡もあった」
「ラフ・フローゼルの毒針?確か致死性はかなり低いはず。若い男性が亡くなることなんてまずないと思うが。・・・いや、可能性は一つだけあるか」
少し話を聞いただけだったが、ヴェルノの頭には一つの可能性が浮かび上がったようで、その様子をみたガフディが静かに頷いた。
「ああ、輝葬の際に本人の記憶を見て確認したから間違いない。真紅の蕾をつけた花にやられていた」
「やはり真紅の蕾か、確かにマズいな」
「真紅の蕾?」
食事をしながら黙って二人の会話を聞いていたアスだが、好奇心が抑えられず、二人の会話に割って入った。
「ん?ん~そうだな。アスとジゼルにも簡単に説明しておこうか。ガフディすまない、ちょっと時間をもらうな」
ガフディは頷き、一旦話の主導権をヴェルノに譲る。
ヴェルノはガフディに対して、すまんなと自身の顔の前で小さく手刀を切ってから、二人に説明を始めた。
「ラフ・フローゼルという花は動植類に分類され、全長でおよそ3メートル程度の大きさがある。普段は黄色の蕾をつけて黄色の花を咲かすんだ。外敵を排除するために毒針がついた触手で攻撃してくることがあるが、刺されても多少腫れ上がる程度で致死性はさほど高くない。だけど、ごく稀に真紅の蕾をつける時があって、その場合は毒針の致死性が格段に跳ね上がるんだ。今回の亡くなった人はその真紅の蕾を持ったラフ・フローゼルの被害者ということになる」
ヴェルノがそこまで説明すると続けてガフディ話を始めた。
「そして一番厄介なのが花が咲いた場合だ。花が咲いた場合、凶暴化するとともに極めて短い期間で大量に繁殖するため、一帯の生態系が崩壊してしまう。歴史上、発見が遅れたことで山間の村が地図から消えたこともあるくらいだ。だから、できれば花が咲く前、咲いたとしても迅速に処理することが重要になる。中隊が今回の対象を発見した時には残念ながら既に花は咲いてしまっていたが、幸いなことに咲いてからそこまでの日数は経過していなかった。だから中隊で十分駆除できるはずだったんだが・・・」
ガフディが腕を組み、険しい顔をして言葉を詰まらせる。
「駆除できなかったの?」
アスが問うとガフディは静かに頷いた。
「繁殖した中に一匹、恐ろしくでかい奴がいる」
ここまでそっぽを向いて黙っていたハインツが急に皆の方を向いて口を挟んできた。その言に応じて皆がハインツの方を見る。
「そいつの触手は数が多く動きも異常に速くて、誰も近づくことが出来なかった。遠距離で攻撃しても本体自体がかなり堅くて致命傷にならない。不甲斐ない話だがこの中隊では対処することが出来ず、そいつがいる区画だけを残してやむなく撤収してきたんだ。あんな花ごときに・・・クソッ!」
ハインツは自身の実力で駆除できなかったことがよほど悔しかったのかその表情は次第に気色ばみ、拳を強く握りしめていた。
アスは最初に会った時からハインツがイライラしているように感じていたが、話を聞いてその理由に合点がいった。
「それでハインツの報告を聞いた後、すぐに王都に応援を要請したんだが、到着まで時間がかかるし、そもそも対処できるだけの手練れがすぐ動けるかわからない。時間がかかれば花の繁殖が進み状況が更に悪化するかもしれないし、どうしたものかと思案していたところに、ヴェルノ達が現れたってわけさ。俺にとっては正に僥倖とも言えるがな」
現状を聞いたヴェルノは、ガフディの意図を理解したようで大きく頷いた。
「なるほどな。中隊が来るくらいだから人手が必要な事案だろうし、少しでも手助けしようかと思ってここに来たんだが、来てよかった。その件は俺たちが対応しよう」
ハインツはテーブルを叩きつけ、その場に立ち上がった。
「おまえ話を聞いていたのか!?たかだか鴉風情がどうにかできるような簡単な話じゃないんだぞ!」
ハインツがヴェルノを睨みつけながら怒鳴る。周りで食事をしていた兵士や宿の従業員は突然の怒鳴り声に凍りついた。
「落ち着けハインツ。みんなすまない、なんでもないから食事を続けてくれ」
ガフディはすぐに周囲を落ち着かせると、大きなため息をついてから、ハインツに座るよう促した。
ハインツは乱れた呼吸を整えつつ、自分の席に座るが、まだ怒りは治まっていない様子で、フーフーと荒い呼吸をしている。
「ハインツ、お前はヴェルノのことを知らないかもしれないが、彼以上の実力者は王都でもそうはいないよ。・・・ヴェルノ、助かるよ。ありがとう」
「ああ、気にせずに任せてくれ。ただ、出発は明日の昼ごろでもいいか?流石に少し体を休めたい」
ヴェルノは自分の肩を軽く揉む仕草をした。
「ああ、それで問題ないよ。明日駆除できるなら十分に早い対応だ。もし必要な物があれば言ってくれ。それもこちらで準備しておこう。あと知っての通り、俺は戦闘はからっきしだから現場には行けない。危険な場所だから道案内には、そうだな・・・ハインツ、頼めるか?」
ハインツは背もたれによしかかり腕を組んで大きく息を吐いた。
「いいよ。但し、失敗するようならそこの鴉は俺の前で二度とでかい口を叩くなよ」
まだ怒りが治まらない様子のハインツはヴェルノに対して、露骨に悪態をついた。
「ははは、だいぶ嫌われてしまったな」
「すまないな、根はいいやつなんだが」
ガフディはヴェルノに対して申し訳なさそうな表情を見せた。
「とりあえず、細かいことは食事の後で打ち合わせをしよう。ヴェルノ、よかったら宿はここを使ってくれ。3人が泊まれる部屋をひとつ準備するように手配しておくよ」
「ほんと!?」
今までのやりとりに我関せずの状態で食事を続けていたジゼルがその言葉に食いついた。
「助かるよガフディ。実は宿がなくて困っていたとこでもあったんだ」
「なんだそうだったのか。それなら、なおのことよかった。ゆっくり休んでくれ」
「ありがとう!ガフディさん!」
ジゼルは満面の笑みを浮かべる。
「ありがとうございます」
アスも姉にならってお礼を言うとガフディに頭を下げた。
「君たちのお父さんに力を貸してもらうんだ、こちらこそ感謝したいくらいだよ。さぁこの話は終わりにして、あとは料理を楽しもう」
目下の問題に解決の目処がたったこともあってか、ガフディの表情は自然と和らいでいた。
中は先ほど泊まろうとした宿とは比べ物にならないほど綺麗に手入れされており、カウンターや休憩スペースに飾ってある花も愛らしい。
ガフディはカウンターの受付にいた若い女性に挨拶をし、ダイニングに入る旨を伝えて奥に進む。
ダイニングはなかなかに広く、4人掛けのテーブルが4セット、かなり余裕をもって並べられていた。
既に他の兵士達が食事を始めていたが、窓際のテーブルが一つだけ空いていたため、そのテーブル席に椅子を一つ追加してハインツ、ガフディ、ヴェルノ、アス、ジゼルが卓についた。
ハインツは耳をこちらにむけてはいるものの、腕組みをしてそっぽを向いている。
程なくして宿の者が料理を運んできた。
「しかし珍しいな、王都の兵士が宿を利用するなんて。通常なら村の外に陣を敷いて自炊でもするもんだろうに」
「ああ、本来ならそうすべきなんだが。今回は兎にも角にも現地に早く来てもらうことを優先したから、必要な物は現地調達という運びになったんだよ。一般の旅人に迷惑をかけていることは申し訳ないとこだが」
ヴェルノとガフディが会話している間に、店の者がテキパキと配膳を行う。配膳が完了したところで店の者は一礼して、奥に下がっていった。
アスの目の前には上品に盛り付けられた料理がならび、その料理が放つ香りが食欲をそそった。
「食べていい?」
ジゼルがおずおずとガフディに尋ねる。最早、我慢ができなかったのかそう尋ねた彼女の手は既に食卓のパンをつかんでいた。
「どうぞ」
ガフディが微笑みながらそう言うと、ジゼルの表情は一気ににこやかになり、早速目の前の料理を口に運び始めた。
「おいしい!」
ジゼルの至福ともいえるような声を聞きながら、アスもいただきますと姉にならって目の前の料理を食べ始めた。
その姿を横目に見ながらガフディが話を再開した。
「さて、話を続けよう。今回輝葬した人物はビガスという20代の男性だ。王都の研究者で植物の資料採取のためにこの村の近辺の森に出入りしていたようだ。死因はラフ・フローゼルの毒針、太ももの裏に刺された跡もあった」
「ラフ・フローゼルの毒針?確か致死性はかなり低いはず。若い男性が亡くなることなんてまずないと思うが。・・・いや、可能性は一つだけあるか」
少し話を聞いただけだったが、ヴェルノの頭には一つの可能性が浮かび上がったようで、その様子をみたガフディが静かに頷いた。
「ああ、輝葬の際に本人の記憶を見て確認したから間違いない。真紅の蕾をつけた花にやられていた」
「やはり真紅の蕾か、確かにマズいな」
「真紅の蕾?」
食事をしながら黙って二人の会話を聞いていたアスだが、好奇心が抑えられず、二人の会話に割って入った。
「ん?ん~そうだな。アスとジゼルにも簡単に説明しておこうか。ガフディすまない、ちょっと時間をもらうな」
ガフディは頷き、一旦話の主導権をヴェルノに譲る。
ヴェルノはガフディに対して、すまんなと自身の顔の前で小さく手刀を切ってから、二人に説明を始めた。
「ラフ・フローゼルという花は動植類に分類され、全長でおよそ3メートル程度の大きさがある。普段は黄色の蕾をつけて黄色の花を咲かすんだ。外敵を排除するために毒針がついた触手で攻撃してくることがあるが、刺されても多少腫れ上がる程度で致死性はさほど高くない。だけど、ごく稀に真紅の蕾をつける時があって、その場合は毒針の致死性が格段に跳ね上がるんだ。今回の亡くなった人はその真紅の蕾を持ったラフ・フローゼルの被害者ということになる」
ヴェルノがそこまで説明すると続けてガフディ話を始めた。
「そして一番厄介なのが花が咲いた場合だ。花が咲いた場合、凶暴化するとともに極めて短い期間で大量に繁殖するため、一帯の生態系が崩壊してしまう。歴史上、発見が遅れたことで山間の村が地図から消えたこともあるくらいだ。だから、できれば花が咲く前、咲いたとしても迅速に処理することが重要になる。中隊が今回の対象を発見した時には残念ながら既に花は咲いてしまっていたが、幸いなことに咲いてからそこまでの日数は経過していなかった。だから中隊で十分駆除できるはずだったんだが・・・」
ガフディが腕を組み、険しい顔をして言葉を詰まらせる。
「駆除できなかったの?」
アスが問うとガフディは静かに頷いた。
「繁殖した中に一匹、恐ろしくでかい奴がいる」
ここまでそっぽを向いて黙っていたハインツが急に皆の方を向いて口を挟んできた。その言に応じて皆がハインツの方を見る。
「そいつの触手は数が多く動きも異常に速くて、誰も近づくことが出来なかった。遠距離で攻撃しても本体自体がかなり堅くて致命傷にならない。不甲斐ない話だがこの中隊では対処することが出来ず、そいつがいる区画だけを残してやむなく撤収してきたんだ。あんな花ごときに・・・クソッ!」
ハインツは自身の実力で駆除できなかったことがよほど悔しかったのかその表情は次第に気色ばみ、拳を強く握りしめていた。
アスは最初に会った時からハインツがイライラしているように感じていたが、話を聞いてその理由に合点がいった。
「それでハインツの報告を聞いた後、すぐに王都に応援を要請したんだが、到着まで時間がかかるし、そもそも対処できるだけの手練れがすぐ動けるかわからない。時間がかかれば花の繁殖が進み状況が更に悪化するかもしれないし、どうしたものかと思案していたところに、ヴェルノ達が現れたってわけさ。俺にとっては正に僥倖とも言えるがな」
現状を聞いたヴェルノは、ガフディの意図を理解したようで大きく頷いた。
「なるほどな。中隊が来るくらいだから人手が必要な事案だろうし、少しでも手助けしようかと思ってここに来たんだが、来てよかった。その件は俺たちが対応しよう」
ハインツはテーブルを叩きつけ、その場に立ち上がった。
「おまえ話を聞いていたのか!?たかだか鴉風情がどうにかできるような簡単な話じゃないんだぞ!」
ハインツがヴェルノを睨みつけながら怒鳴る。周りで食事をしていた兵士や宿の従業員は突然の怒鳴り声に凍りついた。
「落ち着けハインツ。みんなすまない、なんでもないから食事を続けてくれ」
ガフディはすぐに周囲を落ち着かせると、大きなため息をついてから、ハインツに座るよう促した。
ハインツは乱れた呼吸を整えつつ、自分の席に座るが、まだ怒りは治まっていない様子で、フーフーと荒い呼吸をしている。
「ハインツ、お前はヴェルノのことを知らないかもしれないが、彼以上の実力者は王都でもそうはいないよ。・・・ヴェルノ、助かるよ。ありがとう」
「ああ、気にせずに任せてくれ。ただ、出発は明日の昼ごろでもいいか?流石に少し体を休めたい」
ヴェルノは自分の肩を軽く揉む仕草をした。
「ああ、それで問題ないよ。明日駆除できるなら十分に早い対応だ。もし必要な物があれば言ってくれ。それもこちらで準備しておこう。あと知っての通り、俺は戦闘はからっきしだから現場には行けない。危険な場所だから道案内には、そうだな・・・ハインツ、頼めるか?」
ハインツは背もたれによしかかり腕を組んで大きく息を吐いた。
「いいよ。但し、失敗するようならそこの鴉は俺の前で二度とでかい口を叩くなよ」
まだ怒りが治まらない様子のハインツはヴェルノに対して、露骨に悪態をついた。
「ははは、だいぶ嫌われてしまったな」
「すまないな、根はいいやつなんだが」
ガフディはヴェルノに対して申し訳なさそうな表情を見せた。
「とりあえず、細かいことは食事の後で打ち合わせをしよう。ヴェルノ、よかったら宿はここを使ってくれ。3人が泊まれる部屋をひとつ準備するように手配しておくよ」
「ほんと!?」
今までのやりとりに我関せずの状態で食事を続けていたジゼルがその言葉に食いついた。
「助かるよガフディ。実は宿がなくて困っていたとこでもあったんだ」
「なんだそうだったのか。それなら、なおのことよかった。ゆっくり休んでくれ」
「ありがとう!ガフディさん!」
ジゼルは満面の笑みを浮かべる。
「ありがとうございます」
アスも姉にならってお礼を言うとガフディに頭を下げた。
「君たちのお父さんに力を貸してもらうんだ、こちらこそ感謝したいくらいだよ。さぁこの話は終わりにして、あとは料理を楽しもう」
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