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ムーン大陸でも国造り
外の世界が少し騒がしくなってきたようですね
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このムーン大陸に国ごと転移してきてから中の世界の時間で既に7年ほど経っている。
外の世界は中の約80倍速だから、600年ほど経っていることになる。
魔人の一部はまだ転移前から生きている人もいるようだが、人間の王家でいえば転移時の王族から既に10数代目になり、転移前の記憶なんて伝説や古文書レベルでしか残っていないのが実情だ。
転移した当時はお互いに助け合いながら国を作って生活基盤を作っていたんだけど、それらが十分に整ってきて年月が過ぎると、人間の悪い部分が出てくる。
そう、国同士で諍いが起き出したのだ。
元々そうならないように中の世界に各国の王族を置いて、各国の王族から選ばれる巫女を介して外の世界を上手く運営してきたんだけど、人間の欲望って奴はどうしようもないね。
まずはフェイクお告げ事件。
巫女を篭絡して自分達に都合の良いお告げをでっち上げようとした王族が出てきたのだ。
最初は自分の名声をあげるためとか、そんなレベルだったんだけど、少しづつ過激になってきて、ちょっとヤバいかなって思っていた頃に、ちょうどオシンさんの『女神クルステのファッション騒動』が起きた。
結局お告げを聞くためにたくさんの人が集まったからフェイクお告げがうやむやに終わったんで事なきを得たんだけどね。
オシンさんがお告げを出すたびにそれを聞こうとたくさんの人が集まるようになってからは、巫女さんの存在意義も薄くなっちゃった。
だって、元々はオシンさん声だけの出演の予定だったのに、洋服を見せたいからって顕在化しちゃったんだから、誰でも見れるようになるよね。
まあ結果オーライだからいいけどさ。
フェイクお告げ事件の次に起きたのは領土問題。
野盗対策に村々を繋げて大きな街をいくつも作ったんだけど、この時に国をまたがった村同士を繋いだ場所がいくつかあったんだ。
当時は国同士の中も良く、治安対策の方が最優先だったんで仕方なかったんだけど、古文書を引っ張り出して「この街の一部はウチの物だから税金の一部をよこせ」って言いだす王族が現れだした。
これに反応したのはその街を管轄する国の王家。
元々廃村寸前の貧しい村を吸収して発展させたのに、今更そんなことを言われても...だよね。
結局、紛争直前に『女神クルステ』が仲介に入り、問題になっている場所の住民を街の別の場所に移転させ、元の村に相当する部分を街から切り離した。
街とその村の間にあった街道は廃止し、何もなくなった村を孤立させた後、問題を起こした王族のいる国の王がその王族の領地をその村に移動させたんだ。
もちろん、今までの領地は全て没収だよ。
その後の処置はその王に任せたんだけど騒動が終息したから上手く収めたんじゃないかな。
同じような問題が出ていたところも、その処置を見て騒ぎを止めてしまった。
まあ、これも結果オーライって奴かな。
その次に起こったのが、王家同士の輿入れ問題。
転移時にクルステさんが、出来るだけ均等になるように国を分割してくれたんだけど、600年も経つと王家の統治能力の差によってどうしても貧富の差は出てくる。
そうなると、豊かな国と姻戚関係を結んで国を立て直そうとするのが王家の常だよね。
とはいっても魔国を入れて4国しかないから、その関係は非常に複雑になってくる。
だから出来るだけ輿入れさせる人数を増やして力関係を強くしようとするんだ。
結局、各国の王族内でもいくつもの派閥が出来て、それが国間で複雑に絡み合いややこしいことになっている。
これについては、どうしようも無くなって4国の王が連名で『女神クルステ』に相談に来たんだ。
俺達は集まって数日会議を行い、結果として今の4国制度を廃止して1国にまとめることに決定した。
そう、複数の国があるから利害関係が発生するわけで1つにしてしまえば問題ないということだ。
ただ、問題も残っている。
今の王家をどうするのかということ。
4人いる王から1人を選んだら、仮に3人の王が納得しても、その3王の国の王族は黙っていないだろう。
だから国をまとめる際に、全ての王家の廃止を決めた。
王政から共和主義に変えるのだ。
このあたりは顕在化しているノアさんに全員に教育してもらった。
最初は俺もよく知っている民主主義にしようとしたんだけど、王族をいきなり一般市民と同列にしてしまうのはいくら何でも危険すぎるというのがノアさんの考え。
共和主義と民主主義の大きな違いは、共和主義が特権階級による議会政治であり、民主主義は一般に開かれた議会政治であることにある。
王政から民主主義への過程に共和主義があると考えても差し支えないんじゃないだろうか。
とりあえず、全体王政を止めて各王族の中から王族による選挙で選ばれた人達を議員として政治を取り仕切ってもらう事になった。
そして魔人の中から数名の監督者を置き、彼らが議会の正当性を監視することにしたんだ。
なぜ魔人かって。
1つ目は長命であること。1人が何世代にもわたって監視できるので議会の世代交代に対しても不正を見抜きやすいから。
2つ目は人族よりも達観しているから。長命ゆえに欲が少なく全てに達観している魔人の方が監督者に向いているから。
魔人は元々魔法も使えるし人族よりも能力が高いから、もし魔国に征服欲があったら、とっくに魔国が世界を統一しているはずだからね。
それをしていないんだから魔人を信用するのがベターでしょ。
転移から600年。こうしてムーン大陸に新しい国『ムーン共和国』が誕生したんだ。
外の世界は中の約80倍速だから、600年ほど経っていることになる。
魔人の一部はまだ転移前から生きている人もいるようだが、人間の王家でいえば転移時の王族から既に10数代目になり、転移前の記憶なんて伝説や古文書レベルでしか残っていないのが実情だ。
転移した当時はお互いに助け合いながら国を作って生活基盤を作っていたんだけど、それらが十分に整ってきて年月が過ぎると、人間の悪い部分が出てくる。
そう、国同士で諍いが起き出したのだ。
元々そうならないように中の世界に各国の王族を置いて、各国の王族から選ばれる巫女を介して外の世界を上手く運営してきたんだけど、人間の欲望って奴はどうしようもないね。
まずはフェイクお告げ事件。
巫女を篭絡して自分達に都合の良いお告げをでっち上げようとした王族が出てきたのだ。
最初は自分の名声をあげるためとか、そんなレベルだったんだけど、少しづつ過激になってきて、ちょっとヤバいかなって思っていた頃に、ちょうどオシンさんの『女神クルステのファッション騒動』が起きた。
結局お告げを聞くためにたくさんの人が集まったからフェイクお告げがうやむやに終わったんで事なきを得たんだけどね。
オシンさんがお告げを出すたびにそれを聞こうとたくさんの人が集まるようになってからは、巫女さんの存在意義も薄くなっちゃった。
だって、元々はオシンさん声だけの出演の予定だったのに、洋服を見せたいからって顕在化しちゃったんだから、誰でも見れるようになるよね。
まあ結果オーライだからいいけどさ。
フェイクお告げ事件の次に起きたのは領土問題。
野盗対策に村々を繋げて大きな街をいくつも作ったんだけど、この時に国をまたがった村同士を繋いだ場所がいくつかあったんだ。
当時は国同士の中も良く、治安対策の方が最優先だったんで仕方なかったんだけど、古文書を引っ張り出して「この街の一部はウチの物だから税金の一部をよこせ」って言いだす王族が現れだした。
これに反応したのはその街を管轄する国の王家。
元々廃村寸前の貧しい村を吸収して発展させたのに、今更そんなことを言われても...だよね。
結局、紛争直前に『女神クルステ』が仲介に入り、問題になっている場所の住民を街の別の場所に移転させ、元の村に相当する部分を街から切り離した。
街とその村の間にあった街道は廃止し、何もなくなった村を孤立させた後、問題を起こした王族のいる国の王がその王族の領地をその村に移動させたんだ。
もちろん、今までの領地は全て没収だよ。
その後の処置はその王に任せたんだけど騒動が終息したから上手く収めたんじゃないかな。
同じような問題が出ていたところも、その処置を見て騒ぎを止めてしまった。
まあ、これも結果オーライって奴かな。
その次に起こったのが、王家同士の輿入れ問題。
転移時にクルステさんが、出来るだけ均等になるように国を分割してくれたんだけど、600年も経つと王家の統治能力の差によってどうしても貧富の差は出てくる。
そうなると、豊かな国と姻戚関係を結んで国を立て直そうとするのが王家の常だよね。
とはいっても魔国を入れて4国しかないから、その関係は非常に複雑になってくる。
だから出来るだけ輿入れさせる人数を増やして力関係を強くしようとするんだ。
結局、各国の王族内でもいくつもの派閥が出来て、それが国間で複雑に絡み合いややこしいことになっている。
これについては、どうしようも無くなって4国の王が連名で『女神クルステ』に相談に来たんだ。
俺達は集まって数日会議を行い、結果として今の4国制度を廃止して1国にまとめることに決定した。
そう、複数の国があるから利害関係が発生するわけで1つにしてしまえば問題ないということだ。
ただ、問題も残っている。
今の王家をどうするのかということ。
4人いる王から1人を選んだら、仮に3人の王が納得しても、その3王の国の王族は黙っていないだろう。
だから国をまとめる際に、全ての王家の廃止を決めた。
王政から共和主義に変えるのだ。
このあたりは顕在化しているノアさんに全員に教育してもらった。
最初は俺もよく知っている民主主義にしようとしたんだけど、王族をいきなり一般市民と同列にしてしまうのはいくら何でも危険すぎるというのがノアさんの考え。
共和主義と民主主義の大きな違いは、共和主義が特権階級による議会政治であり、民主主義は一般に開かれた議会政治であることにある。
王政から民主主義への過程に共和主義があると考えても差し支えないんじゃないだろうか。
とりあえず、全体王政を止めて各王族の中から王族による選挙で選ばれた人達を議員として政治を取り仕切ってもらう事になった。
そして魔人の中から数名の監督者を置き、彼らが議会の正当性を監視することにしたんだ。
なぜ魔人かって。
1つ目は長命であること。1人が何世代にもわたって監視できるので議会の世代交代に対しても不正を見抜きやすいから。
2つ目は人族よりも達観しているから。長命ゆえに欲が少なく全てに達観している魔人の方が監督者に向いているから。
魔人は元々魔法も使えるし人族よりも能力が高いから、もし魔国に征服欲があったら、とっくに魔国が世界を統一しているはずだからね。
それをしていないんだから魔人を信用するのがベターでしょ。
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