50 / 51
第一章
第13話 次の一手
しおりを挟む
13
学園のとある場所にて、二人の人物が話している。
「既にご存知だとは思いますが、先日のドッジボールは無様に負けました……」
「所詮は余興とはいえ、これは織田桐クラス長とその一派の責任問題に発展するかもね~」
「……そろそろ我々も動きますか?」
「いや、まだ早いかな。もうしばらく様子を見てみよう……」
「かしこまりました。それではB組の方はいかがいたしましょうか?」
「う~ん、本格的に目ざわりになってくるようなら、それ相応の対応を考えんといかんね~」
二人の視線がB組の校舎へと向けられる。
「勝ったな! 俺たちB組が!」
「ああ、兄貴! 俺たちB組の勝利だ!」
「いやいや、兄さんたちはほとんどなにもしてなかったでしょう……」
興奮冷めやらぬ蒼太と紅二を、みどりが冷ややかな目で見つめる。
「しかし、織田桐天武が言っていたようにあくまでもレクリエーションですけどね……」
「本郷、つまらねえことを言うな。何にせよ、『B組がC組に勝った』、この事実が大事だ」
「ふむ、扇原さん、たまにはまともなこともおっしゃるのですね……」
「たまにはってなんだ! たまにはってよ! アタシはいつもまともだ!」
微笑みを浮かべる青龍に対し、白虎が不満そうに噛みつく。
「しかし、C組はやはり恐ろしい相手だったということを再認識したよ」
「衝撃波にサイコメトリ―、瞬間移動にステルス能力だしね~なんでもあり過ぎだよ……」
「それでも勝った……勝ちに不思議な勝ちありとはよく言ったものだ」
「まったくもって本当にその通りだよね~」
朱雀の言葉に玄武がうんうんと頷く。
「で、でも、ほ、本当によく勝てましたよね……日光さん」
「聡乃、貴様をはじめ、メンバー全員が工夫を凝らした結果、掴み取った勝利だ」
「く、工夫……確かにそれはそうかもしれません……」
「どんな微妙な能力も使いようだからな」
「アンタのいつも言っていること、あながち間違いではなかったわね」
「照美、俺はいつも正しいことしか言わんぞ……」
「はいはい、今回はそういうことにしておきましょう」
「花火、貴様の調査も役に立った、あらためて礼を言う……」
「これくらいは当然のこと。礼を言われるまでもありません……日光殿、次の手は?」
「次の手だと?」
「4月が終わっただけだからね、学園生活、まだまだ長いし、イベント多いわよ~?」
「照美……ふっ、『微妙な能力で下克上!』、その基本方針は揺るがん! この勢いで行く!」
~第一章 完~
※(23年3月19日現在)
これで第一章が終了になります。第二章以降の構想もあるので、再開の際はまたよろしくお願いします。
学園のとある場所にて、二人の人物が話している。
「既にご存知だとは思いますが、先日のドッジボールは無様に負けました……」
「所詮は余興とはいえ、これは織田桐クラス長とその一派の責任問題に発展するかもね~」
「……そろそろ我々も動きますか?」
「いや、まだ早いかな。もうしばらく様子を見てみよう……」
「かしこまりました。それではB組の方はいかがいたしましょうか?」
「う~ん、本格的に目ざわりになってくるようなら、それ相応の対応を考えんといかんね~」
二人の視線がB組の校舎へと向けられる。
「勝ったな! 俺たちB組が!」
「ああ、兄貴! 俺たちB組の勝利だ!」
「いやいや、兄さんたちはほとんどなにもしてなかったでしょう……」
興奮冷めやらぬ蒼太と紅二を、みどりが冷ややかな目で見つめる。
「しかし、織田桐天武が言っていたようにあくまでもレクリエーションですけどね……」
「本郷、つまらねえことを言うな。何にせよ、『B組がC組に勝った』、この事実が大事だ」
「ふむ、扇原さん、たまにはまともなこともおっしゃるのですね……」
「たまにはってなんだ! たまにはってよ! アタシはいつもまともだ!」
微笑みを浮かべる青龍に対し、白虎が不満そうに噛みつく。
「しかし、C組はやはり恐ろしい相手だったということを再認識したよ」
「衝撃波にサイコメトリ―、瞬間移動にステルス能力だしね~なんでもあり過ぎだよ……」
「それでも勝った……勝ちに不思議な勝ちありとはよく言ったものだ」
「まったくもって本当にその通りだよね~」
朱雀の言葉に玄武がうんうんと頷く。
「で、でも、ほ、本当によく勝てましたよね……日光さん」
「聡乃、貴様をはじめ、メンバー全員が工夫を凝らした結果、掴み取った勝利だ」
「く、工夫……確かにそれはそうかもしれません……」
「どんな微妙な能力も使いようだからな」
「アンタのいつも言っていること、あながち間違いではなかったわね」
「照美、俺はいつも正しいことしか言わんぞ……」
「はいはい、今回はそういうことにしておきましょう」
「花火、貴様の調査も役に立った、あらためて礼を言う……」
「これくらいは当然のこと。礼を言われるまでもありません……日光殿、次の手は?」
「次の手だと?」
「4月が終わっただけだからね、学園生活、まだまだ長いし、イベント多いわよ~?」
「照美……ふっ、『微妙な能力で下克上!』、その基本方針は揺るがん! この勢いで行く!」
~第一章 完~
※(23年3月19日現在)
これで第一章が終了になります。第二章以降の構想もあるので、再開の際はまたよろしくお願いします。
0
お気に入りに追加
7
あなたにおすすめの小説
校長室のソファの染みを知っていますか?
フルーツパフェ
大衆娯楽
校長室ならば必ず置かれている黒いソファ。
しかしそれが何のために置かれているのか、考えたことはあるだろうか。
座面にこびりついた幾つもの染みが、その真実を物語る
令嬢の名門女学校で、パンツを初めて履くことになりました
フルーツパフェ
大衆娯楽
とある事件を受けて、財閥のご令嬢が数多く通う女学校で校則が改訂された。
曰く、全校生徒はパンツを履くこと。
生徒の安全を確保するための善意で制定されたこの校則だが、学校側の意図に反して事態は思わぬ方向に?
史実上の事件を元に描かれた近代歴史小説。
クラスメイトの美少女と無人島に流された件
桜井正宗
青春
修学旅行で離島へ向かう最中――悪天候に見舞われ、台風が直撃。船が沈没した。
高校二年の早坂 啓(はやさか てつ)は、気づくと砂浜で寝ていた。周囲を見渡すとクラスメイトで美少女の天音 愛(あまね まな)が隣に倒れていた。
どうやら、漂流して流されていたようだった。
帰ろうにも島は『無人島』。
しばらくは島で生きていくしかなくなった。天音と共に無人島サバイバルをしていくのだが……クラスの女子が次々に見つかり、やがてハーレムに。
男一人と女子十五人で……取り合いに発展!?
蘇生魔法を授かった僕は戦闘不能の前衛(♀)を何度も復活させる
フルーツパフェ
大衆娯楽
転移した異世界で唯一、蘇生魔法を授かった僕。
一緒にパーティーを組めば絶対に死ぬ(死んだままになる)ことがない。
そんな口コミがいつの間にか広まって、同じく異世界転移した同業者(多くは女子)から引っ張りだこに!
寛容な僕は彼女達の申し出に快諾するが条件が一つだけ。
――実は僕、他の戦闘スキルは皆無なんです
そういうわけでパーティーメンバーが前衛に立って死ぬ気で僕を守ることになる。
大丈夫、一度死んでも蘇生魔法で復活させてあげるから。
相互利益はあるはずなのに、どこか鬼畜な匂いがするファンタジー、ここに開幕。
校外学習の帰りに渋滞に巻き込まれた女子高生たちが小さな公園のトイレをみんなで使う話
赤髪命
大衆娯楽
少し田舎の土地にある女子校、華水黄杏女学園の1年生のあるクラスの乗ったバスが校外学習の帰りに渋滞に巻き込まれてしまい、急遽トイレ休憩のために立ち寄った小さな公園のトイレでクラスの女子がトイレを済ませる話です(分かりにくくてすみません。詳しくは本文を読んで下さい)
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる