三菱UFJフィナンシャル・グループ、三井住友フィナンシャルグループ(FG)、みずほフィナンシャルグループの2024年3月期連結決算が15日、出そろった。純利益の合計は前期比26.4%増の3兆1327億円となり、05年に現在の3メガバンク体制となって以来、初めて3兆円を超えた。
米国の金利上昇を追い風に海外事業の貸し出し利ざやが改善。円安も収益拡大に貢献した。国内の資金需要も堅調で、資産運用ビジネスなどの手数料収入も増えた。
三井住友トラスト・ホールディングス、りそなホールディングスを加えた大手銀行5グループの純利益合計は19.1%増の3兆3708億円だった。
三菱UFJと三井住友FGは純利益が過去最高を更新。みずほも過去2番目の高水準だった。三菱UFJの亀沢宏規社長は15日の記者会見で、「顧客部門を中心に稼ぐ力が向上し、本業の利益が大きく増加した」と語った。
25年3月期連結純利益は全5グループが増益を見込み、りそなを除く4グループは過去最高を更新する。大企業を中心に設備投資などの資金需要が高まる中、日銀のマイナス金利解除により国内の貸し出し利ざやも改善する見通しだ。
今後の事業環境について、三井住友FGの中島達社長は「日本企業の経営者のマインドが非常に前向きになってきており、まだまだ増益が見込める」と強調した。
◇大手銀行5グループの連結純利益
2024年3月期 25年3月期予想
三菱UFJ 14,907 15,000
(33.5) (0.6)
三井住友 9,629 10,600
(19.5) (10.1)
みずほ 6,789 7,500
(22.2) (10.4)
三井住友トラスト 791 2,400
(▲58.5) (203.0)
りそな 1,589 1,650
(▲0.9) (3.8)
合計 33,708 37,150
(19.1) (10.2)
(注)単位億円。億円未満切り捨てのため、合計は単純合算とは一致しない。純利益のカッコ内は前期比増減率%。▲はマイナス。三菱UFJの予想は目標
(了)
(記事提供元=時事通信社)
(2024/05/15-20:00)