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理由なんて何もなかった。
「センセ」
少し甘えるような君の声に縛られたまま。
気づいたら、夕焼け色の教室でキスをしていた。
でも始まりかけていた恋を終わらせたのは、私、片桐 杏。
だって君は、教育実習先の高校生ーー。
そして。
先生になった私の前に、君は、生徒から教育実習生になって現れた。
意地悪で甘い悪戯ばかり仕掛けてくる君の心はどこにあるの?
教育実習生の杏が出会った男子高校生の蒼。
確かに恋になったはずなのに、あることがきっかけで2人は道を違えることに。
でもそれから4年ーー。
先生になっていた杏の前に、今度は教育実習生として蒼が現れて。
でも揺れる杏の心を踏みにじるように、1人の男性教師が杏に標的を定めてーー。
かつて叶わなかった恋を今度こそ叶えるために。
もう二度と見失わないために。
先生×生徒から始まる恋の物語。
文字数 174,154
最終更新日 2021.02.28
登録日 2021.01.29
北関東の山間で、米をつくり暮らしをたててきた集落。
そこに住む祖母が亡くなった。
親族として葬儀の手伝いをする皐月は、豪農として大きな屋敷を構える本家で、
幼い頃に見かけた「狐の嫁入り」を思い出す。
雨が降る田のあぜ道を、篠笛の音とともにゆく狐の面をした彼ら。
それとともに苦い記憶が蘇る皐月の前に、一人の男性が現れた。
白彦(きよひこ)ーー。
きよくん、と呼び、本家に来た時だけ遊びまわった従兄弟であり、幼い頃の友達だ。
人目を惹かずにはおれない美しい男性に成長した彼に、
皐月は気後れしながらも少しずつ昔のように打ち解けていく。
そんな時にふと現れた、狐面で顔を隠した、小さな男の子。
謎めいた言葉を残しながら、その子は裏庭の古い土蔵へと誘うーーー。
皐月を襲う新たな怪異。
山の神様が住まうという集落のシンボルでもあるお山。
ひたひたと皐月の日常に忍び寄る、悪意。
少しずつ思い出す、記憶の断片。
そして、祖母の命への眼差しとひたむきな白彦の想い。
皐月は、いやおうなく人間と人間ならざる者、生と死との狭間に立たされていく。
その狭間で、彼女はどんな選択をしていくのかーー。
北関東の山間の古い旧家を舞台にした、”狐の嫁入り”をめぐる恋愛ファンタジー。
文字数 170,526
最終更新日 2018.04.14
登録日 2018.03.18
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