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俺の倍はある背丈。
陽に照らされて艶めく漆黒の髪。
そして、漆黒の奥で煌めく黄金の瞳。
一目惚れだった。
初めて感じる恋の胸の高鳴りに浮ついた気持ちになったのは一瞬。
「初めまして、テオン。私は、テオドール・インフェアディア。君の父親だ」
その人が告げた事実に、母親が死んだと聞いた時よりも衝撃を受けて、絶望した。
文字数 61,072
最終更新日 2024.09.14
登録日 2023.10.08
いつも満たされていなかった。僕の中身は空っぽだ。
与えられていないから、与えることもできなくて。結局いつまで経っても満たされないまま。
どれほど渇望しても手に入らないから、手に入れることを諦めた。
抜け殻のままでも生きていけてしまう。…こんな意味のない人生は、早く終わらないかなぁ。
文字数 6,959
最終更新日 2024.07.15
登録日 2024.07.15
きっと、よくある話だった。
物心がついたぐらいの年齢で親を亡くし、浮浪者として這いつくばって生きていた俺を拾った心優しい貴族。
しかし、本当の目的は身寄りのない子供を幼い頃から洗脳し、軍事利用しようとしただけだった。
本来なら、スパイとして送り込まれたそこで、みっともなく息絶えるはずだったのに。
貴方に恋をしてしまったから、俺の人生が変わってしまった。
文字数 6,137
最終更新日 2024.02.08
登録日 2024.02.01
親からも、兄弟からも関心を持たれない俺は世界で一番不幸な人間だと思っていた。
でも、違った。
本当に不幸なのは、そんな俺に付き従わなければならない彼だった。
「…騎士を、目指していましたので」
そんなことも知らなかった俺に彼を縛り付けておく権利なんてなかった。
「おめでとう、幸せになれよ」
俺から解放してあげなければと、思ったんだ。
文字数 21,558
最終更新日 2023.11.06
登録日 2023.09.09
もし、今日で世界が終わるならあなたは誰に何を伝えますか?
「…好き、です」
俺は想いを告げました。
文字数 7,250
最終更新日 2023.10.28
登録日 2023.10.28
「ようこそ、我が同志よッ! 今ここに席は埋まった…ッ、復讐を開始するのだ!!」
彼らは、この『異人』に厳しい世界で虐げられ、復讐することを決めた。ーー同じ世界で生きていた俺を、そんな世界に召喚することで。
とんでもない、と思った。人を殺すなんて、無理だと。
彼らは俺に何も考慮してくれない。だって、彼らにとっては俺は復讐を遂げるための道具。ただひたすら全てのことを強制されて、その理由も何も正確に教えてくれない。
正しく教えてくれた彼に見出した希望すら、俺ごと踏み躙るというなら……
ーーあぁ、それなら。俺がお前らに復讐したって、構わないよな?
文字数 26,746
最終更新日 2023.10.18
登録日 2023.10.06
俺は天才だ。
これは驕りでも、自惚れでもなく、紛れも無い事実だ。決してナルシストなどではない!
そんな俺に、成し遂げられないことなど、ないと思っていた。
……けれど、
「好きだよ、史彦」
何で、よりよってあんたがそんなこと言うんだ…!
文字数 6,394
最終更新日 2023.09.13
登録日 2023.09.13
白い世界で、俺は一人だった。
そこに新しい色を与えてくれたあの人。感謝してるし、大好きだった。俺に優しさをくれた優しい人たち。
それに報いたいと思っていた。けど、俺には何もなかったから…
「さぁ、我が贄よ。選ぶがいい」
でも見つけた。あの人たちに報いる方法を。俺の、存在の意味を。
文字数 14,431
最終更新日 2023.08.12
登録日 2023.08.12
ーーそして、共に死のう。
BL要素は薄めです。序盤の少しだけ流血表現があります。
バッドエンドではないけれど、ハッピーエンドでもないです。
それでも、主人公の少年は幸せだったのだと思います。
文字数 11,894
最終更新日 2023.08.06
登録日 2023.07.24
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