足を踏み入れれば生きたまま凍死すると言われている真っ白な世界を描く山。
そんな山には凡庸な人間には到底手の出しようのない生き物達が存在した。
紅月と呼ばれる狼もその中の一匹であった。
一匹になってしまった紅月が見つけたのは今にも死にそうになっている生き物。それは人と呼ばれる種族の形をしていて、紅月はその男の匂いを嗅いだ時、男は唸り「小さな同色の狼」と呟く。男の目は紅月と同じような色をしていたのだった。
これは異世界の冬山で出会う一人と一匹から始まった、たまにもふもふする成長譚である。
文字数 14,481
最終更新日 2017.02.06
登録日 2017.01.12