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舞台は近未来の、とあるアジアの島国です。財政的に豊かな国で、移民・難民を多く受け入れ、人口の十八パーセントまでが移民という設定です。
はっきり日本としてもよかったのですが「政治的なメッセージがある」と誤解されるより、ひとつの娯楽小説として読んでほしかったので、細かい設定を日本の事情とは変えました。
内容はというと、記録的な大雪の降る中、二月九日の午前一時二十二分から午前九時二十三分にかけて起きる閣僚暗殺事件とその顛末を描いています。
この未来においてはテロや戦争による暴力の連鎖が止まらぬまま、発達した生命工学とサイバネティクスの利用により、人間以上の能力を持つ「超人」兵士が戦地や犯罪現場で暗躍するようになっており、本作に登場する公安の捜査官もそして犯人も、ともに人間ではありません。
さらにこの主役の捜査官をサポートする公安の警部は、この国の生まれではないヨーロッパからの移民です。
物語は閣僚暗殺のあと、地下に潜って逃げようとする犯人と、それを追う捜査官の対決へと収束していきます。
捜査官は生まれながらに犯罪者を抹殺するべく造られているので、大脳の情緒を司る部分に制御を受けており、人間なら当然もっているはずの感情を持ち合わせておりません。
この捜査官の役割は逮捕も裁判もなしに犯人を射殺することなのですが…
『彼』は犯人と地下深くで対峙し対決するうち、ある壮大な秘密に気がつくことになります。
登録日 2018.12.15
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