ストーカー被害にあっているという三恵(みえ)。
彼女の話を聞いて数日後、恵菜(えな)の周りにも異質な視線が現れ始める。
近付く視線。そしてついに、その手は間近にまで迫る。
"恨ミアリ"。
奴の目的は、一体何なのか。
登録日 2016.06.15
会社員のミナトは一人暮らしを満喫しながらも、独り身である事を寂しく感じていた。そんな彼の部屋に、そいつは唐突に現れた。
白い肌。白いワンピース。長い髪。あまりにベタな佇まいと可愛らしく全く怖さのない幽霊を、ミナトは「ベタ子」と名付けた。
「幸せが欲しいんです」
部屋に居座る彼女の未練を晴らす為に、ミナトは彼女と共に幸せを追いかけるはめになり――。
登録日 2016.07.10
夜の道。死んでしまった愛犬コロと歩いた道。
コロを思いながら歩く夜道で、僕は一匹のパグと出会った。
「あんたも散歩か?」
パグは平然と僕に話しかけてきた。
そんなパグと僕のある夜のお話。
登録日 2016.08.06
『♪♪オフロガ、ワキマシタ♪♪』
とある女が目覚めた夜。何気ない日常の音。しかしその日、一人しかいない筈の家の中で物音がした。
誰かがいるのか。恐怖に怯えながら私は音の方に近付く。
一方、ある目的を持って一人の男がとある家に侵入する。
鳴り続く音、聞こえる声。その全ては、一つの思惑に集約する。
登録日 2016.08.15
私はメリー。あなたのもとに走っていく。
速く速く。とても速く。
全てのスピードはあなたの為に。
だって私はメリーだから。
メリーはいつだってあなたの近くにいるんだから。
ずっと忘れさせない。
メリーがいた事。
あなたの頭の中に一生留まり続ける。
登録日 2016.12.10
大学の軽音楽部で出会った北原と佳苗。二人は互いに音楽性が合う事をきっかけに仲良くなり、やがて交際へと発展する。
そして社会人になり、佳苗はついにプロポーズを受けるが、その為に彼女は大きな一つの答えを出さねばならなかった。
後悔と反省の物語。
登録日 2016.12.10
怖いながらも興味を惹かれた私は恭介に連れられ、訪れた者は必ず不幸に見舞われるという少女が惨殺された事件があったとされる心霊スポットを訪れる。事件のあった建物に人の気配を感じ踏み入った先で、二人は恐怖を目の当たりにする。
必死に逃げ惑う最中、二人の前に一人の男が現れる。
「お前ら何しに来た」
寺の住職と名乗る男に連れられ、二人は彼に付いていく事になり――。
登録日 2017.03.05
コンビニ店長今井の前に座るゴリゴリのギャルJK。二人の間にあるのは、ほっかほかのおでん。
「ねえ、なんでこれを万引きしたの?」
「だってうまそうじゃん」
おでんを万引きした彼女を追及しようとする今井だったが、事態は思わぬ方向に転がっていく事に。
登録日 2017.05.02
転勤によって始めた新しい部屋での一人暮らし。そんな平穏を、深夜のノックが切り裂いた。
恐る恐る覗いたドアスコープの先にあったのは、こちらを見つめる「目玉」だった。しかし、扉の先には誰もいなかった。
断続的に続く謎の訪問を俺は無視し続けていたが、ある日ヤツからメッセージが届く。
”ちゃんと見ろ”
俺は再び、ヤツと対峙する事を決心するが――。
登録日 2017.05.26
国民の幸福の追求を促進する為始められた、「幸福偏差値制度」のある世界で、美咲は幸福とは無縁の生活を送っていた。しかし、昔から想いを寄せていた九条裕との再会をきっかけに幸せの歯車が廻り始めるが――。
登録日 2017.06.05
いつもの朝、いつもの景色。全てがいつも通り。今日私が死ぬことを除けば。
死を決意した私が屋上から飛び降りようと思ったその時現れたのは、誰からも慕われる後輩の安藤君だった。
「工藤さん、死にに来たんでしょ、ここに」
自殺を考える者達のそれぞれのお話。
登録日 2017.06.29
毎朝の通勤電車。いつもの座席に座る初老の男性。彼が次の駅で降りる事を狙い、今日も私は彼の前に陣取ろうとする。
しかしある日、自分が陣取るいつもの位置に一人の男性が立っていた。
席を奪われた私は、苛立ちと悔しさで立ちすくむ。
機会を伺い観察を続けるが、私はそこで初老の男性の様子がおかしい事に気付く。
登録日 2017.08.11
「落とし穴をつくらないか」。けんたの誘いに乗った僕だったが、当日けんたは現れなかった。
それはけんたのちょっとした悪戯だったが、後日その落とし穴でしゅんすけが死体となって見つかる。
中学生になった僕は、ある事からあの時の落とし穴に疑念を持ち、けんたを呼び出す事にするが――。
登録日 2018.05.01
部屋から出てこなくなったみーちゃんを訪れる私。そんな私を見守る母親。
「みーちゃんは友達だから」。
その理由には凄惨なイジメが関係していた。
彼女がみーちゃんを想う理由とは。
登録日 2018.05.01
気が付いた時、私は動かぬ電車の中にいた。
誰もいない車内、弟の樹理雄(きりお)のもとに帰りたい一心で出口を探す私の前に現れたのは、首のない人間だった。
ここは現実か、虚構か。
記憶と目の前の異常の中で、私は樹理雄の笑顔を求めた。
登録日 2018.05.01
僕の働く工場で、相次いで作業員が指を飛ばし退職する事態が続き、とうとう日頃お世話になっている先輩社員までもがその犠牲者となってしまった。僕は先輩の為にこの不可解な事態に立ち向かう事にした。
その最中で僕はある言葉を耳にする。
"ユビアツメ"
一体それは何なのか。
登録日 2018.05.01
僕は佐山仁美への告白に盛大に失敗した。
それでも諦めきれない僕は再び佐山への告白を決意する。
でもその時、僕は世界がおかしくなっている事に気付く。
「あれ?これ、世界止まってない?」
登録日 2022.04.19
『という事で、本日てめぇの晩飯はなしだ』
『なんでやねん!』
いつもの夫婦漫才の流れで放った強力なツッコミが原因で妻は死んだ。
と思ったら、妻は最後の力を振り絞り血文字を残し始めた。
――これ、殺人事件になるのか?
登録日 2022.04.19