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巫祝見習いの墨娘(ぼくじょう)の前に突然現れた名家の令息は言った。名を呼んでほしい、と。墨娘は答えた。絶対嫌です、と。そうして始まる奇妙な押し問答の果て、青年の名の意味とは──。饕餮文、蟠螭文、夔龍文、青銅器と墨が描く古代中国ファンタジー。
文字数 52,853
最終更新日 2024.08.16
登録日 2024.08.16
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かつて、大きなわざわいがあった。英雄がいて、獣がいた。
世界を守るために獣は英雄の後継を選ぶ。五人の守人、五色の獣。
「あんたが俺の守人だ」
突然イチカの元に送り込まれて来た白の獣。魔術の才能などなく、興味も無い。昨日と同じ明日を望むばかりの身の上になぜ世界が降りかかるのか。獣の悲願、英雄の望み、守人と獣。
「……どうせ当たるなら、富くじが良かった」
望むのは平穏な日常。けれど世界はそれを許さない。
イチカの明日はどっちだ──
無骨で無愛想な青年と無邪気な少年が二人で生きる覚悟を決める、そんな話。
「──俺とお前で、平穏な日常を守る。それだけだ」
文字数 148,744
最終更新日 2021.12.03
登録日 2021.08.30
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