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――願いをひとつ叶える代わりに死んだら魂をもらう――そんな契約を取る悪魔なのですよ。私は。
悪魔を自称する男が語る,
病気の子供と交わした契約とともに起きた思いもしなかった出来事とは――
登録日 2015.11.29
眠りと共に訪れる夢のなかで,現実とは違う人生を生きる男。
彼は夢のなかの恋人との暮らしを十年にも渡って続けていた。
そして奇妙なことに,夢のなかで暮らしているという記憶は起きている間,
男にはなかった。
いつからだろう。男は,眠りについても夢のなかの世界には,入れなくなっていた。
夢にいる彼女に逢えなくなっていくことに耐えられなくなった男が考えた,
夢のなかに残る方法とは――――
登録日 2015.11.29
宅配便の無人集積所へ食料品を盗みに入りこんだオレは,
奇妙なロボットに出会っちまった。
もう食料は諦めるとしても不法侵入がバレないうちに,
急いで集積所から逃げだしたいのに……
むい子とかいう,このロボットは長々と訳の分からない話をしやがる。
そのうちに,事態はどんどん悪くなっていって……
もうどうすりゃいいんだよ!
登録日 2015.11.30
雪深い山奥で温泉宿を営む男。
冬はひとり,湯守りをして暮らしている。
穏やかに日々は流れて――いつしか老境にさしかかっていた。
また今日も雪の積もる山道を進む。
揺蕩うような暮らしのなかで,ふと胸に浮かぶのは……
この秋に最期を看取った犬――モグと過ごした日々だ。
その日,雪山の中で淡々と人生を閉じようとしている男のもとに,
奇妙だが心暖まる瞬間が訪れる――
登録日 2015.12.01
――――このままでは娘の魂が悪魔に奪われてしまう。
しかし,私には悪魔を退ける宗教的な知識はない。
信仰心など,まるで持ちあわせていないのだ。
では,どうする?
またなす術なく手をこまねいて,娘の死をを見過ごすのか。
そんなことは許せない。
絶対に,許さない!
――――では,どうする?
信仰の力でできないのならば,
――――科学の力で悪魔を撃退するまでだ!
※本作は「順序の問題」の続編です。
先に「順序の問題」を読まれることを,お勧めします。
登録日 2015.12.02
――――心あるロボットを作る意味はない。
ロボット産業界に絶大な影響力をもつ博士は云う。
誰にも心を開かない偏屈な彼は云う。
ロボットは家電に過ぎないと。
そして製作者がロボットに対して過度の思い入れをもつことこそ,
間違いだと断定する。
ある日,彼は自室でなくなっていたモノに気づく。
なくなっていたのは部屋には元から〝あるはずのないモノ〟だった。
〝あるはずのないモノ〟が,なぜあったのか――――
理由を知った彼の取った行動とは……
登録日 2015.12.03
一九八◯年代――――
当時盛んだったパソコン通信の読書フォーラムのなかで,私はシノブと知り合った。
普段の暮らしの中では出会うこともない友人と,
とりとめなく話をしていくうちに彼が気になって,好きになり、
でも逢うこともなく別々の人生を歩み――――それから二十年が過ぎた。
社会の一線から退き、行き方を振り返る日々を迎えて、私は決めた。
古い友人に会いに行くと――――
登録日 2016.02.18
――――わたしが見ているのは,自分の夢なのだろうか?
わたしは自分の見ている夢に,違和感を覚えていました。
どうしたことか……夢のなかの自分は昔読んだ物語の登場人物の一人になっているのです。
まるで誰かの書いた物語のなかにいるみたいなのです。
違和感と疑問を抱えたわたしは,見ている夢のなかを調べだしました。
夢を探り,確かめていくうちに――――
いつしか,わたしは夢で過ごす毎日をとても大切に思うようになったのです。
夢から覚めるときが間近に迫っているとも知らずに――――
登録日 2016.02.19
オレの服役している刑務所に男が面会に来た。初対面のヤツだ。
コイツがいうことには自分は非営利団体の職員でオレをスカウトに来たんだとさ。
オレを?わざわざ監獄にまで?
なんでも刑務所の中でもできるオレにピッタリの仕事があるんだそうだ。
その仕事っていうのが――――世間のヤツらの気分を調整すること、だと言う。
刑務所の中で仕事をする?気分の調整?
いや、言っている意味がわからない。どういうことだ?
登録日 2016.02.20
ある日突然、街中で人の姿かたちが変わっちゃうって現象が起きたんだよね。
あたしと山田が下校中にも、それは起きたのね。アイツ…………急に、おジイさんに変わっちゃったんだ。
原因とかよくわからない変な事件だったんだけど、実は良いこともあったんだよね――――
登録日 2016.02.21
私は、ニ日ほど昏倒していたそうです。
眠っている間には、長くて楽しい夢を見ていました。
ずっと、夢のなかで暮らしていきたい。そう思うほどでした。
でも起きてからの暮らしのなかで、見ていた夢の記憶は少しずつ薄れていきます。
――そう気がついた私は、消えていく夢の記憶を少しでも残したくて、夢での出来事を書き留めはじめたました。
そんな私の前に現れた人がいます、その人は――――
※本作は「夢かも知れない」の続編です。
先に「夢かも知れない」を読まれることを,お勧めします。
登録日 2016.02.22
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