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『鵺』
見知らぬ和室に縄で縛られていた。
延々と開き続ける襖。門をよじ登って外へ出ても、いつの間にか戻っている。
誰が何のために私をここへ連れてきたのか。
なんという大きさだ。あんな生き物は見たことがない。
頭には角のようなものが見える。何メートルもありそうな歪んだ角。胴体の部分は大きく、どこまでが体かも分からない。
這いずるように動いているのか、ゆっくりとそれは進んでいる。濡れた表面なのか、時折ぐちょぐちょとぬめるような音がする。一体どういう生き物なのか、一通り見ても分からなかった。
──まるで鵺のよう。確か妖怪だったはずだ。別の動物の部位が混ざり合った化け物と聞いたことがある。(本文)
文字数 11,019
最終更新日 2022.07.14
登録日 2022.07.13
[付き添い人]
この世界には二種類の人間がいる。
──光か、闇かだ。
性別と同じように、自分は表なのか裏なのかを判断して人は生まれる。
裏の人間は表の人間に付き添い、生涯を共にする。
これが当たり前の常識で、疑問を持つことなどなかった。なかった、はずだった。
……どうして俺の前にパートナーは現れないんだ!
[ぺこぽぺ]
ぺこぽ ぱぷ ひぇか──
少女はただにこにこと笑い、言葉を発することはなかった。
転校初日、色んな人が彼女に話しかけたが、それを全て無視した。ただ笑っているだけ。不気味と感じたクラスメイトから避けられるのは時間の問題だった。
[優しい世界]
──優しさ制度です。ここでは思いやりを持って人と接しないと、罰が下されます
ベンチに座っていた男は、不意にどこかへ飛ばされた。そこにいたのは仮面をつけた人々。
どうやらここは『優しさ制度』というものを取り入れている場所らしい。
[クリーニング]
着ない服を捨てようとしたら母に止められた。こんな古臭いデザインのカーディガンなんてもう着ないのに。
そう思うのに、なぜか私はそれをクリーニングへ出すことを拒否できなかった。
──私を直して
[改 注文の多い料理店]
注意:この話は宮沢賢治『注文の多い料理店』をベースに、大幅に改変しています。
こいつぁ有名な注文の多い料理店じゃないか。最後にゃ僕を食べるつもりなんだ。
だが僕は運がいい。なんせ、結末を知っていて挑めるんだからね。
文字数 31,281
最終更新日 2022.07.13
登録日 2022.07.13
【Empty land】
遊園地がオープンするというニュースに人々は熱狂する。プレオープンに世界中から選ばれた五千人は帰って来なかった。
その遊園地から自分宛の招待状が届く。
【Empty party】
目が覚めたらそこはいつもの学校ではなくなっていた。ジョーカーと名乗る人物が始めた突然のゲームにクラスは巻き込まれていく。
【Empty dream】
起きた場所はどこかのホールのようだった。その中で美しい少女と、個性的な他の客と共に遊園地内を探索する。
一方で、遊園地の支配人はあの時を繰り返そうとしていた。
男の目的と、すべての夢が目覚める時。
【新章】
様々な人物の過去とこれからの物語。裏で起こっていた出来事、あったかもしれない昔話。
そして物語は終幕を迎える。
文字数 376,774
最終更新日 2020.01.14
登録日 2019.12.01
文字数 28,802
最終更新日 2019.11.22
登録日 2019.11.19
文字数 5,936
最終更新日 2019.11.08
登録日 2019.11.08
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