姿見鏡一郎

姿見鏡一郎

Unknown
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江戸は本所北割下水の七十俵五人扶持の貧乏御家人榊原十郎左衛門勝昌の次男坊雄二郎の裏の顔は「闇の始末人」だ。腕の程は中村主水をして唸らせた程だ。元々は商家の用心棒などを活計としていたのだったが、ある日の夜。仕事を終えたばかりの主水らと鉢合わせた。相手は主水を含めて六人。しかし、その六人を峰打ちの一撃で倒したら、主水が「仲間にならないか」と誘ってきた。純粋に雄二郎の剣の腕に惚れ込んだのだが、仲間にする事によって、自分達の身の安全を確保する意味もあった。雄二郎としては活計の足しにもなり、且つ、悪党を斬る事ができるのだから、否やはなかった。その日から雄二郎は闇の住人となったのであった。数年の後、主水が仕事中に返り討ちに遭ってしまった。主水の遺志を継ぎ、始末人としての腕を更に磨く事を隠し墓前に誓った。
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文字数 1,721 最終更新日 2024.09.19 登録日 2024.09.19
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