ChatGPT新機能、文字入力で4コマ漫画作成…驚異的クオリティだが難点も

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ChatGPTで作成した4コマ漫画

 オープンAIが提供するChatGPTは、AI技術の最前線を走る存在として知られている。当初は文章生成に特化したツールとして注目を集めたが、近年では画像生成の分野でも大きな進歩を遂げている。特に注目されているのが、2025年3月に発表された新しい画像生成モデルだ。

 この最新モデルでは、長いプロンプトや複雑な文脈を理解する能力が飛躍的に向上し、曖昧な表現や抽象的な指示にも柔軟に対応できるようになった。たとえば、「夕暮れの海辺で古びた灯台を眺める孤独な老人、モノクロ調で」といった細かいニュアンスを含む要求も、ユーザーの意図を驚くほど正確に反映する画像を生成できるという。

 この進化により、ChatGPTは単なる文章作成ツールから、クリエイティブなビジュアルコンテンツを生み出す強力なツールへと変貌しつつある。特に興味深いのは、4コマ漫画のような連続性のあるコンテンツも簡単に作成できる点だ。そこで今回は、実際にChatGPTで4コマ漫画を作成してみることにしよう。

プロンプトからイメージを作る

 ChatGPTの画像生成機能を使うには、まず基本的な準備が必要だ。ChatGPTはアカウント登録なしでも利用可能だが、画像生成機能を使うにはアカウントを作成し、ログインする必要がある。ChatGPTには無料プランが用意されており、このプランでも画像生成を楽しむことができる。ただし2025年3月28日の発表では、無料プランへの新画像モデルの提供は一時停止されており、暫く待つ必要がある。今すぐ使いたい場合は有料プランへのアップグレードを検討しよう。

無料版(従来バージョン)で試す

 まずはお試しということで、無料プランで挑戦してみよう。こちらは記事執筆時点でまだ新画像モデルが未提供だが画像の生成自体は行える(ただし1日3枚まで)。

 画像生成の操作は非常にシンプルだ。ChatGPTのチャット画面を開き、テキスト入力欄に画像生成のためのプロンプトを打ち込むだけ。プロンプトとは、AIに対してどのような画像を作ってほしいかを伝える指示文のことだ。今回は以下のプロンプトを用意した。

「画像 猫がリビングにあったパソコンに気が付き、キーを操作するが、画面に凶暴な犬が吠える動画が映り、驚いてパソコンを窓から投げ捨てる、という4コマ漫画を作って。日本の漫画調で、パステルカラーの色調で。」

 入力が済んだら送信ボタンを押せば、十数秒で画像が生成されチャット画面に表示される。生成された画像はダウンロード可能だが、なぜかwebpフォーマットで保存されるため、JPEGなどで使うためにはグラフィックツールなどでフォーマットの変換が必要となる。

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プロンプトを実行すると4コマ漫画が作成された。

 実際に生成された4コマ漫画を見てみると、プロンプトの内容が忠実に再現されているわけではないことに気づく。各コマの表現する内容が曖昧で、どういう順番で考えても、プロンプトで指定したような内容には見えない。スタイルは指定通りカラフルなカラーで作成されているが、日本の漫画調か?というとやや疑問だ。また猫の表情などはやや定型的な印象で、人間が手描きで表現するような繊細なニュアンスに欠ける。

有料版(新バージョン)で試す

 続いて、有料モデルで同じプロンプトを実行してみた。こちらは、Imageの作成にかなり時間がかかる。アクセス集中でサーバーが過負荷なのか、画像生成されるのに1分以上も待たされた。ただし得られた画像は明らかにクオリティが違うのがわかる。4コマの流れがプロンプトに合わせて自然に作られており、また日本の漫画調というのもうなづけるスタイルになっている。ただ、パソコンに気づいて「ん?」というのはうまい表現だが、パソコンを外に放り投げるのに「ビクッ」というのはちょっと変だ。