フジテレビでのCM放送を継続している企業の判断基準…ニトリ「状況を注視」

フジテレビでのCM放送を継続している企業の判断基準…ニトリ「状況を注視」の画像1
フジテレビ(「Wikipedia」より/Kakidai)

 幹部社員が女子アナウンサーを接待や懇親会の席などに同席させていた疑いが浮上しているフジテレビジョン。CM放送の中止を決めた企業が増えて70社以上にのぼり、代わりにACジャパンの映像が頻繁に流れる事態となっているが、ニトリホールディングス(HD)のように大企業のなかにも放送を継続しているところもある。どのような理由で継続しているのかを聞いた。

 フジテレビの番組にレギュラー出演する中居正広さんと女性との間でトラブルが起きた会合に、同局の幹部社員が関与していた疑いが持たれている問題。社内にも混乱が広がるなか、同局は23日に社員向け説明会を実施するが、その影響は同業他社にもおよんでいる。すでにフジテレビは調査委員会を設置するとしていたが、日本テレビ、TBS、テレビ東京も調査を行うと発表。テレビ朝日は22日、すでに制作現場やアナウンス部を中心に調査を行い、食事会等での不適切な行為の報告はなかったと公表した。

CM放送見合わせの企業は70社以上に

 注目されているのがスポンサー企業の動きだ。フジテレビは問題が報じられた当初、公式サイト上で「当該社員は会の設定を含め一切関与しておりません」と否定コメントを発表していたが、同局の港浩一社長をはじめ幹部社員が日常的に外部の関係者との接待の席にアナウンサーを同席させ、不適切な行為が行われていたとも報じられ、親会社フジ・メディア・ホールディングス(HD)の大株主である米投資ファンド、ダルトン・インベストメンツなどから第三者委員会の設置による正式な調査などを要求される事態に発展。これを受け、同局の港社長ら経営陣は17日、記者会見を実施。だが、出席するメディアを記者クラブに加盟する社に限定し、会見の模様の映像の撮影を禁止した点や、立ち上げる調査委員会を日弁連の定義に基づく第三者委員会の形態にはしないと説明した点、外部関係者との懇親会での女性社員への不適切な行為の存在を明確に否定しなかった点などに批判が集中した。

 その結果、会見翌日にはトヨタ自動車や日本生命保険など大手企業がフジテレビ番組でのCM放送の見合わせを発表し、他社も追随するかたちで相次いで同様の対応を行い、その数は現時点ではNTT東日本、サントリー、資生堂、セブン&アイ・ホールディングス、楽天グループ、日本マクドナルドなど70社以上に上る。このほか、キッコーマン1社提供により50年以上続くフジテレビの長寿番組『くいしん坊!万才』が、キッコーマンからの要請を受けるかたちで放送休止に。塩野義製薬1社提供の『SHIONOGI MUSIC FAIR』について、同社がフジテレビに対して番組内での社名削除を要請していることも明らかになっている。

経営判断は基本的には尊重されるべき

 CM放送の見合わせを決めた企業に、その理由を聞いた。

・日本郵政
「日本郵政グループでは、フジテレビをめぐる一連の報道内容等を総合的に勘案し、1月20日以降、同局で放映するCMを差し止める対応を行っております」

・ソフトバンク
「フジテレビへのCMを、1月21日から順次差し止めた。フジテレビに関する一連の報道などを踏まえ総合的に判断した。期間は状況を注視しながら判断する」

・ハウス食品グループ本社
「1月21日の放送から、当面の間、CM出稿を見合わせる対応を行っております」

 一方、CM放送を継続している企業もある。その1社であるニトリHDは次のように説明する。

「報道内容は把握しており、状況についても注視しております。CM放送の状況につきましては、現段階では、検討状況含めてお答えを差し控えさせて頂きます」