「SlackやTeamsでDM使用率が高いのは組織崩壊の前兆」に説得力がある理由

実は頻繁なDM使用が組織崩壊を招くわけではない

 頻繁に飛び交うDMに嫌気が差し、「Slackの管理者権限でDMを停止してほしい」という要望が挙がってくるケースもあるという。

「DMを停止するという対策に、さほど意味はないと思います。DMが停止されたならば、次は電話でやり取りするといったことになるでしょうし、Slackには音声チャット機能もあるので、けっきょくストレスが増えたままになるだけでしょう。誤解がないよう申し上げますが、SlackやTeamsなどのビジネスチャットは、正しく使いこなすことができれば、業務の効率化を図ることができる素晴らしいツールです。しかし、利用者側が十分なリテラシーを持たずに使ってしまうと、一気にストレスが溜まるツールへと化してしまいます。

 Slackなどが悪いわけでもDMの高頻度が悪いわけでもなく、もともと組織自体が抱える人材の問題や人間関係の問題を根本的に解決しないといけないわけです。ですから少しでも快適に使いたいのであれば、風通しの悪い企業風土を改善したり、常識のない社員の行動をいさめたりするしか、過剰にDMが行き交うストレスを軽減する術はないでしょう」(同)

 問題の根治を目指すのであれば、会社は社内環境の改善に努め、社員一人ひとりがオープンな空間で話し合える場を設けることが肝要になるだろう。

(取材・文=A4studio、協力=戸田覚氏/株式会社アバンギャルド代表取締役)