最近、仕事で何かを「やりたくない」と思ったことはありましたか?
仕事で何かを「やりたくない」と思ったときは、その気持ちを受け止めるか、否定するかの岐路に立っています。受け止める場合「あ、私はこれをやりたくないんだな」と気づき、それにしたがって行動できていれば問題ありません。
ところが、この気持ちを否定する習慣がついている人が少なくありません。やりたくない気持ちを否定する理由の代表格は「仕事を引き受けないと、自分の評価が下がる(自分の価値がなくなる)」というものです。自分の価値がなくなるのは嫌なので、無理してもその行動を続ける、ということが起こります。
これを続けていると、やがて「自分らしく働けていない」感覚を持つようになり、仕事にやりがいや自分らしさを見つけづらくなっていきます。
このように自身の気持ちを否定して、やりたくない仕事を無理に続けるよりも、「自分の望みを知る」ほうが、自己肯定感を上げることにつながります。それは「他人軸」ではなく「自分軸」の思考になるからです。
自信をつけるために、努力を一生懸命して成功体験を得ようとする人もいます。もちろん、努力から得られる成功体験は、自信を育てる大切な要素です(これは「自己効力感」や「自己有用感」といわれます)。しかし、努力から得られる成功体験(外側の評価)に依存すると、目標を達成できなかったり、何かが手に入らなかったりするとき、自己評価が一気に下がります。
自己肯定感は、瞬間的に湧き上がった自分の気持ち(望み)を感じる力を高めること、そしてその感じ取った気持ちを大切に扱うことから育まれます。自己肯定感が高いと、最初に湧き上がった自分の気持ちを否定せず、それにしたがって行動することができます。新しいこと・ハードルの高いことにも「やってみよう」と挑戦できますし、仮に失敗したとしても再チャレンジも可能です。
自分自身が満足できるキャリアや人間関係を築くためには、成功体験がベースの自己効力感や自己有用感だけでなく、自分の望みをありのまま認める自己肯定感にも目を向けることが有効です。
自己肯定感が下がっているときは、つい他人に目が向きがちです。誰かにイライラしてしまうとき、その裏には嫉妬の感情があるものです。とはいえ、うらやましいと感じていても、必ずしも自分が本当になりたい状態ではない場合があります。嫉妬の対象には、実は「自分が本当にほしいもの」と「あまりこだわりのないもの」が混じっているのです。
誰かにイラッとしたときは、「自分は相手のどの部分がうらやましいのか」「何のためにそうなりたいのか」を深掘りすることが大切です。嫉妬しているときは、往々にして表面的なメリットしか見ていない場合が多くあります。メリットとデメリットの双方をよく考えて、うらやむ相手の状態は、自分が本当にほしいものかどうか見極めましょう。